バイク試乗/レンタルおよびツーリング日記

お勧めのツーリングコースや試乗、レンタルしたバイクについてレポートします。

XSR700 その1

2018-03-03 23:22:36 | バイク試乗、レンタル ヤマハ
ハリケーン フロントバイザー XSR700 2018年 HA6110
ハリケーン
ハリケーン
 
AKRAPOVIC(アクラポヴィッチ) マフラー レーシングライン (カーボン) MT-07(14-16)、XSR700(16) S-Y7R2-AFC
AKRAPOVIC(アクラポヴィッチ)
AKRAPOVIC(アクラポヴィッチ)


18年3月3日にレンタルバイク豊田にてXSR700を

レンタルし、200キロ程度ツーリングしたのでインプレしたい。


  

当日のツーリングコース


XSR700は私の愛車であるMT-07の兄弟車であるので、

MT-07との違いを中心にインプレしたい。

今回のツーリングの事前にXSR700について調べてみると、

走りについてはMT-07とほぼ同一という意見が多かったが、

この意見に私も同感で、走行性能についてのインプレは、

MT-07のものをそのまま使用しても問題がないといえる。

同じ兄弟車の関係である、MT-09XSR900については、

走りの面でもかなり違いがあったが、

これはMT-09がモタード風のポジションであったのに対し、

XSR900は普通のスポーツネイキッドのポジションで

あったことによる面が大きいが、

MT-07はもともと普通のネイキッドのポジションであったため、

XSR700はポジションの面で差別化することはできず、

両者の差はほぼデザイン面に集中している。


性能

認定型式/原動機打刻型式 2BL-RM22J/M410E
全長/全幅/全高 2,075mm/820mm/1,130mm
シート高 835mm
軸間距離 1,405mm
最低地上高 140mm
車両重量 186kg
燃料消費率 国土交通省届出値
60km/h定地燃費値 38.4km/L(60km/h) 2名乗車時
WMTCモード値 23.9km/L(クラス3, サブクラス3-2) 1名乗車時
原動機種類 水冷・4ストローク・DOHC・4バルブ
気筒数配列 直列, 2気筒
総排気量 688cm3
内径×行程 80.0mm×68.5mm
圧縮比 11.5:1
最高出力 54kW(73PS)/9,000r/min
最大トルク 68N・m(6.9kgf・m)/6,500r/min
始動方式 セルフ式
潤滑方式 ウェットサンプ
エンジンオイル容量 3.00L
燃料タンク容量 13L(無鉛レギュラーガソリン指定)
吸気・燃料装置/燃料供給方式 フューエルインジェクション
点火方式 TCI(トランジスタ式)
バッテリー容量/型式 12V, 8.6Ah(10HR)/YTZ10S
1次減速比/2次減速比 1.925/2.687
クラッチ形式 湿式, 多板
変速装置/変速方式 常時噛合式6速/リターン式
変速比 1速:2.846 2速:2.125 3速:1.631 4速:1.300 5速:1.090 6速:0.964
フレーム形式 ダイヤモンド
キャスター/トレール 25°00′/90mm
タイヤサイズ(前/後) 120/70R17M/C (58V)(チューブレス)/ 180/55R17M/C (73V)(チューブレス)
制動装置形式(前/後) 油圧式ダブルディスクブレーキ/油圧式シングルディスクブレーキ
懸架方式(前/後) テレスコピック/スイングアーム(リンク式)
ヘッドランプバルブ種類/ヘッドランプ ハロゲンバルブ/12V, 60/55W×1
乗車定員 2名

          MT-07   XSR700     
最高出力      73PS   左同    
最大トルク     68N     左同   
重量(装備)    182KG   186KG    
シート高      805mm   835mm 
タンク容量     13L     左同
新車価格(ABS有)  76万    90万    


XSR700とMT-07の性能を比較すると上のようになるが、

エンジンは全く同じものを使用しているので、そこに差がないのは当然だが、

車重については、タンクを中心にMT-07はプラスチックを多く使用しているのに対し、

XSR700はアルミを使用しているためXSR700が多少重くなっている。


シート高についても、MT-07はドライバーシートとパッセンジャーシートが独立していて

ドライバーシートがやや低めに配置されているが、XSR700は両方のシートがほぼフラットに

配置されている。


最も大きな差が出るのは価格でABS有同士で比較しても、XSR700が14万も高い、

MT-07は(特にABS無しの場合は)大型バイクの中では驚異の低価格といってもよいが、

XSR700は標準的な価格といえる。

この金額差の多くは、タンクを中心としたアルミパーツによって生じていると推測される。

(聞くところによると、タンクのアルミパネル片面だけでも7万円程度パーツ代がかかるらしい)

エンジンフィーリング・高速性能

 73という馬力は今となっては大パワーとは言えないが、どんな局面でも不足はなく、
さらに比較的低回転で最高馬力が発揮される設定となっているためトルクは太く、
峠や街乗りにおいては自分が思った通りの馬力を発揮できる、
コントローラブルなエンジンフィーリングである。

 高速性能は140キロ程度の巡航は余裕でこなすが、2気筒なだけあって振動も大きくなり、
ウインドウプロテクションは無に等しいので快適性や官能性では、直4のツアラー系と
比較して大きく劣る。

 総合的には雑誌等での評判通り、初心者には扱いやすく、
ベテランの要求にも答えることができる、クセのない、
完成度が高いエンジンと言える。

  
 

ハンドリング・乗り心地

 1400mmという驚異的に短い軸間距離、軽量な車重の相乗効果により、
ハンドリングは軽快そのもので、車重が軽いことによりブレーキングの恐怖心も低下し、
タイトコーナーが続くような峠でも、楽しくコーナリングを楽しむことができる。
個人的にはこの部分がXSR700最大の長所と言える。
  
  

 乗車ポジションは、一部のストリートファイターやスポーツツアラーのように
前傾がきつい事もなく、モタード風に直立に近いものでもない、
ごくごくスタンダードな乗車ポジションで、多くのライダーは違和感なく
適応できるものとなっている。
 

 シートに関しては、MT-07から改善されているかと期待していたが、
相変わらずシートのクッションが薄く、1時間半も乗車すれば尻が痛くなるため、
ゲルザブを装着し対応したいところだが、そうするとデザイン的に
不格好となってしまうのが難点である。



 
取り回し

 MT-07には劣るものの大型バイクの常識を破る、超軽量、コンパクトな車体だけあって、
取り回しの容易さは大型バイク中トップクラスであることは間違いない。

 

燃費

 
エンジンが同じMT-07についてだが、
ツーリングではコンスタントにリッター25キロを達成し
北海道ツーリングの様な好条件では28キロに届く高燃費を達成することもある。
さらにレギュラーガソリン仕様なので
大型バイクではNCシリーズに次ぐ経済性を誇る。

メーター、デザイン

メーターについては、XSR900やボルトと同じく丸形のデジタルメーターで
この車両のデザインにマッチしており、外気温やギアインジケーターも装備されていて
機能的には問題ないが、表示するスペースが小さいので、時計すら常時表示でなく
切り替えで表示させなければならばいなど、実用性ではMT-07に劣る。


デザインについてはすでに述べたように、特にタンク周りがプラスチック製だった
MT-07からアルミパネルに変更されていて、質感は大きく向上している。
 
しかしながら、それは本体価格の上昇および転倒時の修理コストの大幅な上昇を
伴っている。

   

XSR700かMT-07か

MT-07とXSR700を比較するとシート高など多少の差があるとはいえ、
走りの面では同じバイクといっても間違いはない。

結局のところこの両者の差はデザインとなるのだが、
好みの差はあっても全体的な質感はXSR700のほうが高く
ライダーの所有感を満たすものとなっている。

その代償としてXSR700はMT-07に対し実用性で劣る点が発生している。

コスト・・・ 定価が14万も高く、外装に傷がついた場合の修理コストも高い。

収納性・・・ MT-07はパッセンジャーシートの下に車検証やETCを搭載する程度の
       スペースがあったが、XSR700はそのスペースすら存在しない

メーター・・・ 表示面積が少ないため、情報量が少ない

ハンドリングや動力性能ではMT-07と同じく、ベテランから大型初心者まで誰でも楽しめる

バイクとなっているので、XSR700のデザインが気に入ったなら、上のような問題点を許容できるか

考えてから購入するのがよいだろう。


ハリケーン(HURRICANE) クランプバー XSR700 HU1027B
ハリケーン
ハリケーン
 
Puig: YAMAHA XSR700/XSR900 ウインドシールド VISION カーボンルック | スクリーンカラー: ブラック
Puig (プーチ)
Puig (プーチ)
 
3 x YAMAHA XSR700 / XSR900 ダッシュボード / 計器クラスタ スクリーンプロテクター - アンチグレア
Speedo-Angels
Speedo-Angels




















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2017年式 TMAX530 DX

2017-06-18 23:56:22 | バイク試乗、レンタル ヤマハ
17年6月17日に、2017年式TMAX530DXをレンタルバイク豊田にてレンタルし
270キロ程度ツーリングしたのでインプレしたい。
   

AKRAPOVIC(アクラポヴィッチ) マフラー レーシングライン(チタン) T-MAX530 DX(17-18)、T-MAX530 SX(17-18) S-Y5R3-HZEMT/1
AKRAPOVIC(アクラポヴィッチ)
AKRAPOVIC(アクラポヴィッチ)
 
R&G(アールアンドジー) フェンダーレスキット ブラック T-MAX530(17-) RG-LP0233BK
R&G(アールアンドジー)
R&G(アールアンドジー)


当日のツーリングコース



性能

認定型式/原動機打刻型式 2BL-SJ15J/J417E
全長/全幅/全高 2,200mm/765mm/1,420mm
シート高 800mm
軸間距離 1,575mm
最低地上高 125mm
車両重量 215kg 〈218kg〉
燃料消費率*1 国土交通省届出値定地燃費値 *2 28.6km/L(60km/h) 2名乗車時
WMTCモード値 *3 20.6km/L(クラス3, サブクラス3-2) 1名乗車時
舗装平坦路燃費 *4 -
原動機種類 水冷・4ストローク・DOHC・4バルブ
気筒数配列 直列, 2気筒
総排気量 530cm3
内径×行程 68.0mm×73.0mm
圧縮比 10.9:1
最高出力 34kW(46PS)/6,750r/min
最大トルク 53N・m(5.4kgf・m)/5,250r/min
始動方式 セルフ式
潤滑方式 ドライサンプ
エンジンオイル容量 3.50L
燃料タンク容量 15L(無鉛プレミアムガソリン指定)
吸気・燃料装置/燃料供給方式 フューエルインジェクション
点火方式 TCI(トランジスタ式)
バッテリー容量/型式 12V, 11.0Ah(10HR)/YTZ12S
1次減速比/2次減速比 1.000/6.034
クラッチ形式 湿式, 遠心, 多板
変速装置/変速方式 Vベルト式無段変速/オートマチック
変速比 2.041〜0.758:無段変速
フレーム形式 ダイヤモンド
キャスター/トレール 26°00′/98mm
タイヤサイズ(前/後) 120/70R15M/C 56H(チューブレス)/ 160/60R15M/C 67H(チューブレス)
制動装置形式(前/後) 油圧式ダブルディスクブレーキ/油圧式シングルディスクブレーキ
懸架方式(前/後) テレスコピック/スイングアーム
ヘッドランプバルブ種類/ヘッドランプ LED/LED×4
乗車定員 2名

メーカー希望小売価格

TMAX530 DX ABS
1,350,000円 [消費税8%含む] (本体価格 1,250,000円)
TMAX530 SX ABS
1,242,000円 [消費税8%含む] (本体価格 1,150,000円)

今回のTMAXを何代目とするかは議論があるが、外観の変更を伴ったフルモデルチェンジとしては4代目、

マイナーチェンジも含めると6代目となる。

もう3年以上前になってしまったが、3代目TMAXのマイナーチェンジ前の前期型モデルは、通算4日ほどレンタルして

インプレもしているので、3代目と4代目を比較しながらインプレしたい。

3代目、4代目の両者の主なスペックを比較すると以下のようになる。

(なるべく条件を合わせるため4代目はSXのスペックを使用)


            3代目   4代目   

全長(mm)       2200   2200     

軸間距離(mm)     1580   1575     

シート高(mm)     800    800         

車重(KG)        221    215         

パワー(PS/回転)  46.5/6750  46/6750   

トルク(NM/回転)  52.3/5250.  53/5250     

燃料タンク(L)     15    15     

燃費(実測)      22    22       

価格(千円)    105万円   124万円   


エンジンフィーリング・乗りごごち

 とにかくなめらかに加速し、なめらかに減速する、

通常のビックバイクのような、圧倒的な加速性能はないが、

少しスロットルを回せば、スルスルと加速し、いつの間にか

結構な速度が出ている。

 ふわふわとした乗り味で、まるで魔法のじゅうたんに

乗っているような感じだが、それでいてコーナーでは安定していて、

恐怖心を感じさせることはない。




これは3代目のインプレで書いたものだが、4代目の印象も全く変わらない。

3代目前期と4代目を比較するとフレームが新設計されていたり、フロントサスが

倒立になったりと変化はあるのだが、一番重要なエンジンに変化がないので、

乗り比べでもしないと差を見つけるのは難しいのではないだろうか。
   


また4代目ではエンジンモードをスポーツとツーリングに切り替えできるが、

もともと乗りやすいバイクなので、マイルドなツーリングモードは、

あまり必要ないのではと感じる



今回改めて関心したのは、その乗り心地のよさで、

シートの座面が広く、クッションも十分なので、270キロ走っても、

MT-07で100キロ走るのより尻が痛くない程だった。
 


高速性能

 120キロでの巡航は当然として、120キロから140キロまでも楽に加速する。

もし法律が許すなら、140キロでの巡航も十分に可能であろう。

 またウインドウプロテクションも高く、T-MAX以上の性能を持つのは

各メーカーの最上級ツアラーぐらいであろう。

 超高速走行ができない日本の高速道路では、T-MAXは最良に近い選択肢だろう。



これも3代目のインプレだが、大枠ではその印象にも変化はない、

ただこの3年様々な大型バイクに乗ってきたためか、下道ではともかく高速では

もう少しだけパワーがほしいと感じてしまう。


またウインドウプロテクションは絶大で、電動スクリーンを上端まで上げれば、

ヘルメットのバイザーを上げても、ほとんど風が顔に当たらなくなるので、

前面の風からはほぼ完全に守られているといってもよいほどである。





燃費

 今回のツーリングにおける燃費はWMTCモードの計測値を少し上回る22キロ程度で

エンジンが変わっていないので当たり前だが、3代目と全く同じ結果となった。




取り回し・足つき


 車体は多少大柄だが、重量は215キロと標準的な重量なので取り回しではそんなに

苦労しないと思うが、足つきについては、シート高は大したことはことはないが、

ステップボードのために幅が広く、身長が178センチある私でも両足がつま先立ちと

なってしまうので、身長があまりない場合は、かなり注意して乗る必要が生じるだろう。


収納

この部分もほぼ3代目と同一で、リックサックやフルフェイスヘルメット程度なら

十分に収納することができる
  




装備

標準グレードいって良いSXでも3代目の後期型から引き続き、

スマートキーは標準装備で、これがあればキーはポケットに入れたままで

良いのでかなり便利である。



豪華グレードのDXは10万円でこれに、電動フロントスクリーン、クルーズコントロール、

シートヒーター、グリップヒータが装備されている。

ヒーター系はSXにもオプションで装備できるが、電動スクリーンとクルコンはSXには装備できない。

クルコンは使用できる状況が限られるので、あまり必要ないと思うが、

電動スクリーンは走行中でも自由自在にライダーが受ける風量を調整できる、

かなり便利な装備でぜひ装着したいので、

できればSXにも装着できるように設定して欲しかった。
  


メーター・デザイン


メーターについては3代目が安っぽかったので、それよりは改善されているが、

アナログのスピードメーターと回転計は走行中見にくいので、

フルカラー液晶とまでは言わないが、できればアフリカツインのような

反転液晶にして欲しかった。


デザインについては3代目がかなり完成度が高いデザインだったので、それよりは

多少劣る気もするが、4代目もなかなかハンサムでカッコよいデザインだと感じる。


    
  



総評

3代目の前期型と4代目を比較すると、走りの面では、倒立サスが装備され、

軽量化されているので乗り比べすれば、確実に良くなっているとは思うが、

私の記憶にある3年前にツーリングした3代目前期型との比較では、

ほとんど差を感じることはできなかった。

装備面では、メーター、LEDライト、スマートキーなど向上しているので、

総合的に考えると20万円の上昇は妥当なのかもしれない。

とは言うものの125万円ともなると、国産ならほとんどの大型バイクが

射程圏内に入ってくるので、それらと競争するのはかなり厳しい戦いとなるだろう。

このようなマーケティング面はおいても、

TMAX530が素晴らしいバイクであることは変わりない。

しかし、予算面で問題がないなら4代目TMAXを購入することに全く反対しないが、

予算に限りがあるなら、17年6月18日の時点で、

レットバロンにて売れ残りの12年式3代目TMAX530逆輸入車が

70万円で販売されており、乗り出しで4代目のTMAX530SXよりも50万程度安い

85万程度で購入可能だと思うので、私としてはそちらの方がお勧めできる。




Puig 9423F SCREEN V-TECH TOURING [DARK SMOKE] YAMAHA T-MAX530 (17-18) プーチ スクリーン カウル
プーチ(Puig)
プーチ(Puig)
 
オーヴァーレーシング(OVERRACING) マフラー TT-Formula RS チタン 2-1 T-MAX530(17-) 16-374-11
オーヴァーレーシング(OVERRACING)
オーヴァーレーシング(OVERRACING)










 


































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XSR900 その1

2017-04-19 22:44:43 | バイク試乗、レンタル ヤマハ
2017年4月19日にXSR900をレンタルバイク名古屋南でレンタルし、
400キロ程度ツーリングしたので、インプレしたい。

AKRAPOVIC(アクラポヴィッチ) マフラー レーシングライン (カーボン) MT-09(14-16)、XSR900(16) S-Y9R2-AFC
AKRAPOVIC(アクラポヴィッチ)
AKRAPOVIC(アクラポヴィッチ)
 
ワールドウォーク XSR900用フォークマウントスクリーン ショート スモーク ws-26-6ss
ワールドウォーク(World-walk)
ワールドウォーク(World-walk)
 



ツーリングコース


 XSR900のベース車といえるMT-09については3年ほど前にレンタルしており、
ツアラー版のMT-09トレーサーも、何回かレンタルしているので、
MT-09系統のバイクにはかなり乗っていると思うが、
レンタルしてから3年近く経つMT-09についてはあまり覚えていないので、なんとか記憶をたどりながら両者を比較しインプレしたい。

性能

定型式/原動機打刻型式 EBL-RN46J/N703E
全長/全幅/全高 2,075mm/815mm/1,140mm
シート高 830mm
軸間距離 1,440mm
最低地上高 135mm
車両重量 195kg
燃料消費率*1 国土交通省届出値定地燃費値 *2 27.3km/L(60km/h) 2名乗車時
WMTCモード値 *3 19.4km/L(クラス3, サブクラス3-2) 1名乗車時
舗装平坦路燃費 *4 -
原動機種類 水冷・4ストローク・DOHC・4バルブ
気筒数配列 直列, 3気筒
総排気量 845cm3
内径×行程 78.0mm×59.0mm
圧縮比 11.5:1
最高出力 81kW(110PS)/9,000r/min
最大トルク 88N・m(9.0kgf・m)/8,500r/min
始動方式 セルフ式
潤滑方式 ウェットサンプ
エンジンオイル容量 3.40L
燃料タンク容量 14L(無鉛プレミアムガソリン指定)
吸気・燃料装置/燃料供給方式 フューエルインジェクション
点火方式 TCI(トランジスタ式)
バッテリー容量/型式 12V, 8.6Ah(10HR)/YTZ10S
1次減速比/2次減速比 1.680/2.812
クラッチ形式 湿式, 多板
変速装置/変速方式 常時噛合式6速/リターン式
変速比 1速:2.666 2速:2.000 3速:1.619 4速:1.380 5速:1.190 6速:1.037
フレーム形式 ダイヤモンド
キャスター/トレール 25°00′/103mm
タイヤサイズ(前/後) 120/70ZR17M/C (58W)(チューブレス)/180/55ZR17M/C (73W)(チューブレス)
制動装置形式(前/後) 油圧式ダブルディスクブレーキ/油圧式シングルディスクブレーキ
懸架方式(前/後) テレスコピック/スイングアーム(リンク式)
ヘッドランプバルブ種類/ヘッドランプ ハロゲンバルブ/12V, 60/55W×1
乗車定員 2名

価格 104.2万円

  

エンジンフィーリング・高速性能

 エンジンについては3気筒を採用した狙い通り、ツインのトルクと4気筒の滑らかさを
うまく両立させており、しかもコストは4気筒より安いという見事なもので、
現状では国産バイクエンジンのなかでもベストではないかと思うほど高く評価している。

 高速性能についても、110PSというパワーは、たとえ高速道路であっても、
多少でも常識がある限り、これ以上のパワーは必要がないレベルに達している。

 ただしウィンドウプロテクションについては皆無で、スクリーンもデザイン的に似合わないので、
あとは根性でどこまで耐えられるかという状態なので、
高速道路を多用する場合は、素直にトレーサーを購入した方がよいだろう。

  

ハンドリング・乗り心地

 乗り心地について言うとサスはかなり固めで、路面状態がよいワインディングを走っているときは
丁度良いと感じるのだが、少し荒れた路面にくると、あまりにも路面の状態がダイレクトに伝わり、
少し疲れ気味となってしまう。
  
 
 シートはクッションが薄く固めだが、座面は広いので力が一点に集中せず、予想以外に疲労度が少ない
出来の良いシートに仕上がっている。



 ライディングポジションについては、モタード風にアップライトであったMT-09と大きくことなり
普通のネイキッドバイクよりやや低めと感じられる程度の前傾姿勢となる。



 ハンドリングについてもMT-09と比較すれば、軽快から少し重厚よりに味付けを変えているように感じる。
 
 このようにエンジンについてはMT-09と同一だが、ハンドリング、ポジションなどは大きく異なった
ものとなっているので、デザインだけで決めるのでなく、可能ならどちらの乗り味が自分好みか確認してから購入してほしい。


取り回し

 195キロとMT-09より2キロほど重くなったが、リッターに近い大型バイクとしてはNO1に近い取り回しの良さであることは変わりはない、
シート高は830mmとMT-09より10mm高く、身長178センチと日本人にしては大柄な私でもつま先に立ちになるくらいの高さなので、
小柄な人にとっては決して足つきの良いバイクではない。

燃費

 今回のツーリングでは峠・高速満遍なく走り、実燃費は18キロから19キロとWMTCモード値とほぼ等しい結果だった。
高性能なだけあって、ガソリンはハイオク指定であるが400キロ走ってもコスト差は200円程度なのであまり気にする必要もない。



メーター、デザイン

 メーターについては反転液晶で大変見やすくデザインもおしゃれでMT-09のメーターよりはるかに優れていると思う。
ただし表示面積が小さいため、必要な情報を得るためにいちいち切り替えをしなければならないのが、唯一の欠点である。



 車体のデザインについてはネオレトロのデザインということで全体的には無難だが、ただヘッドライトについては
何の変哲もない丸目なので、せめてLEDにするか、ドガティのモンスターシリーズのように、デザインに一工夫するなどして
ほしかったというのが個人的な感想である。






総評
 
 レンタルする前は、MT-09のデザインをレトロチックにしただけのバイクだろうと思っていたが、デザイン以上に乗り味が
異なっていて驚いたというのが一番の印象である。
 個人的に好みをいうとXSR900の乗り味は少し硬すぎると感じるし、デザイン的にもMT-09の方が好み(ただしメーターについてはXSR900の圧勝)
なので、総合的にはMT-09を選ぶが、これは本当に個人の好みの問題なのでどちらを選ぶにしても、購入の意思があるなら、機会を見つけてとにかく
双方に試乗することを強くお勧めしたい。


ハリケーン フロントバイザー CAFÉスタイル アルミ製 ブラック XSR900 HA6109 スクリーン
ハリケーン
ハリケーン
 
YAMAHA(ヤマハ) XSR900 デザインシート 高い機能性と耐久性を備えたウルトラスエード使用 B907 B90B Q5K-YSK-102-G04
ヤマハ(Yamaha)
ヤマハ(Yamaha)
 
DAYTONA(デイトナ) マルチウイングキャリア XSR900('16) 94763
デイトナ(Daytona)
デイトナ(Daytona)
 
ハリケーン クランプバー スチール製 ブラック XSR900 HU1021B
ハリケーン
ハリケーン
 
ヨシムラ(YOSHIMURA) 機械曲R-77S フルエキゾースト サイクロン カーボンエンド EXPORT SPEC SMC [エキパイ]ステンレス/[サイレンサーカバー]メタルマジック MT-09(ABS 14-) MT-09 TRACER XSR900(16) 110-380-5121
ヨシムラ(YOSHIMURA)
ヨシムラ(YOSHIMURA)
 
YAMAHA(ヤマハ) AUTHENTIC外装セット XSR900 Q5K-YSK-102-S01
ヤマハ(Yamaha)
ヤマハ(Yamaha)
 
バイク YAMAHA 用 フレームスライダー エンジンスライダー 適合車種 MT 09 /tracer XSR900 (ブラック)
suba
suba
バイク YAMAHA 用 フレームスライダー エンジンスライダー 適合車種 MT 09 /tracer XSR900 (ブラック)
suba
suba
バイク YAMAHA 用 フレームスライダー エンジンスライダー 適合車種 MT 09 /tracer XSR900 (ブラック)
suba
suba
 














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YZF-R25

2016-09-06 22:14:13 | バイク試乗、レンタル ヤマハ
2016年8月3日にレンタルバイク三河にて

YZF-R25をレンタルし210キロ程度 ツーリングしたので

インプレしたい。


   

当日の主なコース



新東名 豊明→豊田松平 → 国道301号 → 加茂広域農道 → 国道153号 → 矢作ダム周辺


性能

型式 JBK-RG10J

全長(mm) 2090 全幅(mm) 720

全高(mm) 1135 ホイールベース(mm) 1380

シート高(mm) 780 最低地上高(mm) 160

乾燥重量(kg) 総重量(kg) 166

サスペンション形式(前) テレスコピック サスペンション形式(後) スイングアーム

キャスター角 25° トレール(mm) 95

ブレーキ形式(前) ディスク ブレーキ形式(後) ディスク

タイヤサイズ(前) 110/70-17 M/C 54S タイヤサイズ(後) 140/70-17 M/C 66S

■エンジン・トランスミッション

エンジン型式 G401E エンジン種類 水冷4ストロークDOHC4バルブ並列2気筒

総排気量 249 圧縮比(:1) 11.6

ボア(mm) 60 ストローク(mm) 44.1

最高出力(kW/rpm) 27(36PS)/12000 最大トルク(N・m/rpm) 23(2.3kgf・m)/10000

始動方式 セル 点火方式 トランジスタ

クラッチ形式 湿式多板 変速機形式 6段リターン

燃料供給方式 インジェクション 潤滑方式 強制圧送ウエットサンプ

燃料タンク容量(L) 14 燃料消費率(km/L) 33.5(60km/h)・26.2(WMTCモード)


実はこの4日後の8月7日に最大のライバルであるニンジャ250もレンタルしツーリングしたので

そのインプレも書こうと思っていたのだが、不注意で写真を消してしまったので、R25のインプレを

メインにニンジャ250との比較を交えながら書くこととしたい。

とは言うものの、この2台のバイクの印象は非常に似ているので、

別々にインプレしたら同じような文書が並んでしまうだろう。


性能比較

       R25    ニンジャ250     CRF250L

シート高  780mm     785mm       875mm

重量    166KG     172KG       143KG

車軸間   1380mm    1410mm       1445mm

パワー  36PS/12000     31PS/11000     23PS/8500

トルク   23N/10000     21N/8500      22/7000

タンク   14L         17L        7.7L

燃費(WMTC) 26.2         25.7       32.5

価格(ABS無)55.6万円       55.3万円     46.2万円

ライバル2車とジャンルは違うが私が一番よく知る250CCバイクである

愛車 CRF250Lを比較すると上のようになる。

これをみると、特にエンジンにてR25に大きなアドバンテージがあるが

実際乗ってみるとR25が勝っているとは限らないのが面白いところである。


エンジンフィーリング

250CCクラス最大のパワーを誇るだけあって、高回転域まで気持ちよく回るエンジンなのだが、

その反面、低速トルクは希薄で街乗りでの信号待ちからのスタート時などにパワー不足を

感じてしまう。

 一方のニンジャ250は高回転域まで回し、パワーを出すことについてはR25に劣るが、

低速でのトルクはR25より高く、街乗りではこちらのほうが乗りやすく感じる。

 ワインディングにおいては、小排気量でパワーが相対的には低いので、大型バイクでは

危険で回せない回転域までエンジンを回し楽しむことができる。

 ニンジャ250と比較しどうかといえば、エンジンの吹け上がりで多少勝っている感もあるが、

ニンジャ250も十分に高回転域まで気持ちよく回るエンジンなので、大きなアドバンテージは

感じないというのが正直な感想である。


 

高速性能

 250CCの小排気量なのであまり得意とは言えず、100キロまでは軽々と加速するが、そこから

120キロまでは加速が鈍り、さらに120キロから先は少しずつスピードが上がっていくという感じで、

私の感覚では最高速度は140キロに届くか届かないか、巡行可能な速度は120キロ、快適に巡行できるのは

100キロという印象だった。

 この感覚はニンジャ250とほとんど一緒で、最高馬力が5PS上まわるアドバンテージは感じられなかった。



ハンドリング・乗り心地

 ハンドリングは軽快で扱いやすく、フレームも30PS程度のエンジン出力を軽々と受け止めガッチリしている。

ただし乗車姿勢については予想より前傾だったので、楽な姿勢で乗れるバイクが欲しライダーにはあまりお勧めできない。

 この部分はニンジャ250も同じ印象で、2車にほとんど違いはないと言える。

 


取り回し

 ハンドルが低いのが多少難点だが、軽量なので取り回しに困ることはないだろう。

燃費


 燃費はしっかりと計測しなかったのだが、WMTCモードの燃費はそれなりに正確なのでリッター約26キロ

という数値はそんなに外れたものでないだろう。

 排気量で大きく上回るMT-07の数値が24キロなのでもう少しがんばってもらいたい気もするが、

小排気量でパワーを出そうとすると、どうしてもエンジンを回すことになるので、仕方がない

部分でもある。

 

メーター、デザイン

 メーターのデザインはR25とニンジャ250どちらも及第点がつけられると思うが、機能面については

シフトインジケーターが付く分R25が上回っている。


 

 車体のデザインについては、分かりやすいカッコよさのニンジャ250と少しひねったR25という印象だが、

個人的には端正なニンジャ250のほうが好みである。


   

 R25はもう少しヘッドライトを細くするなど、現行のR1のデザインを取り入れると良いと思うのだが。



総評


 個人的に感じたR25とニンジャ250の長所をまとめると

 R25の優れている部分
 ・高回転域でのエンジンフィーリング
 ・シフトインジケーターが付いたメーター

 ニンジャ250の優れている点
 ・低回転でのトルク 
 ・タンク容量
 ・車体のデザイン

 といったところで、私としてはニンジャ250に軍配を挙げたい。

 カタログ的にはR25のほうが優れているのだが、それは250CCの小排気量を

 カリカリにチューンして絞り出した感があり、そこに少し歪みを感じ、

 無理をしていないニンジャのほうがバランスが良いと感じられるからである。


 やはりフルカウルのスポーツバイクというキャラクターに対しては

 もう少しパワーが必要で、排気量が320CCにアップしたR3なら

 R25の欠点の多くを解消できているのだろう。

 実際、車検の縛りがないアメリカやヨーロッパでは300CCが主流になっているので

 (ニンジャ250も海外ではニンジャ300として販売されている)

 ヤマハとしてもR3がベストバランスで、R25は車検に合わせた縮小版という

 本音があるのではと感じる。


 

 


 





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XT1200Z スーパーテネレ

2016-05-28 22:47:09 | バイク試乗、レンタル ヤマハ
 5月21日~22日にかけてXT1200Zスーパーテネレをレンタルバイク三河にて
レンタルしツーリングしたのでインプレしたい。

(2015年の10月にも一度レンタルしているので写真はその時のモノが多い)


   


5月21日 290キロ
新東名 岡崎東IC → 新城IC → 国道151号 → 三遠南信道 天竜峡IC → 飯田山本 

→ 国道153号 → 広域農道 → 長野 県道19号 → 高ポッチ山



5月22日 300キロ
ビーナスライン往復 → 中央高速 諏訪IC → 飯田山本 → 国道153号 → 加茂広域農道


性能

寸法 及 質量
全長 2,250mm
全幅 980mm
全高 (Lo)1,410mm /(Hi)1,470mm
シート高 (Lo)845mm /(Hi)870mm
軸間距離 1,540mm
最低地上高 190mm
装備重量 257kg

原動機
原動機種類 4ストローク・水冷・DOHC・4バルブ
気筒数配列 並列2気筒
総排気量 1,199cm3
内径×行程 98.0×79.5mm
圧縮比 11.0:1
最高出力 82.4kW(112PS)/7,250r/min
最大トルク 117.0N・m(11.9kgf・m)/6,000r/min
始動方式 セル式
潤滑方式 ドライサンプ
エンジンオイル容量 4.2 L

燃料装置
燃料タンク容量 23 L
燃料供給方式 電子制御フューエルインジェクション

電気装置
点火方式 TCI

動力伝達装置
一次減速機構 ギヤ
一次減速比 1.466 (85/58)
二次減速機構 シャフトドライブ
二次減速比 2.987 (21/25×32/9)
クラッチ形式 湿式多板

変速機
形式 リターン式6段
変速比1速 2.769 (36/13)
変速比2速 2.063 (33/16)
変速比3速 1.571 (33/21)
変速比4速 1.250 (30/24)
変速比5速 1.042 (25/24)
変速比6速 0.929 (26/28)

車体
フレーム形式 バックボーン
キャスタ 28.0°
トレール 126mm
タイヤサイズ(前) 110/80R19MC(59V)
タイヤサイズ(後) 150/70R17MC(69V)

動装置
制動装置形式(前) 油圧ダブルディスク(外径310mm)
制動装置形式(後) 油圧シングルディスク(外径282mm)

懸架装置
懸架方式(前) テレスコピックフォーク
懸架方式(後) スイングアーム

緩衝装置
緩衝方式(前) コイルスプリング/オイルダンパー
緩衝方式(後) コイルスプリング/ガス・オイルダンパー
ホイールトラベル(前) 190mm
ホイールトラベル(後) 190mm

価格
1652,400円(本体価格1,530,000円)



 上記の仕様は2014年式のもので、私がレンタルした2011年式とは
多少異なる所もある。

スーパーテネレの最大のライバルは、間違いなくBMWのR1200GS

なので、それと比較すべきだが私自身乗ったことがないので比較できない。

 そこで目線を変えて、スーパーテネレの一番の利用用途である

ツアラーとしての性能を、同じヤマハのツアラーであるFJR1300

比較しながらインプレしたいと思う。


両者の主な性能を比較すると


       スーパーテネレ          FJR1300AS
 
車重       257KG              296KG

シート高    (Lo)845mm             805mm
        (Hi)870mm

車軸間    1540mm            1545mm

最高出力   112PS/7,250r/min       147PS/8,000r/min

最大トルク  117.0N・m/6,000r/min     138N・m)/7,000r/min

燃料タンク容量  23 L            25L

価格     165万円            AS 178万円  標準 148万円



エンジンフィーリング・高速性能

 1200CCの並列2気筒はトルク感にあふれていて、どのギアからでも

少しアクセルをひねれば鋭く加速する。

アルプスローダーなので当然だが、

タコメーターは7000回転後半でレッドゾーン、最大でも9000回転まで

というように明らかに低回転型のエンジンで回して楽しむというより

低回転から溢れるパワーを楽しむようなフィーリングとなっている


 


 そのようなエンジンの性質もあって、あまり回さなくとも恐ろしい

加速をすること、またウインドウプロテクションも強力なので、

通常の大型バイクの120キロくらいの感覚で140キロ巡航ができてしまう。


 これから名古屋から青森まで、高速をぶっ飛ばして向かえと命令されたら

私ならこのバイクを選ぶほど、高速道路での快適性は高い。




コーナリング・乗り心地

 当たり前だが、タイヤの端を使って、目を三角にして峠を攻めるようなバイクではなく、

あまりリーンさせないよう、ゆったりと走るのがメインとなる。

 重いので乗り心地は安定していて、路面のショックもよく吸収し快適性は高いが、

その車重と重心の高さから、もし転倒した場合、バイクも体も大きなダメージを

受けるリスクが高い。


取り回し

 シート設定がハイだったのかローだったのか(多分ローだと思うが)わからないが、

身長178センチと日本人としては大柄な私でも、つま先立ちになるほどの足つきで、

車体の重さもあって、停車するたびにちゃんと地面に足が着くか確認しなければならない。

 最低でも身長が175センチはないと、少しアスファルトが凹んだりしていたら、

立ちゴケのリスクにさらされることとなるだろう。

燃費


 今回のツーリングでの燃費はリッター20キロ程度と、この排気量としては良好であり、タンク容量も20Lあるため

350キロ程度は安心して走行できるので、ガソリンスタンドが少ない地域でのツーリングでも安心できる。



メーター・デザイン

 メータについては私がレンタルしたマイナーチェンジ前のものは、タコメーターがアナログで、

それ以外はデジタル表示となっているが、シフトインジケーターがついていないなど、

表示能力に多少不満が残るが、マイナーチェンジ後はMT-09トレーサーと同一のものとなったので、

その不満は解消されている。


 デザインについては格好良いとは言い難いが、個性的であることは間違いなく、人を選ぶデザインと言える。


その他機能


 メンテナンスフリーのドライブシャフト方式はツアラー用途にはフィットしている。



 シートの座面は広く、座り心地はよい。



 大きなキャリアが装備されており積載性は高い

 
 
 また、ツーリングモード/スポーツモードの切り替え、トランクションコントロールなどの電子装備も

搭載されている。


総括

 それでは結局FJR1300と比較してどうかといえば、率直にいって私なら標準仕様のFJR1300を選ぶだろう。

FJR1300と互角な部分

・シャフトドライブ駆動であること、トラクションコントロール・ABSなどの安全装備

・ツイン、4気筒とエンジン形式に差はあるが、低回転からパワーを発揮するトルクフルなエンジン


FJR1300に対し優位な点

・車高が高いことによる視界の良さ、乗車姿勢の楽さ


FJR1300に対し不利な点

・ワインディングでのスポーツ走行性

・フロントウィンドが電動で上下できない

・逆輸入車であることを考慮すると、国内で正式に販売されている

 FJR1300と比較すると乗り出しで20万程度高い。



 他の部分はともかく価格については、車種にはこだわらないがツアラーが欲しいという

ライダーには大きな問題だろう。

 さらに言うと、車種にこだわりがないなら、MT-09トレーサーを買えば105万程度で

同等の魅力をもったツアラーを手に入れることができる。
 

 このように XT1200Z スーパーテネレ は客観的にみるとお買い得なバイクとは言えないが、

この巨大なバイクを乗りこなすことに大きな楽しさを感じ、ある種の充実感を得ることができるので、

そこに魅力を感じるライダーも多いのではないだろうか。

 

 

 


 





   



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MT-09tracer(トレーサー)その1

2015-11-28 22:59:40 | バイク試乗、レンタル ヤマハ
 11月28日にレンタルバイク三河にてMT-09tracer(トレーサー)をレンタルし、
250キロほどツーリングしたのでインプレしたい。




主なツーリングルート

東海環状道 → 国道301号 → 加茂広域農道 → 国道153号 → 道の駅 どんぐりの里いなぶ → 

茶臼山高原道路 → 国道151号 → 国道301号 → 本宮山スカイライン → 

道の駅 つくで手作り村 → 国道301号 → 愛知県道35号 → 国道1号 


性能

認定型式/原動機打刻型式
EBL-RN36J/N703E

全長×全幅×全高
2,160mm×950mm×1,345mm

シート高
845mm(低い位置・出荷時)
860mm(高い位置)


軸間距離
1,440mm

最低地上高
135mm

車両重量
210kg

燃料消費率
国土交通省届出値定地燃費値
27.8km/L(60km/h) 2名乗車時
WMTCモード値
19.3km/L(クラス3, サブクラス3-2) 1名乗車時

原動機種類
水冷・4ストローク・DOHC・4バルブ

気筒数配列
直列3気筒

総排気量
846cm3

内径×行程
78.0mm×59.0mm

圧縮比
11.5 : 1

最高出力
81kW(110PS)/9,000r/min

最大トルク
88N・m(9.0kgf・m)/8,500r/min

始動方式
セルフ式

潤滑方式
強制圧送ウェットサンプ

エンジンオイル容量
3.4L

燃料タンク容量
18L(「無鉛プレミアムガソリン」指定)

燃料供給
フューエルインジェクション

点火方式
TCI(トランジスタ式)

バッテリー容量/型式
12V, 8.6AH(10H)/YTZ10S

1次減速比/2次減速比
1.680/2.812

クラッチ形式
湿式多板

変速機形式
常時噛合式6段/リターン式

変速比
1速 2.666 2速 2.000 3速 1.619
4速 1.381 5速 1.190 6速 1.037

フレーム形式
ダイヤモンド

キャスター/トレール
24°00′/100mm

タイヤサイズ(前/後)
120/70ZR17M/C (58W)(チューブレス)/
180/55ZR17M/C (73W)(チューブレス)

ブレーキ形式(前/後
油圧式ダブルディスク/油圧式シングルディスク

懸架方式(前/後)
テレスコピック/スイングアーム(リンク式)

ヘッドランプバルブ種類/ヘッドランプ
LED/LED×2

乗車定員
2名


   

MT-09トレーサーの主なスペックをベースであるMT-09、個人的には一番のライバルと思うニンジャ1000
参考までに私の愛車であるMT-07と比較すると以下のようになる。


           トレーサー  MT-09   ニンジャ  MT-07 
全長(mm)       2160   2075     2105   2085

軸間距離(mm)     1440   1440     1445   1400

シート高(mm)     845    815     820    805

車重(KG)        210    188     231    179

パワー(PS/回転)  110/9000  110/9000  138/9600  73/7500

トルク(KG/回転)  9.0/8500  9.0/8500  11.2/7800  6.9/6500

燃料タンク(L)     18     14     19     13

ABS           有     無     有     無

価格(千円)    1048千円  849千円  1350千円   700千円


エンジンフィーリング

 

 エンジンフィーリングについてはMT-09の試乗をした際にインプレしているので

 詳しくはそちらを参照して欲しいが、さすがヤマハが社運をかけて開発した、

3気筒エンジンだけあって、4気筒のスムーズさと2気筒のトルク感を合わせもった

素晴らしいエンジンである。

 2気筒では回転が上がりシフトアップしなければならず、

かと言って4気筒ではトルクが細く、エンストの心配があるような峠道でも、

この3気筒エンジンなら、3速か4速で固定していればほぼオートマ状態で走ることができる。

 個人的に3気筒エンジンのフィーリングが好きなこともあって、

ことロングツーリングに使用するということにおいては、

今まで乗ってきたバイクの中でも5本の指に入るエンジンフィーリングだと感じた。

 MT-09の感想でも述べたが、いかに2気筒を改良しても3気筒のスムーズなフィーリングを再現することは難しく、

かと言って4気筒ではコスト面で高くつき、さらにトルクの細さを改善しようとすると

排気量が大きくなると同時に重くなるという問題が発生してしまう。

 他のメーカーのヤマハに対抗する回答が、新規の3気筒エンジン開発かターボー・スーパーチャージャーなのか解らないが、

ヤマハの一人勝ちを許さずにがんばって欲しいところである。

 
高速性能

  


 MT-09にフルカウルが装着されたことによって、ウィンドウプロテクションが格段に向上している。

 高さを3段階に調整できるフロントウィンドウを最上段まで上げれば体から顎にかけての風圧を大幅に低減し、

さらに大型のハンドガードが標準装備されているので拳もしっかりと暴風される。

 今回のツーリングでは気温が7、8度、場所によっては零度に近い場所もあったが、

カウルがしっかり寒気を防ぎ、高速では風圧を大きく低減するため、

高速走行時の快適性の面でも、今まで試乗してきたバイクの中で5本の指に入ると評価できる。


ハンドリング・乗り心地

 

 カウルが装着され重量が増えたことによってMT-09に対しハンドリングの軽快さは多少失われたが、

それでも装備重量210キロとフルカウルのアドベンチャーモデルとしてはかなり軽量であるため、

峠でもスポーティに走ることができる。

 また乗り心地はMT-09に対しサスが長いため、ショックをよく吸収しするのか大きく向上していて、

かなり快適なバイクとなっている。

 さらに車高が高くなったことによって足つきは悪くなったが、窮屈さが解消され、

シートの座面も広くなったことから、ライディングポジションの自由さが増して、

重量がお尻の一点かかることがなくなったためか、長時間バイクに乗っていても

お尻が痛くなることはなかった。

 総合的にはMT-09が大きくスポーツ性に特化しているのに対し、トレーサはツーリングを意識した

バランスがとれたハンドリング、乗り心地になっている。


取り回し

 MT-09は大型バイクとしては屈指の取り回しの良さを誇ったが、

トレーサーはカウルの装着による車体の大型化、および重量増加、

シート高の大幅な上昇などによって通常のレベルまで低下している。


燃費



 リッター20キロ程度でこのクラスのバイクとしては良好だと言える。

タンク容量がMT-09比でプラス4リットルの18リットルで300キロは

確実に走破できるため、ロングツーリング時には頼もしい。

 ただ最近の高性能バイクのお約束で、ハイオク仕様であり財布には少し厳しい。


メーター、デザイン



 メーターはこのバイクの大きな長所で、

向かって右の側のディスプレイを切り替えることによって、

トリップ、燃費、外気温、水温、連続乗車時間などが表示され、

固定表示もスピード、エンジン回転、時計、燃料、ギアなど

必要とされるあらゆる情報が大きな液晶に表示される。

さらにメータの配置も高い場所に、垂直に近い状態で配置されるため走行中でも確認し易い。


 

 デザインに関しても、あまり奇抜なデザインに走らず、そこそこ無難にまとめているので

素晴いデザインとまではいかないが、万人受けするデザインだと感じられる。



MT-09とMT-09トレーサーどちらを選ぶか

MT-09トレーサーのMT-09に対する長所、短所をまとめると

長所

・大幅に容量UPしたガソリンタンク
・情報量がUPし、かつ視認しやすいメーター
・より自由度の高いライディングポジションによる疲労低下
・強力なウィンドウプロテクションによる疲労低下
・向上した乗り心地
・LEDライト、トランクションコントロール、ABSなどの各種装備


短所

・20万円の価格上昇
・重量アップにより低下した運動性
・車体の大型化と重量UPによる取り回し低下
・悪化した足つき

 なんの捻りもないが、ロングツーリングに頻繁に出かけるなら

20万余分払っても、快適性が格段に向上したMT-09トレーサーが

絶対におすすめだし、街乗りやサーキット、峠でのスポーツ走行が主体なら

軽量コンパクトでスポーツ性が高いMT-09がおすすめである。





 総評

スポーツ性とツーリングの快適さを両立させたスポーツツアラーのカテゴリー

では、私が今まで試乗してきたバイクの中でニンジャ1000を一番高く評価していたが、

MT-09トレーサーはそれを上回る完成度だと評価できる。

 エンジンパワーでは4気筒であるニンジャ1000の方が30馬力近く上だが、

それはとてつもない高回転域までエンジンを回した場合の話であって

常用域では両者のパワー感にほとんど差を感じないどころか、トルク感が

ある分だけMT-09トレーサーの方が扱いやすく感じる。

 またメーターや積載性などもニンジャ1000を上回り、何よりも

乗り出しまでの価格がニンジャ1000に対して30万以上低いという

圧倒的なコストパフォーマンスを誇る。


 私がここで述べるまでまでもなく、その魅力はバイクファンに

浸透しているらしくMT-09トレーサーの2015年上半期の販売台数は1611台で

NO1の座を獲得している。

 2位がMT-07の1431台、3位がMT-09の1405台とMTシリーズの猛威は

とどまることがない。

 売れすぎて、休日にツーリングに出かければ必ず遭遇するのが、

他人とバイクがかぶるのを気にするライダーにとっては唯一の欠点と言えるほど、 

MT-09トレーサーは完成度が高く、

現時点でベストバイと言ってもよいバイクに仕上がっている。








 






 




























































 
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XJ6 Diversion(ディバージョン) F その1

2015-09-15 00:09:42 | バイク試乗、レンタル ヤマハ
 7月11日、12日にレンタルバイク京都中央にて XJ6 Diversion(ディバージョン) F を

レンタルしツーリングしたのでインプレしたい。

XJ6シリーズはネイキッドのXJ6 およびハーフカウルのXJ6 Diversion(ディバージョン)

さらにカウルを増設しフルカウルとした Diversion(ディバージョン) Fがラインナップされて

いるが、今回レンタルしたのはフルカウルのDiversion(ディバージョン) F である。


 レンタルする前はMT-07の登場でその役割を終えたバイクとの印象を持っていて、あまり期待していなかったが

レンタルしてみると、MT-07に勝るとも劣らない魅力をもった、素晴らしいバイクだった。


    


 7月11日のツーリングコース 360キロ



国道162号 → 京都府道12号 → 国道27号 → 国道429号 →  

→ 播但連絡道路 神崎北IC → 中国自動車道 → 米子自動車道 蒜山IC 

→ 蒜山大山スカイライン → 大山環状道路 → 島根県道24号




 7月12日のツーリングコース 350キロ


島根県道24号 → 大山環状道路 → 島根県道45号 → 国道9号

→ 国道482号 → 国道9号 → 京都府道50号 → 京都府道363号

→ 国道162号



性能 


名称 及び 型式

モデル名 XJ6 Diversion F ABS
年式 2015
仕向地 南アフリカ

寸法 及 質量

全長 2,120mm
全幅 770mm
全高 1,185mm
シート高 785mm
軸間距離 1,440mm
最低地上高 140mm
装備重量 220kg
最小回転半径 2.8m

原動機

原動機種類 4ストローク・水冷・DOHC・4バルブ
気筒数配列 並列4気筒
総排気量 600cm3
内径×行程 65.5×44.5mm
圧縮比 12.2 : 1
最高出力 57.0kW(77.5PS)/10,000r/min
最大トルク 59.7N・m(6.1kgf・m)/8,000r/min
始動方式 セル式
潤滑方式 ウエットサンプ
エンジンオイルタンク容量 3.4リットル

燃料装置

燃料タンク容量 17リットル
キャブレタ型式/燃料供給 電子制御フューエルインジェクション

電気装置

点火方式 TCI (Transistor controlled ignition)
点火プラグ型式 CR9E
バッテリ容量 12V,10.0Ah(10H)
バッテリ型式 GT12B-4

動力伝達装置

減速器 チェーンドライブ
1次減速比 86/44(1.955)
2次減速比 46/16(2.875)
クラッチ形式 湿式多板

変速機

形式 常時噛合式6段
操作方法 リターン式
変速比1速 37/13 : 2.846
変速比2速 37/19 : 1.947
変速比3速 28/18 : 1.556
変速比4速 32/24 : 1.333
変速比5速 25/21 : 1.190
変速比6速 26/24 : 1.083

車体

フレーム形式 ダイヤモンド
キャスタ 26°00'
トレール 103mm
タイヤサイズ(前) 120/70ZR17MC(58W)
タイヤサイズ(後) 160/60ZR17MC(69W)

制動装置

制動装置形式(前) 油圧ダブルディスク(外径298mm)
制動装置形式(後) 油圧シングルディスク(外径245mm)

懸架装置

懸架方式(前) テレスコピックフォーク
懸架方式(後) スイングアーム

緩衝装置

緩衝方式(前) コイルスプリング/オイルダンパー
緩衝方式(後) コイルスプリング/ガス・オイルダンパー
ホイールトラベル(前) 130mm
ホイールトラベル(後) 130mm


 XJ6ディバージョンFの主な性能を私の現在の愛車MT-07

以前の愛車で XJ6ディバージョンF と同ジャンルの

Z750Sと比較すると以下のようになる。



             XJ6    MT-07    Z750S   
   
シート高(mm)     785     805     805    

車重(KG)        220     179     225

パワー(PS)       78      73     110 

トルク(N)       60      68     75 

価格(万円)      85      70     90


エンジンフィーリング・高速性能

600CCという、今となってはミドルクラスの下限といっても良い排気量だが、低速でもトルクに不足はなく、

高速道路や整備されたワインディングでは、高回転域までエンジンを回して楽しむことができる。

特に高速道路では、エンジンがどこまでも軽やかに回ることやフルカウルのウィンドウプロテクションの恩恵もあってか、

今回比較した3車種のなかで一番快適に楽しく走行することができる。

 四気筒としては小排気量ということを生かした、絶妙なエンジンフィーリングといえる。


 

コーナリング

 さすがにはるかに車重が軽いMT-07と比較すれば軽快さはおとるが、

あまり車重が変わらないZ750Sと比較すれば軽快なハンドリングに感じられた。

 私の推測ではあるが、Z750Sがツアラーよりの安定性を重視したセッティグがされているのに対して、

XJ6はよりスポーティなセッティングがされているからではないだろうか。

 どちらのセッティングが優れているかは好みによるが、スポーツよりにセッティングされたXJ6のほうが私の好みに近い


 

取り回し

 車重はそれほど軽くはないが、乗っているときはあまり意識しなかったが、

シート高はMT-07と比較して20ミリも低い(MT-07のシート高は多少高めだが)ので、

足つきは良いバイクといってもよい




燃費

 燃費については、正確に計測しなかったのではっきりとは言えないが、

どうしてもエンジンを高回転でまわして走行する状態が多くなるため、600CCという排気量としてはあまり良くはない、

リッター25~20キロの間に収まると思われる。

 MT-07は、走行の状態がよければ燃費が30キロ近辺まで伸びるので、この点は大きく劣っている。



メーター・デザイン

 デザインは無難にまとまってはいるが個性に薄く、ライダーを惹きつける魅力に欠けているように感じる。

  

 メーターも機能的にはまったく不足ないが、回転計がアナログなことを除くと、MT-07のメーターとほとんど同じといってもよい、

ヤマハの量産型デジタルメーターなので、特に語るところはない。

 量販車でデジタルメーターを使用すると、コストの面から似たような感じになってしまうのは仕方がないことだろう。


    


総評


対Z750S

 今回 XJ6 Diversion(ディバージョン) Fを2日レンタルし700キロほど走行したが、薄情にも4年間以上乗り続けた、

愛車のZ750Sより個人的には優れていると感じてしまった。

 同じ4気筒エンジンで排気量はZ750Sのほうが大きいため、エンジンパワーには30馬力以上の差があるが、

 XJ6のエンジンのほうが軽快で回しやすく、コーナーでも重さを感じないため、

ワインディングや高速道路ではXJ6のほうがより気持ちよく走行できると感じたからであって、

私より腕の立つライダーでZ750Sのパワーを使いこなせるなら、Z750Sに軍杯をあげてもおかしくはないだろう。

 しかし私のような、初級者よりの中級者程度の腕前なら、XJ6のほうがフィットすると感じるライダーが、多いのではないだろうか。


対MT-07

 それでは現在の愛車MT-07と比較すればどうだろうか。

 まずは使用するステージで優劣を比較すると、高速道路、高速ワインディングではXJ6が

街乗りや酷道よりの見通しが悪いワインディングではMT-07が優れていると感じた。

 とは言っても、それはあくまで相対的なものであって、MT-07もXJ6も全てのステージに対応できる

万能タイプのバイクだといえる。


 このように純粋な走行性能としては互角の勝負を繰り広げる両者だが、その他の部分では、やはりあとから開発されたMT-07の圧勝といえる。


 まず一番に比較されるのはその価格だろう、MT-07の価格に対してXJ6は定価の時点で15万円ほど高く、

さらに逆輸入車であることの諸費用を考えるとMT-07より20万以上高くなってしまい、

この時点でXJ6を選ぶライダーはかなり減ってしまうだろう。

 
さらに燃費の良さ、車重の軽さなど多くのライダーが重視する部分でもMT-07は大きくリードしている。


 価格と燃費についてはXJ6が従来からの4気筒エンジン、MT-07が新設計の2気筒エンジンを装備している時点でかなう訳もなく、

車重にしてもプラスティックを多用するなど設計時から強く軽量化を意識したMT-07と比較すると、

カウルのついていないネイキットバージョンのXJ6でも205キロもあるため、MT-07に対し25キロ以上重く勝負にならない。

 これはXJ6が悪いというより、MT-07が価格や車重の部分で、いかに革新的なバイクであったをあらわすものだと思う。

 従来のベクトルでXJ6を越えようと開発されたホンダのCBR650F・CB650Fが商業的には大失敗に終わっているのも、

もはや比較的高コストなミドルクラスの4気筒エンジン搭載バイクが、望まれていない歴史的な流れを感じざるを得ない。


 しかし純粋な走行性能の観点から見ると、ミドルクラス4気筒エンジンのフィーリングの素晴らしさは保証できるので、

おそらく次期モデルはないXJ6を最後のチャンスと思い購入するのもまた正しい選択なのだろう。




 






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FJR1300AS  その1

2015-05-07 21:56:40 | バイク試乗、レンタル ヤマハ
 2015年4月25日から26日にかけて、レンタルバイク京都中央にて、

FJR1300ASをレンタルし600キロほどツーリングしたのでインプレしたい。

 ただ今回はせっかく撮影した写真が、SDカードの不良で消えてしまったので、

ほとんどホームページからの写真となっている。




25日の主なルート

名神高速 京都東~草津田上 ⇒ 滋賀県道16号 ⇒ 国道307号 ⇒ 滋賀県道5号 ⇒ 国道309号

針TRS ⇒ 国道369号 ⇒ 国道370号 ⇒ 京奈和自動車道 ⇒ 国道480号 ⇒ 龍神スカイライン

⇒ 和歌山県道29号 ⇒ 白浜温泉 


26日の主なルート

国道311号 ⇒ 国道168号 ⇒ 国道370号 ⇒ 国道369号 ⇒ 三重県道81号 ⇒ 三重県道80号 

京都府道4号 ⇒ 京都府道62号 ⇒ 国道1号


性能


認定型式/原動機打刻型式
EBL-RP27J/P518E

全長×全幅×全高
2,230mm×750mm×1,325mm

シート高
805mm

軸間距離
1,545mm

最低地上高
125mm

車両重量
296kg


燃料消費率 *1
国土交通省届出値定地燃費値 *2
24.6km/L(60km/h) 2名乗車時

WMTCモード値 *3
16.3km/L(クラス3, サブクラス3-2) 1名乗車時

原動機種類
水冷・4ストローク・DOHC・4バルブ

気筒数配列
直列4気筒

総排気量
1,297cm3

内径×行程
79.0mm×66.2mm

圧縮比
10.8:1

最高出力
108kW(147PS)/8,000r/min

最大トルク
138N・m(14.1kgf・m)/7,000r/min

始動方式
セルフ式

潤滑方式
強制圧送ウェットサンプ

エンジンオイル容量
4.9L

燃料タンク容量
25L

燃料供給
フューエルインジェクション

点火方式
TCI(トランジスタ式)

バッテリー容量/型式
12V, 12.0AH(10H)/GT14B-4

1次減速比/2次減速比
1.562/2.697

クラッチ形式
湿式多板

変速機形式
常時噛合式5段/リターン式

変速比
1速 2.529 2速 1.772 3速 1.347
4速 1.076 5速 0.928

フレーム形式
ダイヤモンド

キャスター/トレール
26°00′/109mm

タイヤサイズ(前/後)
120/70ZR17M/C (58W) (チューブレス)/
180/55ZR17M/C (73W) (チューブレス)

ブレーキ形式(前/後)
油圧式ダブルディスク/油圧式シングルディスク

懸架方式(前/後)
テレスコピック/スイングアーム(リンク式)

ヘッドランプバルブ種類/ヘッドランプ
ハロゲンバルブ/12V, 60/55W×2

乗車定員
2名

価格
178万円


 


エンジンフィーリング

 1300CCの大排気量によって発生する巨大なトルクによって、あまり回さなくともグイグイと加速する。

大排量なだけあって、あまり軽やかに回転するエンジンではなく、スポーツ性よりもラグジュアリー性

を重視したエンジンとなっている。

 高回転型のエンジンでないので刺激には欠けるが、ロングツーリングでは疲労感なく

長距離を走ることができる。

 このインプレは少し前にレンタルしたXJR1300のエンジンフィーリングについて書いたものだが、

水冷、空冷の違いがあり、FJR1300のほうが40PS以上パワーが上だが、常識的な速度域では

XJRとかなり近いエンジンフィーリングとなっている。

 ただFJR1300は、エンジンパワーをツーリングモードとスポーツモードとで切り替えが

可能となっており、モードをスポーツに切り替えれば、素人でもすぐに分かるほど、

アクセルに対してエンジンのレスポンスがリニアになる。

 とは言うものの、本質的にはツアラーらしく長距離を走行しても疲れないことに

主眼をおいたエンジンフィーリングである。








 高速性能

 高速性能については今回は名神高速を短い距離しか走行しなかったのではっきりとは言えないが、

SSやメガスポーツには及ばないものの140キロ程度での巡航は楽にこなすパワーを持っている。

 またクルーズコントロールが標準装備されているので80キロ~100キロの走行速度で

空いている高速道路を巡航する場合は大きな助けとなるだろう。

(楽チンすぎて寝てしまわないか心配だが)

 ただミッションが5速なのでとくに高速道路では、もし6速があればもっと快適に走行できるのにと感じてしまう。

 ウィンドウプロテクションについては、FJR1300はフロントウィンドウを走行中にも電動で上げ下げ可能だが、

一番下げた場合は、胸から上の部分全体に風が当たり、一番上げた場合はヘルメットの頭頂部に風が当たるような感覚であった。

 個人的にはフロントウィンドウをもう少し大きくして、一番上に上げた時は完全に風から防御されるくらいの

感覚でも良かったと思わないでもないが、寒さや雨から防御してくれる強力な装備となるだろう。


 

コーナリング

 296キロの巨体であるため軽快なハンドリングとは言えないが、バンク角はあるのでスポーツモードに切り替えれば

峠でも十分に走行を楽しむことができる、ただし多少アンダーステア気味なので、あまり調子に乗ると曲がりきれず

ガードレールに衝突する恐れもあるので注意が必要である。

 安定性についてはABS、トラクションコントロール、前後連動ブレーキと現在考えられる安全装備がすべて装備されている

と言ってもよく、トップレベルの性能を持っている。

(FJR1300ASは電子制御でサスのセッティングを変更できるが、今回のレンタルではサスのセッティング変更が禁止されて

いたので、すべてソフトのサス設定での感想となっている)







取り回し

 この部分に関しては、いままで多くのバイクをレンタルしてきたが、正直もっとも手ごわいバイクだった。

車両の重量もさる事ながら、シート幅が広いため足つきも悪く、178センチと日本人としては身長が高い方の

私でもつま先立ちになってしまう。

 走行中はよいのだが、停車すると重量が一気に圧し掛かるので、もし足場が傾いていれば、立ちゴケの危険性は

極めて高くなる。

 現に私が借りたこのバイクも、いままでレンタルしたライダーが左右に1回ずつ立ちゴケしたらしく、両サイドのカウルに

大きな傷がついていた。(ただしカウルは柔らかく出来ており、容易に割れないよう工夫されている)

 やはり体格が大きい欧米人向けに設計されたバイクなので、最低でも175センチ程度身長がなくては、安全に取り回すのは

難しいと思われる。

 また個人的にはバイクの幅が広がり、すり抜けがやりにくくなるのでサイドバニアの装着には否定的だが、

このバイクに関しては最初からすり抜けをする気にならないので、装着したほうが収容能力もデザインの

バランスも向上し一石二鳥だと感じる。


燃費

 今回のツーリングでの燃費はリッター19キロ程度と、この排気量としては良好であり、タンク容量も24Lあるため

400キロ程度は安心して巡航できるのはさすがと言える。


メーター・デザイン

 

 メーターについては、回転計のみアナログで、中央はデジタルのスピードメーター、右の側は走行距離、気温などの

情報表示、および画面の切り替えで、フロントウィンドウ上げ下げ、グリップヒーター設定、電子サス設定など

のインフォメーションパネルとなっており、バイクというより車のようなメーターとなっている。

 デザインについては、基本的には2001年の発売から大きな変更はないが、2013年のマイナーチェンジでヘッドライト

のLED化などの近代化が実施されており、ちょっとスクータライクな気もするが、端正で素直に格好良いといえる

デザインであると感じる。


その他装備







 ・ 上の写真を見てもわかるように、通常のバイクと比較するとスイッチの数が多く多少戸惑うが、

   2時間も乗れば、大体把握できるので、オーナーとなるライダーには問題はないだろう。

・ このバイク大きな特徴であるドライブシャフト駆動は、チェーンのメンテが不要となり、雨の日でもその後のサビ

を気にせずツーリングできるので、天候を気にせず、距離を走るライダーには大きな魅力となる。

 ・ 146万円の標準仕様でもABS、前後連動ブレーキ、トラクションコントロール、クルーズコントロール、グリップヒーター、

   電動フロントウィンドウ、電磁ロックアクセサリーボックス(12VDC電源内蔵、容量1リットル)など装備は充実しており

   上記の装備に魅力を感じるならコストパフォーマンスは高い。


AS特有の機能

 今回レンタルした車両はYCC-S(ヤマハ電子制御シフト)を装備したASであったが、この装備がどのようなものか簡単に言ってしまうと、

自動シフトアップがないDCTミッションと言って良い。

 なぜ自動シフトダウンができるのに、自動シフトアップができないのかよくわからないが、DCTミッション搭載車のインテグラMN4

レンタルしたことがある私からすれば、どうにももどかしい感じがする。 

 さらに価格面でも、VFR1200FはDCT搭載車の価格上昇が10万円程度なのに対し、電子サスの代金が込とは言え、

FJR1300ASの価格上昇は30万円を超える。

 FJR1300ASが発売されたのは2006年で、この頃はDCTが発売されていなかったのでこの価格、この機能でも納得できたかもしれないが、

今となっては、完全自動化と低コスト化を進めなければ存在意義はないと言える。

 ヤマハとしてもそれは十分承知しているようで、FJR1300以外にはYCC-Sを搭載していない。

 個人的にはDCTはもっと流行ると思っていたが、いまの所そこまで普及していないようなので、

バイクに自動変速を求めるのはまだ少数派なのかもしれない。


 総括

 ABS、トラクションコントロール、前後連動ブレーキなどの安全装備、グリップヒーター、クルーズコントロール、電動フロントウィンドウ

などの快適装備、24Lの燃料タンク、メンテナンスフリーのドライブシャフト駆動これだけの装備が付いて、標準仕様なら150万以下で

購入できるFJR1300はロングツアラーを求めているライダーにはおすすめのバイクである。

 ただ300キロ近い巨体と足つきの悪さから、街乗りや通勤などには向いておらず、バイクの大きな利点であるすり抜けも出来ないので、

汎用的にこのバイク1台で全てを済ませるという使い方では長所より短所が目立ってしまうだろう。

 やはりメーカーが想定しているように、長期連休に奥さんや恋人を後ろに乗せて北海道を一周するというような状況が、

このバイクの長所をもっとも感じれれる乗り方だろう。



 
 

  
  

 
 



   

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XJR1300 その1

2015-04-20 02:17:17 | バイク試乗、レンタル ヤマハ
 2015年3月22日にレンタルバイク京都中央店にてヤマハ XJR1300 

をレンタルし300キロ程度ツーリングしたのでインプレしたい。


  

当日のおもな走行ルート (前日の夕方にバイクをレンタルし大津に宿泊)



 大津市 ⇒ 滋賀県道30号 ⇒ 国道367号 ⇒ 道の駅 くつき新本陣 ⇒ マキノ高原のメタセコイア並木 ⇒ 国道161号 

 国道8号 ⇒ 福井県道33号 ⇒ 国道162号 ⇒ 道の駅 名田庄 ⇒ 道の駅 美山 ⇒ レンタルバイク京都中央店


性能・価格

定型式/原動機打刻型式
EBL-RP17J/P514E

全長×全幅×全高
2,175mm×765mm×1,115mm

シート高
795mm

軸間距離
1,500mm

最低地上高
125mm

車両重量
245kg

舗装平坦路燃費
21.0km/L(60km/h)

原動機種類
空冷・4ストローク・DOHC・4バルブ

気筒数配列
直列4気筒

総排気量
1,250cm3

内径×行程
79.0mm×63.8mm

圧縮比
9.7:1

最高出力
74kW(100PS)/8,000r/min

最大トルク
108N・m(11.0kgf・m)/6,000r/min

始動方式
セルフ式

潤滑方式
強制圧送ウェットサンプ

エンジンオイル容量
4.2L

燃料タンク容量
21L(「無鉛プレミアムガソリン」指定)

燃料供給
フューエルインジェクション

点火方式
TCI(トランジスタ式)

バッテリー容量/型式
12V, 11.2AH(10H)/YTZ14S

1次減速比/2次減速比
1.750(98/56)/2.235(38/17)

クラッチ形式
湿式多板

変速機形式
常時噛合式5段/リターン式

変速比
1速 2.857 2速 2.000 3速 1.571
4速 1.291 5速 1.115

フレーム形式
ダブルクレードル

キャスター/トレール
25°30′/100mm

タイヤサイズ (前/後)
120/70ZR17M/C(58W)/180/55ZR17M/C(73W)(前後チューブレス)

ブレーキ形式 (前/後)
油圧式ダブルディスク/油圧式シングルディスク

懸架方式 (前/後)
テレスコピック/スイングアーム

ヘッドランプ種類/ヘッドライト
ハロゲンバルブ/12V, 60W/55W×1

乗車定員
2名

価格
税込111万円


 XJR1300の主な性能をライバルと想定されるホンダCB1300SFCB1100
と比較すると以下のようになる


      XJR1300    CB1300   CB1100
パワー   100PS     101PS    88PS

トルク   108N      115N    92N

車重    245KG     267KG    247KG

シート高  795MM     780MM    765MM

タンク   21L       21L     14L

燃費    17L       18L     17L
(実測)

価格    111万     129万    106万



上のように排気量的にはCB1300、価格面、空冷という
エンジン特性の面ではCB1100のライバルといえる。


エンジンフィーリング

 1300CCの大排気量によって発生する、巨大なトルクによって、

あまり回さなくともグイグイと加速する。

 大排量なだけあって、あまり軽やかに回転するエンジンではなく、

スポーツ性よりもラグジュアリー性を重視したエンジンとなっている。

 高回転型のエンジンでないので刺激には欠けるが、ロングツーリングでは疲労感なく

長距離を走ることができる。

以上の文はCB1300SFのインプレをした時に書いたものだが、XJR1300についてもほぼ同等の

印象を受けた、細かいことを言えば、空冷であるため多少振動が強いなどの違いがあるかも

しれないが、2台を連続して乗り比べない限りわからないレベルだと思う。


  

高速性能

 高速性能については、今回高速道路を利用しなかったので正確なところは分からないが、

CB1300SF同様、YZF-R1のようなリッターSS、ZX-14Rのようなメガスポ、ニンジャ1000のような

スポーツツアラーに対し、ワンランク劣るが、日本の高速道路での走行には全く不足なく、

160キロ程度まで軽々加速し、140キロでの巡航は楽々こなすレベルにあると思われる。


コーナリング

 コーナリングについてもCB1300同様、重量があるため軽快感はないが、

一度コーナリング状態に入ってしまえば安定感は高く、 安心してコーナリングを楽しむことができる

がCB1300よりも若干だが、スポーティなハンドリングであるように感じた。

 しかし狙ったラインを確実にトレースできるハンドリングの洗練度では若干劣っているようにも感じた。


   

取り回し

 CB1300と比較すれば多少はマシとはいえ250キロの巨体を誇るので、取り回し易いとは決して言えないバイクである。

燃費

 実測燃費で17キロと排気量に応じた燃費だが、国内向けの車両としては珍しく、プレミアム指定なので

コスト的には苦しいところである。(空冷エンジンでこの性能を発揮しようと思うと、仕方がないのだろう)


メーター・デザイン

 古典的なネイキッドスタイルでバイクに興味のない人が見れば、CB1300と見分けがつかないだろう。

しかし、これはXJR1300が悪いというわけでなくCB1300を褒めるべきなのだが、価格の違いもあって、

塗装、エンブレムなど車両全体の質感はCB1300に劣っていることは感じられる。


     

 メーターについてはマイナーチェンジ前のCB1300と同じく、デジタル部分がほとんどない古典的なメーターで

バイクのコンセプトにはよくマッチしている。




 総評

 上のインプレでもわかるように、個人的にはXJR1300はかなりの部分でCB1300に少しずつ劣っていると感じる。

しかし価格を見ればわかるように、CB1300はXJR1300と比較し20万近く高価で、実際にはワンランク格上のバイクと言える。

 価格面でより近いCB1100と比較すれば、性能面では排気量が上なだけあって多くの部分で上回っており、XJRの巨体が

気にならないなら、コストパフォーマンスが高いバイクといえるだろう。

 

  
   
   




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MT-09 その1

2014-09-29 00:52:17 | バイク試乗、レンタル ヤマハ
 2014年9月26日、27日とレンタルバイク山科にて

MT-09を24時間レンタルし、480キロほどツーリングしたのでインプレしたい。


 私はレンタルバイクキズキが運営するレンタルバイクの会員サービス、
マイガレクラブに加入しているのだが、いままで契約していた浜松店との
契約が8月に満了となったので、新たな車種を求め、9月より京都のレンタル
バイク山科店に移籍し、その初回のレンタルとなる。




26日の走行距離 330キロ(自宅から京都までの走行距離130キロは愛車のYZF-R1を使用したので含まず)

主な走行ルート

湖西道路 ⇒ 奥琵琶湖パークウェイ ⇒ 国道303号 ⇒ 国道417号 ⇒ 岐阜県道270号

⇒ 国道418号 ⇒ 国道248号 ⇒ 国道363号 ⇒ 愛知県道112.352号 ⇒ 

国道419号 ⇒ 東海環状道(豊田藤岡~豊田南)




27日の走行距離 145キロ (自宅から京都まで)

伊勢湾岸道(豊明~四日市) ⇒ 鈴鹿スカイライン ⇒ 三重県道9号 ⇒ 国道1号 ⇒ 名阪(栗東~京都東)


性能()はABS付き

認定型式/原動機打刻型式
EBL-RN34J/N703E

全長×全幅×全高
2,075mm×815mm×1,135mm

シート高
815mm

軸間距離
1,440mm

最低地上高
135mm

車両重量
188kg〈191kg〉

燃料消費率 *1

国土交通省届出値定地燃費値 *2
27.3km/L(60km/h) 2名乗車時

WMTCモード値 *3
19.4km/L(クラス3, サブクラス3-2) 1名乗車時

原動機種類
水冷・4ストローク・DOHC・4バルブ

気筒数配列
直列3気筒

総排気量
846cm3

内径×行程
78.0mm×59.0mm

圧縮比
11.5 : 1

最高出力
81kW(110PS)/9,000r/min

最大トルク
88N・m(8.9kgf・m)/8,500r/min

始動方式
セルフ式

潤滑方式
強制圧送ウェットサンプ

エンジンオイル容量
3.4L

燃料タンク容量
14L(「無鉛プレミアムガソリン」指定)

燃料供給
フューエルインジェクション

点火方式
TCI(トランジスタ式)

バッテリー容量/種類
12V, 8.6AH(10H)/YTZ10S

1次減速比/2次減速比
1.680/2.812

クラッチ形式
湿式多板

変速機形式
常時噛合式6段/リターン式

変速比
1速 2.666 2速 2.000 3速 1.619
4速 1.381 5速 1.190 6速 1.037

フレーム形式
ダイヤモンド

キャスター/トレール
25°00′/103mm

タイヤサイズ(前/後)
120/70ZR17M/C (58W)(チューブレス)/
180/55ZR17M/C (73W)(チューブレス)

ブレーキ形式(前/後)
油圧式ダブルディスク/油圧式シングルディスク

懸架方式(前/後)
テレスコピック/スイングアーム(リンク式)

ヘッドランプバルブ種類/ヘッドランプ
ハロゲンバルブ/12V, 60/55W×1

乗車定員
2名

価格
税込 900千円 ABS付
税込 850千円 ABS無


 ジャンルは違うが愛車のYZF-R1(09年式 国内仕様)や、ほぼ同ジャンルで、

一昔前の機体となる同愛車、Z750Sと比較しながら、インプレしたい。



エンジンフィーリング・高速性能

 MT-09のエンジンの最大の特徴は、言うまでもなく3気筒であることで、

ツインのトルクと、4気筒の滑らかさの中間をねらったフィーリングだが、

以前レンタルした同じ3気筒のタイガー800がトルク重視のツイン側に振っているのに

対して、MT-09は滑らかに回転する4気筒サイドにセッティングされている印象で、

フィーリングとしては4気筒の滑らかさに、ツインのトルク感を加えた、

クロスプレーン型クランクシャフトエンジン搭載のYZF-R1に近い。

 エンジンのパワーは一番大人しいBモード、標準のSTDモード、過激なAモードと

3種類のモードが選択できるようになっており、

 高速をSTDモードで走行していた時は、やはりR1に比べてパワーが低い印象だったが、

過激なAモードに変更すると、少し強くスロットルを回しただけで160キロ近辺まであっという間に

加速してしまった。

 R1もMT-09と同様3種類のパワーモードを選択できるのだが、R1のSTDモードが、MT-09のAモード

と同じ程度のパワーのように感じた。

 ただMT-09のAモードはパワーの発生が、ピーキーで素人には扱いにくく、一般のライダーは

高速道路以外では利用しづらいとも感じた、その点R1は国内仕様とは言え、最高出力が140PS

だけのことはあり、同じ程度のパワーを、もっとなめらかに無理なく発生させるので、比較的

扱いやすいフィーリングとなっており(ただしR1もAモードにすれば、ピーキーで扱いにくい)

さすがに値段が高いSSだけのことはあるという印象である。

 年式が新しいSSと比較すれば、上に述べたような感想になるが、一昔前のストリートファイター

05年式 Z750S(110PS)と比べると最高出力こそ同一だが、MT-09のパワーはエンジンを高回転させなく

とも発生するので、実用域のパワー感は比較にならないほど、MT-09の方が上である。

 どちらにしてもMT-09が、峠でも高速でも全く不足ないパワーを備えていることは確かである。



   


 高速性能については、上でも述べたように、Aモードにすると高速道路でも一発免停になりそうな加速をするので、

通常はSTDモードの使用をおすすめする。

 ウィンドウプロテクションについては、今回のレンタル車両はアフターパーツのフロントスクリーンが装備されていたため、ノーマルの

状態は評価できないが、このスクリーンのおかげでかなり風圧は低下しており、ハーフカウルのZ750Sと遜色ないウインドウプロテクションで

あるように感じた。

 ただしやはりこのフロントスクリーンは後づけ感が強い(はっきり言えばカッコ悪い)ので、個人で購入したとすれば装備しないだろう。



 

ハンドリング・乗り心地

 MT-09の魅力はいろいろあるが、個人的には一番の魅力は軽さにあると思う、ABS無しなら装備重量188キロ、乾燥重量においては171キロとなっており、

Z750Sの乾燥重量が199キロであることを考えると、驚異的な軽さであることがわかる。

 その軽さは3気筒の採用によるエンジンの軽量化、車体自体をコンパクトにしたことによるフレームの軽量化から生み出されたものである。

その驚異的な軽さにより、ハンドリングはこの排気量の大型バイクとしては、極めて軽快である。

 乗車姿勢はよく言われいるように、モタード風味のかなりアップライトなもので、サスは上下によく動き、車両が軽量なこともあり、

路面の状況をダイレクトに伝えてくるフィーリングとなっている。

 コーナリングも軽量な車体と、強力なブレーキと相まって、不安感なくワインディングを楽しむことができる。


   

取り回し

 しつこいようだが、極めて軽量であるため、この排気量の大型ではNO1といっても良い取り回しの良さである。

燃費

 今回のツーリングでは峠もかなり走り、エンジンを回した方だと思うのだが、燃費は22キロから23キロと

WMTCモード値の19.4キロを上回った。


メーター、デザイン

 メーターは、デジタル式のシンプルなものだが、トリップAB、瞬間、平均燃費、外気温、エンジン水温、選択ギア、時計と

必要と思われる機能はすべて装備された優れものである。

  

 デザインは賛否両論だと思うが、個人的には適度に未来的で、MT-09の新時代感を表した、なかなか優れたデザインだと思う。

       

総評

 発売以来の売上が表すように、パワー、軽さ、値段などの総合力で見る限り、このMT-09が世界的に見てもNO1なのはほぼ間違いない。

 特に軽さと値段の安さは、4気筒でなく、新型の3気筒エンジンを採用したことにより発生しているので、他社は容易に追随できないだろう。

 MT-09の存在により、Z800やGSR750は競争力を失い、ホンダがせっかく新開発したCBR650F、CB650Fはほとんど存在感を無くし、同じヤマハで後に発売された

MT-07もコストパフォーマンスでMT-09に大きく劣ると判断されて、セールス面で苦戦しているようだ。


 110馬力、装備重量188キロの車両が値引きも考えると、80万ちょいで購入できるのだから、今頃他のメーカーの担当者は頭を抱えているに違いない。

さらにヤマハは、この車体をベースに様々な派生車種を発売することは間違いなく、同様にヒットする可能性は大きい。

 例えるなら携帯電話でアイフォンが発売されたのと同じくらいの衝撃を、MT-09はバイク界に与える可能性もあるのではないか。
 
 個人的にはMT-09に対抗するため、他のメーカーがどのようなバイクを開発するか楽しみである。(スズキはそのままあきらめる可能性もあるが)

 このMT-09の弱点をあえて述べるなら、車両に対してエンジンが大きいため足元が熱いことと、売れすぎて道の駅がMT-09で埋め尽くされかねない

ことくらいであり、初めて大型を購入する人は、MT-09を購入して後悔することはまずないだろう。

 

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コメント (5)
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