情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

海洋への汚染水放出は基準値内でも政府が止める気なら簡単に止められる!

2011-12-09 06:43:43 | そのほか情報流通(ほかにこんな問題が)
 東電が8日、発表した海洋への汚染水放出については、深夜になって急遽、再検討することが発表された。1週間前から根回しをしていたようだが、実際に発表してみたところ、反響が大きく、いったんは撤回せざるを得なかったのだろう。それにしても、週二回行われている政府・東電統合会見が終了したのが午後8時半前、汚染水放出を急遽撤回した施設運営計画を保安院に提出したのが、午後9時頃だというから、相変わらず、会見を軽視した姿勢が腹立たしい。統合会見の途中で、「一旦撤回」の方針が決まっていたのは間違いなく、それなら、そのように説明するべきであったはずだ。保安院もおそらく、撤回方針を知っていただろうに、記者だけでなく、ニコニコ生放送や岩上安身さんのサイトで生中継を見ている市民をも愚弄する行為だ。

 そこで、久しぶりに会見でのやりとりを報告しておき、政府が本気で止めるつもりなら、基準値内の汚染水を止めることができることを確認しておきたい。

 
 8日午前の東電単独記者会見で、汚染水貯蔵用のタンクが来年3月には満杯になるため汚染水を海洋に放出せざるを得ないと考えていることが発表された。このとき、東電は、排水が認められている法令(「実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則の規定に基づく線量限度等を定める告示」)の基準値内の濃度で放出したいとの説明をしたようだ。

 これを受けた同日夕刻からの政府・東電記者会見では、当然、政府としての対応が質問された。
 
 これに対し、保安院の森山氏は、
「平常時の濃度基準を守ってもらう」(※1)、
「(総量についても)保安規定を変えない限り法令違反にはならない」(※2)、
「法令を満たしている以上、規制機関として止めることはない」(※3)、
「いまの法体系では過去のものを足し算することにはなっていない」(※4)
と明言した。

 また、園田政務官も「追加的に放出するものについても法規制を守る必要がある。法の範囲内で守るように東電には求めていく」(※5)という説明をした。

 つまり、法令の範囲内のでの放出だから、政府にはどうしようもないんだよ~という方向での説明だった。

 ところが、放出量の総量については、東電が定めた保安規定で限度が決められている。そして、この保安規定については、政府が変更を命じることができるのだ。

 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の37条3項には次のように書かれている。

「主務大臣は、核燃料物質、核燃料物質によつて汚染された物又は原子炉による災害の防止のため必要があると認めるときは、原子炉設置者に対し、保安規定の変更を命ずることができる」

 つまり、政府がその気になれば、保安規定を変更し、東電に対して、海洋放出を今後はゼロとするように求めることは可能なのだ。

 したがって、漁連などの関係者は、この条項を盾にして、東電だけでなく、政府に対して、海洋放出をさせないように迫ることができる。この点をぜひ、多くの関係者に伝えたい。

 では、タンクの容量不足はどうするか?

 海に放出する基準値以内のものであれば、最寄の国有林を切り開き、そこに貯蔵設備を新たに設ければよろしいじゃないですか?簡単なことですよ。もちろん、費用は東電持ちで…。日本が海洋テロ国家と後ろ指を指されてブランドを失墜させることは絶対に防がなければならない。

 木野さんとのタッグでの質問の結果、37条3項に気づいた私は、会見ぎりぎりでこの点を指摘しておいた(※6)。

 保安院の森山氏は、「(保安規定を)変えられないと申し上げたつもりはない。保安規定の変更を明示することはできる」と述べるにとどまった。

 なぜ、海洋法水を防ぐためにはこのような手段があるということを説明しないのか、保安院はどちらを向いて仕事をしているのか?



※1 ニコ生 http://live.nicovideo.jp/watch/lv73502240?ref=top の2時40分過ぎ

※2 同上 3時22分過ぎ

※3 同上 2時28分頃

※4 同上 2時33分頃

※5 同上 2時32分頃

※6 同上 3時48分頃

冒頭の写真は東電提供 http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/images/handouts_111112_01-j.pdf




●日本、特に東北・関東の保護者必読の書●

「ICRP Publ. 111 日本語版・JRIA暫定翻訳版」(http://www.jrias.or.jp/index.cfm/6,15092,76,1,html)

「緊急時被ばく状況における人々に対する防護のための委員会勧告の適用(仮題)=109」
(http://www.jrias.or.jp/index.cfm/6,15290,76,1,html)

アメリカ科学アカデミーの文献「BEIR-VII」(Biological Effects of Ionizing Radiation-VII、電離放射線の生物学的影響に関する第7報告)
http://archives.shiminkagaku.org/archives/radi-beir%20public%20new.pdf



◆東電本社の記者会見は、午前11時~正午から始まる単独会見、午後5時ごろからの統合本部会見の2回となっている。インターネットで生中継と録画配信されている◆

 → ニコ生 http://live.nicovideo.jp/ 

   岩上さんのサイト http://ow.ly/4wCEr



◆東電会見に出席し続けている木野龍逸さんへの支援金の振込先口座は下記のとおりです。

 郵便局の振替口座
 口座番号は、00100-5-362362
 口座名称は、木野龍逸支援の会(キノリュウイチシエンノカイ)


 なお、銀行からの場合、
 ゆうちょ銀行
 〇一九店
 当座預金
 0362362
 にお願いします(できれば郵便局の振替でお願いします)。



◆以下参考◆


原子炉建屋とタービン建屋の図。クリックで拡大できます。

   ↓

 


【日弁連の東日本大震災・原発事故災害復興支援活動】
→ http://www.nichibenren.or.jp/activity/human/higashinihon_daishinsai.html





◆参加してみました。クリックお願いします。
   ↓
人気ブログランキングへ

◆持ち込み可視化についてアンケート実施しました。ご協力ありがとうございました。
   ↓
http://blog.with2.net/vote/?m=v&id=57952

【ツイッターアカウント】yamebun


●沖縄への連帯ツイッターキャンぺーン●

【ツイッターアカウント】@BarackObama

【メール】→http://www.whitehouse.gov/contactから


【ツイッター例文】
JAPAN IS NOT US'S COLONY! We won't support US BASE. All US BASE OUT! from our country.

Please HELP Okinawa. 75% of the American bases in JP is in the islands, only 0.6% of JP land. Relocate #Futenma base outside.

Marine in Futenma must go back to your country. There is no place where the base of Marine is acceptable in Japan.

Okinawa and a lot of Japanese oppose the transfer of the Futenma base to Henoko


At least180 MPs of ruling parties say NO to Futenma relocation within Okinawa. Check this http://bit.ly/9jQIW8



 ●今回の原発事故から、原子力村の実態、大手マスメディア経営陣がそれに取り込まれている実態が明らかとなりました。この実態を打破するための仕組みを紹介した拙著を紹介させていただきます。もし、このブログをお読みの方でまだ、これらの本に目を通されていない方は、最寄りの図書館にリクエストしてお読みください。外国でどのような対策が実行されているかがお分かりいただけると思います。今後、3・11の再来を防ぐための具体的な方法のいくつかだと確信しています。








★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて:Gilbert's Nuremberg Diary)
★「News for the People in Japanを広めることこそ日本の民主化実現への有効な手段だ(笑)」(ヤメ蚊)
※このブログのトップページへはここ←をクリックして下さい。過去記事はENTRY ARCHIVE・過去の記事,分野別で読むにはCATEGORY・カテゴリからそれぞれ選択して下さい。
また,このブログの趣旨の紹介及びTB&コメントの際のお願いはこちら(←クリック)まで。なお、多忙につき、試行的に、コメントの反映はしないようにします。コメント内容の名誉毀損性、プライバシー侵害性についての確認をすることが難しいためです。情報提供、提案、誤りの指摘などは、コメント欄を通じて、今後ともよろしくお願いします。転載、引用はこれまでどおり大歓迎です。


最新の画像もっと見る