情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

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司法制度改革審議会元会員が合格者3000人維持という的外れの議論を…こんな人にさせたのが間違いだった

2010-03-16 05:38:45 | 適正手続(裁判員・可視化など)
 宇都宮新日弁連会長が選出される前に、司法制度改革審議会の元委員らが、鳩山首相に提出していた法曹養成制度改革に関する提言の全容について、週刊法律新聞3月12日号が伝えている。あくまでも平成22年内の年合格者3000人の実現と弁護士の活動領域拡大路線への制度整備を主張している。しかし、本当にリーガルサービスを充実させようとしているものか、大いに疑問がある。というか、そもそも、この時点に至っても、反省もなく従来と同じことしか言えないことに、司法制度改革審議会の人選に大きな問題があったことを示しているといえる。

 同紙によると、提言したのは、司法制度元委員だった、佐藤幸治・京大名誉教授、佐々木毅・元東大総長、北川恭・早稲田大学院教授、小嶋邦夫・経済同友会専務理事、高木剛・前連合会長の5人。

 内容的には、抽象論として、制度改革を進めることによって、真の法治国家を目指すべきだとしているものの、具体論としては、

短期的には、
1:公務員、国会議員秘書、企業内弁護士などの拡大への制度整備

2:司法修習生となる資格を得た後に自らの法律に関する専門的知識に基づいて弁護士法第5条第2号に列挙された事務のいずれかを処理する職務に従事した期間が通算して7年以上になる者(同条第2号。いわゆる企業法務の担当者や公務員として一定の法律関係の実務経験を得た者です)について、法曹資格を与えることになっているが、その機関を3年に短縮する。

3:弁護士会費を値下げする

4:合格者3000人実現

5:法テラススタッフの500人程度への増員。


中期的には、法科大学院のカリキュラムの向上、司法修習制度の改善
などを挙げている。

 しかし、それで何が解決するのだろうか。本気で市民へのリーガルサービスの拡充を考えているとは思えない。

 問題は、弁護士の増員ではなく、裁判官、検察官の増員であり、弁護士会費の値下げではなく、リーガルエイドの充実だろう。

 いくら弁護士を増やしても、裁判所で受け入れる事件数が増えなければ到底、司法手続きによる事案解決数も増やせない。いくら弁護士を増やして刑事弁護を充実させても、検察官が忙しすぎて警察に操られるようでは、適正な刑事手続きの実現はかなわない。

 また、現状の法テラスによるリーガルエイドは、給付額が低すぎるため、ボランティアベースでしか仕事ができない。それだけで、事務所を維持できるレベルにはなっていないのだ。今年度も年度末を控え、予算が余っているといって利用を進めるファックスが入っている。しかし、ボランティアでしかない報酬では、この状況は変わらないだろう。

 真の法治国家を目指すなら、それなりの資金の投下も必要になる。

 たとえば、30万円の詐欺被害を取り返すために、リーガルエイドから弁護士に30万円を支払うことについて、イエスといえるかどうか、ということだ。

 法治国家を実現するとはそういうことだ。

 それなしに、ただ、弁護士を増やせと言ってきたのが、これまでの司法制度改革だし、今回の提言も、その域をまったく超えていない。

 考えて欲しい。あなたが、昼間依頼した弁護士と夜居酒屋で出くわすシーンを。

 もちろん、あなたがお客で、弁護士がアルバイト店員だ。

 そういう弁護士に依頼したいと考えますか?

 いままさに、そういう状況が始まっている。

 弁護士として登録して1年以上たたなければ、弁護士会の法律相談は担当できない。

 そこで、弁護士会に登録はするが、ほとんど、収入がないため、アルバイトをしてしのいでいる弁護士がすでにいるのだという。

 それどころか、登録すらできなかった者が最新の資格者から数10人現れたとも聞く。

 いくら弁護士を増やしても、そういう弁護士が増えるだけでは、何らの解決にもならない。

 おそらく、宇都宮弁護士は、リーガルエイドの拡充や裁判官の増員などを求めるだろう。この路線に対し、マスメディアは、どのように報道するだろうか?

 宇都宮路線は、もしかしたら、マスメディアにとってリトマス試験紙となるかもしれない。


 



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