小品日録

ふと目にした光景(写真)や短篇などの「小品」を気の向くままに。

武田百合子 「富士日記」(昭和44年5月3日)

2006-05-03 23:54:54 | 日記文学
この日の一番の出来事は、山椒の芽を採りに行ったことです。
管理所の人が山椒の生えているところに案内してくれて芽を摘むのですが、その秘密めいた感じがいいです。
香りが伝わってくるよう。
また、月を見たことについて泰淳と交わす会話や、夜見る桜が耳無芳一の琵琶を聞きに集まってくる平家の亡霊のように見えて怖いという話も可愛らしいです。
「耳無芳一!!」
中公文庫などでどうぞ。
富士日記〈中〉

中央公論社

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