創発企業経営

15年目の会社の経営、事業報告

こころを制御する (2)

2013年06月25日 | 経営
苦しみの原因とは何でしょうか?
そのポイントは私たちの感覚にあります。 わたしたちは五感を通じて外界を認識しています。 そして外界からの刺激の入り口が感覚です。 外界を認識するプロセスには、私たちが制御できることとできないことがあります。

外界の刺激自体は制御できません。 感覚を通じて受けとめた刺激をどうとるかは制御することが可能です。

地震は苦しみでしょうか? 例え、苦しみであったとしても地震を止めることはできません。 夏の暑さは苦しみでしょうか? いくら暑くても猛暑はどうすることもできません。 外界の刺激、音、光、におい、暑さ、寒さ... それらはそこにあるものでそれらは放っておくべきものです。

同様に、自分以外の人の行動や言葉を変えることができるでしょうか? ほとんどの場合、できないと言ってよいと思います。

人は、思うに任せぬ状況にどう反応するかといえば.. 普通は怒りで反応します。 怒りは自分の望まない環境に対する、こころの反応です。

そして外界の刺激に対するこころの反応は3つ 快、不快、快でも不快でもない中立の感覚の3つです。

人間の行動はすべてこの3つの感覚に対する反応として説明できます。 好きな人、好きな食べ物は「快」です。 嫌いな人、汚いものに対する反応は「不快」です。 好きなものには執
着しそばに置いておきたいと望み、嫌いなものはなるべく遠ざけたいと思う。 これはコインの裏表で好きなものがある人には、必然的に嫌いなものがあります。 好きだった人に裏切られたら憎さ百倍。 こ
うした経緯でよく犯罪が起こります。

日々のニュースで、コンビニ強盗やストーカーや痴漢が報じられますが、立派な大人が、お金や欲に快を求めて馬鹿なことをするのも感覚的な快を求めてのことです。

そして3つめのの反応が「無関心」- 興味がないことです。 この3つはいずれも知性に欠けた反応ですが、中には感性といって尊ぶ人もいます。

わたしたちは感覚を通じて外界を認識しています。 それならば幸福とは快を感じることでしょうか? 快なる刺激ばかりが起こり続けるなどということがあるでしょうか?

智慧とはこういうこです。

変えることのできるものを変える勇気と
変えることのできないものを受けいれ冷静さと
変えることのできるものと、変えることのできないものとを識別する知恵を持つこと

外界の刺激は制御できません。 刺激にどう反応するかは私たちの中で起こることです。

変えられるもの。 それは訓練により制御することができます。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

こころを制御する (1)

2013年06月22日 | 経営
こころの制御(コントロール)は、経営のみならずあらゆることに大切なことです。

私は独立前、英国企業の日本支社の代表をしていました。 大きな組織ではありませんですたが人とのかかわりはすべてのことに影響する非常に大きな要因でした。 2004年からコーチングについて学びコーチの資格も取得しました。

コーチも人の心に働きかける仕事なので、こころについて常々思うことを記してみます。

いまの社会には様々な問題があり、誰でも漠然とした不安を感じています。 それは当然のことですが、中には不安が嵩じて自殺する人さえいます。

私たちは今という瞬間にしか生きられないのですから、将来の不安は今は存在しません。

しかし、不安をずっと抱え込んで生きていると、思った通りの不安が現実になることがあります。

将来のことは今の思いと行動で変わっていきます。 こころの奥で望んでいれば、人はそうなるように行動するものです。 特に人間関係においては関係がうまくいかないように行動すれば、自然とそうなるでしょう。 逆にお互いに良く理解をしていこうと努力しながらやっていこうと思えば必ずうまくいくでしょう。

本来、全てのひとは良好な関係の中で仲よくしていくべきものです。 人生は短いし、病気や災害、紛争がある世界では、平和に暮らそうとしてもそうできないことさえあるのですから。 問題はあるとはいえ、人を愛したり思いやったりできる環境に感謝するべきだと思います。

もしそうすることができたら世の中の半分の問題はなくなるでしょう。 人為的に作り出された敵や人間関係の苦しみがなくなるでしょうから。

それでもいのちの終着が100%確実に死であるということに加え、災害、人災、病気、怪我など、わたしたちは日々不安や怖れに囲まれています。

「幸福についての方法論」について書かれた本をよく見かけますが、 そもそも幸福とは何でしょう?

幸福の定義がないまま幸福という概念が語られ、漠然とした幸福を達成するために、そうした本には 身体を動かすとか、友人を作るとか... あまり助けにならないノウハウが載っています。 言葉の概念を使った思考から得られる結論はそんなところですが、苦しみとはそんなに簡単に解決できる問題ではないと思います。

幸福は、わたしたちの外の世界にはありません。 それは心の状態、その在り方 - それをどう制御するかに依ります。

わたしたちのこころの中にある苦しみに向き合うことが、苦しみを減らすための最初にすることです。 苦しみという現象には原因があり、原因に取り組むことによりそれをなくす可能性が開けます。

原因から目をそらしたら問題は解決しません。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする