情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

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朝鮮学校除外問題、外国人参政権問題にみる近視眼的考え方の跋扈…日本市民は脳なしになったのか

2010-03-14 11:08:15 | そのほか情報流通(ほかにこんな問題が)
 民主党は、高校無償化の朝鮮学校への適用について、4月からは行わない方針を明らかにした。もう少し基準について検討するのだそうだが、これについて、批判的な声が過半数を占めているという話は残念ながら聞かない。また、外国人参政権についても、特定の自治体に「外国人」が住所を移し、その自治体を乗っ取り、将来的に日本が乗っ取られるなどという妄想を信用して反対する人が結構いるらしい。

 いつから日本の市民は、脳なしになったのだろうか?

 高校無償化問題についていえば、差別的な待遇を受けることで、朝鮮学校で学ぶ多くの若者が日本国家及びそれを支持した市民に対してどのような感情を抱くかを考えてみれば、差別的取扱いをするべきではないことは明らかだ。

 日本に住む彼ら彼女らは、今後も、現在と同じく日本の市民として生活を続けるわけだ。そのような人々に向かって、いきなり、差別をしてしまえば、日本国家及びそれを支持した市民に対してよい感情を持つはずがない。そのことが将来の彼らの行動にどのような影響を与え、それがそのほかの市民との間でどのような問題をもたらすかを考えて欲しい。

 たとえば、「出て行け」、というだけでなく、現実にそれが実現するのであれば、いまのうちから差別をしてしまうという選択肢もありうるかもしれない。しかし、現実には、そんなことは不可能だ。すでに日本における結婚のうち20組に一組は片方が外国籍の配偶者となっており、東京ではさらに高く10組に一組という状況だ。その状況で、外国出身者出て行けなんて言えるはずもないし、朝鮮半島出身者だけに出て行けなんて言えるはずもない。(参照→http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/a3b58bb405dc8f6786a64049e54a6c54)

 だとすれば、いかに、将来、日本市民として共生していけるかを考えるほかなく、そのために、日本国家や彼ら以外の市民が彼らをどのように受容するかが重要となる。

 差別しても、相互の対立感情をあおるだけであり、問題の解決にはならない。

 日本の市民は、拉致などの問題に目を向けさせられてしまい、このような長期的な観点で物事を考えることができなくなっているのではないだろうか?

 外国人参政権については、反対する人は、少人数の自治体が外国人によって乗っ取られ、それが最終的に日本という国が乗っ取られることにつながるのだという。

 馬鹿じゃないだろうか。

 もし、仮に、特定の自治体で日本国籍の者が差別を受けるようになったら、その時点で地方参政権について見直しをすればいいだけのことではないか。いったい、何を恐れているのか?恐れている人はこれまでの人生で投票を一回もしたことがない人ではないのだろうか?問題が起きれば、投票行為によって修正することは十分に可能なはずだ。

 この問題についても、結局、一自治体において、外国人人口が過半数を占めて、外国人に有利な政策をとる首長や地方議員が選出されるということまでの短期的シナリオは思いついても、それ以降、さらに、それが現実にいかにほかの自治体に拡大していくのか、などという長期的な視点で考えることをしないまま、短絡的に恐怖感をあおっているに過ぎない。

 話は少し変わるが、産経新聞は、朝鮮半島から強制徴用され、そのまま日本にとどまった人の数が実は少ないという報道をした。強制徴用された人は帰国し、それ以外の形で日本に来た人が自発的にとどまった人の方が圧倒的に多いのだという。

 そのようなデータにいったい、何の意味があるのだろうか?

 戦後、朝鮮半島は、内戦に陥り、北では非人道的な独裁体制国家が出現し、南では人権を無視した軍事政権が長く続いた。産経新聞の報道に賛同する人は、朝鮮半島出身者はそのような人権侵害国家に帰るべきだったというのだろうか。

 そもそも、日本による韓国併合がなければ、朝鮮半島において、このような悲惨な事態は出現しなかった。また、強制徴用労働者以外の形で、日本に来ることもなかったはずだ。

 ある意味、戦後日本にとどまることを決意した朝鮮半島出身者は、難民であり、その難民を作り出した責任は日本にあるといえる。そのような背景を考えれば、「自発的にどどまっただけだ」という議論の浅薄さが明らかになる。


 実際には、日本は、現在、北朝鮮で抑圧されている多くの市民、悲惨な刑罰を加えられているであろう多くの市民に対して責任があるし、韓国軍事政権下で命を失った多くの民主活動家に対しても責任がある。

 朝鮮半島との関わりを考える際には、歴史的にも将来的にも長期的な視野が必要になる。それができないような日本市民になったのは、いったい、誰のせいだろうか?

 
※冒頭の写真は→http://blog.livedoor.jp/awtbrigade/archives/27009901.htmlより

 

【日弁連会長声明】http://www.nichibenren.or.jp/ja/opinion/statement/100305.html

【東京弁護士会会長声明】http://www.toben.or.jp/news/statement/2010/0311.html

【第二東京弁護士会会長声明】http://niben.jp/info/opinion20100304.html

【大阪弁護士会会長声明】http://www.osakaben.or.jp/web/03_speak/seimei/seimei100310.pdf


【コメントから】
難しい理論はいりません。若い世代にわざわざ差別を引き継ぐ愚を犯してはいけない、の一点だけです。わたしはすでに70歳に届こうとしています。この国にある、どうしようもない差別。外国人に対するだけでなく、国民と言われる人の間に厳然として残る差別。部落と言わず、アイヌ、隼人、沖縄の人などに対する差別です。この差別を温存して、「とくをしている」のは、常に権力者側だと思います。そして、外国人の中から、さらに朝鮮人だけを差別する愚。ご指摘の通り、今の権力者だけなら、これで満足なのかもしれません。しかし、それらの人たちもやがて表舞台から消えていくのです。そして、後には苦い差別だけが次世代に引き継がれるわけです。朝鮮の植民地化への反省もなく過ごしてきて、憲法9条を誇れるでしょうか。平和国家と唱えるでしょうか。まして、現政権は「歴史的」といわれる、「政権交代」をはたした、といわれ、その党首は「友愛」を(一応)旗印にしています。友愛が泣こうというものです。これは、現政権の担当閣僚がどうの、拉致担当相がどうの、といった”些末な話”ではないと思います。現政権のおそらく根幹に関わる問題でしょう。そうした政権であるならば、「歴史的政権交代」などという表現は今後一切使いたくありません。



【ツイッターアカウント】yamebun


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