選択的夫婦別姓(法務省は「選択的夫婦別氏制度」という)について、サイボウズの青野慶久社長らが裁判を起こし国を訴えたことで新たな注目が集まっています。(2017年11月9日「毎日」「夫婦別姓訴訟 「生き方選ばせてほしい」サイボウズ社長」)
私は、選択的夫婦別姓を一日も早く実現してほしいと思っています。
というのも、私たち夫婦は夫婦別姓で過ごしているからです。
日常生活の中で特段の不便があることはありません。しかし、様々な手続きの際に不便だと感じることがあります。
私の知人や友人、子どもの保育園でたまたま一緒になったご夫婦の中にも夫婦別姓を選択して「事実婚」の方々がたくさんいます。
なぜ「選択」できないのか。あくまでも求めているのは「選択的」なのです。同姓を選びたい人は、その選択が尊重されるべきで、それでいいのです。
日本の伝統だからという主張がありますが、夫婦同姓が決められたのは明治時代です。
法務省は次のように公式見解を出しています。
Q5 夫婦が必ず同じ氏を名乗ることになったのは,いつからですか。
A 夫婦が同じ氏を名乗るという慣行が定着したのは,明治時代からだといわれています。明治31年に施行された戦前の民法では,戸主と家族は家の氏を名乗ることとされた結果,夫婦は同じ氏を称するという制度が採用されました。明治時代より前は,そもそも庶民には氏を名乗ることは許されていませんでした。第二次世界大戦後の昭和22年に施行された民法では,「夫婦は,婚姻の際に定めるところに従い,夫又は妻の氏を称する。」とされました。これが,現在の制度です。
(法務省「夫婦が必ず同じ氏を名乗ることになったのは,いつからですか」)
さらに「我が国における氏の制度の変遷」では、詳しく紹介されています。
江戸時代には、氏そのものがなかったのですから、日本の伝統と氏は無関係であることが一目瞭然です。
2015年に最高裁が「夫婦同姓規定には合理性があり合憲」という初の判決を出した際、一つの理由とされたのが「夫婦同氏制は,婚姻前の氏を通称として使用することまで許さないというものではなく,近時,婚姻前の氏を通称として使用することが社会的に広まっているところ,上記の不利益は,このような氏の通称使用が広まることにより一定程度は緩和され得るものである」というものでした。(過去のブログ:「通称使用も、事実婚も「夫婦同氏姓」を前提としているシステムでは不利益がある──早期に民法改正を」)
今回の裁判では、新しい論点が提起されています。
その一つが、逆説的ですが離婚した時です。離婚した場合に民法上は結婚前の氏に戻りますが、届出を行えば結婚していた時の氏を「称することができる」という規定があります。
また、日本人と外国人が結婚した場合、戸籍法上の届出をすれば外国の氏を称することができ離婚時には戻すことができるのです。
この論点は、なるほどと思いました。(詳しくは参考①:「サイボウズ社長が提訴へ「夫婦別姓」は今度こそ実現する? 弁護士に聞いてみた」)
この裁判は、来年1月から開始されるとのことですが、注目していきたいと思います。
以下の参考に紹介したのは青野慶久氏のブログ。特に反論への反論シリーズは必見です。
参考②:青野慶久氏のブログ「選択的夫婦別姓訴訟で実現したいことへのご理解とご支援のお願い」
参考③:青野慶久氏のブログ「選択的夫婦別姓への反論に反論します」
参考④:青野慶久氏のブログ「選択的夫婦別姓への反論へ(その2)」
参考⑤:青野慶久氏のブログ「選択的夫婦別姓への反論へ(その3)」
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