こころの声に耳をすませて

あの結婚生活は何だったのだろう?不可解な夫の言動はモラル・ハラスメントだった…と知ったウメの回想エッセー。

別居の次

2006-05-21 22:21:52 | 離婚に向けて
 5月というのに、まるで梅雨のようなジトジトしたお天気が続いている。晴れたと思ったら雨、肌寒いと思ったら、蒸し暑いという不快感。新緑だけは雨に濡れて輝き、匂い立つばかりだが、私の気分はどうも沈んでいる。今の季節は、カラッと爽やかに晴れ上がって欲しい。冬物の洋服も順に洗おうと部屋の隅に積み上げてあるのに、やる気がおきない。
 加えて、最近仕事が忙しく精神的に追い込まれている感じだ。昨日は研修、今日は職場で資料作りだった。憂鬱…。こんなとき、厭世的なことばかり考えてしまう。「働き続けるのはしんどい…いつまでこの身がもつか不安」「早く定年退職してのんびり暮らしたい」「いつ死んでもいい」「違う仕事の方があってるかも」「夢のように人生が終わってほしい」などなど…(お聞き苦しいグチでした)。
 でも現実はそううだうだ言っていても仕方がないので、結局は目覚ましを2つセットし、朝必死で布団からはい出し、何とか仕事にでかける。こうやって仕事があるだけでも幸せなことなのだろうと思ってはいる。実際仕事がなかったら、それこそ憂鬱になってしまうのだろう。食べていける幸せに感謝しなければ…ね。きっとこんな気分になるのも、このお天気のせいに違いないっ!ということにしておこう。

 先日、憂鬱気分を紛らわそうと仕事帰りに友人と飲みにいった。仕事のグチや噂話、そして私の話になった。友人は「だんなさんから連絡ないの?」と聞いてきた。私は「うん、全然ないよ。ぜ~んぜん。」と答えた。「まったく?」「うん、まったく」「そうなんだ~」と目を丸くする友人。そして「じゃあこれからもう一緒に住む可能性はないの?」と言うので「まったくないよ。可能性ゼロだね~」と答えると「じゃあ、早く離婚したら?このまま生活していて何かあったら大変だよ~。」と言われた。「もしだんなさんが事故で大けがして入院したらウメに連絡が行くよ~」「え~、連絡来たってわたしゃ知らんよ」「でもさ~、今のままだったら結局ウメが手続きしなくちゃいけないんじゃないの?それでもし、だんなさんが死んだらどうするの?ウメがお葬式だすことになるんじゃないの~?」「う~ん、それは嫌だよね~。もしだんなが死んだら火葬だけして骨は散骨して自然に帰ってもらおうかな~。墓はなし!」「え~っ!?ほんとにそれで済むと思ってるの~?」「済まないかな~。逆に私が死んだらだんなが葬式することになるのかな~。それって絶対嫌だわ~!」「でしょ~?何もないうちに早く離婚してすっきりしちゃったほうがいいよ~」「そうだよね~」「だって例えばボケたり病気なんかになって、だんなさんが寝たきりになってから離婚するっていうのも後味悪くなるんじゃないの?」「いや~、ならないけどね~…はは」「ウメはまだ先があるんだからさ、早くケリつけたほうがいいよ。いい出会いが待ってるかもしれないし~」「え~、男と住むのはもういいわ~。しかも自分が選ぶ男って、危険なタイプになっちゃうのかもしれないし」「これで十分学習したから大丈夫だよ。次にいい出会いがあったらまず私に見せて!私が危険な男かどうかちゃんと見極めてあげるから」「う~ん、いまいち自信がないけどねえ…」

 この友人の両親は非常に仲が悪く、いつも母親から「あなた達(子ども)さえいなければとっくに離婚していたわ」と言われていたそうだ。友人は子ども心に結婚はろくなものじゃないと思い続けてきた。だから何人かの男性とつきあいながらなかなか結婚までいかなかったし、その男性は私も好む?危険なタイプだったそうだ。しかし40才も近くなった最近、いい人と巡り逢い結婚した。友人は、この年になって自分の傾向もいろいろわかったからこそ、今の夫と出会えたのだ、と言う。
 う~ん、私は早まったのかなあ。。。。

 私が夫と別居してしばらくは、別居のために消費した多大なるエネルギーを取り戻すまでが大変だったし、とにかく自分自身を立て直すことに時間を費やした。まずは夫からなにか嫌がらせがあるのではという恐怖がしばらくあった。そして自分なりに努力した結婚生活が無残なものになったことを認めるのは非常に辛かった。また、結婚生活を築けなかったことで、ダメな妻=ダメな女と世間から見られるのではないかという劣等感にも苛まれた。しかし別居して2年近くが経ち、徐々にそれらの思いから抜け出しつつある。とにかく、夫とどこかでつながっていたら、何かあったとき、ろくな事にはならないだろう。しかももう私にとって結婚生活は遠いものとなりつつある。離婚について、もうそろそろ動き出してもいいのかなぁ…とも思う。
 しかし…そこで夫に連絡をとることに躊躇してしまう。あの声、あの冷たい目、できれば私はもう夫と話したくもないし顔も見たくない。どうしても恐怖の感覚が先に立ってしまうからだ。あの罵声を再び浴びたら、頭の中が真っ白になってしまうかもしれない。そう思うと、何事もなく夫から特に連絡もなく平和に過ぎている今のまま過ごしたくなってしまうのだ。

 夫に何を言われても、もう揺るがずにキッと前を見つめて行けるよう、トレーニングしなければいけない。あいつは不安で空虚な存在なんだ。あいつが何を言ったって、もう私の人生がどうなることはない。あいつが何と言おうと聞き流して、淡々と進めていけばいいのだ。私は大丈夫、私はきっと大丈夫…。こんなふうにもっと強く思いたい。

 対決はいつの日か?…やっぱりまだちょっとコワイ、かな~