情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

「国のために」とは?~国旗国歌論争の背景にある個人的見解

2006-09-23 17:35:23 | 有事法制関連
前に一度書いたことがあるが,私は,1945年4月,沖縄作戦に向かった大和ら艦隊が,米軍に一斉に降伏をしていたら,日本の無条件降伏も早期になされ,広島,長崎の原爆投下もなかったのではないか?と思う。少なくとも,沖縄作戦でなくなった多くの方の命は失われることはなかった。

1945年4月,日本の敗戦は,冷静に考えれば,明白だった。その時点では,早期に降伏することこそが,「国のために」行うべき行為だったのだ。

沖縄作戦を指揮した者たちは当然,日本が敗戦に向かっていること,沖縄作戦で多くの者が犠牲になることが分かっていた。そうであるならば,勇気をふるって,「命令に背き」全艦隊を降伏させることが最も「国のために」なることだったのではないだろうか?そうすれば,国民にも厭戦気分が広がり,戦争は早期に解決したはず…。


これは,1つの考えに過ぎない。「国のため」ということが一方向から考えることができないことを考えるための材料のようなものだ。

そして,上で述べたことは国旗国歌論争にもいえると思う。「日の丸」「君が代」に負のイメージを持ち続け,それを伝えることが「国のため」になるのか,ならないのか?

1945年4月,「国のため」に大和を降伏させると言ったら,即座に「非国民」との誹りを受けたであろう。

いま,「日の丸」「君が代」に負のイメージを抱き,そのメッセージを生徒に伝えることは果たして「国のため」になるのか?ならないのか?それは,振り返ったときにはじめて分かることではないだろうか。


第2次大戦の教訓は,「間違っている」と思われる政府批判も,少なくともそれがメッセージ伝達に止まる限りは認めること…ではないか?実は「間違っていない」かもしれないからだ。

したがって,国歌斉唱時に起立しないというメッセージを伝達することが「間違っている」と評価されるとしても,伝達する自由そのものは保障することが,「過ちを繰り返さない」ために必要なことではないか,と思う。





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21 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
接収 沖縄復帰法 (みうら)
2006-09-23 18:43:49
韓国などは、内地人の財産は、接収であり、略奪ではないとしていた。

だから、韓国の土地登記簿が日本人名義なまでよい。

しかし、これはおかしいから書き換えると言い出した。

これは、略奪である。

将来の接収解除がないことになるからだ。



沖縄復帰法百条で、政令に委任しているが、ポツダム命令で、講和措置法で法律とされている、死産の届出に関する規程ー昭和21年厚生省令ーの特例が、厚生省令むにあるのだ。

内閣府沖縄事務局。厚生労働省。沖縄県庁。に各照会したが、返事はないのだ。

 介輔は、いま一人だけで、歯科介輔はゼロだというが。。

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Unknown (izumi)
2006-09-23 21:08:29
プライベートで国旗・国歌に反対の意志を表\明すればよろしいのでは?

都教委はプライベートにまで強制をしているわけではありませんし。

それに、思想のアピールになってしまったら『個人の内心の自由』ではなくなってしまいますが…



あと、軍の作戦行動中に命令を無視すれば、間違いなく処罰対象であり、仮に艦隊責任者がそんな事を言い出したとしたら、即座に拘束され別の者が責任者を代行するだけでは?
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別の例を… (ヤメ蚊)
2006-09-23 21:33:33
フセインの圧政からの解放…では,日本の敗戦も軍部独裁からの解放では?



我がこととなったら,客観的に物事が見られなくなることの危険性…。





特攻隊員への共感とイラクでの自爆テロ(レジスタンス)実行者に対する理解不能感…なぜ,こんなに違うのか?



小泉首相が特攻隊員のために涙を流すのならば,なぜ,イラク自爆テロ(レジスタンス)のために涙を流さないのか?
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Unknown (あなん)
2006-09-23 23:43:57
>そうであるならば,勇気をふるって,「命令に背き」全艦隊を降伏させることが最も「国のために」なることだったのではないだろうか?



これこそ現代の価値観でもって当時の時代を評価しようとする恐ろしい考えかと思います。やはり当時の時代について考察するのでしたら、可能な限り当時の価値観で評価する必要があると思うのです。

当時の連合艦隊はもはや艦隊という体すらなしていなかった訳でマリアナ沖海戦で、もはや航空作戦を行えなくなり、レイテ沖海戦においてその海軍としての機能を喪失しました。そんな状況下で戦艦大和の護衛すらも出来ない艦隊が降伏したってこの戦争を支持した国民に厭戦気分が広がるとはとても思えません。しかも悲しいことに大和に乗り込んだ彼らは軍人ですから、力の限り戦いその勇姿が記憶に残ってくれれば、日本はきっと再興出来ると信じていました。それに戦艦大和が出撃したのは今もって謎とされていますが、これをもって海軍の戦力がゼロになったことを根拠に海軍は降伏を主張しました。まあ、そもそも大和突撃前に政府は降伏交渉について動いてますし。政府の中で外交手腕の優れた人物がいなかったことやヤルタ協定の件もありますし、大和降伏で交渉が円滑に進んだか疑問です。また、その時には米軍の沖縄上陸も始まっていますし、そんな中での沖縄の多くの命が失われることはなかったと断言するには私はちょっと自信が無いです。



ところで、この話のどこに日の丸君が代が関係するのかさっぱりわからないのですが、戦時中たまたま日の丸が国旗で君が代が国歌だったから批判してるのでしょうか?



あ、気分を悪くさせるつもりはなくてですね、ただ今回の裁判のお話でもありましたように、君が代が当時の戦争の精神的支柱とありまして、そんな話は耳にしたことが無かったので、どういうロジックでそのような考えに至っているのかなぁと単純に知りたかっただけです。
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単に「国のため」とは多義的だと言いたいだけですから… (ヤメ蚊)
2006-09-24 00:28:00
確かに,実際に降伏できたかどうか,降伏したことによって日本の歴史がどのように変わったかについては,仮定の話ですから,論争しても仕方ないと思います。



ただ,あの当時,「戦争を終了させるために何をするべきか」を考えることこそが,「国のため」になる行為だったはずであり,それにもかかわらずそんなことを言い出したら民衆からは「非国民」と言われたであろうことを指摘したいんです。
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Unknown (あなん)
2006-09-24 02:03:04
>仮定の話ですから,論争しても仕方ないと思います。



管理人さんが例として取り上げられているので、そのように私も認識しておりますし、私も論争する気はないです。ただ、その割には断定口調されているのが気になりました。



「戦争を終了させるために何をするべきか」ってそれは上記で触れた海軍だけでなく誰もが必死でして、ボーっとしてた訳ではないのです。近衛元首相を特使とし、ソ連を仲介とする降伏案もありましたし、陸軍は彼らなりに戦争終結のために本土決戦を主張しました。それら戦争を終結させるための行為が非国民扱いになっているわけではありません。そんな中で伊藤司令官が抗命し、大和降伏となってもizumiさんが言われるように非国民扱いされる以前に、軍法会議で処罰対象になるだけだと思います。



では話を戻しまして、これに日の丸君が代がどう関係するのでしょうか?



現代では憲兵もいませんし、声を張り上げても民衆に非国民言われませんし、表現の自由もありますし、メッセージ伝達でしたらアプローチ方法は他にいくらでもありますし、国旗国歌論争にこの戦艦大和の例を取り上げている意味があまりよくわからなかったのです。その上で”「日の丸」「君が代」に負のイメージを抱き”とのお言葉に今回の裁判長の”君が代が当時の戦争の精神的支柱”が背景として関連しているのかなぁと思い、コメントいたしました。最初の質問にそういうことを書いていればよかったですね。全然関連していないのでしたら、すみません、私の誤読ですので流してください。ご迷惑をおかけします。



あ、念のためですが、君が代は戦争の精神的支柱では無い!とかそういうのを主張するつもりはサラサラ無くてですね、そういう考え自体が初耳でして、どういう根拠と考えでそのように至ったかに興味を持っただけです。
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国家神道のカルト教義 (解説!)
2006-09-24 13:13:58
明治の鹿鳴館時代、それまでの「水戸史観」を受けて、西洋の一神教に対応する「国家神道」が急造され、絶対神に国家、三位一体に天照・神武・現人神が当てられた。

それは次第に絶対神たる国家に参画するヒトの「絶対的優位」を意味する方向へ進み、現在の靖国史観に集約された。

カルト・サロンは軍人年金・遺族年金運用のインサイダー的特権を持ち、票田としても大変な影響力を駆使した。

国家神道のカルト教義に従えば、内閣総理大臣の「内心の自由」「心の問題」は行動として内外に知らしめるべきだが、たかが雇われ教師は「内心」に留めて行動にしてはならない。

しかし最近の絶対神の位置には、国家でなく米国が置かれている模様。
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Unknown (izumi)
2006-09-25 12:18:50
>解説!氏

ダウト。

『業務中か否か』という視点が抜けてる。

別に、プライベートでまで国旗・国歌に反対するななんて言ってません。

国旗・国歌に関係なく、業務中に我を通す事が一般から見て『おかしい』と捉えられてるということを認識して下さい。
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Unknown (しみずみな)
2006-09-25 14:51:09
>izumiさん

「業務中に我を通す事が一般から見て『おかしい』」

この理屈がお好きなようですが、公務員は「世間の常識」ではなく「法令」に従うのが務めです。違法行為があれば告発する義務も負っています。

(逆に、一般から見て「おかしい」法やルールに従って機械的に仕事をしている公務員を見ても、何とも思いませんか?)

また、学習指導要領の法的効力は大綱的なものにとどまるというのが、今回の判決でも示された一般的な見解です。現場の裁量の余地がある以上、反対者だけが「我を通」しているという見方は一方的ですよ。
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>しみずみなさん (izumi)
2006-09-25 15:37:29
えっと、『今回の判決』が100%のようにおっしゃられますが、国歌・国旗と教師に関する裁判って他にもたくさんありますよね?

それら全てにおいてそのような判断が為されているのでしょうか。

もしそうであるならお詫び申\し上げます。



法令に従うのなら、似たような裁判を何度も起こす必要はなさそうなんですけどねえ。

まあ、それも権利の一つですから、やるなとは申\しませんが。
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