創発企業経営

起業13年目の会社の経営、事業報告

コトラーの戦略的マーケティング

2013年12月24日 | 経営




今月、2013年12月、日経朝刊「私の履歴書」にフィリップ・コトラーの連載記事が掲載されています。

ビジネスやマーケティングを学ぶ人にとっては、コトラーは忘れられない存在です。 今回の日経の連載も興味深い内容でしたが、これまでに出版された著書からいくつか引用してみたいと思います。

コトラーは自著 「コトラーの戦略的マーケティング」で「成功するためのマーケティングに唯一の正解はない」 と述べています。 わたしは英国の大学院のマーケティングコースの試験準備をしているとき、試験の準備について、次のように教えられました。

「どんな質問にも、どんな試験問題にも、唯一の正解はない。 もしそれがあれば、マーケティングの教育は不要になる。 誰もが全く同じことをやって、儲けることができるはず。 でもそんなことは起こりっこない。」

逆の言い方をすれば、唯一の正解がないのなら、どんな解答も完全な間違いはないということです。 では試験は何で評価されるかというと、まずは解答形式。 次に、内容です。 形と中身。 モデルに基づき、正しく問題に答えていれば、及第点には届くということ。

これは、社会科学のアカデミック教育の限界と、同時にその利点を示しています。 マーケティング科目は、モデル、ツール、事例を教えることはできますが、実社会でのマーケティング活動に企業が提供するビジョンやアイディア、創意は教えることはできません。 ちょうど、音楽学校で作曲の技法は教えられても、何をどう表現するかは教えられないように。

占いやお告げのように、唯一の道を教えてくれたら楽だと思います。 解答が告げられるのを待っていて、右なら右、左なら左と誰かが教えてくれたなら..

自分で考え、自分で指し示した道を行くということは、真に開放された自由人であるという証明であり、時に厳しい道でもあります。

「マーケティングに唯一の正解はない」 ように生き方にも唯一の正解はありません。 人生も人と同じことをするか、そうでないかを選択する戦略的マーケティングでもあります。