創発企業経営

起業13年目の会社の経営、事業報告

創発企業経営 (4)

2012年05月12日 | 経営
計画的変化と創発的変化について、もう少し記します。
 
一般的に計画的変化は好まれるようです。 きちんとした印象と、計画があること自体が安心感を与えます。  
先日、ある日本企業のトップの方が「海外市場の数%の市場を獲得すれば xx 億円の売り上げになる」と言っているのを聞きました。
 
以前、田中角栄首相が「中国には8億人の人口があるから手拭いを中国人に1本ずつ売れば、8億本になる」といっっていましたが、もしも1%の中国人が手ぬぐい1本ずつ買えば800万本の市場はあるはずといって、それを企業の計画したとしたら、それは妥当なものでしょうか?
 
総論は間違っていないように思えますが、なぜ世界有数のブランドである現代自動車が日本で1%のシェアも取れないのか?  目標とはどう設定するべきか?  市場背景や文脈の理解がないまま計画を実行しようとすると現場に過大な圧力がかかります。 考えようによっては、スピード重視でいくなら多少犠牲があっても、最終的に結果が出ればよいと思っているのかも知れません。
 
話変わって、コーチングという枠組みは、ある人の現在の状況を明確にし、次に達成したい目標を明らかにします。 現状と目標のギャップを埋めるために何をするか、その過程をコーチと話し合いながら具体的行動を決めます。
 
コーチングの目標は、自分で制御可能かつ実現可能なものであれば効果が期待できます。 例えば、毎日5km走るとか、英語の試験で3か月以内にxxx点取るとか。 実現するには、どのような努力をすればよいか決めたら、その過程で進行状況をチェックしつつ制御していけば実現の可能性は高まります。 これは計画可能な目標です。
 
では、「会社の来年の売り上げを xx 億円にする」という目標はどうでしょうか?
 
その計画目標をブレークダウンし、それぞれの部門、現場の目標に転換していく必要があります。 部門から組織成員個人に目標が展開されて、逆に積み上げると組織全体の目標が出来上がる... などという計画がうまく作れるならば話は簡単です。
 
さらにただ売上を達成するために儲ければ良いとうものではなくなりつつあります。
その例がバランススコアカードで、財務の視点だけでなく、顧客の視点、業務プロセスの視点、学習と成長の視点を評価し、バランスのとれた業績を実現しようという手法です。
 
これは正しい考え方だと思います。 しかしながらこれを社員の目標管理に採用し、報酬や昇進の評価に使おうとすると管理に膨大な手間と時間がかかります。 このシステムを維持管理し続けるために費やされる社員教育や話し合いの時間は業務の中でかなりのウェイトを占めることになります。 それも情報の入力方法や形式的な管理に重きが置かれ.. 使う方も嫌になって形骸化が進む例が多いと考えられます。


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