「今日の小さなお気に入り」 - My favourite little things

古今の書物から、心に適う言葉、文章を読み拾い、手帳代わりに、このページに書き写す。出る本は多いが、再読したいものは少い。

2013・10・13

2013-10-13 10:40:00 | Weblog
今日の「お気に入り」。

「新しい資本主義は柔軟であってほしい。
 ほどほどにもうけながら、自然や現地の人達を大切にする。そんなあったかな資本主義。これは『別解』である。資本主義は本来、競争が大原則。ドライで冷たく、きびしい。これは20世紀の常識。
 共産主義は自滅していった。論理的に破綻していった。共産主義になっても、人間の倫理観を変えない限りまともな国にならないのだ。『新しい人間』が生まれない限り、革命なんて、意味がないのだ。
 ソ連の末期にチェルノブイリの放射能汚染地域の子供達を救うために、共産主義の国に入った。だめな国だなと思った。民衆は、貧しく、まともな医療が受けられていないのに、権力をもった人達は特別の病院で受診することができる。共産党の幹部が行く、リゾート地があったりする。これでは、共産主義がもつわけがない、とぼくは思った。それから、ソ連が崩壊するのに、4ヶ月しかかからなかった。
 邪悪な心が権力を握れば、共産主義はますます専制的になり、怖いシステムになることもわかってきた。
 資本主義しかないとすれば、20世紀型の競争する資本主義でなく、あったかな資本主義ができたらいいな、と思う。
 『別解力』が必要とされていると思う。あったかな資本主義なんて、可能なのかどうかわからないけど、可能にしたいと思う。競争を原則としながら、競争に負けた人達も、もう一度生きなおすチャンスが与えられる国にしたい。働きたいと思っている人達がいきいきと働ける国になったらいいと思う。
 みんなが自分や家族のために99%働きながら、1%は誰かのために、と思っているような国。そんな国ができたらいいと思う。可能性は十分にあると思う。」

「ぼくが一番ゲバラを評価しているのは、キューバ革命が成功した後に使用した、『新しい人間』という表現だ。」

「人のために働く人間。」

「中国や北朝鮮を見ていると、『新しい人間』の匂いがまったく感じられない。だから、魅力を感じない。ぼくは『新しい人間』になるように努力してきた。ゲバラの『新しい人間』というバトンをリレーしていきたいと考えて生きてきた。」

(鎌田實著「〇に近い△を生きる」ポプラ新書 所収)

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