ネット版の朝日でこういう記事を読んだ。<NY名物鳥の『タカの巣撤去』アパートに市民抗議>―五番街の高級アパート(927 Fifth Avenue)の12階あたりのひさしに居を構え、10年近くニューヨーカーの人気者だったアカオノスリ(red-tailed hawk)の巣が管理者によって撤去されたのだ。アパート側は「住人の合意」と説明しているが、市民や環境団体は猛烈な反発を見せ、プラカードを掲げたりその前を車で通るときはクラクションを鳴らすなどの抗議活動が起こっている。街の人気者を抱えて連日望遠カメラを向けられる住人たちのフラストレーションも判らないではないが、やはりちょっと乱暴じゃないか。
この話で思ったのは「タカの巣は誰のものか?」ということ。確かに建物自体は住人のものだ。でも同時に彼らは、この街に住むことの恩恵―楽しさとかステイタスとか―を十二分に享受しているはずで、五番街の高級アパートで巣作りをする野生動物、というトピックはそのニューヨーク的な楽しさのひとつではないのだろうか。一方鳥のファンたちにとっては、「オラが街の一部」であり「ほぼ自分たちのもの」だったのだと思う。
それをいきなり除去してしまうのは、この街に似つかわしい行動とは思えない。度を過ぎた取材(中には鳥を撮るふりをして住んでいる著名人を狙った人間もいたかもしれない)にはルールを設けて規制したり、生態について生物学者に相談したり、何かできることがあったはずだ。(そこそこ金持った人間が住んでるわけだし)何かトラブルが起こったときは、楽しみながら前向きに解決する―それがニューヨーク的解決法だと思うのだが。話題のアカオノスリは、後日セントラルパークで飛んでいる姿を目撃されている。
この話で思ったのは「タカの巣は誰のものか?」ということ。確かに建物自体は住人のものだ。でも同時に彼らは、この街に住むことの恩恵―楽しさとかステイタスとか―を十二分に享受しているはずで、五番街の高級アパートで巣作りをする野生動物、というトピックはそのニューヨーク的な楽しさのひとつではないのだろうか。一方鳥のファンたちにとっては、「オラが街の一部」であり「ほぼ自分たちのもの」だったのだと思う。
それをいきなり除去してしまうのは、この街に似つかわしい行動とは思えない。度を過ぎた取材(中には鳥を撮るふりをして住んでいる著名人を狙った人間もいたかもしれない)にはルールを設けて規制したり、生態について生物学者に相談したり、何かできることがあったはずだ。(そこそこ金持った人間が住んでるわけだし)何かトラブルが起こったときは、楽しみながら前向きに解決する―それがニューヨーク的解決法だと思うのだが。話題のアカオノスリは、後日セントラルパークで飛んでいる姿を目撃されている。