創作 彩音(あやね)との別離 3)

2024年06月25日 16時30分58秒 | 創作欄

25歳の島田  昭(あきら)は、童貞のままであった。
23歳の時に、会社の同僚に誘われて、新宿の2丁目で初めて女漁りをしたことがあった。
だが、女と想われた相手は男であったのだ。
 昭は、その男ほど性的で妖艶な人物に出会ったことはなかった。
昭は抱こうとした相手が、男と知って愕然とするともに、嫌悪の情から陰部に伸ばした巧妙までの相手の手先を乱暴に払いのけたのだ。
「あんたは、相手が男だとダメなのね」ミドリと名乗った相手は、皮肉な笑みを浮かべながらバックからタバコを取り出して吸い始めた。
「でも、あんたはまだ、包茎なのね」ニヤリとする。
「包茎?」全裸の昭は思わずシーツを引き寄せる。
「そうよ。童貞なのね。余計にあんたをほくなったわ」
嫌悪感にさいなまれて昭は、1万円を男に渡し、ホテルを出た。
そのことが契機となり、昭は金で女を買うことを恥じる心持となる。
昭は奇しくも神野 彩音(あやね)からホテルに誘われて、タクシーのなかで、複雑な心境に陥る。
自分は童貞のままであったのだ。
相手の女は、そのことをどのように受け止めるかを懸念しはじめていた。

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