創発企業経営

起業13年目の会社の経営、事業報告

ハイパーインフレの悪夢

2013年02月17日 | 経営
昨年末以来、日本市場の株価上昇が好意的に受け止められていますが、既に円安の影響がガソリンや灯油の物価上昇として現れてきています。

日本経済にとっては、円安による企業損益の改善の方か輸入物価の上昇よりもメリットがあるという前提のもとに実行された政策と思われます。 懸念される点は、設定された物価上昇目標のような緩やかなレベルもインフレにとどまらず、超インフレと呼ばれる状況を招かないかということです。

第1次大戦後、ドイツをハイパーインフレが襲い、ドイツは国家破綻を経験しました。 この歴史について記したのが、アダム・ファーガソン著 ハイパーインフレの悪夢 (新潮社)です。



過去の歴史から学べることと学べないことがあります。時代や環境も異なります。

しかし人間が悪性インフレを経験したとき、どのように反応するかということは、現代の日本人にとっても記憶しておくべきことではないかと思います。

この本の原題は " When Money Dies" です。

この本に池上彰氏が序文を寄せています。

池上氏は、「貨幣が死ぬ」ということについて次のように述べています。

近代において、貨幣とは「共同幻想」です。中央銀行が発行した紙切れを、貨幣であると誰も信じるからこそ、貨幣として通用するのです。そんな共同幻想によって支えられている以上、人々の信頼が失われれば、それはただの紙切れになるのです。

この本の著書(アダム・ファーガソン)はこう書きます。「貨幣はただの交換手段に過ぎない。1人以上の人に価値を認識されて初めて、使われるようになる。認識が広まれば、広まるほど、それは便利になる。誰も認識しなければ、ドイツ人が学んだように、その紙幣には何の価値も用途もなくなる」

貨幣の価値が認識されなくなる時、当時のドイツでは人々はどのような行動を取ったのでしょうか? 

それは結果的に、ナチズムの台頭と第二次大戦を招く環境を提供することになりました。

音声認識ソフトウェア (2)

2013年02月03日 | 経営

AmiVoice の開発元のアドバンストメディアはマザーズ上場でこれまで3期連続経常赤字でしたが、昨年から当期利益は黒字化しています。 昨年のROE(自己資本利益率)は実に52.99% でした。

ソフトウェア産業の常として、一定量を超えれば開発済みのパッケージソフトの売り上げは原則的にすべて利益になります。 音声認識市場は今後5年間は16.2%拡大し、2017年には1130億米ドル(約10兆円)になるという調査もあります。 音声認識市場がブレークしつつあるとすれば、非常に有望な投資先企業です。

音声認識技術を持つ企業の有望性を判断する場合、個人的には AmiVoice は日本語しか認識できないという欠点を感じます。 音声認識市場においては、国内だけの市場規模は単純人口比で世界市場の60分の1に過ぎません。

個人的には単純な辞書機能として音声認識を使用したいというニーズに加え、英語による音声入力を使用したいというニーズがあり、英語入力もできるドラゴンスピーチの新バージョンを使用してみたいと思っています。 

世界市場で成功した日本のソフトウェア企業がほとんどないのは言語が制約になっているように感じます。 認識方法によるのでしょうがAmiVoiceが言語が変われば音声認識ができないとしたら多言語認識ができるソフトウェアと比較した場合競争力が限られるように感じます。

音声認識ソフトについて、2008年に勝間 和代氏が 「効率が10倍アップする新・知的生産術―自分をグーグル化する方法」の中で取り上げていましたが、私は2003年ころから注目していました。

勝間氏が使っていたのは 旧バージョンのドラゴンスピーチ2005でしたが、認識精度を上げるためには、ソフトウェアに「学習させる」時間がかかると書いていました。 AmiVoice もドラゴンスピーチも昨年新しいバージョンが発売され、さらに認識精度が高まったようです。

 

いずれにせよ 文章を沢山書く人たちにとって、音声認識ソフトの使用は、今後ますます広まっていくのではないでしょうか。