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大川原冤罪 捜査検証へ

2025年06月10日 12時30分50秒 | 事件・事故
NHK 各地のニュース
神奈川県のニュース
NHK横浜放送局

大川原化工機えん罪事件 上告しないよう求める要望書を提出

「大川原化工機」の社長など3人が逮捕され、その後無実が明らかになったえん罪事件をめぐり、警視庁公安部と検察の捜査の違法性を認めた東京高等裁判所の判決について、メーカー側は、上告しないよう求める要望書を警視庁と検察に提出しました。

不正輸出の疑いで逮捕、起訴され、後に無実が判明した横浜市の化学機械メーカー、「大川原化工機」の社長などが都と国を訴えた裁判で、2審の東京高等裁判所は先月、1審に続いて警視庁公安部と検察の捜査の違法性を認め、都と国にあわせて1億6600万円あまりの賠償を命じました。

上告期限が11日にせまるなか、社長などは9日、警視庁と東京地方検察庁を訪れ、上告しないよう求める要望書と、インターネットなどで集めた4万人以上の署名を提出しました。

大川原正明社長は「なんとしてもここで裁判を終わらせて、反省していただきたい」と話していました。

勾留中にがんが見つかり、亡くなった元顧問の相嶋静夫さんの長男は、「多くの署名が集まったのは、国民の人たちが刑事司法の問題として危機感を持っていることの表れだ」と話していました。

関係者によりますと、都と国は上告しない方向で検討を進めていて、11日までに最終的な判断をすることにしています。

 

06/09 12:01

10代の女子学生をビニールハウスに誘いわいせつな行為か 

2025年06月09日 15時07分35秒 | 事件・事故

17歳の男子高校生がわいせつ誘拐、不同意わいせつ容疑で逮捕 「触る行為の一部はしていない」と一部否認 鳥取県 

配信


児童虐待被害、最多2700人

2025年06月08日 07時36分32秒 | 事件・事故
2025-06-05 10:08

=検挙数も更新、11%増―警察庁

 警察が昨年、虐待の疑いで児童相談所に通告した子どもの数は前年比0.3%減の12万2378人だった。被害者のうち、無理心中や出生直後を含む死亡者は52人で、過去最少だった前年から24人増えた。
 児童相談所からの通報を基にした検挙数は1047件と初めて1000件を突破。同庁は「児相との連携が向上している」と分析した。
 配偶者などによる暴力(DV)の相談件数も、前年比7.1%増の9万4937件と過去最多を更新した。増加は21年連続。被害者への接近などを禁ずる保護命令に違反したとする検挙も20件増の69件と増加傾向で、同庁は外部機関と連携し、早期対処を徹底する方針だ。 
[時事通信社]

 
 
 
 
 

ストーカー「禁止命令」2415件

2025年06月07日 12時23分43秒 | 事件・事故

去年 ストーカーの「禁止命令」約2400件 過去最多に 警察庁

去年、全国の警察に寄せられたストーカー被害の相談や通報は1万9000件余りにのぼり、つきまといなどを禁じる「禁止命令」はおよそ2400件と、これまでで最も多くなったことが警察庁のまとめでわかりました。荷物に取り付ける「紛失防止タグ」を使って、居場所を把握されたという相談も増えているということで、警察庁は法整備も含め対策を検討することにしています。

警察庁によりますと、去年1年間に全国の警察に寄せられたストーカー被害の相談や通報は1万9567件と、引き続き多くなっていて、ストーカー規制法に基づき、つきまといなどの行為を禁止する「禁止命令」は2415件と、これまでで最も多くなりました。

またスマートフォンのアプリなどによって、居場所を特定されたという相談が急増していて、中でも荷物の紛失を防止するタグを持ち物などに取り付けられて、居場所を把握されたという相談が370件にのぼっているということです。

現在の法律では「紛失防止タグ」を取り付ける行為は規制できず、警察庁はタグを悪用して取り付け位置情報を把握する行為について法整備も含め対策を検討することにしています。

一方、川崎市でストーカー被害を周囲に訴えていた女性の遺体が見つかり元交際相手が逮捕・起訴された事件では、ストーカー規制法に基づく警告や禁止命令は出されていなかったことがわかっていて、警察庁は全国の警察本部に対して通達を出し、被害者の安全確保を最優先にした対処を改めて徹底するよう、指示しています。

「禁止命令」受けた加害者への対策が課題に

ストーカー被害をめぐってはストーカー規制法に基づいてつきまといなどの行為を禁じる「禁止命令」を受けた加害者への対策が課題となっています。

警察庁によりますと、去年、「禁止命令」を受けた加害者など3271人を対象に、心療内科などのカウンセリングの受診を働きかけたところ、継続的な治療やカウンセリングにつながった人は184人と全体の5%にとどまり、90%にあたる2954人は受診を拒否したということです。

また、受診を働きかけたもののつきまといなどの行為を再び行った人は168人いたということです。

全国の警察は「禁止命令」を受けた加害者全員に電話で連絡を取って接触を図り、必要に応じてカウンセリングを受けるよう促すとともに、再発の兆しがないか、注意深く状況を確認する取り組みを続けることにしています。

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「一生ここでという覚悟は…」厳罰化で進む“無期懲役囚”の終身刑化と医療の現実

2025年06月07日 11時28分50秒 | 事件・事故

 “死刑を免れた男達”は今【報道特集】

配信 TBSテレビ

 

 
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N党立花党首を書類送検

2025年06月07日 07時17分32秒 | 事件・事故
告発者の私的情報漏洩問題に関する第三者委の調査結果を受け、記者会見で語る立花孝志氏© 産経新聞

斎藤元彦兵庫県知事の疑惑告発文書問題で、県議会調査特別委員会(百条委員会)委員長を務めた奥谷謙一県議に関する虚偽の内容を交流サイト(SNS)に投稿するなどしたとして、兵庫県警が4日、政治団体「NHK党」(旧NHKから国民を守る党)の立花孝志党首(57)を名誉毀損(きそん)のほか、脅迫と威力業務妨害容疑でも書類送検したことが4日、捜査関係者への取材で分かった。奥谷氏は「引き続き推移を見守りたい」とコメントした。

立花党首は昨年11月の知事選期間中、奥谷氏の自宅兼事務所前で街頭演説し、「出てこい奥谷」「あまり脅しても自死されても困るのでこれくらいにしておく」などと発言。また、奥谷氏が告発文書を作成した元県幹部が死亡した原因を隠蔽したという趣旨の内容をX(旧ツイッター)などに投稿していたという。

立花党首は知事選で、自身の当選を目指さず斎藤氏を応援するとして立候補。選挙期間前後に街頭演説などで斎藤氏の疑惑を調査した奥谷氏らへの批判を繰り返したほか、告発者の元県幹部の私的情報をSNSに投稿するなどした。

こうした情報や立花党首の街頭演説の動画などがSNSで拡散。結果として斎藤氏は再選を果たし、「2馬力選挙」と問題視された。

N党・立花孝志氏 書類送検に「無罪を確信しています」参院選兵庫選挙区への出馬は変わらず

政治団体・NHK党の立花孝志党首(57)が4日、自身のX(旧ツイッター)を更新。
兵庫県の斎藤元彦知事(47)の告発文書問題をめぐり、県議会の文書問題調査特別委員会(百条委員会)委員長を務めていた奥谷謙一県議(39)から告訴されていた立花氏を兵庫県警が名誉毀損や威力業務妨害、脅迫の容疑で神戸地検に書類送検したとのネット記事を引用し「★予定通りです!無罪を確信していますので、ご安心下さい」と呼びかけた。

 立花氏は、YouTubeでも「私としても任意の捜査にきっちりとお答えさせていただいている。検察の方にも呼ばれると思いますけれども、私としては無罪を確信しております」と訴えた。

 7月の参院選で、立花氏は兵庫選挙区(改選数3)に立候補をすでに表明している。「立候補いたします。不起訴だとは思っていますし、起訴されたとしても無罪を争うことになる。一審、二審、三審となれば2年くらいはかかる。選挙は推定無罪の原則がある。立候補はできますし、選挙中に被疑者、被告人として戦っていますということをアピールしていこうと思う」として、出馬の意思は変わらないとした。

デイリースポーツ(よろず~ニュース編集部)


山形 女性遺体事件 自殺ほう助容疑 再逮捕

2025年06月05日 12時38分35秒 | 事件・事故

36歳容疑者を再逮捕 自殺ほう助した疑い

山形県内の山間部で10代の女性の遺体が見つかった事件で、この女性を車で連れ去ったとして逮捕された36歳の容疑者が、女性の自殺をほう助した疑いで再逮捕されました。容疑者はこれまでに福島県内で合わせて4人の自殺をほう助したなどとして起訴されていて、警察が実態解明を進めています。

再逮捕されたのは、福島市永井川の無職、岸波弘樹容疑者(36)です。

警察によりますと、去年9月、山形県上山市内でSNSで知り合った県内に住む10代の女性の自殺をほう助した疑いが持たれています。

女性は、空き家の敷地内に設置されたテントの中で遺体で見つかりました。

警察は先月、容疑者が女性を山形市内から上山市内まで車で連れ去ったとして、未成年者誘拐の疑いで逮捕し、その後の捜査で容疑者がテントなどを準備した疑いがあることが分かったということです。

容疑者はこれまでに福島県内で4人の自殺をほう助して死亡させたなどとして、逮捕・起訴され、このうち3人が死亡するなどした際も人目のない山中にテントが設置されていたということです。

警察は引き続き実態の解明を進めることにしています。

警察は容疑者の認否を明らかにしていません。


公安捜査 また起こる冤罪事件

2025年05月31日 08時15分46秒 | 事件・事故

大川原化工機事件

そもそも犯罪が成立しない事案について、会社の代表者らが逮捕・勾留され、検察官による公訴提起が行われ、約11か月もの間身体拘束された後、公訴提起から約1年4か月経過し第1回公判の直前であった2021年7月30日に検察官が公訴取消しをしたえん罪事件。

 

噴霧乾燥器と貨物等省令の改正

2013年10月、貨物等省令が改正され、一定の要件を満たす噴霧乾燥器は兵器転用が可能になるため、これらを輸出する際に、経産省の許可を要することとなった。なお、大川原化工機株式会社(以下「大川原社」という。)は噴霧乾燥器メーカーのリーディングカンパニーとして、法改正にあたって経産省や安全保障貿易情報センター(CISTEC)に協力してきた。

 

※噴霧乾燥器(スプレードライヤー)
液体を乾燥し粉体にする装置。液体を細かい霧状に噴霧し、熱風と効率よく接触させることで水分を蒸発させ、乾燥製品にするもの。
牛乳を噴霧すれば粉ミルク、コーヒーを噴霧すればインスタントコーヒーなどさまざまな液体を粉にすることができる。食品、医薬品、セラミックス、化成品などさまざまな用途に応用されている。

 

 

警視庁公安部による捜査の開始

2016年6月2日  大川原社は汎用機である噴霧乾燥器(RL-5)を輸出した。

2017年5月ころ  警視庁公安部は大川原社について経産省の許可を得ずに噴霧乾燥器を輸出した被疑事実(外国為替及び外国貿易法違反)で捜査を開始した。

2018年2月21日 大川原社は汎用機である噴霧乾燥器(L-8i)を輸出した。

2018年10月3日 警視庁公安部はRL-5の輸出に関し、大川原社および代表取締役の自宅らに対して捜索・差押えを実施。

2019年8月8日  警視庁公安部はL-8iの輸出に関し、再度捜索差押を実施。

 

この間、代表取締役O氏を含め社員に対して任意の取調べが継続的に行われ、代表取締役O氏は39回、常務取締役S氏は35回、相談役A氏は18回もの取調べに応じ、捜査へ協力した。その他、会社関係者47名が任意の取調べに協力し、その回数は述べ291回に及んだ。

 

 

逮捕・勾留

2020年3月11日、警視庁公安部は外国為替及び外国貿易法違反(RL-5の輸出)の事実で代表取締役のO氏、常務取締役のS氏、相談役のA氏の3名を逮捕した。その後、13日に東京地方裁判所刑事第11部の裁判官は3名について勾留決定および接見等禁止決定をした。17日には勾留決定に対する準抗告も棄却された。なお、東京地方検察庁検察官は接見等禁止決定のうち、家族との面会だけを認めるよう求める弁護人の申立てに対して、弁護人が黙秘を指示していること、会社がウェブサイトでコメントを掲載したことについて「会社ぐるみで口裏合わせを行っている可能性が極めて高い」などの理由から反対意見を提出している。

 

2020年3月27日、勾留理由開示公判において代表取締役O氏は「私も会社の人間も、これまで何度も警察の出頭要請に応じて捜査に協力してきました。今さら逃亡したり関係者に対して不当な働きかけを行ったりするはずがありません」「(取調べで黙秘権を行使することにについて捜査機関から「なぜ黙秘するのか?弁護士に言われたからか」「弁護士の言うことを聞くと損する」「弁護士は正しいとは限らない」などと不当な働きかけが行われたことについて、)私は憲法上認められている黙秘権を行使したに過ぎない、正当な黙秘権行使に対して非常に不快な思いをした」などと意見を述べた。

 

 

起訴、その後も続く身体拘束

2020年3月31日、東京地方検察庁検察官は、O氏、S氏、A氏の3名を外国為替及び外国貿易法違反の事実で起訴した。

 

4月6日、弁護人は1回目の保釈請求をするが、検察官は「黙秘をしている現状に鑑みると、本件による処罰を免れるため、共犯者や被告会社従業員らの関係者と口裏合わせをするなどの罪証隠滅を図る危険性が高い」「被告会社が組織ぐるみで口裏合わせを行い、個々の従業員の供述をコントロールしている可能性が極めて高い」「弁護人が主張する、保釈を認めるべき事情については、いずれも身柄拘束を受ける刑事被告人であれば該当する一般的な事情に過ぎない」などとして反対意見を述べた。この意見を受けて、東京地方裁判所裁判官は保釈請求を却下した。さらに、準抗告も棄却した(東京地方裁判所刑事第8部)。

 

 

再逮捕、追起訴

2020年5月26日、警視庁公安部は外国為替及び外国貿易法違反(L-8iの輸出)の事実で代表取締役のO氏、常務取締役のS氏、相談役のA氏の3名を再逮捕した。

 

そして、2020年6月15日、東京地検検察官は、L-8iの輸出についても追起訴した。

 

弁護人は、6月18日に2回目の保釈請求を行い、その中で、正確な法令解釈および本件噴霧乾燥器の性能の理解に基づけば、貨物等省令の定める規制要件に該当せず、そもそも犯罪など存在せず、身体拘束を継続すべきではないことを主張した。しかし東京地方裁判所裁判官はこの主張を認めず、保釈請求を却下した。

 

 

争点についてのやりとり

この事件では、大川原社が輸出した噴霧乾燥機(RL-5およびL-8i)が、外為法による輸出規制の対象となる「定置した状態で滅菌又は殺菌することができる」という要件に該当するかが大きな争点となった(これに該当すれば、噴霧乾燥機を生物兵器製造装置に転用することができ、輸出規制の対象になるというのが制度趣旨である。)。

 

検察官は、噴霧乾燥機を空焚きにして、装置の内部の温度が110度まで上昇すること、さらに大腸菌O157は50度の温度を9時間保てば死滅することから、噴霧乾燥機は「殺菌することができる」に該当するとの主張であった。

 

これに対し弁護側は、噴霧乾燥機を用いて実験を行ったところ、噴霧乾燥機を空焚きしても90度に満たない箇所があることを報告書にして証拠請求した。また、粉体化した大腸菌は外部温度が50度・9時間の乾熱処理をしても死滅しないという点も主張し、大川原社が輸出した噴霧乾燥機はいずれも「定置した状態で滅菌又は殺菌することができる」には該当しないとの主張であった。

 

噴霧器の構造

 

A氏の死去

公判前整理手続の進行中もO氏、S氏、A氏の勾留は続いた。この間も弁護側は保釈請求をするも、検察官は会社ぐるみで口裏合わせをするなどと主張し、裁判所は保釈請求を却下し続けた。

 

その中で、A氏は東京拘置所の中で体調を崩した。2020年9月15日は東京拘置所の中で輸血処置を受けるなどしたため、同月29日、緊急の治療の必要性を理由に保釈請求をするも、検察官は罪証隠滅のおそれがあると主張して保釈に反対し、裁判所も保釈請求を却下した。さらに、同年10月7日、A氏は、東京拘置所内の医師による診察、検査を受け、胃に悪性腫瘍があると診断された。同月16日、A氏の勾留執行停止が認められ、大学病院を受診し、進行胃がんと診断された。しかし、当大学病院からは勾留執行停止状態での入院、手術を受け入れられなかったことから、弁護側はあらためてA氏の保釈請求をした。これに対し検察官はなおも罪証隠滅のおそれがあると主張し保釈に反対した。そして裁判所も保釈請求を却下した。その後A氏は、勾留執行停止状態でも入院、手術の受け入れ可能な医療機関を探し、2020年11月5日に勾留執行停止され、入院した。しかしA氏は2021年2月7日に胃がんで死去した。

 

 

O氏、S氏の保釈許可

O氏、S氏の保釈請求はなおも却下され続けた。上記のとおり公判での争点が整理されてもなお、検察官は弁護人が検察官請求証拠の大部分を不同意にしていることを理由に、口裏合わせによる罪証隠滅のおそれがあるとの意見を述べ、裁判所もこの意見を受け入れ、保釈請求は却下された。

 

2020年12月25日、弁護側は検察官請求証拠の一部について、不同意意見を同意意見に変更した上で、あらためてO氏とS氏の保釈を請求した(5回目)。検察官はそれでもなお、口裏合わせによる罪証隠滅のおそれを主張したが、東京地方裁判所裁判官は保釈許可決定を出した。これに対し検察官は準抗告を申立て、2020年12月28日、東京地方裁判所刑事第6部は検察官の準抗告を認容し、保釈許可決定を取り消し、保釈却下の決定をした。

 

これにより、O氏とS氏は東京拘置所の中で年を越すこととなった。

 

その後、2021年2月1日、弁護側はO氏とS氏について6回目の保釈請求をした。このときもまた検察官は口裏合わせの可能性を理由に保釈に反対する旨の意見書を提出したが、2021年2月4日東京地方裁判所裁判官は保釈許可決定をした。検察官は再び準抗告を申し立てたが、東京地方裁判所刑事第11部は準抗告を棄却し、2021年2月5日、O氏とS氏は約11か月ぶりに釈放された。

 

そしてその2日後である、2021年2月7日、A氏は死去したが、保釈条件にA氏との接触禁止があったため、O氏もS氏もA氏の最期に立ち会うことはできなかった。

 

 

突然の公訴取消申立て

公判前整理手続によって、2021年7月15日に第1回公判期日が開かれることとなった。それに先立ち、弁護側は同年5月下旬、主張関連証拠開示請求として、捜査機関が捜査の初期に経産省等から事情聴取した内容が記載されている捜査メモの開示を求めた。

 

これに対し検察官は、弁護側からの証拠開示請求への対応を理由に、第1回公判を2か月程度延期するよう求め、さらには本件噴霧乾燥機が輸出規制の要件を満たすかどうか再検討する必要が生じたと述べた。その上、検察官はこのままでは第1回公判において冒頭陳述を行うことができないと公判前整理手続で述べ、第1回公判は8月3日に延期されることとなった。

 

そして、弁護側からの証拠開示請求に対して、検察官は2021年7月30日までに証拠開示をすることとされた。

 

そして迎えた2021年7月30日、検察官は証拠開示ではなく、公訴の取消しを申し立てた。検察官から理由の説明はなく、裁判所は公訴棄却の決定を出して、裁判は終結した。

 

 

国賠訴訟の提起

2021年9月、大川原社、O氏、S氏およびA氏の相続人は、

①警視庁公安部警察官は、遅くともO氏らの逮捕前において現に収集した証拠資料および通常要求される捜査から収集し得た証拠資料から、本件各噴霧乾燥器が客観的な規制要件に該当しないことを知り、または知り得べきであったことから、警視庁公安部がO氏らを逮捕したことが違法であること

 

②警視庁公安部警察官によるS氏に対する取調べは、誘導や詐術的発言、恫喝を含む不当な言動等により、S氏に対して不当な心理的影響を与えた署名指印を強要した違法なものであること、S氏の弁解録取手続についても、S氏の弁解を聞くこともないままに事前に作成した弁解録取書について、詐術を用いてS氏に署名指印させ、S氏がかかる詐術に気づくやその証拠隠滅を図るなどした違法なものであること

 

③東京地検T検事による起訴についても、本件各噴霧乾燥器が客観的な規制要件に該当しないことを当然知り得べきであったにもかかわらず、漫然と見落として強行したものであり違法であること

 

を理由として、国および東京都に対して合計5億6527万円余りの損害賠償を求めて国家賠償請求を提起した。

 

提訴記者会⾒の様⼦

 

国賠訴訟第一審判決

2023年12月27日、東京地方裁判所民事第34部(桃崎剛裁判長)は、警視庁公安部の警察官による逮捕および取調べ、ならびに検察官による勾留請求および公訴提起が違法であると認定し、被告国と東京都に対して約1億6200万円の支払いを命じる判決を出した。

 

本件刑事事件における捜査について、本判決は、警視庁公安部が通常要求される捜査(A氏らからの聴取結果に基づく実験等の捜査)を行っていれば、本件噴霧乾燥機が外為法の規制物件に該当しないことを明らかにする証拠を得ることができたといえるから、本件噴霧乾燥機が外為法の規制物件に該当するとして大川原社やO社長らに嫌疑があるとした警視庁公安部の判断は合理的な根拠が客観的に欠如していることが明らかであるとして、O社長ら3名を逮捕したことが国賠法上違法であるとした。

 

さらに、担当検察官についても、大川原社の従業員らの供述内容を踏まえて実験等を行っていれば、本件噴霧乾燥機が外為法の要件を満たさないことは容易に把握できたとして、大川原社の従業員らの供述が得られた以降になされた勾留請求および公訴提起は、いずれも検察官が必要な捜査を尽くすことなく行われたものとして国賠法上違法であるとした。

 

加えて、本判決は、警察官によるS氏への取調べについて、偽計を用いた取調べであり国賠法上違法としただけではなく、S氏を欺罔して、同人が了解していない内容の記載をした供述調書に署名指印をさせたことについて、同人の自由な意思決定を阻害することが明らかな態様による供述調書の作成であるとして、このような方法による供述調書の作成も国賠法上違法であるとした。

 

なお、2024年1月10日、被告の国と東京都、原告の大川原社らは双方ともに控訴した。

 


ネットカジノに280億円

2025年05月31日 08時12分16秒 | 事件・事故

“バカラのカリスマ”常習賭博の疑いで逮捕 賭け金総額280億円

オンラインカジノで繰り返し金を賭けていたとして、警視庁は、カジノサイトを宣伝して報酬を受け取る「アフィリエイター」として活動していた会社員を常習賭博の疑いで逮捕しました。
賭け金の総額は280億円に上り、カジノサイト側からおよそ700万円の報酬を受け取っていたとみて調べています。
会社員は「X」で「明鏡止水」というアカウント名で活動していて、インターネット上では「バカラのカリスマ」などと呼ばれていました。

逮捕されたのは、福島県いわき市の会社員、蝶間林誠 容疑者(38)です。

警視庁によりますと、3年前からことしにかけて、カジノサイトにスマートフォンからアクセスし、合わせて9200万円を賭けたとして、常習賭博の疑いがもたれています。

容疑者はカジノサイトを宣伝して報酬を受け取る「アフィリエイター」として活動していたとみられ、「明鏡止水」というアカウント名でSNSにオンラインカジノで勝った画像を投稿していました。

それを閲覧してサイトに誘導された人が賭けた金額のおよそ2%が報酬として支払われる仕組みで、サイト側からおよそ700万円を受け取っていたとみられています。

賭け金の総額は、警察が摘発した賭博事件の個人の賭け金としては、最も多い280億円に上りますが、収支は4000万円のマイナスだったということです。

調べに対し、容疑を認めたうえで「違法なことは知っていたが、自分は捕まらないと思い込んでいた。賭けで勝ったときには、承認欲求を満たすためにSNSに投稿していた」などと供述しているということです。

“バカラのカリスマ” ノートに「必勝法」

蝶間林容疑者は、「X」で「明鏡止水」というアカウント名で活動していて、およそ2万7000人のフォロワーがいました。

オンラインカジノで勝った際のサイト画面を繰り返し投稿し、インターネット上では「バカラのカリスマ」などと呼ばれていました。

自身で“必勝法”をまとめたノートには、「ここでベットする」とか「何かしらのロジックが当てはまった状態で賭ける」などと書かれています。

容疑者はフォロワーへのプレゼントとして暗号資産を配ることもあったといい、調べに対し、「大勝ちしたときに自分をカリスマとたたえるフォロワーから『そんなに勝ってすごいですね』とメッセージが送られてくることで、承認欲求を満たすことができた」などと供述しているということです。

「明鏡止水」というアカウント名については、「澄みきった心境で心を無にするという意味の四字熟語から、カジノで勝負するときには冷静にプレーできるようにいましめとして名付けた」と供述しているということです。

報酬を受け取る仕組みは

 

容疑者は「アフィリエイター」としてカジノサイトと契約を結んだうえで、オンラインカジノで勝った際の画像とともに、サイトに誘導するためのリンク、URLをXに投稿していました。

投稿を見て関心を持った人が、リンクからそのサイトに入り、実際に利用すると、賭けた金額のおよそ2%が報酬として容疑者に支払われていたということです。

容疑者は100人以上をカジノサイトに誘導し、サイト側から合わせておよそ700万円を受け取っていたとみられています。

利用者拡大に“アフィリエイトマーケティング”

警察庁がことし公表した実態調査では、オンラインカジノサイトの利用者拡大に向けた広告手法について、広告をSNSなどに掲載してもらい、成果に応じて報酬を支払う「アフィリエイトマーケティング」が主に採用されているほか、一部のサイトはSNSなどで影響力を持つ人がゲームの魅力を紹介をする「インフルエンサーマーケティング」を活用し、信頼性と訴求力を高めていると指摘しています。

警察庁がWEBアンケートで経験者500人に対し、初めて利用した理由やきっかけを尋ねた調査では、「有名人・インフルエンサーがプレーしているのを見た」と回答した人が23%に上っています。

警察庁は、「アフィリエイターが関与して、違法な利益を得ている実態がある」として、実態の把握や取締りを強化するとしています。
(警察庁のWEBアンケート 15歳から79歳までの約2万7000人対象)

専門家「SNS上の誤った情報発信などに規制を」

 

オンラインカジノの問題に詳しい静岡大学の鳥畑与一名誉教授は「アフィリエイトマーケティングと呼ばれる成果報酬型の広告手法は、オンラインカジノの集客で重要な役割を果たしている。カジノサイト側はアフィリエイターが新規顧客をどれくらい紹介してくれるかにすごく依存していて、もうけの一部を還元したとしても十分収益に見合う」と指摘しています。

その上で、「SNS上にはオンラインカジノは合法でも違法でもなくグレーだと誤解させるような情報が氾濫している。有名人や影響力のある人が広告塔を務めて、『オンラインカジノは稼げるよ』と魅力をアピールして誘ってくるので、ついつい宣伝に乗って利用してしまう人が多いのではないか」と話していました。

対策については、「影響力のあるインフルエンサーと呼ばれる人たちのSNS上の誤った情報発信などに規制をかけていく必要がある。野放しになっている状態にどんどんメスを入れ、違法なオンラインカジノの宣伝をして報酬を得ることは、違法行為にあたるということを明確にしていく、実際に摘発実績を上げていくことが非常に重要だと思う」と話していました。

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カンボジアで日本人拘束

2025年05月31日 08時08分48秒 | 事件・事故

カンボジア 日本人含む約30人拘束事件 警察官名乗る特殊詐欺か

タイとの国境に近いカンボジア北西部で、日本人を含むおよそ30人が拘束された事件で、摘発された施設では日本で被害が急増している警察官を名乗ってうその電話をかける特殊詐欺が行われていたとみられることが、捜査関係者への取材でわかりました。
またカンボジア国内の別の場所でも日本人3人が拘束されたという情報があるということで、日本の警察当局は現地当局と情報を共有しながら、実態解明にあたることにしています。

捜査関係者によりますと27日、タイとの国境に近いカンボジア北西部の都市ポイペトで「詐欺をしている日本人がいる」という情報をもとに、現地の捜査当局が施設を捜索し、およそ30人を拘束しました。

このうち半数以上が日本人とみられ、すでに首都プノンペンに移送されたということです。

摘発された施設は特殊詐欺の拠点として使われていたという情報があり、現地当局が詳しいいきさつを調べていますが、この施設で日本で被害が急増している警察官を名乗って電話をかけ、捜査などの名目で、金銭をだまし取る特殊詐欺が行われていたとみられることが、捜査関係者への取材でわかりました。

事務所と宿泊施設が併設された4階建ての建物で、警察官を名乗って、日本に特殊詐欺の電話をかける「かけ場」だったとみられ、パソコンやスマートフォンが押収されたということです。

また、カンボジア国内のこの拠点とは別の場所でも日本人3人が拘束されたという情報があるということで、日本の警察当局は現地当局と情報を共有し、実態の解明を進めています。

警察庁によりますと、警察官や検察官を名乗ってうその電話をかけて金銭をだまし取る特殊詐欺の被害は急増していて、ことし1月から3月までに1894件発生し、被害額は特殊詐欺全体の6割を占めるおよそ171億7000万円となっています。

拠点とみられる場所は郊外 人目を避けたか

 

現場の建物は特殊詐欺の拠点として使われていたとみられ、市の中心部から離れた郊外で数年前につくられた複数の建物が建ち並ぶ敷地内にあります。

全体が門や塀で囲われ、警備員が配置されるなど厳重に出入りが制限されていて、人目を避け発覚を防ぐとともに内部からの逃走も警戒していたとみられ、当局が詳しいいきさつを調べています。

東南アジアではミャンマー東部の複数の犯罪拠点で日本人を含む多くの外国人が集められて特殊詐欺に関わっていたことが明らかになるなど、日本人の摘発が相次いでいて、日本の警察も実態の解明を急ぐことにしています。

周辺住民「数年前から建設 部外者は入れない」

カンボジアの捜査当局が捜索を行った建物はポイペトの中心部から車で15分ほど離れた郊外にあり、敷地の入り口は門が閉ざされていて、捜査関係者によりますと特殊詐欺の拠点として使われていたとみられるということです。

30年近く前から周辺に住む男性
「このあたりに建物が建ち始めたのは4年から6年ほど前からで、以前は何もなかった。ゲートの中に何があるのかは誰も知らない。中で働いている人がいるようだが、顔見知りしか入れてもらえず、部外者は入れない」

愛知県警 現地に捜査員を派遣へ 実態解明進める

 

捜査関係者によりますと、この施設をめぐっては愛知県警に「詐欺をしている日本人がいる」という情報が寄せられたことがきっかけとなって、現地当局が捜索を行うことになったということです。

愛知県警は摘発された施設が特殊詐欺の拠点として使われていたとみて、近く、現地に捜査員を派遣し、拘束されている人物に話を聞くなどして、実態解明を進めることにしています。

東南アジアでは、ミャンマー東部の複数の犯罪拠点で日本人を含む多くの外国人が集められ、特殊詐欺に関わっていたことが明らかになっていて、日本人の逮捕も相次いでいます。

専門家「今回の拠点 氷山の一角にすぎない」

 

アジア地域の人権や労働問題を扱う団体の理事で東南アジアの犯罪事情に詳しいフィル・ロバートソン氏は今回、当局が捜索を行ったポイペトではオンライン詐欺の拠点が数多く設けられているとした上で「ミャンマー国境付近の詐欺拠点の一部は摘発されたがほかの拠点は依然として摘発されずに運営を続けている。今回の拠点は氷山の一角にすぎない。同様の施設は数え切れないほど存在して、実際に何十万人もが関与していると言われている」と指摘しました。

また、今回拘束された人たちが警察官を名乗ってうその電話をかける特殊詐欺を行っていたとみられることについては「彼らがやっている詐欺行為には流ちょうな日本語を話す人材が必要だ。日本の警察は手口を徹底的に調べる必要がある。彼らが自発的に参加したのか、強制されたのかを判断するため、適切に調べる必要がある」と話していました。

特殊詐欺の被害額の6割が警察官を名乗る手口

日本国内の特殊詐欺の被害は深刻な状況が続いています。

警察庁によりますと、去年1年間の特殊詐欺の被害は2万1043件、被害額は過去最多となる718億8000万円にのぼっています。

ことしに入っても増加傾向が続いていて、ことし1月から3月までに6220件、被害額は276億円となっています。

このうち、最近急増していて、被害額の6割を占めているのが警察官を名乗って捜査などの名目で金銭をだまし取る手口です。

具体的には「あなたのクレジットカードがマネーロンダリングに利用されている」とか「銀行口座を提供した容疑がかけられている」などと、うその電話をかけ、SNSのビデオ通話に誘導し、ニセの逮捕状や警察手帳を示して信用させたあと、優先的に捜査をする名目や身の潔白を証明するための費用として、金銭を要求する手口です。

警察庁によりますと、ことし1月から3月までに1894件発生し、被害額は171億7000万円にのぼっています。

最近では現金をだまし取られたうえに、裸になることを要求されるなど、わいせつな行為を伴う手口も確認されているということで、警察庁は警戒を強めるとともに、注意を呼びかけています。

また、今回のように、海外を拠点にした特殊詐欺グループの摘発は近年、相次いでいます。

警察庁によりますと、おととしは69人、去年は50人のあわせて119人が検挙されています。

これらを拠点の国別で見てみるとカンボジアが75人で最も多く、次いでフィリピンが23人、ベトナムが15人、タイが6人となっています。

ことし2月にはタイとの国境近くにあるミャンマー東部の犯罪拠点でも日本に特殊詐欺の電話をかけていた日本人が拘束され、その後、検挙されています。

日本の警察当局は犯罪グループが闇バイトに応募した人物などを海外に渡航させ、特殊詐欺に関わらせているとみて海外の捜査機関と情報を共有するなど、連携を強化するとともに、グループ中枢の人物の検挙につなげたいとしています。

林官房長官「現地当局と連携しながら適切に対応」

 

林官房長官は午前の記者会見で「現地の日本大使館は、28日までにカンボジア当局から、北西部で多数の邦人を拘束したとの連絡を受けている。カンボジア当局とは詐欺拠点の摘発に向けて連携しており、現在、正確な人数や拘束された場所、経緯などの事実関係を確認中だ。引き続き現地当局とも連携しながら適切に対応していく」と述べました。

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新潟水俣病

2025年05月31日 08時02分46秒 | 事件・事故
水俣病ってどんな病気?
 工場排水に含まれていたメチル水銀によって神経細胞が障害を受ける病気で、そのために手足のシビレ感などさまざまな障害がでます。
  水俣病を完全に治す治療方法はありません。水俣病になった人たちの苦しみは、今も続いています。

:水俣病で特に冒される大脳や小脳の部位
新潟水俣病の原因は?
 新潟水俣病の原因は、昭和電工鹿瀬工場の排水が原因でした。
 工場はアセトアルデヒドという化学物質を製造していましたが、その製造工程のなかでメチル水銀が作られて、処理されないまま排水といっしょに阿賀野川に流されていました。

:アセトアルデヒドの製造工程図
どんな人が新潟水俣病にかかったの?
 阿賀野川に流れこんだメチル水銀は、プランクトン、プランクトンから水生昆虫、それをエサにする魚へと取り込まれました。(食物連鎖)
 そして、その魚を長い間たくさん食べた人達が水俣病になってしまいました。

:食物連鎖によるメチル水銀の蓄積
どうして水俣病っていうの?
 熊本県水俣市で最初にこの病気が発生したことから「水俣病」と呼ばれるようになりました。そして、その9年後に全く同じ原因で同じ病気が新潟で起こったことから第2の水俣病、新潟水俣病となりました。

:水俣市と新潟市の位置
水俣病になると差別されたの?なぜ?
 最初は水俣病の原因がメチル水銀とはわかりませんでした。そのため「伝染病」「タタリ」 だと誤解され、結婚や就職で差別されるようになりました。
  そして原因がメチル水銀とわかっても行政は積極的にPRしませんでした。そのため、誤解はなかなかとけず、具合が悪くても差別を恐れ水俣病と言い出せない状況になってしまいました。
水俣病の認定患者ってなに?
 水俣病になるとさまざまな症状が現れますが、医師が委員となる認定審査会で審査し、水俣病と認められた被害者の人たちが認定患者と呼ばれています。
 水俣病と認められなかった被害者の人たちは、「なぜ水俣病と認められないのか」と各地で裁判を起こし、2004年には最高裁判決で認定審査会より緩やかな基準でも水俣病と認める裁判所の判断が確定しました。
 しかしその後も国は認定審査会の基準を見直すことがなく混乱が生じています。
水俣病の主な症状
感覚障害 触られていることや熱さ冷たさの感覚が低下する。手足の先端に行くほど強くなる。
運動失調 手のふるえや歩くときふらついたり、箸をつかむなど細かい動作がうまくできなくなる。
求心性
視野狭窄
視野が狭くなり筒をとおしてモノを見るような状態になる。
その他 手足・口周囲のしびれ感、耳鳴り、難聴、味がわからない、言葉がでにくいなど多様な症状があり、中には外見からは健康な人と見分けのつかない人もいます。
ねたみや中傷
 水俣病の患者に認定されると一生治らない病気の代償として補償を受けることが出来ましたが、まわりから「補償金で家を建てた」などねたまれたりしました。また、認定されなかった人達や、これから認定申請をしようとする人達も「お金目的のニセ患者」だと中傷されたりしました。
 仲の良かった地域のきずなを壊し、人々の間に埋めがたい深い溝を生み出してしまいました。
 これからみんなで、この壊れた関係を正しい知識を持って直す努力をしていかなければなりません。
新潟水俣病に関する裁判
◎新潟水俣病第1次訴訟(1967~1971) ◎新潟水俣病第2次訴訟(1982~1995)
・昭和電工のメチル水銀を含んだ工場排水が原因であるとして、昭和電工に補償を求めた裁判
・1971年9月、原告が勝利し昭和電工の責任が認められた
・熊本で起こった水俣病を再び新潟で発生させたことの国の責任と、被害者を水俣病と認めて補償を行うことを昭和電工に求めた裁判
・1992年3月、新潟地裁で91人中88人を水俣病と認める判決(国の責任は否定)
・原告及び昭和電工が東京高裁に控訴
・1995年の政治解決により和解
◎新潟水俣病第3次訴訟(2007~) ◎ノーモア・ミナマタ新潟全被害者救済訴訟(第4次訴訟)(2009~2011)
・工場排水の規制を行わなかった国の責任、漁業調整規則に基づく有害物遺棄等の禁止を行わなかったとする県の責任及び有害な工場排水による不法行為に対する昭和電工の責任を求めた裁判
・2015年3月、新潟地裁で昭和電工の責任を追及する原告10人のうち7人について水俣病と認める判決(国・県の責任は否定)
・判決を不服として、原告及び昭和電工が東京高裁に控訴
・2017年11月、原告10人のうち8人が平行して係争していた新潟水俣病抗告訴訟において東京高裁で勝訴
・抗告訴訟で勝訴した原告8人はその後、新潟市から認定を受けて訴えを取下げたため、3次訴訟の原告は新潟地裁で敗訴した2人のみとなる
・2018年3月、東京高裁で原告2人の請求を棄却する判決(水俣病に罹患していると認めず)
・2018年4月、原告2人が最高裁へ上告
・工場排水の規制を行わず被害拡大の防止を怠ったこと及び認定基準を厳格化し患者救済を切り捨てた国の責任と、有機水銀を含んだ工場排水を阿賀野川に放出した昭和電工の責任を求めた裁判
・2011年3月に和解
◎新潟水俣病抗告訴訟(2013~2017) ◎ノーモア・ミナマタ新潟第2次全被害者救済訴訟(第5次訴訟)(2013~)
・新潟市長が行った公健法に基づく水俣病認定申請棄却処分を不服とし、処分の取消し及び認定の義務付けを求める裁判
・2016年5月、新潟地裁で原告9人中7人の請求を認容する判決
・原告及び新潟市が東京高裁に控訴
・2017年11月、東京高裁で原告9人全員の請求を認容する判決
・2017年12月、新潟市が判決を受け入れたため、判決確定(9人全員認定)
・水俣病被害者救済特別措置法による給付申請の期限に間に合わなかった人や、給付申請をしたが非該当になった人などが国と昭和電工に損害賠償を求めた裁判
・現在、新潟地裁で係争中


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【独自】e-Tax還付金詐欺“元闇バイト”語る詳細な手口 

2025年05月30日 16時40分36秒 | 事件・事故

「知らずに関与」事件被害は数億円か “主犯格”小笠原惇容疑者(40)ら10人逮捕配信

「5万円キャッシュバック」で闇バイトに加担

作った口座が還付金詐欺に使用される

イット!

 
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大川原冤罪 違法捜査2審も認定

2025年05月30日 07時21分26秒 | 事件・事故

大川原化工機えん罪事件 民事裁判 2審も都と国に賠償命じる

横浜市の化学機械メーカー「大川原化工機」の社長ら3人が警視庁公安部に不正輸出の疑いで逮捕され、その後、無実が明らかになったえん罪事件をめぐる民事裁判の2審で、東京高等裁判所は1審に続いて警視庁公安部と検察の捜査の違法性を認め、都と国にあわせて1億6600万円余りの賠償を命じる判決を言い渡しました。

横浜市の化学機械メーカー「大川原化工機」の大川原正明社長など幹部3人は5年前の2020年、軍事転用が可能な機械を中国などに不正に輸出した疑いで逮捕、起訴されましたが、その後、起訴が取り消され、無実が明らかになりました。

社長らは「違法な捜査で苦痛を受けた」と訴えを起こし、1審の東京地方裁判所は都と国に賠償を命じ、双方が控訴していました。

28日の2審の判決で東京高等裁判所の太田晃詳裁判長は、警視庁公安部の捜査について「輸出規制の要件についての警視庁公安部の解釈は国際的な合意と異なり、合理性を欠いていた。経済産業省の担当部署から問題点を指摘されたのに再考することなく、逮捕に踏み切った判断には基本的な問題があった」と指摘し、違法だったと認定しました。

逮捕された元取締役の島田順司さんへの取り調べについても「欺くような方法で捜査機関の見立てに沿った調書に署名させた」と指摘し、違法と判断しました。

検察の捜査についても「通常要求される捜査をしていれば、輸出規制の対象に当たらない証拠を得ることができた。起訴の判断は、合理的な根拠を欠いていた」として違法と指摘しました。

その上で、1審よりも逮捕された3人の慰謝料などをおよそ400万円増額し、都と国にあわせて1億6600万円余りの賠償を命じました。

大川原社長「深く吟味し判決出していただいた」

 

判決が言い渡されたあと、東京高等裁判所の前で原告や弁護士たちは「違法捜査を認定」や「全面勝訴」などと書かれた紙を掲げました。

集まった人たちからは拍手が起こり、原告の1人、「大川原化工機」の大川原正明社長は、「おめでとうございます」という呼びかけに対して、「ありがとうございます」と答えていました。

大川原社長は、取材陣に対し、「判決を聞いて安心しました。1審よりも深く吟味して判決を出していただいたと思っています」と話しました。また、勾留中にがんが見つかり、起訴が取り消される前に亡くなった相嶋静夫さんについて「まずはこの結果を相嶋さんにきっちり報告したいと思います。警察や検察は同じようなことがないように検証していただきたい」と話していました。

判決後 原告の弁護士 社長など会見

 

判決後、原告の弁護士や「大川原化工機」の社長らが会見を開きました。

まず高田剛弁護士は「認めてほしかった事実がほぼ全面的に認められた。客観的かつかなり踏み込んだ内容の判決で、裁判所の覚悟が見える。『ねつ造』ということば自体は判決文に使われていないが、丁寧な事実認定がされていて、警視庁公安部が事件がないのに事件を作っていったという大きな流れを認定してもらった。判決全体をみると、『事件のねつ造』を認めたと評価できると思う」と話しました。

その上で裁判で「ねつ造ですね」などと証言した警察官3人については「3人の証言がなければこの判決はなかった。この証言について都は『壮大な虚構だ』と中傷ともいえる酷評をしたが、警視庁がそういう捉え方をしているのは非常に危険だと思う。判決を重く受け止めて発言を撤回してもらいたい」と述べました。

「大川原化工機」の大川原正明社長は「なぜ私たちがターゲットになったのかは今も分からない。大川原化工機は噴霧乾燥機の専門メーカーとして、日本で一番、世界でも負けない会社にするんだと社員に話をしてきた。亡くなった元専務の相嶋さんを含めて技術的な面を十分検討し、国際的な取り決めの内容も確認して対応してきた。一番は法令解釈で、自分たちがやってきたことが間違っていなかったことを裁判官が認めてくれたと思う」と話していました。

原告の1人で、勾留中にがんが見つかり、起訴が取り消される前に亡くなった相嶋静夫さんの長男は父の写真とともに会見に出席し「より踏み込んだ判決をいただくことができた。裁判で証言をした3人の警察官には裁判の風向きを変えてくれたと感謝しているが、この3人が特別であってはならない。最後までうそをついた警察官もいたが、『警察官としてこの捜査は許せなかった』と言ってくれた人もいた。警視庁や警察庁は正面から判決を受け止めて、上告して争うようなことにエネルギーを使わず、内部改革を早急にしてもらいたい」と話しました。

元取締役の島田順司さんは「相嶋さんと一杯やろうといって5年になりますが、きょうの判決で、『やっと一杯やれるよ』と言いたい。警察や検察の捜査の違法性などが認められたわけなので、このようなことが起こらないよう再発防止策を明らかにし、法整備を急いでもらいたい。特に、取り調べの録音録画や弁護士の立ち会いはできる限り早くしてもらいたい」と話していました。

警視庁「判決内容を精査し対応を検討」

2審の判決について、警視庁は「判決内容を精査した上で、今後の対応を検討してまいります」とコメントしています。

東京地検「判決内容を精査して適切に対応」

東京地方検察庁は「主張が認められなかったものと承知している。判決内容を精査して、適切に対応して参りたい」とコメントしています。

事件の経緯

2020年3月、横浜市の化学機械メーカー「大川原化工機」の大川原正明社長、海外営業担当の取締役だった島田順司さん、それに顧問だった相嶋静夫さんの3人が警視庁公安部に逮捕されました。

会社の主力商品だった「噴霧乾燥機」を、国の許可を受けずに中国に不正に輸出したという容疑でした。

この機械は熱風で液体を急速に乾燥させて粉状に加工するもので、医薬品やインスタントコーヒー、粉ミルクなどの製造に使われます。

警視庁公安部は、生物兵器の製造など軍事目的に転用されるおそれがあるとして、輸出規制の対象にあたるとしました。

3人は「生物兵器を作ることはできず、規制の対象にあたらない」と主張しましたが、その結果、大川原社長と島田さんは「口裏合わせをする疑いがある」などとして1年近く勾留され、会社の顧問だった相嶋さんは勾留中にがんが見つかっても保釈が認められず、無実が証明される前に亡くなりました。

起訴された後の再捜査で機械が規制の対象に当たらない可能性が浮上し、検察は初公判を4日後に控えた2021年7月、一転して起訴を取り消すという異例の対応を取りました。

起訴の取り消しを受けて東京地方裁判所は「仮に起訴された内容で審理が続いても無罪だった」と判断し、大川原社長などに刑事補償としてあわせて1100万円余りの支払いを決定しました。

裁判の経緯

【『不当な捜査』と提訴】
大川原社長と島田さん、それに相嶋さんの遺族は、2021年9月、「不当な捜査で逮捕・起訴された」として、国と都に賠償を求める裁判を起こしました。
1審では、警視庁公安部で捜査に携わった現職の警察官が証人として出廷し、事件について「まあ、ねつ造ですね」と証言した上で、「輸出自体は問題なく立件しなければならないような卑劣な客観的事実があったわけではなかった。捜査幹部の個人的な欲から立件していくことになったのではないか」と述べました。

【1審 国と都に賠償命じる】
東京地方裁判所は2023年12月、「検察と警視庁の捜査は違法だった」として、国と都にあわせて1億6200万円余りの賠償を命じる判決を言い渡しました。
判決では、警視庁公安部が機械を輸出規制の対象と判断し、逮捕に踏み切ったことなどについて、「根拠に欠けていた」と指摘したほか、違法な取り調べがあったことも認定しました。
また、検察についても「必要な捜査を尽くすことなく起訴した」として、違法な起訴だったと判断しました。
一方、「ねつ造」と話した警察官の証言には触れず、国と都、メーカーのそれぞれが控訴しました。

【争点1 輸出規制に関する省令の解釈】
2審の争点のひとつは、警視庁公安部による輸出規制に関する省令の解釈が合理的だったかどうかです。

経済産業省の省令では、噴霧乾燥機の内部を「滅菌」または「殺菌」できる能力があるものを輸出規制の対象としています。
警視庁公安部は、熱による殺菌も含まれ、省令で挙げた細菌のうち、1種類でも死滅させればよいと解釈し、捜査を進めました。
2審でメーカー側は、警視庁公安部と経済産業省との打ち合わせ内容が記された捜査メモなどを新たな証拠として提出しました。
捜査メモには、経済産業省が当初、輸出規制の対象には当たらないという見解を示していたことや、打ち合わせを重ねると、警視庁公安部長の働きかけがあり、会社の捜索を容認するように方針転換されたことが示唆されています。
これについて、打ち合わせに参加した現職の警察官が証人として出廷し、警視庁上層部が経済産業省に働きかけたと述べた上で、当時の捜査について「問題があった。決定権を持っている人の欲で立件したと思う」と証言しました。こうした証拠や証言からメーカー側は、「警視庁は経済産業省をだまして解釈をねじ曲げさせ、会社の捜索、差し押さえを容認する方針に転換させた」と主張しています。
一方、都側は「公安部長が働きかけたり、経済産業省側が姿勢を一変させたりしたことはない。経済産業省の公式見解は一貫している」と主張しています。

【争点2 温度測定実験の結果】
争点の2つ目は、噴霧乾燥機の殺菌能力を調べるため、温度がどこまで上がるか警視庁が実験した結果についてです。

2審でメーカー側は、警視庁が強制捜査の前から温度が上がらない場所があることを認識していたことを示す当時の実験結果のメモを新たな証拠として提出し、「捜査に不利に動く実験結果を握りつぶした」と主張しています。一方、都は、「不利な証拠を無視した事実はなく、温度測定の実験は適切に行われた」と主張しています。また国は、「通常要求される捜査は行っていて、当時の証拠から起訴した判断は合理的だった」と主張しています。

【詳細】警視庁公安部の内部音声

NHKが入手した内部音声には警視庁公安部の捜査方針について捜査員らの間で疑問や不満がくすぶっていた様子が記録されていました。

入手したのは警視庁公安部が会社側への強制捜査に踏み切るおよそ半年前に当時の捜査班の内部で録音された音声記録です。

不正輸出が疑われた「噴霧乾燥機」が輸出規制の対象に該当するかどうかは経済産業省の省令で定められていて、機械内部を「滅菌」または「殺菌」できる能力があるものを規制の対象にしています。

しかし、2審でメーカー側が新たな証拠として提出した捜査メモなどによりますと、「殺菌」の定義があいまいで、その具体的な手段が明確に示されていなかったため、内偵捜査の段階では「乾熱殺菌」という独自の解釈を打ち出した警視庁公安部と経産省との議論が紛糾していました。

2018年2月ごろに録音されたとみられる音声記録には捜査員が「殺菌」の定義のあいまいさを当時の捜査幹部に説明する様子が記録されています。
【音声やりとり】

外事一課長:
「乾熱殺菌の定義というのは?」


警部補ら:「乾熱殺菌というのは定義がない」

外事一課長:「経産省は『殺菌は殺菌です』と言い張れるのかね」「支えが欲しいね。乾熱殺菌の支えが厳しい」

警部補ら:「殺菌ということばはあいまいじゃないですか。消毒というのは一般的な概念なんですけど」

外事一課長:「消毒はどういう概念なの?」

警部補ら:「温水と薬液(を使って菌を殺すこと)です」

外事一課長:「なるほど、そうすると乾熱って出てこない」「乾熱殺菌がないってどういうことだよ。厳しい。殺菌ということばを使ったら危ない」

また、音声記録には事件化を推し進めようとする捜査幹部にあらがおうとする捜査員らの肉声も記録されていました。
【音声やりとり】
警部補ら:「そもそも犯罪事実が立たないんだから、経産省を要はだまして、うその回答、まあそういうことをやっていくわけじゃないですか」「もうむちゃくちゃですよね。狂ってますよね」

警部補ら:「暴走する場合どうしますか。われわれ止められないじゃないですか」

警部補ら:「サボタージュするしかない」

警部補ら:「もうやるつもりで(捜査幹部)2人の中ではストーリーができています」

警部補ら:「そんな風になれるんだ。すごいっすね逆に」「名を上げるみたいな感じですか」「くだらねー」

警部補ら:「そこじゃない。(見極めるべきは)大川原さんが犯罪をしているかどうかなんですよ」

【詳細】東京高等裁判所の判断

【警視庁公安部の取り調べの違法性を指摘】
東京高等裁判所は、警視庁公安部の取り調べについて「欺くような方法で捜査機関の見立てに沿った調書に署名させた」などと厳しく指摘しました。

元取締役の島田順司さんに対する逮捕前の任意の取り調べについて、公安部の警察官が犯罪の成立に関わる規制対象の解釈について誤解させたまま、取り調べを続けたと指摘しました。

その上で「重要な弁解を封じて調書に記載せず、犯罪事実を認めるかのような供述内容に誘導した」と違法性を指摘しました。

さらに、島田さんの逮捕後の取り調べも違法だったと指摘しました。

島田さんの指摘に沿って調書を修正したよう装いながら、実際には別の調書を見せて署名させたと認定しました。

そして「欺くような方法で捜査機関の見立てに沿った調書に署名させたもので、島田さんの自由な意思決定を阻害した」と厳しく指摘しました。

【警視庁公安部の解釈“相当ではなかった”】
東京高等裁判所は、そもそも輸出規制の要件についての警視庁公安部の解釈が「相当ではなかった」と指摘しました。

経済産業省の省令では、機械の内部を「滅菌」または「殺菌」できる能力があるものを輸出規制の対象としています。

これについて警視庁公安部は「滅菌」または「殺菌」の方法には熱による殺菌も含まれ、経済産業省が省令で挙げた細菌のうち1種類でも死滅させればよいと解釈し、捜査を進めました。

東京高等裁判所は「『殺菌』とは化学物質を使用して装置中の潜在的な微生物の感染能力を破壊することを意味し、空だきなどの物理的な方法は含まないと解するのが相当だ。1種類の微生物でも死滅させることができれば足りると解釈するのは省令の趣旨に合わない」などと指摘し「相当ではなかった」としています。

また、経済産業省の担当者が当初、警視庁公安部の解釈に否定的で、大川原化工機の機械が規制対象になるかどうかについても消極的だったと認めました。

その上で「警視庁公安部が今回の解釈をとったことが不合理とまではいえないが、重要な事情だった」としました。

【逮捕 合理的な根拠欠ける】
東京高等裁判所は警視庁公安部が大川原化工機の幹部らから輸出規制の対象ではない可能性を指摘されていたにもかかわらず、追加捜査を行わずに逮捕を判断したことについて「合理的な根拠が欠けている」と指摘しました。

警視庁公安部は当時、機械に高温で殺菌する能力があることが、輸出規制の対象になる要件と考えていて、機械の内部が殺菌できる温度に達するかどうかが焦点になっていました。

裁判所は、公安部が大川原化工機の幹部などから温度が上がりにくい場所がある可能性を指摘されていた点をあげ「再度の温度測定実験などの追加捜査を行う必要があった。実験が困難な状況だったともいいがたい」と指摘しました。

その上で、追加の実験を実施していれば、輸出規制に当たらないことが分かったとして、3人を逮捕した公安部の判断について「通常要求される追加捜査を行わなかった。合理的な根拠が欠けている」と指摘しました。

【検察の起訴も違法と認める】
東京高等裁判所は1審と同様、検察の起訴も、違法だったと認めました。

大川原化工機の機械に温度が上がりにくい部分があり、規制の対象ではないとする会社側の説明について検察も報告を受けていたと指摘し「通常要求される、温度が低い場所についての捜査をしていれば、製品が規制対象に当たらないことの証拠を得ることができた。有罪と認められる嫌疑があるとした検察の判断は合理的な根拠を欠いていた」としました。

また、輸出規制の要件に対する警視庁公安部の解釈についても、検察は会社側から、国際的な合意と異なると伝えられていたことなどを挙げ「およそ不合理だったとまでは言えないとしても、その解釈を続けることには疑念が残る。これを前提に起訴するかどうか、慎重に判断するのが適切だった」と指摘しました。

専門家「無理なやり方をしたと事実上認定」

 

判決について、元刑事裁判官で法政大学法科大学院の水野智幸教授は「1審よりも踏み込んだ判断をしていて、捜査機関が無理なやり方をしたと事実上認定した判決だと思う」と話しています。

判決が輸出規制の要件をめぐる警視庁公安部の解釈を「相当ではなかった」としたことについて、水野教授は「高裁の審理では、警視庁公安部と経済産業省の解釈のやりとりの詳細が明らかになった。経産省が当初、公安部の解釈に否定的だったことも踏まえ、警察自身も解釈に疑問が残ることをわかっていたはずだという認定は、1審よりも踏み込んだ判断だ」と述べました。

その上で「無理な解釈を続けていた点、さらに、否定的な証拠が多くあるのにそれを無視する形で突き進んだ点について、裁判所が無理なやり方だと事実上認定した判決だと思う。捜査、逮捕、起訴の違法性がはっきりと示されることは多くはなく、警察や検察は今後、早期に自己検証することが求められる」と話していました。

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N党・立花孝志氏への“刑事告訴”を警視庁が受理 

2025年05月28日 19時35分57秒 | 事件・事故

「みんなでつくる党」時代の3.5億円“自己貸付”一部が「横領」か?

配信

 
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みんなでつくる党・大津綾香代表

問題は「自己貸付が横領行為にあたるか」

 


法令違反で解散命令が確定した宗教団体明覚寺

2025年05月28日 10時52分01秒 | 事件・事故

法令違反で解散命令が確定した宗教団体 巨額詐欺の手法とは 2025.05.27 公開 TVer Hulu 今年3月、東京地裁が世界平和統一家庭連合 “統一教会”に対し解散命令を下したことが大きな話題となった。

“統一教会”側は即時抗告するとしている。これまで法令違反を理由に解散命令が確定した宗教団体は、一つがオウム真理教。

地下鉄サリン事件をはじめとする数々の凶悪犯罪を起こしていた。

もう一つの宗教団体は、宗教法人・明覚寺だった。

明覚寺が行っていたのは、総被害額124億円と言われる巨額詐欺。不安を煽り高額な供養料を要求していたその手法を再現ドラマで紹介した。

1990年頃、ある女性は悩み事があり信者となり、多額の金を払ってはアドバイスをもらっていた。

しかし、そのお金がなくなり相談すると「あなたが信者を救うお手伝いをするんです」と言われた。

数日後、女性は茨城県・本覚寺で研修を受けていた。それは「信者を救う先生」になる研修で、読経の仕方や僧侶としての作法などを習い、朝暗いうちから真言を唱えて歩き、滝に打たれるというもの。

わずか3ヶ月後、その女性は信者の相談に乗る「入信教師」と呼ばれる先生になっていた。

あるひとりの相談者女性は、数年前に幼い子供2人を残し若くして夫に先立たれ、長男がひどいアレルギー性皮膚炎を患い、同じ症状が次男にも現れ疲れ切っていた。

そんなとき、新聞の折り込み広告で寺のチラシを見つけ「鑑定料3000円で霊能者の鑑定で悩みや不安が解決する」という文言に惹かれ電話をかけた。

鑑定料を払うと薄暗い個室に案内され、つい最近先生となった女に相談を始めた。 先生の女は寺で3ヶ月間の訓練を行った後、最も重視されていた「話術の訓練」に入っていた。

僧侶から渡されたのは「相談者に供養を勧めるため」のトーク集。これまで入信教師たちが培ってきたマニュアルを基に、ロールプレイングをしながら学んでいたのだ。

この寺では新聞の折り込みチラシで悩みや不安などの相談をしたい人を募っていた。

相談の電話を受けた寺の職員は「電話受けの手引き」というマニュアルに沿って悩みの内容、家族関係などを聞き出し、相談者リストを作成。

相談者が来る前に、このリストを参考に鑑定をしておく。

「鬼業即知法」という名前の画数などから導き出せるという悩みの原因が書かれた早見表を使う。原因とされるのは水子霊、先祖霊、変死霊など霊的なものだった。

相談に来た人たちにはとにかく話をさせ、そのなかで「入信教師」は相談者の性格や置かれた環境、経済状態まで感じ取る。相談を聞くうちに人間関係を作り、最後に「今の息子さんたちの病気を治したいわけね?」と相談者の意思を確認。

そして「それではあなた個人の霊環境を視てみましょう」と告げ、「ずいぶん悪い状況だなぁ」「このままではつらいなぁ」と相談者に言い、「先祖の守りがないな」「ご先祖が出てるね。だからご主人が亡くなったんでしょう」「あなたのご長男もご主人と同じくらい早死にするね」などと脅しをかける。

相談者から「どうしたらいいんですか」という言葉を引き出すと、「本当はあなたが出家するのが一番なんだけど、子供がいて、そこまでできないでしょう?」

「まずは来週の月、火、水、寺に来なさい」「当然供養するには、お金がかかるんだ。わかるね?」「あなたは、水子はいないね。だから105万になるよ」と、一気に畳みかける。 戸惑いを見せた相談者に対し「霊障がすでに出だしている状況で、このまま悪くなる一方の悲惨な人生を歩むなんて」と、マニュアル通りに話していく。つまり「入信教師」の役割は、決められたマニュアル通りに話し多額の金を要求する詐欺行為だった。相談した女性はすぐに105万円を支払ったという。 なぜこんな怪しげな話に高額なお金を払ってしまうのか。脳科学の専門家によると、「人の脳にはメモ帳のような機能・ワーキングメモリがあり、私たちはこのメモを使ってあれこれ考えている。しかし不安を煽られたり、ストレスをかけられたりすると、そのことで数枚のメモ帳がいっぱいになり、ちゃんと考えることが難しくなってしまう」という。相談した女性の場合、夫がいない不安や子どもの病気の悩みでワーキングメモリの容量が少なく、よく考えることができない状態のときに先祖の霊がいるなどと脅されたことで、短絡的にお金を払ってしまったと考えられる。 このマニュアルを考えた寺の代表、門主と言われる男は元々エリートサラリーマンだった。関西地方に生まれ、大阪府内の大学を卒業、大手製薬会社に就職し「有能な営業マン」として評判だった。

その後退職し30代前半で関東に移り、健康食品などを売る訪問販売会社を始めて順調だったが、10数年後に業績が悪化。そこで男が始めたのが、安く買った地蔵を近所の寺に持っていき供養だけしてもらい、その地蔵を高額で販売するというものだった。長年の訪問販売で、流産などで子供を亡くし罪の意識にさいなまれている人が多くいることに気づき思いついたと考えられる。水子地蔵を供養料込みの十数万円で販売。 しかしこの詐欺的なやり方はトラブルが絶えず、男が次に目をつけたのが宗教法人だった。ある程度財を得た男は、京都の寺院を総本山とする由緒正しい寺で修行を始め、わずか1年足らずで僧の資格である僧籍を得た。

そして翌年、茨城県大子町に京都の寺の支配下として宗教法人・本覚寺を設立し、そこの住職になった。

1988年、本覚寺は京都の寺から独立。水子地蔵の販売員だった人たちを僧侶として教育し、関東各地に寺と称する施設を建設。

この頃、供養料を取るためのマニュアルが完成し、霊視商法システムが確立していたと思われる。 このビジネスを広めるために霊能者役は必要不可欠だったため、供養料が払えない相談者に研修を受けさせ、霊能者役をさせていた。

研修が終わると、門主を名乗る男が霊能者としての免状を与える。彼らは月15万円程度の給料をもらい、修行の一環として霊能者を演じ、相談者から金を引き出させる役目を担っていた。

前述の105万円を支払ってしまった女性は、さらなる地獄に突き落とされる。後日「浄霊修法会」と言われる供養を受けるための3日間の講習会に参加した。 そこでは護摩行が始まり、導師と言われる僧侶が紙に文字を書き、水につけた時の滲み方で霊の状態を見るという儀式が行われた。

「このにじんだ赤い色、よくないね。これは先祖に守る霊がない証拠なんだよ」と、滲みやすい水性の筆ペンを使いさらなる脅しに利用していた。 3日間の会に参加すると信者とされ、供養のために週に1度、寺と称するビルに通うよう言われ、ある日から相談に住職が加わった。

そして「これを配りなさい」と、護符と呼ばれる寺のチラシを渡し、「供養にはあなた自身も修行しないといけない」と言って、相談していた女性はチラシを100枚1000円で買い取り、パートに行かず寺を広めるためのチラシを配るようになった。

その女性は次第に生活費にも困るようになったが、住職は「あなたと同じ状況で長男を亡くした人がいる。土地と家を売って、お寺に納めなさい」と言い出した。彼女は何度も断ったが恐怖にかられ、結局、家と土地を売り1000万円を支払ってしまった。 女性は、そこまでしたのに息子たちの病気は良くならず、生活はどんどん苦しくなる。

ようやく彼女は寺を疑い始め、消費者センターに連絡した。実はこの頃、各地の消費者センターには、ほとんど同じ内容の相談が相次いでいた。 本覚寺の悪名が広がると、門主と言われる男は次の一手に出る。それは和歌山県高野山を巻き込んだ手口だった。 1200年ほど前、弘法大師空海が開いた真言密教の聖地・高野山。男が行ったのは高野山近くの寺の買収。そしてすでに宗教活動をしていない、いわゆる休眠状態だった明覚寺を500万円で購入。

これで男は名前に傷がない明覚寺という新たな宗教法人を手に入れた。 さらに男は、明覚寺買収と同時に、高野山の奥の院地区にある山林を民間会社から買い取り、そこに寺院施設を建て、これを明覚寺の持ち物に。そして総本山を「高野山 奥の院 明覚寺」と打ち出し、京都の寺で修行したことで真言宗を名乗っていた。高野山の関連寺院を装うことで、お布施や供養料の増額を狙う戦略だった。 そもそも宗教法人の売買は法が想定するところではなく、行政も、法人売買に関わらぬよう、指導を繰り返している。

にもかかわらず、責任役員の交代という方法で現在も売買行為は行われているという。

宗教法人は3人以上の責任役員が必要だがこの交代を規制する法律はない。そのため、宗教法人を手に入れたい人が寺院や神社の責任役員に裏で金を渡すなどして交代し 宗教法人の代表になることで実質的に買収することがあり今でも大きな問題になっている こうして見せかけの高野山ブランドを手に入れた明覚寺は、1994年、北海道から北九州まで道場を作り、霊視商法による被害は関西を中心に拡大を続けた。

男はそれぞれの寺に集めるべき供養料を設定し、そのノルマを達成させるため、僧侶たちの給与額は供養料をいくら集めたかによって左右されていた。愛知や大阪の寺院は「戦艦」と呼ばれ、毎月1億円前後集めていたという。 そんな中、被害を重く見た愛知県警が特別捜査本部を設置し、詐欺として刑事事件にすべく内偵を始めた。供養料を取り返すことが目的の民事訴訟と違い、詐欺として立件するには紛れもない証拠が必要。警察は被害者や脱会した元僧侶などから話を聞き証拠を集め、トーク集などマニュアルの存在を突き止めた。

さらに主任検事は門主が修行した京都の寺まで話を聞きに行き、明覚寺が真言宗を名乗る資格があるかを調べた。

すると大僧正は「私はそういうことを教えておりません。人に霊がとりついてるとか霊の祟りがあるとかを鑑定するなんてことは私が知っている範囲では知らんです」と証言した。

そして1995年10月、愛知県警は明覚寺や関連施設などに強制捜査を実施し、供養料を取るためのマニュアルなど詐欺の証拠となる資料を多数押収。僧侶たちを逮捕し取り調べると、多くの僧たちが「マニュアルに沿ってやっただけで霊能力はない」と証言した。

1996年2月1日、明覚寺の門主の男は逮捕され起訴された。その後の裁判で男には詐欺罪で懲役6年の実刑判決が下った。実行役の僧侶ら8人にも有罪判決が下された。

1999年1月には約300人の被害者が起こした民事訴訟も決着し、明覚寺が約11億円を支払うことになった。

2002年1月、文化庁が裁判所に解散命令を申し立て、オウム真理教に次いで2例目、明覚寺には法令違反を理由に解散命令が確定した。

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