GITANESを線香代わりに。
それとは無関係に・・・。
福本清三、俳優。
と言われてもピンと来ない人が多いだろうが、
「あの、斬られ役の先生」と言うと
「ああ、あの人!」とわかるひとも増えるだろう。
特に関西では。
今年の元日に亡くなったのだが
彼が唯一主演した「太秦ライムサイト」をやっと
観終わった。
「斬られ役の先生」と言うと「斬られる演技指導をする人」
という意味に思えるが(そういう側面もあっただろうが)
彼が演じるのが時代劇の悪役側に雇われ、
『こっちには用心棒の先生がいるんだから覚悟しろよ』
という意味合いで、
「先生!先生!」と呼ばれて登場する用心棒役が多かった
からである。
先生!と呼ばれて襖の陰からニヒルに登場する割には
斬られてしまうのが結構早かったりする。
元々若いころから台詞を、流れ出るようにしゃべる役柄
はなかったようで、この映画でも短い台詞を訥々と淡々と
口から出すシーンがほとんどなのだが、
最後の殺陣のシーン、
松方弘樹に対してボソッと言う台詞。
これがまた低い声でボソボソ言うもんだから
何を言ったのかなかなかわかりにくい。
ボリュームを大きくして何度か再生して
「斬られ役の先生は何と言ったのか」はっきりと
わかったとき、背筋に電気が走る。
そういう映画だった。
先生!先生!
| Trackback ( 0 )
|