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特殊詐欺に加担する短絡的人間

2025年06月09日 10時26分45秒 | 社会・文化・政治・経済

短絡的な思考に陥る原因とその改善策

 
 
 
 

現代社会では、短絡的な思考が多くの場面で問題視されています。深く考えずに物事を判断することで、予期しないトラブルを招いたり、人間関係にヒビが入ったりすることがあります。本記事では、短絡的な思考に陥る主な原因を4つに分けて詳しく解説し、それぞれの改善策について提案します。

1. 甘やかされる環境での成長

苦労を経験せずに育つと、自分で考えたり責任を持ったりする意識が育ちにくくなります。親や周囲が過剰にサポートしてくれる環境では、自分で問題解決をする機会が少なくなり、短絡的な思考が習慣化しやすくなります。

改善策
• 自主性を育てる:親は子どもに対して、ある程度の課題や責任を与えることで、自ら考える力を促すことが重要です。
• 失敗を受け入れる:失敗を恐れず、そこから学ぶ経験を重ねることで、物事を深く考える習慣をつけることができます。

2. 自己中心的な思考パターン

自己中心的な人は、他者の意見に耳を貸さず、自分の考えだけを正しいと信じがちです。このような思考パターンは、自信過剰や視野の狭さが原因となりやすく、客観性を欠いた判断を招きます。

改善策
• 他者の意見を聞く習慣をつける:ディスカッションやチームでの作業を通じて、多様な意見を受け入れる練習をすることが有効です。
• 自己評価を見直す:定期的に自分の行動や判断を振り返り、周囲のフィードバックを求めることで、バランスの取れた視点を養えます。

3. 楽観的な性格

「なんとかなる」という楽観的な性格はポジティブな一面もありますが、準備不足やリスク管理の軽視につながりやすい傾向があります。これにより、予期しない失敗やミスを招くことがあります。

改善策
• リスクを事前に考える:行動する前に、最悪のケースや失敗時の対応策を考える習慣を持つことが大切です。
• 計画を具体化する:行動前に目標や必要な手順をリスト化し、確認を怠らないことで準備不足を防ぎます。

4. 計画性の欠如

計画を立てず、思い付きで行動することが、短絡的な思考につながります。特に、チームでのプロジェクトでは、計画性の欠如が他のメンバーに負担をかけ、全体のパフォーマンスを下げることがあります。

改善策
• 短期目標と長期目標を設定する:大まかな方向性を決めた後、細かいステップに分けて行動することで、目標達成の精度が上がります。
• 進捗を定期的に確認する:計画に沿って行動しているかをチェックし、必要であれば計画を修正する柔軟性も持ちましょう。

まとめ

短絡的な思考は、環境や性格、習慣による影響を受けやすいものです。しかし、それらの原因を理解し、改善に取り組むことで、物事を深く考える習慣を身につけることができます。自己成長を目指し、周囲との関係を良好に保つためにも、日々の行動や考え方を見直してみましょう。

自分の思考パターンに課題を感じている方は、まず小さな改善から始めてみてはいかがでしょうか?


日本の少子化の要因と対策

2025年06月09日 09時05分18秒 | 社会・文化・政治・経済

少子化は人口減少を加速させ、労働投入量や個人消費の減少に繋がる点で、経済社会に対するマイナスの影響を有している。

このような情勢の中、今後我が国経済が持続的に成長していくためには、個々人の結婚や出産の希望が叶う社会を実現することによって、少子化・人口減少に歯止めをかける必要がある。

そこで、今年度の経済財政白書第2章では、主に経済的側面から少子化の要因とその対策を考察した。

第3章 人口・経済・地域社会をめぐる現状と課題

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第1節 人口をめぐる現状と課題

Q2 どうして日本では少子化が深刻化しているのですか。

A2

●少子化の変遷

戦後の日本は経済成長による所得水準の向上、国民皆保険・皆年金など社会保障の充実、医療技術の向上等により豊かな生活環境が整ってきており、1960年頃からはそれまでの多産少死から少産少死への人口転換が進み、1975年前後までの合計特殊出生率は人口置換水準前後の2.1前後で推移してきた。

1971~74年の第二次ベビーブーム以降、第一次オイルショックによる経済的な混乱や、人口増加傾向を受けて静止人口を目指す考え方が普及したこと等により、生まれる子どもの数が減少し続けるようになり、1975年に合計特殊出生率は2.0を割り込む1.91にまで低下した。低下し続ける合計特殊出生率は1980年代初めにやや回復したものの、80年代半ばから再び低下し続け、人口置換水準からのかい離も大きくなっていった。

図表3-1-2-1 出生数・合計特殊出生率・人口置換水準の推移

●80年代以降の少子化の要因

<非婚化・晩婚化・晩産化>

少子化に影響を与える要因として、非婚化・晩婚化及び結婚している女性の出生率低下などが考えられる。1970年代後半からは20歳代女性の未婚率が急激に上昇したほか、結婚年齢が上がるなど晩婚化も始まり、1980年代に入ってからは、30歳代以上の女性の未婚率も上昇しており、晩婚と合わせて未婚化も進むこととなった。

年齢別出生率を見ると、1950年・70年は20代半ばでピークを迎える山型の曲線を描いているが、次第にそのピークが推移していき、出産年齢が上昇するとともに、出生率の高さを示す山が低くなっていくなど、出生率の低下と晩産化が同時に進行していることがわかる。また、1980年代以降は、晩婚化・晩産化により、20代の出生率が大幅に下がり、30代の出生率が上昇するという出生率の山が後に推移する動きがみられるようになった。

図表3-1-2-2 年齢別出生率の推移
図表3-1-2-3 年齢別未婚率の推移

さらに、デフレが慢性化する中で、収入が低く、雇用が不安定な男性の未婚率が高いほか、非正規雇用や育児休業が利用できない職場で働く女性の未婚率が高いなど、経済的基盤、雇用・キャリアの将来の見通しや安定性が結婚に影響することから、デフレ下による低賃金の非正規雇用者の増加などは、未婚化を加速しているおそれがある。

<女性の社会進出・価値観の多様化>

1985年に男女雇用機会均等法が成立し、女性の社会進出が進む一方で、子育て支援体制が十分でないことなどから仕事との両立に難しさがあるほか、子育て等により仕事を離れる際に失う所得(機会費用)が大きいことも、子どもを産むという選択に影響している可能性がある。

また、多様な楽しみや単身生活の便利さが増大するほか、結婚や家族に対する価値観が変化していることなども、未婚化・晩婚化につながっていると考えられる。

●少子化への取り組み

1990年の「1.57ショック」により厳しい少子化の現状が強く認識されるようになったものの、最初の総合的な少子化対策である「エンゼルプラン」がまとめられたのは1994年、少子化社会対策基本法が制定されたのは2003年であった。1970年代から整備された高齢者向け社会保障制度に比べて、少子化対策は非常に遅れをとっている。

少子化社会に関する国際的な意識調査によれば、「あなたの国は、子どもを産み育てやすい国だと思いますか」の質問に対して、日本では4割以上が「そう思わない」と回答しており、国際的に見てその割合は相当に高い。

図表3-1-2-4 子どもを産み育てやすい国だと思うか
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ドレフュス事件と作家ゾラ

2025年06月09日 08時47分43秒 | 社会・文化・政治・経済

ドレフュス事件

フランス第三共和政下で起こった反ユダヤ主義による冤罪事件。

1894年、ユダヤ系軍人ドレフュスがドイツのスパイとして告発され、無罪を主張したが軍法会議で有罪とされ入獄した。

参謀本部による証拠の偽造が疑われ、1898年、作家ゾラ、言論人クレマンソー等が再審を要求。

他方、反ユダヤ主義者やカトリック教会、国家主義(ナショナリスト)は再審に反対し、国論が二分された。

参謀本部があげた証拠の一部が偽書であることが判明するなど、ドレフュスに有利な状況となって、翌99年、再審となったが、結果は再び有罪となった。

ドレフュスには特赦が与えられ、出獄したが、最終的に無罪が確定するのは1906年となった。

第三共和政は危機を脱し、裁判支援を通じ自由主義、民主主義、社会主義者・知識人や発言が強まり、人権思想・政教分離の原則が確立に向かった。

反ユダヤ思想は後退したが、保守的思想、ナショナリズム運動が組織される契機ともなった。

 1894年10月、第三共和政フランスで、ユダヤ系のドレフュス大尉がドイツのスパイの嫌疑をかけられ逮捕された。
本人は無罪を訴えたが、軍法会議で有罪となり、無期流刑となった。
この裁判をめぐってフランスは国論が二分され、判決にユダヤ人に対する差別があるとして再審を求める共和派と、判決を支持する軍部・教会などの王党派が激しく議論を戦わした。
中でも作家エミール=ゾラ1898年『私は弾劾する』を発表してドレフュスを弁護したことから、裁判やり直し(再審)の声が大きくなった。
その後、ドレフュスをスパイと断定した文書が参謀本部が偽造したものであることが明らかになるなど、再審の要求が高まり、1899年9月に軍法会議が再び開かれ、有罪とする具体的根拠は明示されずに、再び有罪を宣告された。
裁判に対する批判の声も上がるなか、ドレフュスは大統領特赦で出獄した。結局、1906年7月、軍法会議はドレフュスの無罪を宣言し、名誉を回復した。
事件の背景には、19世紀末のフランスにおいても反ユダヤ主義が根強く存在したことと、普仏戦争での敗北後のドイツに対する復讐心からナショナリズム(国家主義)が強まっていたことがあげられる。 

ドレフュス事件の意義

 ドレフュス事件は、フランスの第三共和政の共和政治を脅かす事件であった。
当時フランスは、1889年のブーランジェ事件での旧軍人によるクーデタの失敗、1892年のパナマ事件に見られる政治家とユダヤ系財閥の癒着から生じた疑獄事件などが続き、共和政治・議会政治に対する不信が強まり、一方で普仏戦争の敗北でドイツに奪われたアルザス・ロレーヌの奪回を叫ぶ国家主義の声も強まっていた。
そのような中で一人のユダヤ系軍人がドイツのスパイであるとして告発され軍法会議で有罪となって入獄するという事件が起こった。
そのドレフュスがユダヤ人であったことから、反ユダヤ主義を掲げる新聞がとりあげて大々的に報じられ、全フランスの注目を浴びることとなった。
POINT  このようにドレフュス事件はまず第一に、反ユダヤ主義の高まりで起こされた事件であったことがポイントである。
徐々に裁判の内容がわかったことで、ユダヤ人が不確かな証拠だけで有罪にされ、自由と平等が踏みにじられたことに多くの人が疑義を挟み、再審によって人権の擁護・裁判の正義を取り戻そうとした事件という第二の要素があった。
そのうえで再審が行われ、参謀本部の権威を守らなければならないという軍の立場から、再び有罪とされたが、同時に特赦となり、7年後となったが最終的に無罪となったことで、参謀本部と反ユダヤ主義者のもくろみは崩れ、第三共和制の人権・自由・平等という理念は守られたことが三つ目のポイントである。
ドレフュス事件の影響 参謀本部のめざしたドレフュス有罪を最終的に実現できなかったことで、陸軍はその後、対独危機を煽って軍国主義体制をつくることはできなくなり、カトリック教会などの保守勢力も反ユダヤ主義を鼓吹して勢力を維持することが困難となって、政教分離を認めざるを得なくなった。
このような意味において、ドレフュス事件はフランス第三共和政を動揺させたが、結果として民主主義、議会主義、言論の自由などの近代市民社会の価値観をさら発展させたということもできる。
その一方で、国論を二分した議論の中から、反知識人、反自由主義などの傾向をもつ保守主義の理論化・組織化も進み、後のナショナリズム運動(アクション・フランセーズなど)の発生ももたらした。
政教分離の実現 ドレフュス事件により軍部とカトリック教会を結びつける反ユダヤ主義が事件の原因としてあぶり出されることとなった。
特に中世以来、フランスのカトリック教会が国家と結びつき、フランス革命で一時分離したものの、ナポレオンのコンコルダートによって復活して国家の保護のもと人権を抑圧していることに対する批判が強まった。
そのためドレフュス事件の経過とともにクレマンソーらが結成した急進社会党が台頭し、社会主義政党であるフランス社会党と協力して、1905年に議会で政教分離法を成立させ、カトリック教会と国家を分離する原則が確立した。
ドレフュスの無罪が確定した1906年の前年であった。

ユダヤ人問題

 根強いカトリック教国であるフランスでは、ユダヤ人はキリストを裏切ったユダの子孫という単純な憎悪があった。
他のヨーロッパ諸国と同じく、中世から近代に至るまで、ユダヤ人に対する差別意識である反ユダヤ主義が続いていた。
フランス革命よって、自由・平等・博愛の理念からユダヤ人の人権も認められ、差別は否定されたが、民衆の中の差別感は根強く残っていた。
普仏戦争後、ユダヤ人でフランスに移り住む人々も増え、第三共和政のもとでの産業発展には彼らの勤勉で高い能力が大きな力になっていた。
特にユダヤ系の金融資本や産業資本が利益を蓄え、彼らは共和政を支持する勢力でもあった。
しかし都市の下層民や農民はそのようなユダヤ人の成功に反発する心理も強くなっていた。
ドレフュスを有罪に追い込んだのは軍の上層部だけでなく、民衆の反ユダヤ感情がそのエネルギーであった。
このようなフランスのみならずヨーロッパ全域での反ユダヤ感情の強さを、ドレフュス事件で身を以て感じたのがハンガリー出身でジャーナリストとして当時パリに滞在していたユダヤ人、ヘルツルであった。
彼はこの事件でショックを受け、ユダヤ人の安住の地をヨーロッパ以外に見いだそうという考えを抱くようになり、その行き先としてユダヤ人の故郷であるシオンの地、パレスチナをめざすシオニズム運動を開始する。
それはまた現在のパレスチナ問題の出発点でもあった。

事件の経緯

ドレフュス事件
1895年1月5日 軍刀をへし折られるドレフュス(左側に立つ人物)
逮捕 1894年(日清戦争が起こった年)の夏、フランス参謀本部諜報部がドイツ大使館に送り込んでいたスパイが盗み出したメモの中に、フランス陸軍の誰かが書いたと思われる機密情報があった。
驚いた参謀本部は直ちにその犯人捜しに乗りだしたところ、参謀本部付きの砲兵大尉アルフレッド=ドレフュスが浮かんだ。疑われた理由は彼がアルザス生まれのユダヤ系であったことだった。
参謀たちのユダヤ人に対する軽蔑がその判断を濁らせた。ひそかにドレフュス大尉の筆跡を取り寄せてメモと比較したところ参謀たちは一致していると断定した。
1894年10月15日、ドレフュス大尉は参謀本部に出頭したところを反逆罪で逮捕された。
有罪 大尉は否定したが、事件をスクープした反ユダヤ系の新聞が「ユダヤ人の売国奴、逮捕される!」と報道した。
ユダヤ人の軍人がドイツのスパイだった、という報道に大きな反響が起こった。
12月、軍法会議が行われ、ドレフュスは強く無罪を主張したが、発見されたメモはドレフュスが書いたという筆跡鑑定の結果、有罪とされた。
ドレフュスの軍籍は剥奪されることとなり、翌95年年1月5日、練兵場で徽章ははぎ取られ、軍刀はへし折られた(このときの絵が上に上げた当時の新聞に報道されたもの)。見守る群衆はドレフュスに「ユダヤ人!売国奴!殺せ独探!」と罵声を浴びせた。
ドレフュスは終身刑として南アメリカのフランス領ギアナ沖合にある「悪魔島」に送られた。
再調査 これで一件落着と思われたが、新たに参謀本部情報部長となったピカール中佐は別なルートから、エステラージーという少佐がドイツ大使館の諜報員と連絡を取っていることを嗅ぎ出した。
ピカールは密かに再調査を進め、その筆跡を入手して以前の鑑定人に見せたところ、メモと同一だと答えた。
ドレフュスの無実を確信したピカールはその結果を上層部にあげたが、陸軍大臣以下の軍首脳は軍事機密であるとして公開を拒否し、軍法会議の権威を守ることを優先した。
世論 一方、ドレフュスの妻のリュシーと兄マチューはドレフュスの無罪を信じて奔走し、弁護士や政治家に訴えた。
新聞の中でも「オーロール」が取り上げた。ピカール中佐は良心がいたたまれず、真相をドレフュスの弁護士に明かす。
驚いた弁護士が再審を請求し、エステラージーも尋問されることとなったが、すでに国外に逃亡していた。
反ドレフュス派の新聞は彼がユダヤ人であること、参謀本部が嘘をつくはずがないことなどの論陣を張り、ドレフュス支持派は再審を主張、世論は二分されることとなった。
反ドレフュス派は反ユダヤ思想をもつカトリックと軍を支持するナショナリストが結集し、ドレフュス派は公正な裁判をもとめる知識人と、共和主義者、社会主義者などが多かった。
余は弾劾す 共和主義と自由主義として知られるクレマンソーが主催する新聞「オーロール」紙が、1898年1月13日に作家エミール=ゾラの署名でフォール大統領宛の公開書簡の形で「余は弾劾す(J'accuse!)」と題する記事を掲載した。
それはドレフュスの無罪を主張し、陸軍当局が証拠をでっち上げたこと、上層部がそれを謀議したこと、軍法会議も真犯人を秘匿したことなどを激しく告発したものであった。
右派や反ユダヤ系新聞は激しく反論し、ゾラは軍に対する誹謗中傷の罪で告発されてしまった。その裁判はドレフュスの無罪を明らかにする機会でもあったが、結果は反ユダヤと陸軍擁護の世論が根強く、かえってゾラは有罪とされてしまった。
ゾラは言論活動ができなくなることを避けて、ロンドンに亡命した。
ドレフュス無罪を証言したピカール中佐も参謀本部を追われた。こうしてドレフュス事件は再び葬られた。
証拠偽造 しかしゾラ裁判の後、ドレフュス有罪の決め手の一つとなっていた、ドレフュスをスパイの一人としてドイツ陸軍の諜報部に送られたという文書が、参謀本部のアンリ中佐が偽造したものだったことが軍の調査で明らかになった。
ところが1898年8月31日、アンリ中佐が自殺してしまい、軍に対する疑惑が一気に高まった。
再審の声が強まり、唯一の証拠である密書の筆跡鑑定が再度行われた結果、ドレフュスではなくエステラージーのものであることが明らかになった。
再審 追い込まれた軍はやむなく軍法会議の再審を認め、1899年8月にレンヌでの再審が開かれた。
ドレフュスは5年にわたる悪魔島の禁固を解かれ、再審のためにフランスに戻り、やつれた姿を現した。
ドレフュスを有罪とする証拠はすべて否定されたので、無罪がだされるものと予想されたが、しかし軍は94年当時の参謀本部の責任者メルシエ将軍が出廷し、上層部の謀議を全面的に否定した。
裁判の焦点はドレフュス自身よりも、陸軍参謀本部の謀議があったかどうか、に係ってきた。
反ドレフュスの陸軍擁護派はたとえ証拠の偽造があったとしても、それはユダヤ人や急進派にフランスを委ねることはできないという愛国心から出たことであるから許される、という論調となった。
議論は感情的になり、判決の日はドレフュスの弁護士ラボリが暴漢に銃撃され大けがするという事件も起きる。
判決と特赦 1899年9月9日、軍法会議の再審の判決は、5対2で有罪となり、情状酌量で向きから禁固10年に減刑という苦しい判決であった。
ドレフュスは再び絶望の淵に沈み、収監された。
しかし、政府内の共和派はドレフュス救済に動き、再審請求を取り下げること(つまり有罪を認めること)を条件に、大統領特赦を出し、ドレフュスを解放するということを申し出てきた。
クレマンソーなどは特赦に強く反対し、ドレフュス自身も悩んだが、結局9月19日、人道的立場から特赦を受け入れることになり、出獄した。
彼はなおも自分が潔白であることを訴えると声明したが、世間はもはやドレフュス個人への関心は薄れ、「国家における軍部の地位の問題と書き替えられ、政教分離の問題となって、近代の政治の重要な宿題となった。
問題がここまで広がってくるとドレフュスの名は、海にそそいでから川が見えなくなるように、人の注意から消えたのである。」<大佛次郎>
最終解決 ようやく1906年になって軍法会議の再審判決での有罪が取り消され、ドレフュスは無罪となり、名誉を回復した。
軍籍に戻ったドレフュスは少佐に昇進して軍務につき、09年6月に引退した。
第一次世界大戦が起きると砲兵中佐としてヴェルダン戦に参加したという。<以上、大佛次郎『ドレフュス事件』1930 現在は大佛次郎ノンフィクション全集7に収録(朝日新聞社刊)などによる。> → 政教分離法(ライシテ)

参考 ドレフュス事件をめぐって

ドレフュスという人物 アルフレッド=ドレフュス Alfred Drefus 1859-1935 はアルザス出身のユダヤ人。
一家は1871年の普仏戦争でアルザスがドイツ領となったとき、フランス国籍を選びパリに移住した。
1881年にエコール・ポリテクンック(理工科学校)を卒業して軍人となり、89年に砲兵大尉に任官、93年に陸軍大学を卒業して成績優秀であったので参謀本部に採用された。
 
しかしユダヤ人であったため、昇進は順調ではなかった。94年、35歳の時にスパイ容疑で逮捕され、軍法会議で無期監禁を言い渡されて南米ギアナ沖の悪魔島と言われる監獄に送られた。
1899年に特赦によって出獄したが、最終的に無罪を認められたのは7年後の1906年だった。
それだけの裁判闘争を続けたので際立った意志の強さを持っていたことは確かだろうが、しかし見かけは平凡で寡黙な軍人だったようだ。そして生涯、自分がフランスの軍人であるという自負を捨てなかった。レオン=ブルムの『ドレフュス事件の思い出』では、彼は自らの経験を子どもたちにも語らなかったという。
(引用)イストワール(歴史、思い出)? 当時のドレフュス大尉には、自分のイストワールなんか語れはしなかった。彼はそれを理解していなかった。彼はそれを知らなかった。あれ(名誉回復)から30年ほどたって、彼は自分が望んだ隠遁生活のあげく、つい先日(1935年7月11日)死んだ。彼の名は世界中に溢れたけれども、もしかしたらそのことさえ彼は忘却していたのかもしれない。
誠実な精神をもった謙虚な人柄で、寡黙で不屈の勇気を別にしたら、英雄めいたところはつゆほどもなかった。どこまでも純朴で、権威や虚飾や雄弁などもちあわせていなかったから、判事たちを前にしても「無実の叫び」を彼は発せられなかった。・・・もしも彼がドレフュスでなかったとしたら、はたして彼は《ドレフュス派》になっていたであろうか。<レオン・ブルム/稲葉三千男訳『ドレフュス事件の思い出』1998 創風社 p.49>
ユダヤ人はどう受け止めたか 軍法会議でドレフュスを有罪とした陸軍参謀本部は、当初はこの事件を軍内部だけで処理しようとしたが、事件を知った反ユダヤ主義の急先鋒の日刊紙リーブル・パロール紙が「大逆罪!、ユダヤ人将校の逮捕!ドレフュス大尉!」といいう大見出しで報じたことで一気に世に知られることになった。
やがてドレフュスが自白したという情報が流され、事件はユダヤ人によるスパイ事件として定着しドレフュスは真犯人とされてしまった。
実際に自白してはいなかったが、くすぶっていた反ユダヤ感情が、ドイツに対する復讐心というフランス人のナショナリズムと結びつき、ドレフュスは「国賊」としてやり玉にあげられたのだった。ユダヤ人はそれをどう受け止めたのだろうか。自らもユダヤ人として、青年時代に事件と向き合ったレオン=ブルムの思い出から見てみよう。
(引用)再審請求のキャンペーンがはじまったとき、大多数のユダヤ人は、疑い深い目で慎重に見守ろうとした。彼らのあいだを支配していた感情は、「この動き(再審請求)にはどうも、ユダヤ人はかかわるべきでないぞ」といった形で表現できよう。この複雑な感情を分析すると、いろいろの要素がいろいろな比重でふくまれている。
すなわち、愛国心――――それも外国の動きに敏感すぎる反応をする愛国心――――もあれば、軍隊への敬意、とりわけその幹部らへの信頼もあり、不公正で正道を踏みにじっているとみなした人たちへの嫌悪もあった。ただし同時に、一種の利己的で臆病な…………もっと厳しい用語で呼ぶこともできる…………慎重さもあった。
ユダヤ人にしてみれば、自分たちがドレフュスを擁護しているとは思われたくなかった。なぜなら、ドレフュスがユダヤ人だったからである。彼らは自分たちの態度が、民族の違いや、民族としての連帯に由来すると解釈されたくなかった。
とりわけ彼らは、別のあるユダヤ人を擁護しようとすることで、そのころ誰の目にも明らかな激しさで猛威を振るいはじめていた反ユダヤ主義感情の火に、油を注ぎたくなかった。(中略)富裕なユダヤ人も、中流ブルジョアのユダヤ人も、官僚になったユダヤ人も、ドレフュスのための闘争への参加をびびった。・・・<レオン・ブルム『同上書』.19-20>
ドレフュス派の人びと ドレフュスを擁護し、再審運動を始めたのは、兄のマチューと妻のリュシーであり、その訴えを受け止めた弁護士たちだった。
そして当の参謀本部のなかに、ドレフュスの書いたというメモの筆跡に疑いを向け、真犯人が別にいることに気づいたピカール大佐が、戸惑いを感じながら軍の名誉を守ることよりも、真実を明らかにする行動に踏み切ったことが、再審への道を開いた。
共和派の政治家であったが落選中でジャーナリストとして新聞「オーロール」紙を発行していたクレマンソーも、不確かな証拠で無実の人間が有罪にされたのではないか、という疑問から事件に向き合い、ドレフュスの無罪を確信し、そして当時すでに人気作家であったエミール=ゾラの「余は弾劾す」の記事を掲載したことが、ドレフュスを擁護する勢力を形成した。
ゾラが呼びかけた再審を求める署名には文学者のアナトール=フランス(『神々は渇く』など)をはじめ、若い頃のマルセル=プルースト(後の彼の主著『失われた時を求めて』は、事件の思い出を下敷きにしている)などがいた。
他にも当時の芸術家や学者、教育者など、いわゆる文化人とか知識人と言われている人びとが多く含まれていた。また社会主義者で政治家のジャン=ジョレスは再審が始まってから議会でドレフュス擁護の論陣の先頭に立った。後に『ドレフュス事件の思い出』を書くことになる若きレオン=ブルムもいた。彼ら、ドレフュス派は一つの党派とは言えない複雑な要素をもっていた。<アラン=パジェス『ドレフュス事件 真実と伝説』2021 法政大学出版会 などを参照>
反ドレフュス派 これらのドレフュス擁護派は必ずしもユダヤ人であったり、ユダヤ人を支持する人々ではなかったが、その活発な言論活動が始まると、ドレフュス有罪の論陣を張っていた新聞リーブル・パロール紙の主筆エドワール=ドリュモンや、ナショナリストの文学者モーリス=バレスが激しく反撃した。
かれらの論理は有罪か無罪化ではなく、ドレフュス擁護派の知識人や作家はユダヤ人と裏でつながっている「ユダヤ組合」であり、ユダヤ人の国家乗っ取りの陰謀が潜んでいるのだ、フランスを守るためにはドレフュスは有罪でなければならない、という「陰謀論」であったが、共和派の政治家に対する不信や、知識人に対する反発を感じていた大衆に一定の支持をうけた。<アラン=パジェス『同上書』p.149,154>
真実と伝説 1898年、ゾラの裁判があったころは、新しい情報ツールとして急成長した日刊新聞が世論を動かすようになっており(ネットではなく)、フランスの国論はドレフュス派か反ドレシュス派かの二つに分かれて、争う状態となった。その中で、「ユダヤ人はイエスを裏切った。
ドレフュスはユダヤ人だ。だからフランスを裏切ったに違いない。」という乱暴な三段論法から派生したさまざまな「伝説」がまことしやかに語られ、「真実」は正義派ぶった知識人のたわごととされていった。
1899年に行われた軍事法廷再審は、ドレフュスを有罪とする証拠は参謀本部がでっちあげたものであることが明らかになったにもかかわらず、再び有罪となった。右派新聞の論調には「愛国的偽書」として参謀本部を擁護する論調さえあった。5対2の裁決だったが、有罪とした判事役の軍人は、
参謀本部の権威を守ることが愛国者の勤めだという義務感からの判断だったとしか考えられない。<ピエール=ミケル『ドレーフュス事件』p.87>
右派ナショナリズムの台頭 再審でドレシュスは有罪となったが、政府の中には無実であるドレフュスを自由にしなければならないという思いもあった。
この矛盾は大統領が特赦を与えることで解決された。特赦を与えることに軍は当然反対だったが、陸軍大臣がその声を抑えた。一方ドレフュス派の中には深刻な対立が生じた。クレマンソーやジャン=ジョレスは特赦を受け入れることは罪を認めることになるから強く反対した。しかし、長い孤島での独房生活で心身共に痛めつけられたドレフュスを救うためには特赦を受け入れるのもやむを得ない、という兄や妻の要求が通った。
特赦によって世論は「一見落着」感が生まれ、大衆はドレフュスを忘れていった。そして文字どおり、人びとが忘れた頃、1906年に軍事法廷の有罪はなかったことにされ、ドレフュスは名誉を回復した。ドレフュス事件は人びとの記憶から次第に消えていったが、反ドレフュス派のかかげる反ユダヤ、反共和政、反知識人の思想はより鮮明になっていった。
参謀本部の軍人でドレフュス=スパイの証拠文書を偽造したことが明るみに出たため自殺したアンリ中佐を「愛国者」として称揚し、残された夫人を守るための署名運動を提唱したシャルル=モレスは、その後、フランス王政の復活を主張して1905年に「アクション=フランセーズ」を結成する。
これはフランスの国粋主義主義政治団体として活動を続け、ファシズム台頭期にはムッソリーニ・ヒトラーに近づき、ヴィシー政府に協力し、戦後は解散させられたが、その影響力は現在のフランス右翼の活動に継承されている。
ドレフュス事件と現代 ドレフュスの無罪が確定したことで人権・自由・平等というフランス革命以来の理念は守られた。それは大きな意味をもっており、19世紀後半のブーランジェ事件パナマ運河に続く第三共和政の危機は、フランスからナショナリズムを中心理念とした全体主義、軍国主義が生まれる可能性があったことを示しているが、ドレフュス事件はその危機を乗り切ったことを意味していた。
 しかし、ドレフュスの個人としての名誉が守られたと同時に、真犯人は公式には確定されないまま(当然ドイツ陸軍も関与を否定したまま)、フランス陸軍の疑惑も否定された。
陸軍への信頼が大きく動揺したことは否めないが、少なくとも陸軍大臣、参謀総長はその責任を問われることなく、威厳を保つことができた。
そしてゾラが告発した1898年には一方でイギリスとの植民地紛争であるファショダ事件があり、清から広州湾を租借し、帝国主義の列強間抗争に加わっている。
そしてドレフュスの無罪が確定した1906年の前年には第1次モロッコ事件でヴィルヘルム2世の挑戦を受けている。
このようにドレフュス事件の時期は、フランスが帝国主義列強の一つとして世界情勢に関わっていた時期であったことも押さえておこう。
そして、21世紀も四半世紀を過ぎようとしている現在、なにかけじめのない陰謀論が横行し、世界的な民主主義の危機が取り沙汰されることを考える上で、ドレフュス事件をふりかえっておくこに意味がありそうに思われる。<2025/1/3>
 

映画 オーメン

2025年06月07日 22時26分49秒 | 社会・文化・政治・経済

オーメン(1976) : ポスター画像 - 映画.com

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6月6日午後11時からCSテレビのザ・シネマで観た。

オーメン』(The Omen)は、1976年に製作されたアメリカ合衆国映画作品。6月6日午前6時に誕生し、頭に「666」のアザを持つ悪魔の子ダミアンを巡る物語。

音楽を担当したジェリー・ゴールドスミス第49回アカデミー作曲賞を受賞した。

題名の“omen”は一般的な英語で前兆のこと。

オーメン2/ダミアン』(1978年)、『オーメン/最後の闘争』(1981年)、『オーメン4』(1991年)とシリーズ化され、1976年版をリメイクした同名映画『オーメン』(2006年)も製作された。2016年にはテレビシリーズ化された(Damien)。

あらすじ

6月6日午前6時、アメリカ人外交官であるロバート・ソーンはローマ産院にて、死産した我が子の代わりに、同時刻に誕生した孤児である男子を妻のキャサリンにも秘密で養子として引き取り、ダミアンと名付ける。

ほどなくして駐英大使に任命され、その後も公私共に順風満帆な生活を送るロバート。

しかし、ダミアンの5歳の誕生日に、乳母が「あなたのためよ」と叫んで首つり自殺をする。ロバートは大使館で記者が群がる中、写真家のジェニングスとぶつかり、カメラを壊してしまう。弁償を申し出るが、ジェニングスは「いいえ、貸しにしておきます」と断る。さらに大使館にローマからやって来たブレナン神父が「奴はあなたの全てを奪う」と意味深な助言を放ち、「ご子息の出産に立ち会った。あれの母親を見た」と告げる。息子を入れ替えた事に対する脅迫だと感じたロバートは神父を追い返す。その後、死んだ乳母の代わりに斡旋所から派遣されたと自称する新しい乳母がやって来る。乳母はダミアンに「そなたを守りに来た」と微笑む。

再びブレナン神父が来て「奴は母親も、お腹の子も殺す。奴は悪魔の子だ。ブーゲンハーゲンに会え」と告げるが、ロバートは全く聞く耳をもたなかった。直後、神父は雷に打たれた教会の塔の落ちてきた避雷針に串刺しにされて死んだ。さらにキャサリンがダミアンの三輪車と衝突し、階下に転落し流産してしまう。

悲しみにくれるロバートの元にジェニングスから連絡が入る。彼のアパートへ出向くと、死んだ乳母と神父の生前の写真には予兆が写っていたと聞かされる。さらに神父の部屋で「5年前の6月6日に彗星の形が2000年前のベツレヘムと同じ形になった」という記事を見つける。ロバートは「本当の息子は死んだ。今の子は誰の子かもわからない」と告白する。協力を申し出るジェニングスだが、ロバートは「これは私の問題だ」と断る。しかしジェニングスは「私の問題でもある」と言い、自身を写した写真を見せる。そこには首に亀裂のような影が写っていた。

2人はダミアンの出生の謎を暴くため、ローマの産院へ向かうが、当時の建物は記録室からの火事で焼け落ちていた。なんとか当時、ダミアンを世話した神父にたどり着き、出生の秘密を問いただす。神父はわずかに動く手でチェルベットと書いた。そこは古い墓地であった。

2人は墓地へ向かい、そこで6月6日に死んだ者の2つの墓があった。母親の墓を開けると、そこには白骨化した山犬の死骸が横たわっていた。ロバートは息子の墓も開けると、頭部に穴の開いた赤子の亡骸が横たわっていた。自分の息子が殺されたと知ったロバートは、入院中のキャサリンにロンドンを離れるように言う。しかし、キャサリンは直後に乳母に突き落とされて死んだ。

ロバートはブーゲンハーゲンに会い、悪魔の子を殺す方法と短剣を受け取る。悪魔の確認方法は「体のどこかに666のあざがある。見当たらない時は髪を切って頭部を確認せよ」と告げられる。しかしロバートは躊躇し、短剣を投げ捨てるが、短剣を拾おうとしたジェニングスが後退するトラックの荷台から滑り飛んだガラス板によって首を飛ばされてしまう。ロバートの迷いは消え、短剣をロンドンへ持ち帰った。ダミアンの髪を切り、頭部に666のあざを発見する。

すると突然、乳母がロバートを殺そうと襲いかかるが、彼はアイスピックで返り討ちにする。ロバートはダミアンを連れ、教会へ車を走らせた。祭壇でダミアンを刺し殺そうとするが、追跡してきた警官に射殺される。ソーン夫妻の葬儀にて、大統領に引き取られたダミアンが墓前で微笑む。

キャスト

役名 俳優  
   
ロバート・ソーン グレゴリー・ペック  
キャサリン・ソーン リー・レミック  
ジェニングス デビッド・ワーナー    
ベイロック夫人 ビリー・ホワイトロー  
ダミアン英語版 ハーヴェイ・スペンサー・スティーヴンス英語版    
ブレナン神父 パトリック・トラウトン    
スピレット神父 マーティン・ベンソン英語版    
ベッカー医師 アンソニー・ニコルズ英語版    
モンク ロバート・リエッティ英語版    
ブーゲンハーゲン レオ・マッカーン[3]    
     






人生の目的は価値の創造

2025年06月07日 11時27分56秒 | 社会・文化・政治・経済

「創価教育学とは人生の目的たる価値を創造し得る人材を養成する方法の知識体系」とし、価値創造力の豊かな人格を育むことが、教育の目的である。

これは、子どもたち一人一人が自分で価値を創造し、幸福な人生を送ることを目指すものだ。

特に「人材」という言葉のごとく、満々たる価値創造をもって、自他共の幸福を広げゆく人間を輩出し、 ひいては社会をもよく変えていくのである。

教育改革から社会改革へ、その根底に人間改革へ、牧ロ 常三郎の平和への戦いは、やがて軍部政府の弾圧を受け、73歳での獄死に至る。

経歴

牧ロ 常三郎(つねさぶろう)1871年7月23日明治4年6月6日)- 1944年昭和19年)11月18日)は、日本教育者宗教家

生い立ち

牧ロ 常三郎 1871年7月23日明治4年6月6日)、柏崎県刈羽郡荒浜村(現:新潟県柏崎市)で渡辺長松・イネの長男として誕生。出生名は渡辺 長七(わたなべ ちょうしち)。1877年、親戚である牧口善太夫の養子となる。

尋常小学校教師

1885年尋常小学校を卒業後、単身、北海道へ職を求めて渡る。小樽警察署の給仕をしながら苦学の末に、1891年札幌北海道尋常師範学校(現:北海道教育大学)第一学部3学年に編入。

1893年常三郎(つねさぶろう)と改名。同年3月に卒業し、母校の付属小学校の教師となる。当時24歳であった1895年、牧口熊太郎の二女クマ(当時18歳)と結婚。1901年、母校の助教諭となる。

『人生地理学』発刊

1902年国粋主義で知られる地理学者の志賀重昂の門を叩く。1903年、人間の生活と地理との関係を論じた『人生地理学』を32歳で発刊。牧口は志賀に校正・批評を依頼し、志賀は同著に序文を寄せた。同著は新渡戸稲造柳田國男らの目に留まることになり、新渡戸宅で開催された「郷土会」にも牧口は名を連ねている。地理学者である牧口と民俗学者である柳田が共に研究・現地調査を行った記録も残されている。

白金小学校校長

1905年、教職を辞して上京する。富士見、東盛、大正、西町、三笠、白金、新堀の各小学校の校長を歴任。1912年には『郷土科研究』を発刊。1916年、信仰の道を求め、田中智学の講演を聞くため東京・鶯谷国柱会館へ何度か通う[1]

1920年、牧口のもとを戸田城聖(後の創価学会第2代会長)が訪問。牧口は戸田を同校の代用教員(訓導)として採用する。1922年白金尋常小学校に転勤する。

日蓮正宗との出会い

1928年目白商業学校校長であり南池袋日蓮正宗常在寺に所属する法華講「大石講」の三谷素啓に折伏を受ける。「釈迦が説いた釈迦滅後の仏教変遷の予言が日蓮によって実証されたこと」と「正しい宗教(法華経)に基づく人間変革を基盤に社会を変革するという『立正安国』の思想」に強く共鳴し[2]、日蓮正宗に入信する。牧口は戸田を折伏し、戸田もほぼ同じ時期に入信する。

1931年、牧口は日蓮正宗寺院中野教会所(後の昭倫寺)の住職堀米泰栄と5年に亘り、毎週共同で仏書を研究し信仰に励む[3]

牧口は、宗教の価値を「実験証明」することであると強く主張した[4]

「宗教というものは体験する以外にわかるものではない」
「水泳をおぼえるには、水に飛び込む以外にない。畳の上では、いくら練習しても実際にはおぼえられない。勇気を出して自ら実験証明することです」

『創価教育学体系』発刊

1930年11月18日、『創価教育学体系』第1巻を刊行する。なお、創価学会はこの日を創価教育学会設立の日としている。1931年、教職を辞し、宗教・教育活動に専念。同年に出版した『創価教育学体系』第2巻(『価値論』)で唱えた「創価教育学」は、新渡戸稲造や柳田國男らから評価された。

牧口は著書において「人生の目的は価値創造にある」という理念を唱え、価値の対象として「美・利・善」を挙げている。これはヴィンデルバンド新カント学派代表)の価値体系である「真・善・美」と一線を画すものである。「真理は認識の対象であり価値の当体ではない。主体と客体の関係の中にこそ価値は存在する」として、新カント学派の説く「真」の代わりに「利」の価値を説いた。

創価教育学会創立

創価教育学体系の刊行を機に、「創価教育学支援会」が結成された[5][6]。同会には『創価教育学体系』を高く評価した新渡戸稲造柳田國男犬養毅ら28名が参加した。

1936年4月30日、教育者による創価教育学会春季総会を開催し、機関紙『新教』を発刊。同紙は7月号から『教育改造』と改題される。1939年12月、麻布の菊水亭にて創価教育学会の事実上の第1回総会を開催。

検挙・獄死

1941年には機関誌『価値創造』を発刊するが、翌年廃刊。戦時下の特別高等警察による監視が続けられる中で、牧口は国内各地において大善生活実験証明座談会を開催し、戦前の最盛期には、後の創価学会の最高幹部となる和泉覚辻武寿原島宏治小泉隆らを含め、3000人の会員を擁すまでとなる。

1943年5月、神社神道を批判したことで機関誌『新教』が廃刊となる[7]。6月、日蓮正宗総本山大石寺に呼ばれた牧口と戸田らは、管長鈴木日恭堀日亨同席の下、庶務部長から「学会も一応、神札を受け取るようにしてはどうか」と申し渡されるが、これを拒絶する(神札問題)[8]。その後、創価教育学会は登山を禁止された。

同年7月6日、伊豆下田での座談会開催直後、伊勢神宮神札を祭ることを拒否したために、治安維持法違反並びに不敬罪の容疑で下田警察署に連行される。同日、戸田らも検挙。この一連の弾圧で21名の幹部が検挙された。牧口は獄中においても転向を拒否し、1944年11月18日東京拘置所内の病監で栄養失調老衰のため死去した。

死後

創価学会東京牧口記念会館(八王子市)

死後は創価学会初代会長とみなされ、また殉教者として尊敬されている。毎年11月18日は「殉教の日」とされる。また1993年10月には、八王子市に牧口を記念して創価学会東京牧口記念会館が開館した[9]

墓地は東京都八王子市の日蓮正宗高尾墓園の特別区画および日蓮正宗大石寺にある。墓園のほうには遺骨が入っていない。墓園は、1963年創価学会が寄進し、1980年正信会による管理になり、1999年日蓮正宗による管理が裁判で確定し、正信会による事実上の管理が継続中である。1970年1月18日、墓園の墓79基が荒らされていたのが発見され、牧口の墓石も倒されていた。警視庁は創価学会に恨みを持つ者の犯行として捜査を行った[10]

著作

  • 『人生地理学』(文会堂、1903年刊)
  • 『教授の統合中心としての郷土科研究』(以文館、1912年刊)
  •  『地理教授の方法及内容の研究』(1916年)
  • 『創価教育学体系』(創価教育学会・冨山房、1930年 - 1934年刊)
  • 『牧口常三郎全集』(東西哲学書院、1965年刊)
  • 『牧口常三郎全集』(第三文明社、1981年 - 1997年刊)

参考文献


「推し活」化する選挙

2025年06月05日 12時51分49秒 | 社会・文化・政治・経済

 選挙が「推(お)し活(かつ)」化している――。そんな指摘が政治学者らから寄せられている。好きなアイドルにファンが熱中するかのように、政治家を「推し」にして応援する風潮が有権者の間に広がっているというものだ。夏に迫る参院選で、推し活的選挙は影響力を持つのだろうか。

参院は「団体戦」 威力欠くかも 谷口尚子・慶応大教授

 かつては推し活という言葉こそなかったが、政治家個人を評価して支持するという行為はあった。政治家の個人後援会はその一例だろう。

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「推し活」とは?

好きなものやタレントを追いかけ、愛し、応援する――それが「推し活(おしかつ)」。いま、推し活は若者から子育て世代まで、幅広い年代で普及しています。特にZ世代では、ほとんどの人がなにかしらの「推し」を持っているとも言われています。
「推し活」とは、もともとは熱狂的なアイドルファンがお気に入りの相手のことを「推し」と呼び、それが婚活などの「〇〇活」と結びついてできた言葉です。「オタ活(ヲタ活・オタク活動)」よりももっと積極的に「推しを応援する」という意味合いがあるようです。
推し活をする人にとって、推しの関連グッズを集めることは活動の一部です。公式グッズのみならず、ストーリー展開上キャラクターが扱ったアイテムなど、意外なものが推し活グッズとして流行することもあります。

出生数70万人割れる

2025年06月05日 10時13分26秒 | 社会・文化・政治・経済

出生数、初の70万人割れへ 24年1~11月は66万人、物価高やコロナ禍が影響か

厚生労働省が24日公表した人口動態統計の速報値によると、24年1~11月に生まれた赤ちゃんの数は、前年同期比5・1%減の66万1577人だった。速報値には外国人を含む。少子化に歯止めがかからず、同様の傾向で推移すれば日本人だけの出生数は通年で69万人程度となりそうだ。

物価高で子育てへの経済的不安が高まったことや、価値観の多様化で未婚傾向が進んだことが響いたほか、新型コロナウイルス禍で結婚する人が大幅に減ったことも背景にあるとみられる。

日本人の出生数は19年に90万人を、22年に80万人を割った。23年は統計のある1899年以降で最少の72万7277人だった。3・8%ほど減少すれば24年は70万人を割り込む計算だ。現時点で公表されている最新の出生数は24年1~8月分で、前年同期比5・9%減だった。

 

去年の出生数 初めて70万人下回る 出生率も過去最低の1.15

去年1年間に生まれた日本人の子どもの数は68万6000人余りと、前年より4万1000人余り減少し、統計を取り始めて以降、初めて70万人を下回ったことが厚生労働省の調査で分かりました。また、1人の女性が産む子どもの数の指標となる合計特殊出生率は去年1.15となり、これまでで最も低くなっています。

出生数の減少には複合的な理由があるとされていますが、「結婚の減少」も大きな要因の1つと指摘されています。

出生数 全都道府県で減少

出生数 全都道府県で減少

 

厚生労働省によりますと、去年1年間に国内で生まれた日本人の子どもの数は68万6061人となり、前年より4万1227人減少しました。

出生数が減少するのは9年連続で、1899年に統計を取り始めて以降、初めて70万人を下回りました。出生数はすべての都道府県で減少しています。

国立社会保障・人口問題研究所がおととし公表した将来予測では、日本人の出生数が68万人台になるのは2039年と推計していて、想定より15年ほど早く少子化が進行しています。

日本人の出生数は、最も多かった第1次ベビーブーム期の1949年には269万人余りいましたが、その時と比べると4分の1近くまで減少しています。

また、1人の女性が一生のうちに産む子どもの数の指標となる合計特殊出生率は去年1.15となり、前年から0.05ポイント低下し、統計を取り始めた1947年以降で最も低くなりました。

最も低かったのは東京都の0.96で、宮城県が1.00、北海道が1.01などとなっています。

最も高かったのは沖縄県で1.54、次いで福井県が1.46、鳥取県と島根県、宮崎県が1.43などとなっています。
(※都道府県別の出生率は記事後半に掲載しています)

一方、去年1年間に死亡した人は160万5298人と、前年より2万9282人増えて過去最多となりました。

この結果、亡くなった人の数が生まれた子どもの数を上回る「自然減」は、91万9237人(前年比+7万509人)と過去最大となりました。

このほか、結婚の件数は去年48万5063組と前年より1万322組増加したものの、10年間で15万組余り減少しています。

日本人の出生数が初めて70万人を下回ったことについて、厚生労働省は「若い世代の減少や、晩婚化・晩産化が要因にあると考えている。急激な少子化に歯止めが掛からない危機的な状況にあり、今後も少子化対策に取り組んでいきたい」としています。

少子化進むと財政成り立たなくなる可能性も

 

 

少子化の問題に詳しい学習院大学の鈴木亘教授
「想定を上回るペースで少子化が進めば、年金や医療、介護の支え手が減って財政が成り立たなくなる可能性も出てくる。少子化は高齢者の生活にも影響し、全世代の問題として立ち向かわなければならない。若い人は社会保険料などの増加で、子どもを産むのをためらうほどの負担増の中にいるが、それが増えればさらに厳しい状況に陥る。資産を持つ高齢者などにある程度の負担をしてもらうなど、痛み分けをする発想も必要ではないか」

鈴木教授は少子化の大きな要因として、結婚する人の減少を挙げています。

「将来への不安を考えると、“交際や結婚をする心の余裕が生まれない”というのが、いまの若者たちの大きな問題だと思う。また職場などで出会いの機会も減っていて、民間の結婚相談所は、費用が掛かるため利用できる人と出来ない人の格差が生まれる懸念もある。結婚支援こそ、国の少子化対策の肝であり、さまざまなツールを活用して若者たちの望みをかなえていく必要がある」

結婚件数の推移をみてみます。第1次ベビーブーム(1947~1949年)に生まれた世代が20代を迎えると年間100万組を超え、1972年には109万9984組で最多となりました。

その後は減少傾向となり、新型コロナウイルスの感染が拡大した2020年には52万5507組と、前年より7万3500組減りました。

去年は48万5063組と前年より増加しましたが、10年間で15万組余り減少しています。

若者 独身でいる理由は?

 

「国立社会保障・人口問題研究所」が2021年に行った出生動向基本調査では、25歳から34歳の未婚者に独身でいる理由を複数回答でたずねたところ、男女ともに「適当な相手にまだめぐり会わないから」が最も多く、女性は48.1%、男性は43.3%にのぼっています。

次いで「独身の自由さや気楽さを失いたくないから」が女性で31%、男性で26.6%、「結婚する必要性をまだ感じないから」が女性で29.3%、男性で25.8%となっています。

かつては「見合い結婚」が主流で、半数以上を占めていましたが、その後は職場での出会いや友人の紹介などの「恋愛結婚」が増加し、1960年代に「見合い結婚」の割合を上回りました。

「恋愛結婚」の割合は2010年の調査で88%とピークとなりますが、その後は減少に転じ、2021年の調査では74.8%となっています。

一方、最近ではSNSやマッチングアプリなどインターネットを利用して知り合うケースが増加し、2021年の調査では15.1%でした。

さらに、「見合い結婚」の割合も2010年の調査で5.3%まで減りましたが、2021年の調査では9.8%となっています。

結婚相談所を選ぶケースも増加

若者が出会いの場として、結婚相談所を選ぶケースも増えています。

東京・港区の結婚相談所では、20代から30代の若者を中心に利用者が増えているといいます。取材をした日も、事務所で面談を受ける人たちの姿がありました。

このうち、都内に住む28歳の女性は、ことし2月から婚活を開始。

国際支援を行うNGOで働き、将来は海外への赴任を希望していて、その前に子どもを産みたいという考えもあって結婚相談所に登録したと言います。

女性は「普段の生活は職場と家の往復で、なかなか出会いがありません。キャリアを優先すると家庭を持つのは難しいという声をよく聞きますが、子どもも産んでキャリアもしっかりと積んでいきたいです」と話していました。

また、都内に住む27歳の男性は、1月に相談所に登録しました。

コンサルティング会社に勤める男性は、年収およそ500万円。以前はマッチングアプリを利用して結婚相手を探していましたが、仕事や生活の価値観などが合う人には、なかなか出会えなかったといいます。

男性は「若いうちに活動した方が良い人に出会えると思い、登録しました。仕事が忙しいので、タイムパフォーマンスも大切にしたいです」と話していました。

この相談所も加盟する婚活サービス大手「IBJ」の報告書によりますと、去年に新規に入会した20代の会員は5年前に比べて男性は3.3倍余り、女性はおよそ1.9倍に増えています。

 

結婚相談所「ナレソメ予備校」 勝倉千尋取締役
「いまは職場での恋愛も減っていると見られ、30代になってから婚活を始めたけれど苦労している人の話を聞いて、早めに動かなきゃと意識する20代が増えていると感じます」

自治体も婚活支援の動き

各地の自治体でも少子化対策の1つとして、婚活を支援する動きが広がっています。

子ども家庭庁によりますと、去年2月の時点で、全国の47都道府県に少子化対策の実施状況を尋ねたところ、41か所で婚活イベントを実施していたほか、37か所で結婚支援センターを運営していました。

このうち愛媛県は、2008年に県の事業として結婚支援センターを立ち上げ、イベントやお見合いを通じて、これまでに1611組が結婚しています。

出会いの選択肢を増やそうと、10年前に全国の自治体に先駆けて県が導入したのが、AI=人工知能を活用したマッチングシステムです。

ビッグデータの中から、AIがその人に合いそうなより多くの相手を探し出します。

例えば、ある男性が情報を閲覧して自分の好みの女性を見つけ、申し込みしましたが、断られたとします。

通常ならそれで終わりですが、このシステムは続きがあります。

その女性を同じように選んだ別の男性たち、つまり好みの似ている人たちをグループ化し、その男性たちが選んだ別の女性もおすすめしてもらえます。さらに、その人を好んでくれていそうな相手も探し出してくれます。

このように出会いの機会を増やした結果、お見合いの成立率は導入前に比べて2倍以上に増えたといいます。

マッチング以外にも、センターでは出会った男女が交際をうまく進められるよう、ボランティアがフォローする「おせっかい」も行います。

ボランティアはまず、男女が初めて出会うお見合いの席に同席し、話題を提供したり場を和ませたりして2人の距離を縮めます。

その後も2人と定期的に連絡し、それぞれの気持ちを確かめながら交際が順調に進むようアドバイスを送ったりフォローしたりします。

ボランティアの山本美枝子さん

15年にわたってボランティアを続けている山本美枝子さん(73)は、自信をもてない男女に寄り添い、背中を押すことを心がけているといいます。

例えば、交際半年が過ぎたカップルの女性が「お互いの両親にあいさつをしたいが、結婚をせかしていると思われたくないので、彼に伝えられずにいる」と相談がきました。

山本さんは「あまりかしこまらず、軽く、『家に遊びにこない?』と声を掛けるのもよいのでは」とアドバイスを送りました。

一方で、男性には「将来についてお話しはぼちぼちでていますか?」などのメールを送って交際の進展を促し、このカップルを結婚に導いたといいます。

山本さんは「積極的な方は見守るだけで十分ですが、おとなしい方は背中を押すことも必要です。誰かの役に立てるのは、本当にうれしいです」と話していました。

センターの取り組みを通じて出会い、ことし1月に結婚した伊藤大地さん(28)と伊藤千恵さん(31)夫婦は、こうしたボランティアの「おせっかい」も結婚を意識した交際につながったと感じています。

千恵さんは「自治体の取り組みなので安心感があり登録しました。仲人さんがいると何か困ったことがあれば、相談できる安心感があり、ありがたかった。夫という家族ができて、幸せです」と話していました。

合計特殊出生率 世界各国で低下

1人の女性が産む子どもの数の指標となる合計特殊出生率は、世界各国で低下が進んでいます。

OECD=経済協力開発機構のまとめによりますと、2023年の加盟国38か国の合計特殊出生率は平均で1.43と、前年に比べて0.07ポイント低下。10年間では0.25ポイント低下しています。

国別で最も低いのは韓国の0.72で、1970年には4.53でしたが、2018年には1を下回り、その後も低下が続いています。

次いで
▽スペインで1.12
▽ポーランドで1.16
▽チリで1.17
▽リトアニアで1.18
▽日本(※2023年)とイタリアで1.20です。

一方、高かったのは
▽イスラエルで2.89
▽メキシコで1.91
▽フランスで1.66
▽コロンビアで1.65でした。

欧州で合計特殊出生率が比較的高いとされるフランスでは、1995年に1.73まで低下したものの、2019年には1.86まで上昇しました。しかし、その後は再び低下しています。

ドイツの子育て支援策は

 

ドイツ政府は2000年代に少子化対策などとして、子育て支援策を整備しました。そのひとつが2007年、当時のメルケル政権で導入された「親手当」です。

子育てのために休職したり、勤務時間を減らしたりした親の収入を補うため、子どもが生まれる前の所得の65%が「親手当」として支給されます。最大で14か月分、受け取ることができます。

また、「親時間」と呼ばれる支援策も導入されました。子育てのため最長3年間、休職する権利を保障し、この間、雇用契約は継続され、休職後には元の職場に戻ることができます。

また、3年を複数回に分けて休職することも可能です。さらに政府は、子育て中の女性が働き続けることができる環境を整備しようと、全国で保育所の設置も進めました。

OECDによりますと、ドイツの合計特殊出生率は1990年代に1.24まで落ち込んでいましたが、2000年代から上昇傾向をたどり、2010年代には1.59に回復しました。

専門家からは支援策の効果が現れているとする分析もあります。ただ、2022年以降は低下に転じていて、ロシアのウクライナ侵攻の影響による物価の高騰などで、子育て世代の間で先行きに対する不透明感が強まっているためではないかとの指摘も出ています。

専門家「政策や地域の支援策が雰囲気変えている」

ドイツの家族政策に詳しい城西国際大学国際人文学部の魚住明代教授は、ドイツで2000年代に「親手当」や「親時間」と呼ばれる子育て支援策が導入されたことについて、「それまでは社会が変わらないという状況だったが、新しい家族政策の導入によって父親も子育てをしようということを、社会が強く言うようになってきた。男性も『親時間』をとろうと言ってきたことによって大きく意識が変化した」と述べ、支援策の導入がきっかけとなって社会変化や男性の意識改革につながったと指摘しました。

その上で、ドイツでは政府だけでなく地域も一体となった政策がとられたとして、「とくに30代女性の出生率が上がった」と述べました。

一方、2022年以降、出生率が減少していることについては「ドイツ経済の低迷や、ウクライナの状況をはじめとする近隣諸国の問題などの社会不安が関係している」と指摘しました。

そして、「出生率が高いということがゴールではない。ドイツでは、政府の政策や地域の支援策が雰囲気を変えてきている。家族をつくるということは大変なことではなく、楽しいことだという雰囲気を社会全体でつくることがとても大事で、こうしたメッセージを発信していくことも重要だ」と述べ、政府や地域が連携して若い人たちにも響くメッセージ性のある対策を打ち出すことが大事だと指摘しました。

都道府県別 合計特殊出生率

 

 

 


国際賢人会議の役割

2025年06月05日 10時09分12秒 | 社会・文化・政治・経済

石破首相“核戦争のない世界へ 抑止力の重要性も踏まえ検討”

石破総理大臣は、核軍縮に向けて議論する「国際賢人会議」のメンバーと面会し、核戦争のない世界を実現するため、抑止力の重要性も踏まえながら検討を進めていくべきだという認識を示しました。

「国際賢人会議」は3年前の2022年、核兵器の保有国と非保有国が立場を超えて意見を交わすために設けられた有識者らによる国際会議で、3月31日までの2日間、東京で会合が開かれています。

石破総理大臣は31日、総理大臣官邸で会議のメンバーと面会し「『核のない世界』が理想であり、それに向けて歩みを進めていかなければならないが、『核戦争のない世界』をどう実現するかも考えなければならない。抑止力とは何か考え続けてきた英知を生かし、核軍縮をいかに進めていくか、見識をたまわりたい」と述べました。

これに対し、会議の白石隆座長は「核戦争の危機が過去数十年間で最も高まっている。通常の戦争のエスカレーションが核の使用に発展するリスクがあり、緊急のメッセージをまとめたい」と述べました。

会議は議論の成果を提言としてまとめることにしています。


白黒思考

2025年06月05日 09時43分49秒 | 社会・文化・政治・経済
  1. 物事を極端に「良い」か「悪い」、「正しい」か「間違っている」のように二極化して捉える思考パターン


    白黒思考とは、 物事を極端に「良い」か「悪い」、「正しい」か「間違っている」のように二極化して捉える思考パターンのこと です。
    このように考える傾向がある人は、中間的な状態や曖昧さを受け入れるのが難しく、物事を極端に判断してしまいます。
    たとえば、テストで100点を取れなければ完全な失敗だと考えたり、相手が自分に同意しなければ敵だと判断したりすることがあります。
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    2023年4月17日 · 白黒思考とは、その名のとおり 物事を白か黒かと二分して捉える思考 です。 「全か無思考」「0か100思考」といったいわれ方もします。 いずれも、本当はバリエーション豊かな捉え方ができるのにもかかわらず、両極端な意見しか見えなくなってしまう思考を指します。 白黒思考に基づいた判断 …

     
  4.  
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SNSが選挙を左右する時代

2025年06月05日 09時39分09秒 | 社会・文化・政治・経済

独自分析“SNS時代”選挙はどう変わる?

初回放送日:2024年12月16日

東京都知事選や兵庫県知事選で注目を集めたSNS。衆議院選挙でもネット戦略に注力した政党が議席を増やすなど、ことしは「選挙とSNS」を考える大きな転換点になった。SNSはどこまで影響力を持ち、実際の投票行動にどう影響したのか?独自アンケートとSNS分析で実証的に検証する。また選挙の際の情報発信のあり方について様々な可能性と課題が指摘される中、SNS時代の選挙・メディア・民主主義のあり方を考える。

放送内容

目次
  • 投票の判断にどう影響?
  • 独自分析“SNS時代” 選挙はどう変わる?
  • “SNS時代”の選挙 メディアの報道は?
  • “SNS時代” これからの政治は? 社会は?

投票の判断にどう影響?

桑子 真帆キャスター: NHKの出口調査で、3割の人が投票する際にSNSや動画サイトを最も参考にしたという11月の兵庫県知事選挙ですが、実際にSNSの情報で投票先を変えたのかなど、投票の判断にどう影響したか詳しくは分かっていませんでした。そこで番組では、先週、3,000人あまりを対象に独自にインターネットのアンケート調査を行いました。

すると、投票で最も参考にしたのが、「SNS・動画サイト」だと答えた人の7割が「投票先を変えるに至った」、もしくは「投票先を決めていなかったが決める上で重要な要素になった」と回答しました。「テレビ」、「新聞」、「ラジオ」のマスメディアを最も参考にした人に比べると、投票の判断に強い影響を与えていたことがうかがえます。2024年の選挙で何が起きていたのでしょうか。

独自分析“SNS時代” 選挙はどう変わる?

兵庫県知事選挙が告示される、およそ1か月前。SNSに1本の動画が投稿されました。

会社員 藤原祐弥さん 「すごくおじぎがきれいな人だなと思いました。1人でよくこんなことをやるな」

動画を目にした会社員の藤原祐弥さんです。普段から政治への関心が高く、今回の選挙についても積極的に情報を集めていました。

藤原祐弥さん 「(斎藤氏に)すごくマイナスのイメージを持っていた。マスコミの報道、ニュース、新聞を見ていたので、パワハラ疑惑とかおねだりとかしてきたんだなと、正直、思っていました」

パワハラの疑いなどで告発された問題をきっかけに失職した斎藤元彦氏。

兵庫県 斎藤知事 「パワハラかどうかは私が判定するというよりも、百条委員会とか第三者委員会が判定するものだと思います」

事実関係について、百条委員会などで調査が続いています。

告示日。斎藤氏は、改革を前に進めたいと訴えました。

斎藤知事 「これまでの旧態依然の県政に戻すわけにはいかない。斎藤か斎藤以外か。私は絶対にそれには負けるわけにはいかないんです」


収益目的の「切り抜き動画」が拡散

2025年06月05日 09時31分26秒 | 社会・文化・政治・経済

収益目的の「切り抜き動画」に違法性は?──2024年主要選挙とメディア SNSの功罪→「選挙期間、広告収入を止めるのも一つ」

「収益目的で作られる切り抜き動画に違法性はないのか。

取材を受けるにあたり、総務省に確認したところ『公選法上は全くない』と明確に即答されました。

こうした行為に対して特段、処罰する規定がないのです。だから、適法です。

ただ、現行法ではそうだとしても、正直、問題を感じないわけにはいきません。

選挙制度の中で大きな穴が開いているという印象です」 公選法改正でネット上での選挙活動が解禁されたのは2013年。その時点では、動画の広告収入によって収益を上げることが想定されていなかった。

スマートフォンもまだ普及半ばで、SNSはテキストが中心。YouTubeなど動画メディアも現在ほど多くの人が見ていたわけではないし、TikTokなどはまだ存在もしていなかった。現在は選挙を「コンテンツ」として捉え、それを稼ぐ材料にする人が増えた。2013年の法改正時点で想定されていないことが起きている。

 

収益目的の「切り抜き動画」に違法性は?──2024年主要選挙とメディア #SNSの功罪

配信

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Yahoo!ニュース オリジナル 特集

「石丸氏から始めた」切り抜き動画作成者・Aさん

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SNS時代の選挙を再考する

2025年06月05日 09時18分10秒 | 社会・文化・政治・経済

独自分析“SNS時代”選挙はどう変わる?

初回放送日:2024年12月16日

東京都知事選や兵庫県知事選で注目を集めたSNS。衆議院選挙でもネット戦略に注力した政党が議席を増やすなど、ことしは「選挙とSNS」を考える大きな転換点になった。SNSはどこまで影響力を持ち、実際の投票行動にどう影響したのか?独自アンケートとSNS分析で実証的に検証する。また選挙の際の情報発信のあり方について様々な可能性と課題が指摘される中、SNS時代の選挙・メディア・民主主義のあり方を考える。

放送内容

目次
  • 投票の判断にどう影響?
  • 独自分析“SNS時代” 選挙はどう変わる?
  • “SNS時代”の選挙 メディアの報道は?
  • “SNS時代” これからの政治は? 社会は?

投票の判断にどう影響?

桑子 真帆キャスター: NHKの出口調査で、3割の人が投票する際にSNSや動画サイトを最も参考にしたという11月の兵庫県知事選挙ですが、実際にSNSの情報で投票先を変えたのかなど、投票の判断にどう影響したか詳しくは分かっていませんでした。そこで番組では、先週、3,000人あまりを対象に独自にインターネットのアンケート調査を行いました。

すると、投票で最も参考にしたのが、「SNS・動画サイト」だと答えた人の7割が「投票先を変えるに至った」、もしくは「投票先を決めていなかったが決める上で重要な要素になった」と回答しました。「テレビ」、「新聞」、「ラジオ」のマスメディアを最も参考にした人に比べると、投票の判断に強い影響を与えていたことがうかがえます。2024年の選挙で何が起きていたのでしょうか。

 

このエピソードの放送予定

都道府県(放送局):
東京都(首都圏局)
 
 

出演者・キャストほか

  •  
    出演
    牧原 出
    東京大学教授
  •  
    ゲスト
    米重 克洋
    JX通信社代表
  •  
    キャスター
    桑子 真帆
    アナウンサー
     
    “SNS偽情報”“2馬力”対策にハードルも…都議選・参院選控え与野党が議論© テレビ朝日

    SNS上での嘘の情報や、誹謗中傷など、選挙の公正性をめぐって浮かび上がっている課題について、4日、与野党で議論が交わされました。

    【画像】“SNS偽情報”“2馬力”対策にハードルも…都議選・参院選控え与野党が議論

    自民党 逢沢一郎衆院議員

    「SNS上に誹謗中傷の類、あるいは真偽不明の明らかな偽情報、かなり多い。有権者が大きな影響を受けている。結果、健全・公正であるべき選挙がゆがめられている」

    東京都議選に参院選、大きな選挙が目前に控えるなかで、与野党は何らかの手を打ちたい考えです。しかし、4日の議論では「何をもって偽情報と判断するのか」といった指摘も上がり、結論は出ませんでした。

    こちらは、立候補の届け出にあたり、自らの当選を目的とすると宣誓させる案に、与野党とも前向きな考えを示しました。ただし、一連の対策には、公職選挙法の再改正などが必要。

    この協議会で、何らかの結論が示されても、都議選や参院選に法的拘束力を持った対応は、間に合わない見通しです。

    ◆今国会で改正されたのが、“選挙ポスター”に関する規定です。他人の名誉を傷つけることや、わいせつ画像や広告の記載を禁止し、候補者の氏名を見やすく表示することが義務付けられました。

    一方で、SNS対策や、自らの当選ではなく、ほかの候補者の当選を目的として立候補するいわゆる“2馬力選挙”は、付則にとどまり、具体的な措置は、今後の検討課題とされていました。

    これらについて、与野党7党で協議が行われました。

    選挙期間中に、SNS上で偽の情報がまん延する事態を受け、個人の名誉を傷つける投稿があった場合、政党や候補者から申し出があれば、事業者による“即日削除”を可能にします。

    “2馬力選挙”については、立候補の届け出をする際に、「自らの当選を目的とする」ことを宣誓させます。以上のことが議論され、引き続き、協議が行われます。

    ◆公職選挙法に詳しい日本大学法学部の安野修右准教授に聞きました。

    安野准教授は、SNS対策について「例えば、警察やSNS事業者が一定の裁量権を行使して、投稿の削除が可能になれば、濫用されるリスクも生じる。表現の自由に含まれる言論と、誹謗中傷の垣根には曖昧なものもあり、実効性をどう確保するのか課題がある」といいます。

    2馬力選挙については「“宣誓”に効果はないとは言わないが、お守りのようなものに過ぎない。例えば、『自身の当選よりも、重要な政策上の課題を訴えたい』という立候補まで禁止できるかは疑問」と指摘しています。

     

ネットの憎悪増幅と連鎖の本質

2025年06月04日 17時40分18秒 | 社会・文化・政治・経済

ネット上にはなぜ「毒」が蔓延するのか:背景に潜む「マノスフィア」と「インセル」を考える

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石田雅彦科学ジャーナリスト
 
ネット上からリアル世界へ波及する誹謗中傷が、大きな社会問題になっている。
最近の研究から、こうした言動の背後にあるネット利用者の心理を考える。

 

マノスフィアとインセル

 

 英国の少年が犯罪を犯してしまい、その動機にSNSでのコミュニケーションやイジメがあっという動画配信サイトの作品『アドレセンス』(Netflix)が話題だ。全シーンがワンカットで撮影され、その手法にも驚かされるが、若い世代に広がるネットやSNSの影響はすでに看過できないほど深刻なことを思い知らされる。

 

 もちろん中にはスポーツや勉強に集中する人もいるだろうが、古今東西、思春期の男性の頭の中は、異性やセックスのことでいっぱいだ。彼らは自らの外見にこだわり、相手に好かれようとし、コミュニケーションに挑んで特に失敗する。

 

 こうした思春期男性の言動も古来から変わらないが、強い影響をおよぼしているのがネットやSNSでの言動だ。特にジェンダー平等が進む英語圏では、男性の権利復権の動きであるマノスフィア(Manosphere)の考え方がネット上で反響しつつ、反動的により過激な主張になり、いわゆるトキシック・マスキュリニティ(Toxic Masculinty、有害な男性性)として無視できない社会的病理にもなっている(※1)。

 

 また、冒頭で紹介した動画には少年に投げかけられるスティグマ的な言葉として「インセル(Incel、Involuntary Celibateの略)」が出てくるが、これはネット上で性的なアイデンティティをこじらせた「非自発的独身者(不本意にパートナーを望めないと思い込んでいる人)」集団を指す。そして、マノスフィアはインセルを多く含み、異性へ憎悪をつおらせた挙げ句、しばしば事件性のある過激な行動を起こしかねない存在とされている(※2)。

 

 こうしたネットやSNSでのマノスフィアの考え方は、政治の世界でも影響力を増し、2024年の米抗大統領選挙でのトランプ再選を実現させた原動力の一つとされている。そして、こうした動きは、男性の権利復権や反フェミニズム、反LGBTQから範囲を広げ、ミソジニー(女性蔑視)なインセルを包含しつつ、ヘイトクライムなどの差別意識、極右イデオロギー、エセ科学、陰謀論、フェイク・ニュースなどと結びつき、社会的弱者への攻撃やポリティカル・コレクトネス(ポリコレ)に対する過度な反応などへ波及していく(※3)。

 

政治や社会へ大きな影響が

 

 ネット上の情報に強く影響を受けるのは、思春期や英語圏の男性だけではない。日本でもSNSなどでいわゆる「犬笛」(暗喩や暗示、示唆や教唆)で呼びかけられたユーザー(老若男女を問わず)が攻撃対象である個人へ誹謗中傷を繰り返し、リアル世界でも非通知の迷惑電話や相手宅周辺の徘徊などにおよぶような違法行為が国会でも問題視されるようになっている。

 

 ネットやSNSなどでこうした「毒」を含んだ言動が拡散する背景には、知名度や影響力のある発信者への信奉と狂信、ミソジニー(女性蔑視)やヘイトクライムなどの差別意識がある(※4)。発信者の情報に正当性があると信じ込み、時として社会的な弱者叩きやポリティカル・コレクトネスへの反感がない交ぜとなってプラットフォーム上で共振し、拡散し、中には暴力的言動を実行してしまうユーザーが出てくる。

 

 そして最後に忘れてはならないのが、こうしたプラットフォームを駆動するスポンサー企業の存在だ。ネット上の情報の多くはアフィリエイトのような広告収入を得ることを目的にし、例えばYouTubeで視聴回数を稼いで収益化させることがフェイク・ニュースや「毒」を含んだ情報を拡散するための一種の動機になっている(※5)。

 

 以上をまとめると、ネット上に「毒」を含んだ情報が拡散し、リアル世界へ暴力的な言動が波及する背景には、ジェンダー平等の流れによる男性の疎外感情があり、政治や社会へ大きな影響をおよぼし始めている。特に、思春期世代への影響は無視できないものとなっていて、スポンサー企業への規制、ネットやSNSなどの年齢制限を含む対策の議論が必要だろう。

※1-1:Mike C. Parent, et al., "Social Media Behavior, Toxic Masculinity, and Depression" Psychology of Men & Masculinities, Vol.20(3), 277-287, April, 2018

※1-2:Carol Harrington, et al., "What is "Toxic Masculinity" and Why Does it Matter?" Men and Masculinity, Vol.24, Issue2, 17, July, 2020

※1-3:Simon Copland, "Weak Men and the Feminisation of Society: Locating the Ideological Glue between the Manosphere and the Far-Right" Global Perspectives on Anti-Feminism, Edinburgh University Press, 2023

※1-4:Phillip L. Hammack, Adiana M. Manago, "The Psychology of Sexual and Gender Diversity in the 21st Century: Social Technologies and Stories of Authenticity" American Psychologist, Vol.80(3), 375-388, April, 2025

※2-1:Roberta Liggett O'Mallery, et al., "An Exploration of the Involuntary Celibate (Incel) Subculture Online" Jounral of Interpersonal Violence, Vol.37, Issue7-8, 24, September, 2020

※2-2:Matteo Botto, Lucas Gottzen, "Swallowing and spitting out the red pill: young men, vulnerability, and radicalization pathways in the manosphere" Journal of Gender Studies, Vol.33, Issue5, 23, September, 2023

※2-3:David S. Smith, et al., "“Even though I’m not an incel, I’m still an involuntary celibate”: A journey in and out of inceldom" The Communication Review, Vol.28, Issue1, 24 July, 2024

※3:Mariel J. Barnes, Sabrina M. Karim, "The Manosphere and Politics" Comparative Political Studies, doi.org/10.1177/00104140241312095, 17, January, 2025

※4:Raquel Recuero, "The Platformization of Violence: Toward a Concept of Discursive Toxicity on Social Media" Social Media + Society, doi.org/10.1177/20563051231224264, 20 January, 2024

※5:Wajeeh Ahmad, et al., "The Role of Advertisers and Platforms in Monetizing Misinformation: Descriptive and Experimental Evidence" National Bureau of Economic Research, Working Paper 32187, March, 2024

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科学ジャーナリスト

法政大学経済学部卒業、横浜市立大学大学院医学研究科修士課程修了、医科学修士。近代映画社から独立後、醍醐味エンタープライズ(出版企画制作)設立。紙媒体の商業誌編集長などを経験。日本医学ジャーナリスト協会会員。

禁煙・受動喫煙防止活動を推進する神奈川会議常任理事。サイエンス系の単著に『恐竜大接近』(監修:小畠郁生)『遺伝子・ゲノム最前線』(監修:和田昭允)『ロボット・テクノロジーよ、日本を救え』など、人文系単著に『季節の実用語』『沈船「お宝」伝説』『おんな城主 井伊直虎』など、出版プロデュースに『料理の鉄人』『お化け屋敷で科学する!』『新型タバコの本当のリスク』(著者:田淵貴大)などがある。


憎悪の感情

2025年06月04日 17時33分05秒 | 社会・文化・政治・経済
憎しみは心の奥深くで長い間燃え続け、時に自分や他者の人生を蝕んでしまうことがある。 しかし、憎しみとは一体どのような感情なのだろうか。
今回の記事では、憎しみと関連する心と脳の仕組みについて考えてみたい。
憎しみと良く似た感情に怒りがあるが、アリストテレスは、その著書、『弁論術』でその違いについて論じている(戸塚, 1992 年)。
以下はそれをまとめたものである。

憎しみ脳科学:そのメカニズムと対処法 - Lab BRAINS

憎しみの心理学

憎しみと良く似た感情に怒りがあるが、アリストテレスは、その著書、『弁論術』でその違いについて論じている(戸塚, 1992年)。以下はそれをまとめたものである。

このように並べてみると、憎しみのほうがより扱いにくい感情であることが分かる。怒りは自分が直接関わった相手だけに向けられるのに対して、憎しみは顔も名も知らぬ幅広い人に向けられる。そして、怒りは時間が経てば和らぐことがあるが、憎しみは相手を抹消するまで消え去ることがない。

また、憎しみと似た感情として、復讐心や屈辱感、軽蔑感などもある。アムステルダム大学の心理学者、フィッシャー教授はこれらの感情を以下の図に示す図にまとめている。

Fischerら, 2018年、figure 1を参考に筆者作成

 

それぞれの感情の目的については、怒りは標的を変化させること、軽蔑は社会的に除外すること、屈辱感は自己防衛的に身を引くこと、復讐は苦しみの均衡を回復すること、そして憎しみは標的を破壊することと論じられている(Fischerら, 2018年)。また図を見てもらえば分かるように、憎しみは他のネガティブな感情を包含する広範な感情であることも示されている。

進化論的観点からは、憎しみにはグループの生存を高める意味があったと言われている。限られた資源をめぐって他グループと争っている状況下で、憎しみを利用して相手を殲滅できる方が有利だったからである(Zhu, 2022年)。つまり憎しみとは、過酷な環境下で生き残るための適応的な感情だった可能性もある。

 

 

憎しみの脳科学:脳内ネットワークと非人間化

セミール・ゼキ博士は、美と脳の関係を探る神経美学で知られているが、憎しみと脳の関係についても研究も行っている(ZekiとRomaya, 2008年)。実験では、被験者に憎い人物や中立的な人物の顔を見せ、その時の脳活動を測定している。加えて、被験者に憎しみの程度についても回答させ、憎しみと脳活動の関連を調べている。

ZekiとRomaya, 2008年, Figure 1. 顔の一例

 

結果として、憎しみが強いほど、島皮質や運動前野、内側前頭回、被殻といった脳領域の活動が高まることが示されている。

ZekiとRomaya, 2008年, Figure 5.

 

ちなみに島皮質は、美味しい、悲しいなどの情動的な知覚に関わる領域である。また運動前野や内側前頭回は、走ろう、投げようなど、運動の準備に関わる領域である。そして被殻は脳の奥深くにあって、嫌悪感や運動のコントロールに関わる領域である。総じてこれらの脳領域の活動の高まりは、憎い相手への攻撃衝動と嫌悪感の高まりを反映しているのではないかと論じられている(ZekiとRomaya, 2008年)。

さらに、これらの脳領域の繋がりが、うつ病で弱まることを示した研究もある。この研究ではうつ病患者の脳内ネットワークを調べているが、憎しみと関連する脳領域の繋がりが弱くなっているというのだ(Taoら, 2013年)。このような変化は、うつ病で憎しみが弱まることと関連しているのではないかと論じられている。

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また憎しみと関連の深い心理メカニズムとして、「非人間化」がある。これは文字通り、相手を人間以外の存在へと認知する傾向を指す。非人間化された相手への攻撃を正当化しやすくする効果があると考えられている。ある研究では、被験者に人種や職業などのカテゴリーを提示し、非人間性や類似性などの評価をさせる実験を行った。すると、非人間的な評価と相関して、下前頭回の活動が高まることが明らかになった(Bruneauら, 2018年)。

Bruneauら, 2018年, Figure3を参考に筆者作成

 

下前頭回は、言語処理や概念形成などの高次脳機能に関与している。したがってこの結果は、非人間化が単なる感情的反応ではなく、むしろ言語や概念に基づいた理性的プロセスであることを示唆している。「あいつは人間ではない」という理性に欠けた判断は、逆説的に高度な認知機能を必要としているのかもしれない。

 

 

憎しみを和らげる方法

それではこの根深い憎しみを緩和する方法はあるだろうか。関連文献を調査してみたが、憎しみそのものを直接的に「治療」する研究報告はほとんどないことが分かった。これは抑うつや不安障害などに関する膨大な研究報告数と対照的である。ただし、アートセラピーが憎しみの緩和にある程度寄与しうることを示唆する報告はある。創作活動を通じて自己理解が促され、対象へのまなざしが多面的になることで、憎しみが和らぐ可能性があるというのだ。しかし他方で、根深くアイデンティティと結びついた憎しみを完全に払拭するのは容易でないとの指摘もある。この点では依存症の治療と同様の困難さがあるという(Simiら, 2017年)。また進化心理学の観点からは、憎しみが生存可能性を高める適応策として獲得された、ある意味「正常な」感情であるという指摘もある。憎しみが「正常」なものであるなら、それを「治療」することも難しい。やはり憎しみは扱いが難しいのかなとも思ってしまう。

 

 

まとめ

では、ここまでの内容をまとめてみよう。

 

  • 憎しみの目的は相手を抹消することである。
  • 憎しみの原因は、相手が「何をしたか」ではなく、「何であるか」である。
  • 憎しみには高次の脳領域が関わっている。
  • 憎しみを「治療」する方法は確立されていない。

 

限られた資源を奪い合う時代であれば憎しみにも効用があったのかもしれない。しかし21世紀に生きる現在、憎しみは効用よりも弊害のほうが大きい。憎しみは理性の誤作動のようなものかもしれない。誤作動そのものを止めることは難しいが、それを自覚することはできる。私達の脳は不完全である。その不完全さを理解した上で、より善い生を歩んでいきたい。

 

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著者紹介:シュガー先生(佐藤 洋平・さとう ようへい)

博士(医学)、オフィスワンダリングマインド代表
筑波大学にて国際政治学を学んだのち、飲食業勤務を経て、理学療法士として臨床・教育業務に携わる。人間と脳への興味が高じ、大学院へ進学、コミュニケーションに関わる脳活動の研究を行う。2012年より脳科学に関するリサーチ・コンサルティング業務を行うオフィスワンダリングマインド代表として活動。研究者から上場企業を対象に学術支援業務を行う。研究知のシェアリングサービスA-Co-Laboにてパートナー研究者としても活動中。
日本最大級の脳科学ブログ「人間とはなにか? 脳科学 心理学 たまに哲学」では、脳科学に関する情報を広く提供している。

【主な活動場所】X(旧Twitter)はこちら

このライターの記事一覧

 

 

【参考文献】

Bruneau, E., Jacoby, N., Kteily, N., & Saxe, R. (2018). Denying humanity: The distinct neural correlates of blatant dehumanization. Journal of Experimental Psychology: General, 147(7), 1078–1093.
https://doi.org/10.1037/xge0000417

Fischer, A., Halperin, E., Canetti, D., & Jasini, A. (2018). Why we hate. Emotion Review, 10(4), 309-320.
https://doi.org/10.1177/1754073917751229


都議会公明党 5つの実現力

2025年06月04日 09時46分47秒 | 社会・文化・政治・経済

だから都議会公明党/東京に必要な5つの実現力

未分類 / 2025年5月13日

5月13日(火)

本日は明後日に控えた福生市議会臨時会の打ち合わせ。
臨時会では議会人事の改選がありますので、私が副議長職を務めるのもあとわずかです。

明日も近隣自治体の正副議長が来庁するとのことで対応があります。最後までしっかりと職責を果たしていきます。

さて、告示まで1カ月となりました東京都議会議員選挙に関連して、都議会公明党の実績や目指す政策を本日公明新聞の記事をシェアします。

だから都議会公明党/東京に必要な5つの実現力 公明新聞 2025年5月13日付

この60年、過半数を占める政党・会派がない東京都議会で、公明党は20議席以上を確保し、他会派も巻き込みながら、政策を提案・実現してきました。この力は東京の発展、都民生活の向上へこれからも必要です。そんな都議会公明党の実現力を5つの観点からまとめました。

■現場の声聴き家計と暮らし支える

区市町議らと連携して現場の声を聴き、物価高で苦しい家計と暮らしを支える施策を実現。「シルバーパス」販売額の4割引き下げが実りました。「学生パス」導入もめざします。「東京アプリ」登録者への7000円相当のポイント付与が決定。1万円への増額をめざします。

全国をリードする子育て支援

都と粘り強く交渉し、全国をリードする子育て支援を次々と実現。公立小中学校の給食費無償化は、自治体への補助を拡充させて全域で。高校授業料の実質無償化は昨年度から公私ともに所得制限なしに。教材費などの無償化も進め、教育負担が「かからない」東京をめざします。

便利で住みやすい都市を築く

便利で住みやすい東京の構築を推進し、都市総合力で世界3位に。バリアフリー化や日暮里・舎人ライナーと多摩モノレール整備、女性専用車両などを実現し、玉川上水の清流復活や江戸城外濠の水質改善も前進。「開かずの踏切」解消や首都高料金所撤廃をさらに進めます。

災害や病気などから命と健康守る

都民の命と健康を守る体制を拡充。豪雨時に川の水を貯留する地下調節池の整備が進み、避難所環境の改善へ学校体育館のエアコン設置、トイレカーなど購入へ自治体の支援も。がん「陽子線治療」の都立病院への導入決定、帯状疱疹・肺炎球菌ワクチンの費用助成などをリード。

ムダなくし財源生む行財政改革

財政危機の打開へ行財政改革をリード。民間に準じた「新公会計制度」を全国に先駆けて導入させ、1兆円の“隠れ借金”解消のほか、「事業評価」による約1兆円のムダを削減(昨年度までの18年間)。今年度も、事業見直しなどが進み、1303億円の財源が生まれました。