この日、山田青年は、軍事教練のため、電車に乗って御殿場に向かいます。
寒さを警戒して、「メリヤスのシャツ一枚、毛糸のジャケツ二枚、毛糸のチョッキ、背広のチョッキ、教練服の冬服、冬の制服、おまけにレインコート合計八枚。下は、サルマタにモモヒキに、教練ズボンに制服ズボン、靴下三枚」とものすごい重ね着です。
身動きもままならなさそうですね。
さて、御殿場で電車を降りてから、子供たちが「何だかごっこ」を夢中になってやっているのを見て、「傍から見ると馬鹿馬鹿しいが、大人の感激することだってこれと同じことだと思える。大人のやるすべてのこと、みな何だかごっこだ、という思いがこのごろ自分の胸を深く占めつつある。」と記します。
これは、現代の世界にもあてはまりそうです。
夜は、民家に泊めてもらうのですが、二階に泊まった連中が床をどんどん鳴らし、一階との間でひと騒動になるという、戦時中とは思えない、学生たちの子供っぽさが意外でした。
続く22日、23日の日記にも、学生たちの間で、あきれ顔の山田青年の姿が思い浮かぶようです。
「なるほど、自分みたいな青年ばかりだったら、日本は消滅してしまうにちがいない。しかしそんなことなら消えてしまった方がいい。」(11/24)
そういえば、この日記の副題は、「滅失への青春」でした。
寒さを警戒して、「メリヤスのシャツ一枚、毛糸のジャケツ二枚、毛糸のチョッキ、背広のチョッキ、教練服の冬服、冬の制服、おまけにレインコート合計八枚。下は、サルマタにモモヒキに、教練ズボンに制服ズボン、靴下三枚」とものすごい重ね着です。
身動きもままならなさそうですね。
さて、御殿場で電車を降りてから、子供たちが「何だかごっこ」を夢中になってやっているのを見て、「傍から見ると馬鹿馬鹿しいが、大人の感激することだってこれと同じことだと思える。大人のやるすべてのこと、みな何だかごっこだ、という思いがこのごろ自分の胸を深く占めつつある。」と記します。
これは、現代の世界にもあてはまりそうです。
夜は、民家に泊めてもらうのですが、二階に泊まった連中が床をどんどん鳴らし、一階との間でひと騒動になるという、戦時中とは思えない、学生たちの子供っぽさが意外でした。
続く22日、23日の日記にも、学生たちの間で、あきれ顔の山田青年の姿が思い浮かぶようです。
「なるほど、自分みたいな青年ばかりだったら、日本は消滅してしまうにちがいない。しかしそんなことなら消えてしまった方がいい。」(11/24)
そういえば、この日記の副題は、「滅失への青春」でした。
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