スポーツと子どもの権利の関係について、どういう方向に進むことが必要なのか。
その指針の一つが、ユニセフが発表した「子どもの権利とスポーツの原則」(以下、「原則」)です。
この「原則」のパンフレットのまえがきには、
すべての子どもたちは、安心して楽しめる環境でスポーツをする権利を持っています。最も基本的なものとして、遊ぶこと(play)は子どもの権利として、「子どもの権利条約(児童の権利の関する条約)の第31条に掲げられています。
「子どもの権利とスポーツの原則」は、ユニセフとして初めて、私たち一人ひとりが関心をもつこの古くて新しい問題を取り上げる文書です。
という一節が出てきます。
子どもの権利条約第31条には、「締約国は、休息及び余暇についての児童の権利並びに児童がその年齢に適した遊び及びレクリエーションの活動を行い並びに文化的な生活及び芸術に自由に参加する権利を認める」とあります。
9日付「赤旗」では、アマチュア野球14団体が賛同して会見を行ったことが報道されています。(参考:ユニセフ「子どもの権利とスポーツの原則」 アマ野球14団体が賛同 選手の酷使・暴力なくそう)
夏の高校野球では、岩手県の大船渡高校の佐々木投手を県大会決勝で登板回避をしたことが話題になりました。
私は、大船渡高校の国保監督の采配を支持します。
このことに関連して、カブスのダルビッシュ有投手が「何で投げさせないんや、とか言ってる人たちは子どものことを全く考えていないと思う。これほど全国から注目されている中で佐々木君の未来を守ったのは勇気ある行動」と発言。
他のメンバー、家族も仲のいいチームメイトが壊れてでも投げてほしくないでしょ。 https://t.co/K4nNY8M5WI
— ダルビッシュ有(Yu Darvish) (@faridyu) July 30, 2019
私自身もスポーツ少年でした。当時は今考えると「これはないでしょ」という指導が行われていたことも事実です。
「原則」では、4項目の「子どもの健康を守る」の中で、「スポーツ医・科学の見地から、過度なトレーニング、体の(一部の)使い過ぎ(オーバーユース)、バーンアウト等により子どもの心身の健康に負の影響を与えないよう配慮し、子どもをそのような状況に追い込むことは、虐待にもつながり得ることを認識する」ということが確認されています。
オーバーユースについては、モニタリングを行うことや相談・通報窓口を確保することなども記されています。
また、「リスクを確認・評価し、リスクの高さに応じた対応を行う」ことも重視され、「各団体の性格・活動内容に応じ、子どもの権利にどのような悪影響を与える問題が生じる可能性があるのかを把握し、そのリスクの高さに応じた措置を講ずる」としています。
「原則」が、各競技団体で議論され、重要な指針として現場レベルで実践されていくように都政からも力を尽くしていきたいと思います。
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