情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

日本政府が密告者となるとき…入管法改正

2005-06-01 08:58:52 | 適正手続(裁判員・可視化など)
アムネスティ国際事務局から事務局長が来日し日本の人権状況について視察中。NGOとの意見交換会を覗いてみたところ、日本の入管政策の問題点を改めて実感した。

特に、ひどいと感じたのは次の例。

【昨年春には、入管職員がトルコまで出向き、トルコの治安当局(軍、警察)と提携して日本での難民申請者の実家に家人の断りなしに押し入って調査を強行している。つまり迫害を恐れて日本で難民申請している人の情報が、入管当局によって迫害する側の秘密警察に売り渡されている。守秘義務なぞどこ吹く風、それが法の番人。
 日本はただ単に世界に冠たる難民鎖国であるだけでなく、難民迫害大国に他ならない。強制送還された場合の危険性をわざわざ高めておいてからそこに強制送還する、なんとふとどきな「ならずもの国家」であることか。人権抑圧の難民迫害を国連を無視して凶行しつつ、どうして国連安全保障会議常任理事国入りに浮かれているのか。恥を知れ!】http://www.bekkoame.ne.jp/~pyonpyon/fjc/05/02/03j.htmから引用
参照:http://www.bekkoame.ne.jp/~pyonpyon/fjc/04/09/03a.htm

このような調査はトルコ以外にも行っており、なんと、情報交換制度として入管法で制定しようとしているというから驚いた。http://www.moj.go.jp/HOUAN/KEIHO7/refer01.pdf
条文はこうだ。

【九外国入国管理当局への情報提供に関する規定の新設
1 法務大臣は、出入国管理及び難民認定法に規定する出入国の管理及び難民の認定の職務に相当する職務を行う外国の当局(以下「外国入国管理当局」という。)に対し、その職務(出入国管理及び難民認定法に規定する出入国の管理及び難民の認定の職務に相当するものに限る。2において同じ。)の遂行に資すると認める情報を提供することができるものとすること。(第六十一条の九第一項関係)】

まさに、難民を迫害する結果につながる…。


そして、
【2 1の規定による情報の提供については、当該情報が当該外国入国管理当局の職務の遂行に資する目的以外の目的で使用されないよう適切な措置がとられなければならないものとすること。(第六十一条の九第二項関係)】

どうやって、適切な措置をとるんだ!!!!


難民認定のための迫害者の資料を見たことがあるが、直視できないくらいの悲惨さ…。

想像力のない2世議員が牛耳る政府…。
そして、それを許容する私たち…。

続報:http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/514d53df52325a02e19efd06cd24ec51

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21 コメント

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イジメと難民受けいれ (Kuma-Watching)
2005-06-03 02:21:24
TBありがとうございます。

日本という国を覆っている、この排他的体質は、いったいどう説明したらいいのか理解に苦しむところです。

日本の難民拒絶問題とイジメ問題は根っこは一緒だという気がします。

根っこの部分がどうにかならない限り、日本という国は国際社会から認められないでしょうね…。
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まずは知ることから… (ヤメ蚊)
2005-06-05 14:23:11
現在の排他的体質はつくられたもののようにも思います。まずは、知り、知らせることから…。
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Unknown (Ken-U)
2005-06-05 20:34:33
TBをお返しします。

日本の難民に対する排他的な態度には、考えさせられることが多いです。この豊かな社会がどう支えられているのか。

まずは、問題があるということを認識するところからなんでしょう。
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どうも (great-investor)
2005-06-06 22:39:41
どうもTBありがとうございます。

なんか知的なブログですね。

僕の知らない情報がいっぱいありそうなので、また覗かせていただきます。
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はじめまして (ken)
2005-06-07 23:53:30
TBありがとうございます。

世の中捨てたものではないと思うこともあれば、これはどうなんだろうと考えさせられることもあってつらいですね。



私も知人と地域で日本に来ている外国の方の支援のための「ふれあい地球人」という支援のためのボランティア組織を立ち上げようとしています。

どうなるかはわかりませんが、1対1の人間関係になり交流することから、文化の違いや、考え方の違いを理解するのがもっとも近道な気がします。

今こまっていることを少しでも助けてあげて、日本がよい印象として記憶に残ってほしいです。
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初めまして (他人丼)
2005-06-09 19:55:32
>昨年春には、入管職員がトルコまで出向き、トルコの治安当局(軍、警察)と提携して日本での難民申請者の実家に家人の断りなしに押し入って調査を強行している。



一見、酷いことのようですが、日本でも令状があったら家人の断り無く立ち入れます。



トルコの捜査機関の協力の下に、合法的な調査活動であれば、許されるのではないでしょうか?



>入管当局によって迫害する側の秘密警察に売り渡されている。守秘義務なぞどこ吹く風、それが法の番人。



トルコの治安当局=秘密警察なのでしょうか?トルコは民主主義国ですから、警察、軍=秘密警察だとは思えません。



>難民迫害大国に他ならない。強制送還された場合の危険性をわざわざ高めておいてからそこに強制送還する、なんとふとどきな「ならずもの国家」であることか。



強制送還されるのは迫害のおそれがないと判断される場合なのだろうし、トルコ内での調査活動にトルコの治安当局の協力を仰ぐのはやむを得ないでしょう。もし、独断で日本政府が調査を行ったら、露見した場合は外交問題になります。



>想像力のない2世議員が牛耳る政府…。



難民政策と二世議員との因果関係が不明ですが。
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迫害の実態をご存じですか? (ヤメ蚊)
2005-06-09 22:05:03
「クルド人はもっとも酷い迫害のされ方をしている民族のひとつだ。特にトルコでは未だにまともな人権を持たず、クルド人たちは自分たちの言葉や民族的な名前をつけることも許されていない。トルコ政府はクルドスタンの独立をサポートする人達を逮捕・虐待などを繰り返し、クルド人の住む地域を空爆までしている。

トルコは米国から3.5億ドルの支援を受けている。そのうち3億ドルはベル・テクストロンというテキサスのブッシュ関連の会社からアパッチヘリコプターなどの戦闘ヘリコプターを買うために使われている。このアパッチヘリコプターはクルド人街上空を旋回し、空爆する。空爆は、多くのクルド人達がアパッチヘリコプターの音を聞き分けることがれきるくらい頻繁に行われている。」http://blog.melma.com/00124569/20041031131435



「これに対し、アンカラ政府の軍事専制は凄まじいものであった。トルコ軍はPKK支持とみなした村・町そのものを全面的に破壊し、約三千もの村・町が無人化し、廃墟と化した。都市部ではクルド人政党や新聞の閉鎖命令やクルド人国会議員の逮捕・PKK支援者の暗殺が吹き荒れた。

 そのため、クルド解放闘争にかかわった多くのものたちが国外へ逃れざるをえなくなり、大量の政治亡命・難民が発生した。

 また、あまりにも野蛮な民族抹殺攻撃を前に、九三年よりPKKは一方的に停戦し、トルコ政府との話し合いを何度も呼びかけた。さらに、一九九九年二月のオジャラン議長逮捕に伴い、PKKは「トルコ共和国の民主化」運動に路線変更し、武力衝突は、ひとまず収束を迎えるに至っている。ただし、昨年六月、PKKは一方的にトルコ政府との五年間の停戦を破棄している。[13]

 また、EUへの加盟をめざすトルコは、EUや人権団体からの圧力を受ける中で、民主化へ向けた法整備を進めている。しかし、クルド人はいまだ実質的に権利拡大を手にしていず、クルド人同化・抑圧政策への国際人権団体からの批判は止まない。[14]」http://www.ngy1.1st.ne.jp/~ieg/ieg/inter/vol8-2/kurd.htm



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Unknown (白片吟K氏)
2005-06-09 23:08:48
で、難民政策と二世議員との因果関係は?
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はじめまして (ゆー)
2005-06-10 00:06:11
『ミックスな日々』の管理人ゆーです。

TB有難うございました。



クルド人難民迫害については私も関心をもっているんですが、想像以上に酷い現実なんですね・・・。

他にもヤメ蚊さんのブログの記事は興味を引く内容ばかりなので、ぜひぜひこれからもお邪魔させて下さい~。

えと、私のブログは色々あってしばらくお休みしようと思っているのですが、どうぞこれからもよろしくお願いします。

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それって (jdx)
2005-06-10 00:57:04
問題は、迫害の実体があるか無いか、ということが、政府(=統治者)レベルでの決定に、多くの部分まかされているということからして、問題じゃないでしょうか。

つまり、政府側が形式的に人権を保証し、迫害の事実が無いか、あるいは他の要員に拠るかのように見せかけることに成功すれば、対外的に「難民」とはならない、もしくはものすごくなりにくいわけですよね。



つまり、生活者の立場にたった実体の調査がいつも行われない限り、正確な把握はできないということです。



日本の入官もそうですが、成田空港にしてからが、あの外国人の入国審査の長い列、スムーズに終わる日本人と比較して、対応不足を感じます。逆に本当に防がなければならない犯罪的外国人の流入に対しては、単なる勘ぐりや不適切な例証では、まったく無力ですから。





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