情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

大阪地検特捜部のフロッピー改ざんスクープをものした記者が報道を迷った理由

2010-10-22 08:16:29 | メディア(知るための手段のあり方)
 新聞協会報10月19日番に新聞協会賞受賞者の講演会の様子が掲載されている。そこにはどうにも気になるセリフが二つあった。一つは、「あと10秒早ければ撮れなかった」、もう一つは「他の者への影響が気になった」…。わざと短く紹介しましたが、どの受賞者のセリフか、分かりますか?




 まず後者から。これは、大阪地検特捜部がフロッピーディスクを改ざんした事件をスクープした記者の発言だ。

 彼は、改ざんの情報を察知した際、報道するか迷ったと明かしたという。というのも、「まじめに仕事をしている他の検事への影響などが気になった」というのだ。

 もちろん、結果的に記事化したのだから、この記者を非難するつもりはない。すごいスクープだと賞賛したい。

 しかし、そのような記者でさえ、「まじめに仕事をしている他の検事への影響などが気になった」と発言することに、マスメディアと権力との距離が透けて見えるような気がして残念でならない。

 仮に一個人の犯罪だとしても、何の躊躇もなく、報道することが当然だし、本件のように明らかに最高検まで巻き込んだ組織ぐるみの犯罪ということになれば、報道の必要性は極めて大きい。まじめに仕事をしている検事のためにも、今回の事件は報道すべきであったといえるはずだ。

 そして、この記事を新聞協会報が掲載してしまうというのも、やはり、業界全体の特捜検察などの捜査当局とマスメディアの距離を象徴しているような感じもする…。

 


 前者は、漁船転覆の現場が電波も無線も届かない場所で、放送予定時刻をにらみながら取材したケース。「あと30秒早く現場を離れていたら、撮れなかった」というのだ。

 もちろん、粘って取材することによって活路を開いたことは称賛に値する。しかし、ヘリコプターなどの危険を伴う取材で、「限界での活路」を強調することは、高度を低空にしたり、悪天候をついたり、という無理な取材を是とする方向でのメッセージともなりかねない。

 今回は、燃料の問題ではなく、放送時間の問題での時間制限のようなので、ヘリの安全性に問題があったケースではないと思う。しかし、もし、あと30秒早かったらという発言をするなら、必ず、危険につながる場合は無理をしてはいけないという発言も同時にしてほしいと思う。

 もしかしたら、記者本人は発言したのかもしれない。そうであれば、新聞協会報は、文字数にこだわらず、その点は強調してほしかった。





 いずれにせよ、いけいけ体質は、権力の本質的な問題を追及するときに発揮してほしいもんです。



【蛇足】冒頭は、村木さん無罪判決以前の朝日新聞会社案内。現在は下記のように変更されているが、自らの誤報について責任をとるような記載を盛り込んでいないことが極めて残念だ。間違いを改める姿勢こそが信頼を勝ち取るのだと思う。


朝日新聞の会社案内
 無罪判決以前 http://www.asyura.us/bigdata/up1/source/1852.jpg
 現在     http://www.asahi.com/shimbun/honsya/?ref=6








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