バイク試乗/レンタルおよびツーリング日記

お勧めのツーリングコースや試乗、レンタルしたバイクについてレポートします。

GSX-S1000F その1

2016-04-13 22:53:43 | バイク試乗、レンタル スズキ
2016年4月16日、17日とレンタルバイク三河にてGSX-S1000F

レンタルしツーリングしたのでインプレしたい。

    

16日のコース 340キロ


伊勢湾岸道(豊明~四日市) → 鈴鹿スカイライン → 国道307号 → 滋賀県道5号 → 奈良県道4号 

→ 名阪国道 → 青山高原道路 → 伊賀グリーンロード → 国道307号 → 伊勢湾岸道(鈴鹿~豊明)



17日のコース 380キロ


東海環状・中央道(豊田南~松川)→ 長野県道59号 → 国道152号 → 高遠城 → 長野県道18号

→ 国道153号 → 加茂広域農道 → 愛知県道477号


性能


型式
EBL-GT79A

全長 / 全幅 / 全高
2,115mm / 795mm / 1,180mm

軸間距離 / 最低地上高
1,460mm / 140mm

シート高
810mm

装備重量
214kg

燃料消費率

国土交通省届出値:定地燃費値
23.8km/L(60km/h) 2名乗車時

WMTCモード値
19.2km/L(クラス3、サブクラス3-2) 1名乗車時

最小回転半径
3.1m

エンジン型式 / 弁方式
T719・水冷・4サイクル・直列4気筒 / DOHC・4バルブ

総排気量
998cm3

内径×行程 / 圧縮比
73.4mm × 59.0mm / 12.2

最高出力
107kW〈145PS〉 / 10,000rpm

最大トルク
106N・m〈10.7kgf・m〉 / 9,500rpm

燃料供給装置
フューエルインジェクションシステム

始動方式
セルフ式

点火方式
フルトランジスタ式

潤滑方式
圧送式

潤滑油容量
3.4L

燃料タンク容量
17L

クラッチ形式
湿式多板コイルスプリング

変速機形式
常時噛合式6段リターン

変速比

1速
2.562

2速
2.052

3速
1.714

4速
1.500

5速
1.360

6速
1.269

減速比(1次 / 2次)
1.553 / 2.588

フレーム形式
ダイヤモンド

キャスター / トレール
25°/ 100mm

ブレーキ形式(前 / 後)
油圧式ダブルディスク(ABS) / 油圧式シングルディスク(ABS)

タイヤサイズ(前 / 後)
120/70ZR17M/C(58W) / 190/50ZR17M/C(73W)

舵取り角左右
31°

乗車定員
2名

排出ガス基準
平成19年国内排出ガス規制に対応

価格
1,166,400円


旧型GSX-R1000のフレームを流用して作られたGSX-S1000だが、性能に対して価格が安いこともあって、

2015年度の400CC以上、いわゆる大型バイクの販売台数では、ネイキッドおよびカウル付きのFを合計すると、

1303台の販売台数で総合7位、ハーレー2台を除いた、国産車では5位(1位 MT-07 2位 MT-09 3位 MT-09トレーサー

4位 CB1300シリーズ)となり、スズキとしては久々にヒットしたバイクと言える。

今回レンタルしたGSX-S1000Fのスペックをライバルと比較すると以下の通りとなる。



         トレーサー  MT-09   ニンジャ  MT-07  GSX-S
全長(mm)       2160   2075     2105   2085  2115

軸間距離(mm)     1440   1440     1445   1400  1460

シート高(mm)     845    815     820    805  810

車重(KG)        210    188     231    179  214

パワー(PS/回転)  110/9000  110/9000  138/9600  73/7500  145/10000

トルク(KG/回転)  9.0/8500  9.0/8500  11.2/7800  6.9/6500 10.7/9500

燃料タンク(L)     18     14     19     13   17

ABS           有     無     有     無   有

価格(千円)    1048千円  849千円  1350千円   700千円  1166千円

 こうして比較してみると GSX-S1000がコストパフォーマンスという面でMTシリーズに

匹敵していることがよくわかる。




エンジンフィーリング

 145馬力を誇るだけあって、回せば回すほどパワーが溢れ出てくる感じで、当たり前ながら

パワー不足を感じる局面はない。

 しかし回転が上げられない、渋滞した道路や狭い山道を走るときは、3気筒のMT-09シリーズ

と比較するとトルクが多少薄く感じるところもある。

 基本的に回せば回すほど楽しいエンジンなので、どんどんぶん回したいところだが、公道では

それもかなわず、ストレスを感じる部分もある。

 全体的なフィーリングとしては、大型の高性能水冷4気筒エンジンということで、ニンジャ1000

とかなり似た印象である。

 



高速性能

 上でも述べたように、エンジンパワー自体は160キロ巡航も楽にこなせるほどのパワーだが、

ウインドウプロテクションについてはカウル付きのFでも、下半身はしっかりとガードしてくれるが、

ネイキッドよりはマシとはいえ、上半身はフロントウィンドが小ぶりなこともあってプロテククション

の効果はせいぜい胸のあたりまでで、しっかりと全身を防御してくれるトレーサーやニンジャ1000とは

比較にならない。

 ウィンドウを大型のものに替えれば多少ましになるかもしれないが、デザインのバランスが崩れるし

角度もあまり立てれないと思うのでトレーサーやニンジャ1000と同レベルにするのは不可能だろう。




ハンドリング・乗り心地

 ハンドリングについてはリッターバイクにふさわしく、スポーティーながら安定したハンドリングとなっており、

コーナーリングの最中でも挙動が乱れることはなく、安心してワインディングを楽しむことができる。

 またABSもトラクションコントロールも標準で装備されているので鬼に金棒といったとろである。

  


 乗り心地と言うか乗車姿勢はネイキッドのS1000と全く同一で、さすがにSSほどではないがハンドルが低いポジションに

ついていて、そこそこの前傾姿勢となってしまう。

 最初の1日目は腕に体重がかかってしまい多少違和感を感じたが、2日目には慣れてしまったので、あまり気にすることもない。

 しかしながら、ツアラーとして専用に作られたニンジャ1000やトレーサーだけでなく、おなじネイキッドのMT-09・07と比較しても

厳しい姿勢となるので、なるべく楽なバイクが良いならおすすめできないところである。


取り回し

リッターバイクとしては車重も軽く、足つきも良いので、かなり良好と評価できる。

燃費

 今回のツーリングでは20キロ程度とWMTCモードを上回る結果を残すことができた。

ほぼ同じパワーの愛車である国内仕様YZF-R1の燃費は15キロ程度なので、かなりの高燃費と言って良い。





メーター、デザイン

 メーターはスズキお得意のフルデジタルで特筆すべき点はないが、必要とするほぼ全ての情報を表示できる

高性能なメーターであり、デザイン性はともかく、機能的には全く不足はない。





 デザインに関しては、サイドから見たときは精悍なのだが、正面からみるとカウルが太く見えることと巨大なヘッドライトと

あいまって、どことなくユーモラスな印象を受ける。

 鈍重に感じる人もいるかもしれないが、個人的には気に入っているデザインである。


   

  


総評

 正直に言うと、GSX-S1000Fをレンタルして半日くらいは、

多少ポジションは前傾だが、特徴がないバイクだなという感想で、

気に入っていたわけではなかったが、

2日間乗って返却する前には、すっかり馴染み返すのがおしくなるほどだった。

 このようにGSX-S1000Fは大きな尖った特徴はないが、

145馬力の大パワーとそれを支えるしっかりとしたフレーム・サスペンション、

強力なブレーキ、ABSやトランクションコントロールなどの電子装備が

高い次元でバランスされていて、

 さらに価格もカウル無しなら定価で税込111万と

かなりのバーゲンプライスとなっており、

圧倒的なコストパフォーマンスを誇るMTシリーズや

ブランドパワーのあるCB1300シリーズに続く販売実績と

なっているのも納得の完成度と言える。

 個人的に惜しいなと思うのは、せっかくネイキッドとカウル付きを作るなら、

Z1000とニンジャ1000とまではいかなくとも、

 Fについてはハンドルだけでも高ければ、ライディングポジションも楽になり、

スポーツ性を求めるライダーは無印、ツアラー要素も求めるライダーはFと住み分けができて、

もっと販売台数も伸びたのではないだろうか。

 なんにせよ、このGSX-S1000シリーズが、

高性能、軽量、低価格を実現したヤマハのMTシリーズに対抗する、

スズキの回答であることは確かだろう。



 

 


 









コメント
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