バイク試乗/レンタルおよびツーリング日記

お勧めのツーリングコースや試乗、レンタルしたバイクについてレポートします。

NM4 その1

2015-02-22 22:50:58 | バイク試乗、レンタル ホンダ
 2015年2月14日から15日にかけて、レンタルバイク山科にてNM4-01をレンタルし、570キロほど
ツーリングしたので、インプレしたい。


 主な走行ルート 1日目 300キロ

 名神高速 京都東IC ~ 明石海峡大橋 ~ 淡路IC ~ 兵庫県道31号 (淡路サンセットライン) ~ 兵庫県道76号 (南淡路水仙ライン)

~ 神戸鳴門淡路自動車道 洲本IC ~ 鳴門大橋 ~ 鳴門北IC ~ 鳴門スカイライン ~ 国道11号 ~ 徳島市(宿泊)


 主な走行ルート 2日目 270キロ

 徳島市 ~ 国道11号 ~ 東かがわ市(食事) ~ 国道11号 ~ 鳴門スカイライン ~ 鳴門北IC ~ 鳴門大橋 ~ 淡路島南IC ~ 

兵庫県道31号 ~ 淡路IC ~ 京都東IC


 2014年の大阪モータサイクルショーでの初対面以来、一時期は購入も考え、ずっと試乗したいと思っていたMN4が、

年間レンタルサービスのマイガレクラブのラインナップに加わり、試乗することができたのでインプレしたい。



性能

型式
EBL-RC82

全長(mm)
2,380

全幅(mm)
810〈サイドミラー両端幅 933〉

全高(mm)
1,170

軸距(mm)
1,645

最低地上高(mm)
130

シート高(mm)
650

車両重量(kg)
245

乗車定員(人)
2

燃料消費率(km/L)*1

国土交通省届出値:
定地燃費値(60km/h)*2
38.0〈2名乗車時〉

WMTCモード値
(クラス)*3
27.8(クラス 3-2)〈1名乗車時〉

最小回転半径(m)
3.2

エンジン型式
RC70E

エンジン種類
水冷4ストロークOHC4バルブ直列2気筒

総排気量(cm3)
745

内径×行程(mm)
77.0 × 80.0

圧縮比
10.7

最高出力(kW[PS]/rpm)
40[54]/6,250

最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm)
68[6.9]/4,750

燃料供給装置形式
電子式〈電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)〉

始動方式
セルフ式

点火装置形式
フルトランジスタ式バッテリー点火

潤滑方式
圧送飛沫併用式

燃料タンク容量(L)
11

クラッチ形式
湿式多板コイルスプリング式

変速機形式
電子式6段変速
(デュアル・クラッチ・トランスミッション)

変速比

1速
2.666
2速
1.904
3速
1.454
4速
1.200
5速
1.033
6速
0.864

減速比(1次/2次)
1.921/2.294

キャスター角(度)
33゜ 00′

トレール量(mm)
110

タイヤ


120/70ZR18M/C(59W)


200/50ZR17M/C(75W)

ブレーキ形式


油圧式ディスク


油圧式ディスク

懸架方式


テレスコピック式


スイングアーム式(プロリンク)

フレーム形式
ダイヤモンド


エンジンフィーリング・高速性能

 エンジンフィーリングはNCシリーズと同様、高回転域を捨てて、低速トルクに振ったセッティングだが、

この特性はNC700Xのインプレでも説明したように、マニュアルで乗る場合は、1速がすぐにレブリミットに

あたり、2速、3速にシフトアップしなければならないが、自動変速のDCTが標準装備であるMN4においては、

変速が自動化されているのであまり気にならず、低速トルクが豊富なエンジンはクルーザーであるMN4の特性とマッチしている。


 高速性能についても、140キロ巡航は十分に可能なエンジンパワーがあり、巨大な前方カウルとフロントスクリーンの

おかげでウィンドウプロテクションも高いので、高速道路の走行は得意とするステージといってもよい。


 

ハンドリング

 軸間距離1,645mmと長く、車高も低いので安定感があり、海岸線などをまったり走るには向いているが、

反面、峠などのワインディングでは、ハンドリングに軽快感がないのは仕方ないが、とにかくバンク角が足らないので、

常にこすらないよう気にしながらのライディングとなるのであまり楽しめない。

  

 またこのNM4の大きな特徴として、リアシートが跳ね上り、背もたれになるという機能があるが、

  

 試乗開始時は、背もたれを倒したまま乗っていたが、リアシートとの段差の部分が背骨に当たり、

だんだん苦痛になってきたため、途中で背もたれを起こして乗る方法に変更したのだが、

 そうすると腰の苦痛も消え、背中を背もたれに預けることによりポジションも安定させることができた。

 車に乗るように、背もたれに背中を預けてライディングするというスタイルは特徴的で、MN4の大きな個性といえる。

 
乗り心地

 クルーザーの宿命としてリアサスペンションの余力がほとんどないので、路面の衝撃が

ダイレクトに伝わり、舗装状態がよくない道を走ると、衝撃を全身に受けなながらの走行となるため、

それなりの覚悟が必要となる。


取り回し

 全長が長いので、多少取り回しに苦労するが、またがったままバックする場合は、背もたれを利用して

力を加えることができるのでやりやすいとう長所がある。



燃費

 DCTのモードをスポーツモードにする、高速道路で140キロで巡航するなど、エンジンを回し続ければ、リッター当たり25キロから

最悪20キロ程度まで悪化するが、Dモードのままで、エンジンをあまり回さないよう意識して運転すれば、リッター30キロという大型としては

驚異的な高燃費が期待できる。

 ただ燃料タンクの容量が11リットルとかなり少ないので、200キロ走行すると給油の心配が必要になるのは大きな欠点である。





メーター、デザイン

 メーターついてはDCTのモードに応じ色が変わるなどSFチックで、このバイクのコンセプトによくマッチしている。


 デザインはとにかく個性的で好き嫌いが大きく分かれる部分だと思うが、私はカッコイイと感じるし、

このバイクを購入する理由のほとんどは、このガンダムチックなデザインにあると言っても良い。


   
 

収納

左側約1L・右側約3Lの容量のフロントユーティリティーボックス。左側はアクセサリーソケットを装備し、キーシリンダーと連動したキーロック式。
(ホームページから引用)
容量は小さく、左側はスマホ用、右側はカッパ・車検証用と割り切ったほうが良いだろう。
 
構造上リアシートに荷物をくくることもできないし、タンクバックも設置困難、リックサックを背負ったまま、リアシートを起こすと干渉するといった具合で、

とくにバニアケースがない01の場合、積載に頭を悩ますことになるだろう。


その他機能

 サイドミラーはカウル一体型のデザインとしたため位置が低く、半分くらいは自分の拳が

写り続けるため視認性は悪い。

 

ハンドル左側にはライトハイ・ロー切り替え、ハザード、クラクション、マニュアルモード時のシフトアップ・ダウンなどの各種スイッチが、
  
右側にはエンジンスイッチ、DCTモード切り替えスイッチなどが装備される。

DCTの特性上、停車時はニュートラルになるため、サイドブレーキも装備されている。


総評

 大阪モータサイクルショウで初対面した時には購入も考えたNM4だが、結局購入には至らなかった、
その理由として、まず値段が思ったより高かったということがある。

 01でも100万円、02は116万円という価格は、機能的にはかぶるが、NCシリーズの中でも人気がない
インテグラのマイナーチェンジ前の在庫車が、65万前後で購入できることを考えるとかなり割高で、
しかもデザイン以外の、スポーツ性、積載性、タンク容量などは全てインテグラが上回る。

 今となってはかなわぬ希望だが、NM4はクルーザーとしてでなく、デザインコンセプトはそのままで、車高をNC750S並に高め、
売りであるフロントラッケージスペースを装備したツアラーとして発売して欲しかった。

 ホンダのマーケティングとしては、ユーザーのニーズとして足つきが重視されるため、クルーザーのパッケージングとなったとの
記事を見たことがあるが、それならCTXシリーズと統合して、デザインをミニF6Cにしたほうがよかったのではないだろうか。

 このNM4のデザインに魅力を感じるライダーは、ツアラーを求めるニーズのほうが大きかったと思われるだけに、なんとも惜しいと
感じるところである。

 
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MT-07 その1

2015-02-07 22:19:54 | 愛車たち
2015年1月に、4年と7ヶ月に渡り、保有してきたZ750Sを下取りに出し、 新たにMT-07を購入したので、インプレしたい。


購入経緯
 
 Z750Sは多少シートの座りごごちが悪いものの、スポーティーな乗り味ながらロングツーリングにも対応でき、
直4のエンジンフィーリングが気持ちよく、大きな故障もないという優れたバイクであったが、
4年以上の長きに渡り保有してきて、気分をリフレシュしたかった事、走行距離も5万7千キロ以上となり、
そろそろオーバーホールが必要になるかもしれないという不安もあって、車検を迎える15年3月までには新たなバイクに
乗り換えようとの思いが強くなり、14年に入ってから候補のバイクを選定していた。  


 このMT-07以外にも、このブログでもレビューしたインテグラMT-09も候補にのバイクとなっていたが、
インテグラについては、14年の2月にスポーツシティキューブ250IEを購入したため、
同じスクータータイプの車両で被ってしまうので候補から外れ、
MT-09に関しては、ほぼ乗り換え車両に決定していたのだが人気が高く、しばらくは車両が手に入らない状態であった。  

 MT-09が手に入らない状態が続く中MT-07が発売され、有力な候補として浮上してきたためどこかで
レンタルまたは試乗ができないかと思っていたところ、
三河モーターサイクルショー2014にて せまいコース内ながら試乗することができ、
予想通り、出来の良いバイクであることを確認したのであった。
 
最後までMT-09とMT-07で迷ったのだが、この試乗もあって最終的にはMT-07に決定し、今回の乗り換えに至った。  
 


購入費用(レッドバロン)

本体価格 67万円(3万円値引き)
ETC移設、電源ソケット  1万7千円
(取付工賃、ETCステー代含む)
諸費用 3万2千円 オイルリザーブ 1万2千円
保険 2万5千円
総額 75万4千円

そこからZ750Sの下取り額16万5千円 を差し引いた
59万円が総支払額となった。


性能


認定型式/原動機打刻型式
EBL-RM07J/M403E

全長×全幅×全高
2,085mm×745mm×1,090mm

シート高
805mm

軸間距離
1,400mm

最低地上高
140mm

車両重量
179kg〈ABS付182kg〉

燃料消費率 国土交通省届出値定地燃費値
38.4km/L(60km/h) 2名乗車時

WMTCモード値
24.1km/L(クラス3, サブクラス3-2) 1名乗車時

原動機種類
水冷・4ストローク・DOHC・4バルブ

気筒数配列
直列2気筒

総排気量
689cm3

内径×行程
80.0mm×68.5mm

圧縮比
11.5 : 1

最高出力
54kW(73PS)/9,000r/min

最大トルク
68N・m(6.9kgf・m)/6,500r/min

始動方式
セルフ式

潤滑方式
強制圧送ウェットサンプ

エンジンオイル容量
3.0L

燃料タンク容量
13L

燃料供給
フューエルインジェクション

点火方式
TCI(トランジスタ式)

バッテリー容量/種類
12V, 8.6AH(10H)/YTZ10S

1次減速比/2次減速比
1.925/2.687

クラッチ形式
湿式多板

変速機形式
常時噛合式6段/リターン式
変速比
1速 2.846 2速 2.125 3速 1.631
4速 1.300 5速 1.090 6速 0.964

フレーム形式
ダイヤモンド

キャスター/トレール
24°50′/90mm

タイヤサイズ(前/後)
120/70ZR17M/C (58W)(チューブレス)/ 180/55ZR17M/C (73W)(チューブレス)

ブレーキ形式(前/後)
油圧式ダブルディスク/油圧式シングルディスク

懸架方式(前/後) テレスコピック/スイングアーム(リンク式)

ヘッドランプバルブ種類/ヘッドランプ ハロゲンバルブ/12V, 60/55W×1

乗車定員
2名

MT-07の性能をZ750S・MT-09と比較すると以下のようになる。

          MT-07   MT-09      Z750S
最高出力      73PS   110PS      110PS
最大トルク     68N     88N     75N
重量(装備)    179KG   188KG    225KG(推定)
シート高      805mm   815mm    805mm
新車価格(ABS無)  70万    85万    90万程度


エンジンフィーリング・高速性能

 73という馬力は、MT-09やZ750の110馬力と比較すれば大きく劣るが、
比較的低回転で最高馬力が発揮される設定となっているためトルクは太く、
ややピーキーなMT-09と比べると、峠や街乗りにおいては
自分が思った通りの馬力を発揮できる、コントローラブルな
エンジンフィーリングである。

 高速性能はまだ十分に試していないが、140キロ程度の巡航は余裕でこなすが、
2気筒なだけあって振動も大きくなり、快適性や官能性では、直4のZ750Sのほうが、
優れているように感じる。

 またツインの特性上、信号停止時にギアを落とし忘れ、
そのまま発進しようとすると、4気筒のZ750Sならねばっていたところでも、
比較的エンストしやすいので、交差点で狼狽することがある。

 総合的には雑誌等での評判通り、初心者には扱いやすく、
ベテランの要求にも答えることができる、クセのない、
完成度が高いエンジンと言える。

 

ハンドリング・乗り心地

 1400mmという驚異的に短い軸間距離、179キロの超軽量な車重の相乗効果により、
ハンドリングは軽快そのもので、車重が軽いことによりZ750Sで感じることがあった
ブレーキングの恐怖心も低下し、とくにタイトコーナーが続くような峠では、
Z750Sよりもはるかに楽しくコーナリングを楽しむことができる。
個人的にはこの部分がMT-07最大の長所と言える。

  

 乗車ポジションは、一部のストリートファイターやスポーツツアラーのように
前傾がきつい事もなく、MT-09のようにモタード風に直立に近いものでもない、
ごくごくスタンダードな乗車ポジションで、多くのライダーは違和感なく
適応できるものとなっている。

 シートに関しては、Z750Sほどではないが、ややシートのクッションが薄く、
フロントシートの長さも短かく、ポジションを変更するのも窮屈で、
1時間半も乗車すれば、尻が痛くなるため、Z750Sより
移設したゲルザブを装着し対応した。


 
取り回し

 シート高も低く、さらに大型バイクの常識を破る、超軽量、コンパクトな車体だけあって、
取り回しの容易さは大型バイク中NO1であることは間違いない。

 

燃費

 購入して1年間1万キロを走行した時点の感覚では、

ツーリングではコンスタントにリッター25キロを達成、北海道ツーリングの様な

好条件では28キロに届く高燃費を達成、さらにレギュラーガソリン仕様なので

大型バイクではNCシリーズに次ぐ経済性を誇る。(15年12月1日改訂)


メーター、デザイン

 メーターに関しては、デザイン的にはMT-09とほぼ同一なもので、デジタルの味気ないデザインだが、
  
機能的には、ギアポジション、外気温、燃費計、瞬間燃費計など豊富な機能が装備されている。

 デザインの全体的な方向性はMT-09同様近未来的なSFチックなデザインとなっており好き嫌いが分かれるところだろう。
個人的にはデザインの方向性はともかく、もう少しMT-09と差別化して欲しかったというのが正直なところである。
  

 また軽量化と低コストを実現するため、タンクを中心に各部にプラスティク部品が使用されているため
バイクといえば鉄の塊というポリシーを持つ人には安っぽく(実際安いのだが)見えるだろう。

 私だけかもしれないが、キースイッチがライダーから見えにくい場所にあるため、バイクから降りた際に、
キーを抜き取るのを忘れそうになるのも改善してほしいポイントである。


 積載性は低いので、私はリアシートにシートバックを
装着(リアシート本体に輪が付いているので装着しやすい)
して対応している。


 
MT-07かMT-09か

 私もそうだったように、MT-07の最大のライバルは、他メーカーの同クラスのバイクでなくMT-09と言っても良いだろう。
MT-07のMT-09に対する長所・短所をまとめると以下のようになる

長所
・価格 ・車重 ・取り回し
 
 以上の3点はMT-09でも他社のバイクに対し大きなアドバンテージを持っているが、
MT-07ではそれをさらに追求している。

短所
・エンジンパワー ・エンジンパワーセレクトなどの電子制御
 
 MT-09のMT-07に対する最大のアドバンテージはそのエンジンパワーであろう。
MT-07のパワーでも必要十分でむしろ峠ではこちらのほうが扱いやすいのだが、
やはり大型バイクならではの圧倒的なパワー感といった面でMT-09に惹かれるのも
よく理解できる。

 私がMT-09でなくMT-07を選んだ理由は、エンジンパワーに関しては、より高出力な
YZF-R1を所有しているからであって、もし1台しかバイクを保有できないなら、
悩んだ末、MT-09を購入していた可能性が高い。


総評

 MT-07はコストパフォーマンス、超軽量ボディおよび新設計のコントローラブルなエンジンの相乗効果による
軽快なハンドリングによって、他社の同クラスのバイクを大きく引き離しており、実質的なライバルは
兄貴分であるMT-09のみな状態といってもよい。

 発売当初はMT-09の圧倒的な人気の前に隠れていたところもあったが、徐々にその良さが浸透し、
道の駅などでも見かける頻度が多くなっている。

 オーナーとしてはMT-07の良さがわかってもらえるのが嬉しい部分もあるが、道の駅がMT-07で溢れてしまう
のを恐れる部分もあり、複雑なとことである。


 


 
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