TRASHBOX

日々の思い、記憶のゴミ箱に行く前に。

Hero's

2005年07月10日 | 格闘のお時間
先日6日に行われたHero's。その日は1時過ぎまで会社で仕事で、次の日もそこそこ早い。家に着いたらとっとと寝たほうが良いのだろうけれど、やっぱりテレビの前に座って録画した試合を見ちゃいました。試合以外の部分はずんずん早送りしたけどね。

しかし所は凄かった。優勝候補のペケーニョから一本勝ちだよ!ギロチンチョークの対策もよく練られていたし(前田日明がアドバイスしたらしい。この人、結構良い指導者になるかも)、最後にバックハンドブローを仕掛けた機転と勇気も素晴らしい。こういう試合ができるというののは、相手の闘い方と自分の実力を客観的に把握しているからだと思う。「相手のビデオなんか見ない」みたいな無頼派ファイターも、それはそれで個性のうちかもしれないが、どうも闘うことへの敬意が感じられらない気がして好きではないのだ。そういう意味でも注目すべき選手。素晴らしい一戦とはいえ、これだけで貧乏フリーター暮らし(コンビニ弁当を食べながら「魔裟斗選手はこんなの食べないでしょうね」という取材映像は哀しかったなぁ)からすぐ脱出できるわけではないだろうが、頑張って欲しいものだ。高田さん、団体違うけどジンギスカンでも奢ってあげてくださいな。

キッドの試合は、以前に比べて切れ味が感じられなかった。風邪で体調を崩して薬を飲んでいたということもあったようだけど、試合後の前田のコメントはちょっと気になる。「体調が悪かったのはともかく、無駄な動きが多い。仲の良いメンバーだけでなくいろいろな人間と練習しないと」みたいなことなのだが、進化の速い総合の世界では、常に闘い方をバージョンアップさせていかないとたとえ「神の子」と言えども、うかうかしてはいられない。そういう意味では、いま人気の勢いでは魔裟斗を超えていると思えるキッドも、新たな試練を迎えているのではないだろうか。

全体的に玉石混合、という印象の大会だった。サップとカラエフの試合は、格闘技として人に見せるレベルではない。アーツと若翔洋、宮田とガイダルベコフも後味がすっきりしない。でもセフォーの「陽気な暴れん坊」キャラはなかなか魅力的で、今後も注目だ。それからHero's自体について言えば、プロレスの全日と新日が個性の出し方をあれこれ模索したようにプライドとのはっきりした差別化が必要となってくるだろう。ボクシングのWBAやWBCみたいに認定団体として存在していけるほど興行ビジネスとしての地盤はないわけで、見ている人間にアピールするものがないと、選手の話題性のみで勝負する羽目に陥るかもしれない。その失敗例は嫌と言うほどあるはずなのだけど。

しかし前田が出てきたことで格闘界に新しい刺激が出てきたのも事実。9月の試合も目が離せません。