goo blog サービス終了のお知らせ 

国道122号沿いの音楽喫茶 『ドルフィン』

さぁ、音楽を聴け!
コーヒーは自分で沸かして用意して…
そんな仮想の音楽喫茶

大宮・四谷・根津極楽ジャズ巡り 第1章「やっぱりやっちまいました…」

2010年02月20日 | マスターの紀行文
年に2度か、
ディスクユニオンが大宮ソニックでCD、レコードの販売会を行う。
別に義理立てをするつもりはないが、
やはり埼玉という土地に住んでいると
「行こっかなぁ」という気持ちになってしまう。

最近は少しCDやレコードを買い控えようと思っているため
「まぁ、何か見つかれば…」という気持ちで
大体1万円ぐらいを目安にして、それよりも少なければ御の字だ。
そんな感じで会場に向かった。
10時半で整理券番号が40番台、
集まった全員が全員ジャズを目当てにしているわけではないし、
それほど気持ちを向上させていなかった僕にとっては可もなく不可もなくの番号である。
今回はイベントが多かったためいつもの場所と違った会場であったが、
開場する前には廊下に折り返し3列の列ができるほどの人が集まっていた。
何故にこんなに人が集まるのかと訝しむ部分もあるが、
やはり何だかんだで音楽好きの人はそこそこいるのだろう。

開場は、ちゃんと並んだ列で入るが、中にひとたび足を踏み入れればそこは戦場である。
エサ箱に向かい、左右の手で素早くジャケットを引き出していく。
これはかなり肩と腕に疲れが来るため、日頃からちゃんと鍛えておく必要もあるだろう。
買うつもりなどあまり無かったはずなのに、
いざジャケットを引き出していくと、
そこには無いはずのレコードやらCDやらがイッパイ…
困ったことに手に取らざるを得ない。

今回の一番の収穫は『ニューヨーク・コンテンポラリー・ファイブ Vol.1』である。
これがなかなか手に入らないのだ。
盤の状態は芳しくないが、見つかったときに手に入れておかなければということで
予想外の出費が…
こうして結果は目安金額を易々と超えてしまうわけだ…
自分の中にいる魔物に勝つのは難しいということが教訓としてむなしく響く…

池袋・高田馬場ジャズ巡り 第2章「勘と道路標識を頼りに「MILESTONE」を探せ!」

2010年02月07日 | マスターの紀行文
池袋の放出会に出掛けようと思った理由はもう一つある。
これを機会に池袋方面のジャズ喫茶にも行ってみたいと思ったからだ。
都内にはまだまだたくさんのジャズ喫茶が残っている。
自分の通い慣れたところは気心が知れて行きやすいが、
ジャズ喫茶の魅力は自分の心の安寧さだけを求める場所だけではない。
新しいジャズを求める場所でもある。

考えたのは東上線を上がって朝霞にある「海」に行くか、
それとも山手線ですぐの高田馬場に行くかと悩んだが今回は高田馬場を取った。
高田馬場には有名なジャズ喫茶「イントロ」がある。
ただ「イントロ」は開業時間が少々遅めのため、
今回はもう一つのジャズ喫茶「MAILSTONE」を狙う。

高田馬場には専門学校通いで一時期降りていたのだが、
ひさしぶりに降りてみると随分と雰囲気が変わっていた。
山手線ホームでは「鉄腕アトム」が流れ、駅前には手塚治虫作品の壁画がある。
駅前ロータリーもきれいに整備され、
とにかくどこをどう歩けばいいのか「東京ジャズ地図」を片手に思いのままに足を進める。

とりあえず目印の点字図書館を見つけようと歩くが、
常に勘と道路標示を頼りしているためなかなか見つからない。
「もうここら辺なんだけど…」とふと右手を見ると
「喫茶、ジャズ、古本」の看板が!

それはあまりにも壁に自然に溶け込んでいるような喫茶店だった。
とりあえずブログアップ用に写真を撮るのだが、あまりの静けさにちょっと躊躇する。
表にはコーヒーメニューが置かれ、その味を説明してある。
値段はちょっとお手頃でこれが逆に僕を不安にさせる。
ジャズ喫茶は意外にコーヒーが高めに設定されているため、
「本当かしら?」という疑念が生まれてしまうわけだ。

まぁ、何はともあれ悩んでいても仕方がない。
僕はゆっくりと扉を開けた…

池袋・高田馬場ジャズ巡り 第1章「物欲の地獄がそこにある」

2010年02月06日 | マスターの紀行文
今週は辛かった。
とにかく遠出をした後というのはかなり疲れる。
無事一週間を乗り越え、週末をのんびりしようかとも思っていたのだがそうはいかない。
今日は池袋でのレコード、CDの放出会があった。
アマゾンで大体のものが買えるし、特に欲しい物があったわけではないが、
それでも足を向けてしまうのはジャズキチの悲しい性であろうか。

豊島区民センターに行ってみるとどうも前回より出品数が少ないように思える。
こちらもその気がないから適当に漁っていると
それでもやっぱり出会ってしまうのが縁というものだろう。
アンドリュー・ヒルにアル・ヘイグ、ウディ・ショウと
僕の好きなミュージシャンのレコードがわさわさと出てくる。
エロール・ガーナーの『パリズ・インプレッション』と
チェット・ベイカーがウォーン・マーシュと共演したものまであったが
少々値段が張ったので今回はパス(次回があるかどうか分からないのだが…)
オリヴァー・レイクの『ヘヴィー・スピリッツ』といったあまり見ない物も発見。

と、ここまでは冷静に値段と相談しながら選んでいけたのだが、
CDのコーナーで完膚無きまでに理性が粉砕されてしまった。
何せウィントン・ケリーの『枯葉』の別テイク集や
ミシェル・サルダビーの『ナイト・キャップ』などあまり見かけないものがある。
しかもアルバート・アイラーの『スィング・ロウ・スィート・スピリチュアル』という
超貴重盤まで発掘してしまった。
この状況で理性がプッツンしないほうがおかしい。

終いにウエイン・ショーターの『ファントム・ナビゲーション』のレコードまで見つけた。
CDで持ってはいるのだが、
盤は良好だし、何といってもそのジャケットはぜひ飾っておきたい。
しかも1000円以下だなんて!

やっぱり放出会は楽しいのだが、ちょっと危険だ…

あなたはストック盤を買いますか?

2009年11月21日 | マスターの紀行文
ここ数日の忙しかったがようやく一段落。
今日はひさしぶりに新宿まで出た。
ここしばらく「密林」と「釣り」でCDやらレコードやらを買っていたが、
やはり自分の手にとって買うというのも楽しいものである。
実際に店舗を訪れて買い物をすると、
その時の運によっては掘り出し物も見つかったりする。
「もしかすると今日出会えるかも…」という期待に胸も膨らんでくるのである。

今日はちょっと先に新宿にある有名なつけめん屋「風来坊」を訪ねてから
ディスクユニオンに向かった。
最近ではCDよりも先にレコードの方を見に行ってしまうのだが、
今日行ってみるとかなりエサ箱が出されていて、
しかもかなりの人でにぎわっていた。
新宿ジャズ館は土曜日に新入荷の中古品を出しているのだが、
どうも今日は何らかのスペシャルのようである。
特に目的もなくいつも訪問するため
とにかく新入荷のエサ箱から漁っていく。

すると今日も見つかりました。
カウント・ベイシーの『ベイシー・ジャム』に
セシル・テイラーの『インデント』、
アル・ヘイグの『チェルシー・ブリッジ』など満足な収穫。
レコードだと探していた物が500円以下ということもありお得。
(CDで廃盤になっていたりすると結構高くなってしまう)

その中にマーヴィン・ピーターソンの『ハンニバル』があった。
実は『ハンニバル』は、前に同場所で購入していた。
あまり状態がよくなく、ジャケットもぼろぼろ気味であったが、
そう見つける機会も無いので購入したのだが、
今日であったものはジャケットも盤の状態もいい。
ここが悩みどころ…
前に買ったが、なかなかこの状態で出会うのは…と考えると
ついつい手に取ってしまう。
「レコードは消耗品だから…」と言い訳がましく購入。

こういうときあなただったらどうします?

寂しいのは写楽だけか?

2009年08月29日 | マスターの紀行文
8月もいよいよ終わりが近づくと
何やら物悲しい気持ちになってきたりもする。
おそらく夏休みが終わり、
また学校へ行く小学生のような気持ちになるからだろう。

てなわけで朝からどうも調子が悪い。
気持ちが落ち込むとせっかくの休みに予定していたことも
実行したくなくなるから不思議なもんである。
当初は「いーぐる」で連続講演を聞こうと思っていたのだが、
今日は予定を変更して江戸東京博物館に「幻の写楽」を見に行ってきた。

前にブログで『寂しい写楽』を取り上げたが、
写楽は、江戸時代の謎の浮世絵師として有名である。
正体は随分解明されてきているが、
それでも謎の絵師であることは今も変わらない。

展示されていたのは、
写楽肉筆画の「四代目松本幸四郎の加古川本蔵と松本米三郎の小浪」である。
これは「仮名手本忠臣蔵」の一幕を描いた物であるが、
その絵は上手であるとは感じなかった。
そう思ったポイントが3点。
①四代目松本幸四郎の首と身体のバランス。
②同じく幸四郎の右小指。
③松本米三郎の視線である。
有名画家の絵が必ず上手であるという式は成り立たないのだ。

写楽が姿を消してから4ヶ月後に描かれたものらしいが、
その割に身体と首とのバランスの悪さ。
相手方との視線の交わりの無さ。
といったプロとはなかなか言えない感じの物である。
浮世絵師は結構手や指を描くのが苦手という人もいるので、
指がおかしいのはよしとしても、
それでも人物の心の内まで表情で表現したと評される
写楽の絵としてはあまりにも杜撰である。
加えて「四代目」を「五代目」と間違っているなど
ちょっとプロとは思えない。
実は写楽第三期になると同様の役者名間違えが何枚かある。
ところがあの世界的に有名な第一期の大首絵には、
それを見るだけで心に響いてくるような力強さと圧倒感がある。

まぁ、これが写楽多数人説につながってくるのだが、
じゃあ、ヘタだと言って、それが写楽じゃないかというとやっぱり写楽なのだ。
この1枚の肉筆画は、
写楽という謎の絵師を解明するのにかなり役立ってくるかもしれない。

え? 何でこんなに熱く写楽を語るのかって?
そりゃあ、ちょっと僕は浮世絵と関係が浅くないのだ。
「幻の肉筆画」を見に行くことが目的だったから、
他の絵はほとんど覚えていない。

その後、神保町の「BIG BOY」に足を伸ばす。
マスターに「8月にも一回ぐらい来ます」と言っていたので、
ちょっと遅まきながらの訪問であった。
でも、やっぱり巨大なJBLの4343で聴くジャズは迫力がある。
ジャズ喫茶のベース音は、いつも地を這うがごとく
足下から身体に響いてくるのだ。

まぁ、そんなこんなでもう8月も終わりである。

関連記事
 「足下には、ほら、自分の国の文化がある」
http://blog.goo.ne.jp/toyokoba1030/e/918d9cae4b280c6e8ea9bf2c299d5965