漱石が二葉亭四迷のことを書いた追悼文で、読んだことのある方も多いと思います。
二人は、ともに朝日新聞の社員でしたが、実際に会ったのは数度にすぎなかったようです。
しかしながら、漱石のこの短い文章は、二葉亭四迷という人物の本質をよくとらえているように思えます。
初対面で、「あらゆる職業以外に厳然として存在する一種品位のある紳士」と、鋭く鑑定しています。
共通点が多そうでありながら、実人生ではすれ違いがちだった二人ですが、漱石の二葉亭四迷に対する一種の尊敬の念が伝わってきます。
追悼文とはいえ、二葉亭からの「此方の寒さには敵はない」との端書に、「…一種の可笑味を覚えた。まさか死ぬ程寒いとは思はなかつたからである。然し死ぬ程寒かつたものと見える。」など、所々にユーモアが込められているのも、いいですね。
その後の、「長谷川君は余を了解せず、余は長谷川君を了解しないで死んで仕舞つた。」との一文に、胸を打たれます。
漱石全集第12巻(岩波書店)で、8ページ。
岩波文庫『思い出す事など 他七篇』に収録。
二人は、ともに朝日新聞の社員でしたが、実際に会ったのは数度にすぎなかったようです。
しかしながら、漱石のこの短い文章は、二葉亭四迷という人物の本質をよくとらえているように思えます。
初対面で、「あらゆる職業以外に厳然として存在する一種品位のある紳士」と、鋭く鑑定しています。
共通点が多そうでありながら、実人生ではすれ違いがちだった二人ですが、漱石の二葉亭四迷に対する一種の尊敬の念が伝わってきます。
追悼文とはいえ、二葉亭からの「此方の寒さには敵はない」との端書に、「…一種の可笑味を覚えた。まさか死ぬ程寒いとは思はなかつたからである。然し死ぬ程寒かつたものと見える。」など、所々にユーモアが込められているのも、いいですね。
その後の、「長谷川君は余を了解せず、余は長谷川君を了解しないで死んで仕舞つた。」との一文に、胸を打たれます。
漱石全集第12巻(岩波書店)で、8ページ。
岩波文庫『思い出す事など 他七篇』に収録。
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