私は2013年12月5日、11月定例議会の本会議で登壇。知事に一般質問で論戦を挑みました。今回は会派希望(きぼう)のお披露目議会です。全議員が「鳥取県の未来について」という共通テーマで質問しましたが、内容は、国岡議員が少子化過疎化、私が食の安心安全とブランド化、横山議員がスポーツ振興と体育教育、森岡議員が漁業問題と特定秘密法案、伊藤議員が原発とエネルギー政策で、全体では代表質問になっています。以下は私の質問です。
副議長(前田八壽彦君)3番砂場隆浩議員
3番(砂場隆浩君)(登壇、拍手)会派「希望」の砂場です。
議長のお許しを得て、お手元にパワーポイントの資料をお配りしておりますので、参考にしていただければと思います。
国岡議員が少子化と過疎化の視点から、鳥取の未来について論じましたので、私は農産物、なかんずくその輸出の視点から議論をしたいと思います。
前回、9月議会で私は食のみやこ鳥取とはということで知事と議論をさせていただきましたが、そのとき、平井知事は、鳥取県のいいところは豊かな環境の中でとれとれの農林水産の生産物があり、食文化を大切にする風土がある。食のみやこ鳥取は、食の安心・安全が基本であることには間違いがないと答えていただきました。そして、地場の生産物をふんだんに活用して、観光面だけではなく、東京、大阪へ打って出る。さまざまな波及効果を打つ運動を展開したいのだと強く言っていただきました。本当に方向性が一緒だなと安心をいたしました。つまり、食のみやこ鳥取とは、安心・安全をベースに非常に高い品質の食、そして生産物をベースにして、伝統も文化も大切にして、それで鳥取の未来を切り開く産業育成をしようと、極めておもしろい、そして建設的な考え方だと思います。
次のシートに移ります、ページです。日本の農林水産物の輸出額をごらんいただきたいのですけれども、昨年は 4497億円ございました。ちなみに、日本の輸出は63兆円ですから、わずかに 0.6%です。そうしますと、ここはしっかりとふやしていく、ふやしていくべきものだと私は思います。今まで一番多かったのが2007年ですが、その翌年、リーマンショックが起こり、少し低迷をしておりますが、やはりここはこれから伸ばすべきだと思います。
下のシートをごらんください。では、県内はどうかといいますと、過去4年を見ますと800トン輸出したときもあれば、それが300トンに落ち込んだときもある。輸出先を見るというと、それがほとんど台湾だということになります。そうすると、梨を台湾に出すことが鳥取県の農林水産物の輸出の中心でありますから、これを多様化していくことができれば、もっともっと農林水産物の輸出は伸びると思います。ちなみに、友好提携しております河北省の人口は 7100万人でありますから、もし仮に1人 1000円買ってもらえれば、鳥取県の農林水産物の生産額は 685億円ですから、これをクリアすることになります。
そして、今海外の食品をめぐる動きで、私が心配をしておりますのがアメリカの食品安全強化法をめぐる動きです。もとをただせば、2002年にアメリカにバイオテロ法ができまして、外国の食品関連施設は全て登録をしなければならなくなりました。できるのかなと思っていると、これをアメリカはやるのですね。そして、それをベースにして、2011年の1月4日、食品安全強化法が制定されます。アメリカは70年ぶりに食品安全行政を一変をいたします。
そして、これに基づきまして、ことしの1月4日、強化法103条と105条と施行のための規則案が公表され、先月の22日にこのパブリックコメントが終了したわけでございます。このパブリックコメントをアメリカの場合は非常に丁寧に議会でも、また政府でも見ます。そして、それが1年ぐらいかけて実際の施行に移ってまいるわけでございますが、今申しました中の 103条と105条は、どういうものかといいますと、 103条は危害分析に基づく食品安全計画を作成をしなさいよということです。危害分析というのは、どこで食品が汚染されるのかということをしっかり分析をして、それに対する対策を立てなさい。加えて、どこで汚染されていないか、それをどういうふうに確かめたかと、しっかり記録、レコードにしなさいということです。そして、 105条は、これについて、農産物についても、生産、収穫、包装について同じようなものを課してまいります。そして、驚くのは、その107条ですけれども、連邦食品医薬品局、FDAに対して、手数料を徴収する権限を与えて、調査を外国でやってもいいよということにしたわけであります。
先ほど言いましたバイオテロ法に基づきまして、食品が関連施設は登録されておりましたが、これをもう一度、食品安全強化法で 102条は登録をいたしました。これは輸出入業者が登録しましたから、日本の食品加工メーカーは自分が登録されたことがないと思っていても、登録されていることがあるわけです。アメリカで売られている食品は全て登録をされております。
そして、FDAによる調査はもう始まっております。2011年の11月から登録情報を確認するメールが日本の各工場に届いておりまして、去年の夏以降、実際に検査が始まっております。まず、メールで検査が通知をされて、日程の調整がなされた後に、検査官がやってまいります。そうすると、先ほど申しました安全計画に基づいて、しっかり記録ができているのか、この記録がしっかりしているかという書類審査が行われた後に、職員や働いている人に質問をして、現場も確認をして、サンプルの抜き取り調査までをします。ただし、このときにHACCPで対応していますよということを示した場合には、非常に簡単に終わっているそうです。そして、結果として問題がなしということになりますと、検査の報告を交付して帰りますし、即時修正できるような軽微なものだったら、そこで直していただくと。今のところ、日本はここまでですが、もし重大な問題があれば、警告書が発行され、再検査となります。
ちなみに、再検査となると、今度は手数料がかけられます。これは、アメリカのFDAを出てから帰るまで1時間当たり 289ドル、約3万円です。仮に7日間、往復2日かかって、3日検査して、2日かかって、7日間とすると、約500万円の手数料が要求されるわけですから、そうすると、小さな工場だったらもう輸出はやめてしまおうと、こういうふうな状況になってまいります。
ただ、この法律が本当にデメリットだけかといいますと、輸入業者が外国食品加工業者に対して、先ほど言いました 103条、105条を守っているよということを検証することを義務づけておるのですが、第三者監査制度を成立をして、ここの認証を受ければ、非常に手続が簡略化されてまいります。としますと、国内でも第三者の監査制度がございますが、これは鳥取県のそういう施設であっても、認証を受ければ、第三者監査制度になりますから、国内で法制度を整えていく、検査制度を整えていけば大丈夫だということにもなってまいります。そして、実は、これがカナダ、EU、中国でも同様の法制度が認可をされようとしております。
今出てきました国際認証ですけれども、今話しましたHACCPというのは、食品の中に生物的、化学的、これがいろんなものがまざるとか、例えば刃物が割れて混入とか、いろんな危険分子があると思いますが、それを科学的に分析をして、それを除去する、あるいは安全の範囲まで低減することを常時管理して、記録をしてくださいというのがHACCPの基本的な考え方でありまして、そういう主張です。それを取り入れて、ISOの22000ができました。
そして、FSSCというのは、これは後で出てまいりますが、GFSIという機関が英国協会がつくりましたPASの220と、今言いましたISO22000を一緒にした国際認証規格でございます。
そして、今言いましたGFSIでありますけれども、世界中の食品販売チェーンや食品メーカーがつくっている組織なのですけれども、実はこの理事会にはイオンが副議長に就任したわけであります。そして、日本のワーキンググループはそれから強化をされまして、そのコアチームのリーダーは、世界と同じイオンが務めておりますが、サブリーダーとして花王、キリン、コカ・コーラが就任し、メンバーの中には味の素、伊藤園、そこに書いておりますような各メーカー、日本の大手の企業はほとんど入ってくるというふうになっております。
そうしますと、これから食品業界はどうなってくるかといいますと、農林水産物を輸出しようと思いますと、そこにはHACCP的手法のアメリカの食品安全強化法が出てきていますし、それを追従する動きが世界中にあると。そして、国内でも同じようにHACCP的手法を用いて検査をしてくださいよと、管理をしてくださいというGFSIの動きが全体になってくる。食品をつくって売るって大変だなと思われるかもしれませんけれども、そこをピンチをチャンスに鳥取県には変えていただきたいと思うわけであります。
現実に、鳥取県は食の安全・安心プロジェクト推進事業をやっておられます。予算 5000万円で、実績が今の段階で9社から 1822万円を出しまして、先ほど言いましたISOですとか、FSSCの認可に向けて動いておられます。このことについては、非常にBSIのジャパンオフィスでありましても、GFSIも非常に高く評価をされておりまして、非常にこれは今後、こういう認証をきちっとしていくことで、鳥取県の食品加工業、そして農林水産物に大きく寄与するものだと思いますが、知事はいかがお考えでしょうか。私は、今回のプロジェクト事業は非常にいい事業だと思いますが、今後、拡充、発展をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
私の質問はまだ続きます。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます