米国企業で自動車部品の仕事をしていたころ、米国人の品質管理エンジニアと日本の顧客を訪問する機会がありました。
彼は、モルモン教の布教のために日本に滞在経験があり少し日本語ができました。 静かで目立たないタイプなので、積極的な人が多い米国人の中では目立たないタイプでした。
新幹線で移動中に厚いバインダファイルのテキストを持っていたので何かと聞くと、シカゴ大学のMBAテキストだといいます。
シカゴ大といえばノーベル経済学賞受賞者を何人も輩出し、MBAランキングは世界でもトップクラスでした。
失礼ながら「この人も働きながらMBA取ろうとしているんだ」と思いました。
それからテキストを見せてもらって、どうやって授業に出ているのか等々質問しました。
当時、日本の会社を辞めて米国企業の駐在員事務所で仕事をしていましたが、自分のスキル不足を補うにはどうしたらいいか思案していたところでした。
何か資格を取りたいと思っていましたが、何が良いのか… MBAは遠い目標だと思っていました。
しかし、その時思ったのは「これなら自分でもできるな」でした。
しばらくして英国のMBAに出願するのですが、この時シカゴ大学のテキストを見ていなかったら応募したかどうか分かりません。
外見だけですが、英国の大学院のテキストもシカゴ大学と似たようなものが届き、こういうものだろうと予想していた通りでした。
講義のテキストがあるなら、何度も読み返せるし、時間はかかっても学習はできると思いました。
「Seeing is believing」は「百聞は一見に如かず」と訳されていますが、「見たものが確信を与える」でした。