雨過天晴

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A Place Where We Once Lived

2021-02-20 | 音楽
今日はヴィブラフォニスト ダン・マッカーシーのメジャー・デビュー第2弾『A Place Where We Once Lived』がリリースされたのでご紹介。


 
  1. Sonder
  2. Trail Marker
  3. A Short Story About Birds
  4. Cloud Hopping
  5. A Place Where We Once Lived
  6. A Short Story About Distance
  7. Desert Roads
  8. I'm Your Pal
  9. Sombre Sleep
  10. A Short Story About Quiet
  11. Go Beserk
  12. Goodnight Sweet Cat
Dan McCarthy (vib)
Thomas Morgan (b)
Rudy Royston (ds)

第2弾、と言っても実は第1弾もそうですが、そもそもダン・マッカーシーを知りませんでした。
マッカーシーはトロントを拠点に活動するカナダのヴィブラフォニストで、ハンバーカレッジの名門ジャズプログラムを首席で卒業した逸材なんだそうです。
カナダではすでに知られたアーティストのようで、2004年にはNYへ進出しています。
2019年3月には、初のメジャーレーベルリリースとなる『Epoch』をリリースして、そこではスティーヴ・スワロウやベン・モンダー、マーク・フェルドマンと共演しています。

 
今回の『A Place Where We Once Lived』を知ったのも、ベースのトーマス・モーガンのWebサイトを見て知った次第です。
なので本作モーガン買いです。

モーガンについては、今まで何度も来日ライブに顔を出していて、直接話もしたことがあります。
背はワタシよりも小さくて、すごくシャイな奴です。
SNSを一切やっておらず、毎度毎度Webサイトを見に行かないとどんなアルバムに参加しているのかわかりません。
ワタシの中では現在のジャズシーンにおいて最も好きなベーシストです。

そしてモーガンとともにサポートに入っているのがルディ・ロイストン。
ビル・フリーゼルの『Valentine』でも2人は共演しており、ツアーも長くやっていたりしています。
2人の相性はすでに『Valentine』で立証済み。

 
では肝心のリーダーはどうなんだろう?

1曲目はガッチリとパワフルなモーガンのソロから始まります。
この時点でこの作品には高評価を与えることが決定しました。
そこからマッカーシーになるのですが、ヴィブラフォンの楽器の特徴でもある広がり・奥行きのある音がかなり強調されていて、でもややもすると硬質な音になりがちなヴィブラフォンを温かく奏でる、オリジナリティーのある音です。
最近ヴィブラフォニストだとジョエル・ロスの名を挙がりますが、これはマッカーシーもイケていますよ。

全曲通してモーガンはかなり前面に出ている印象です。
もちろん出しゃばる、という意味ではなく高音のヴィブラフォンの対称形でベースの音が必要なのでしょう。
ロイストンの繊細な質感と魅力的なリズム取りには喝采を与えたくなります。



非常にトリオのバランスが取れていていい演奏です。
若干後半尻窄みな点はありますが、特に前半は素晴らしい。
Epoch』も聴いてみたいと思います。

なお販売はデジタル配信のみで、CDやLPなどのメディアは現時点で売られておりません。
何でかな?
流行りかな?