29日、日本共産党都議団は小池百合子知事に対して「『関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典』への知事の『追悼の辞』送付中止の撤回を求める要請」を行いました。
昨年、小池知事が送った「追悼の辞」を読みましたが、ここでは明確に天災と人災を分け「この極度の混乱のなか、多くの在日朝鮮人の方々が、言われのない被害を受け、犠牲となられたという事件は、わが国の歴史の中でも稀に見る、誠に痛ましい出来事でした」としています。続けて「犠牲者となられた方々のご無念、そして、最愛の肉親を失ったご遺族の深い悲しみに思いを致しますと、哀惜の念がこみ上げてまいります」と続いています。
こうした認識に立つことが求められていると強く感じました。
要請内容は、次の通りです。
小池都知事は、1973年以来歴代都知事が行ってきた「9・1関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典」への「追悼の辞」の送付を、今年はとりやめることを決めました。記者会見でその理由を問われ「3月と9月に行われる関東大震災遭難者及び都内戦災遭難者慰霊大法要で、関東大震災で犠牲となったすべての方々に追悼の意を表しているので、今回特別な形での追悼文の提出は控えた」との旨を説明しました。
市民団体が主催するこの式典は、関東大震災時に「朝鮮人が暴動を起こした」などのデマが広がるなかで虐殺された多数の朝鮮人犠牲者を追悼するものです。自然災害による犠牲者と虐殺による犠牲者では、死の性格がまったく異なり、震災で亡くなったと一括りにできるものではありません。
だからこそ、小池知事名の昨年の「追悼の辞」でも、「多くの在日朝鮮人の方々が、言われのない被害を受け、犠牲になられたという事件は、わが国の歴史の中でも稀に見る、誠に痛ましい出来事でした」「私たちは、このような不幸な出来事を二度と繰り返すことなく、誰もが安全な社会を営めるよう、世代を超えて語り継いでいかねばなりません」と述べています。歴代知事も同様の立場から追悼文を送付してきたのではないでしょうか。
知事の〝特別扱いをしない〟という表明は、民族差別を背景とした朝鮮人の虐殺・加害の歴史を風化・忘却させることにつながります。式典主催者や識者などから「排外主義の潮流に身を置くことを示すように思われる」「全犠牲者の追悼に、虐殺された方の追悼を取り込むことは、加害の歴史を見えづらくする。排外的な風潮を招きかねない」などの批判や懸念の声が寄せられていることに、耳を傾けるべきです。2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催都市としても、五輪精神にふさわしく人権尊重・平和・友好を世界に発信することこそ求められます。
日本共産党都議団は小池知事に対し、当該式典への「追悼の辞」の送付中止の決定を撤回し、速やかに送付することを強く求めるものです。
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