情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

日放労に公開質問!~編集権は重役室にはない!現場にあるんだ!

2007-02-25 21:01:08 | メディア(知るための手段のあり方)
 日放労(NHK労組)が、NHK番組改編事件高裁判決について、とんでもない暴論を吐いていることが分かった。この暴論は経営陣に編集権があるという考え方に与するものであり、直ちに撤回されたい。

 日放労は、高裁判決についてNHKが上告したことについて、

「今後の裁判の行方がどうなるにせよ、協会敗訴となった今回の判決をまずきちんと受け止める必要がある。特に第三者の意図を『忖度した』と指摘された点について、当時の経営の番組編集へのかかわり方や、予算・事業計画の説明に付随する番組説明に対する解釈などをあらためて自省すべきだ。そのうえで、私たち1人ひとりも自らを見つめ直す教訓としなければなるまい。
 一方で判決への違和感が拭えないのも事実だ。とりわけ、取材対象者の“期待権”を条件付きではあれ認めたことは、NHKに限らず放送番組そのもののあり方に影響を与え、放送の自主自立を揺るがしかねないものだ。今後はこうした視点でも裁判を注視していく」

というコメントを掲示しているらしい。

あ●か!

上層部の介入によって番組が改編されたことを裁判所が認定したんだから、①そのことついて、現経営陣がどのように受け止め、再発防止策に努めるのか、②防止策の一環として編集権を現場にあるという内規を設け、経営が現場の編集権を侵さないようにしたらどうか…などと経営者を厳しく追及するべきだろう!

何が、「私たち1人ひとりも見つめ直す」だ。それじゃぁ、まるで戦後の一億総懺悔と同じだろう。責任者を処分しない限り、同じことが起きるんだよ、分からないのか!海老澤が横綱審議会の委員長をしているってことがどういうことか分からないのか!批判しろよ!

しかも、この判決は、

「一審被告NHKの本件番組の制作・放送については,前記認定のような編集過程を経て本件番組を完成させ放送した行為であることに照らすと,前記のとおり憲法で尊重され保障された編集の権限を濫用し,又は逸脱したものといわざるを得ず,取材対象者である一審原告らに対する関係においては,放送事業者に保障された放送番組編集の自由の範囲内のものであると主張することは到底できないというべきである」(62頁)という認定に先立ち、

「同月26日以降,本件番組は制作に携わる者の制作方針を離れた形で編集がなされていったことが認められる」(59頁)と認定している。

つまり、制作現場の制作方針と離れた形で編集がなされたことも「編集の権限を濫用し,又は逸脱した」ことの要素として考慮しているわけだ。編集権は本来、制作現場にあるんだぞ、とこの判決は現場にエールを送っているんだ。

したがって、日放労としては、そこを高く評価して、外部圧力に屈しない内部システムをつくるべく、世論に訴えなければならないはず…。

「判決文をきちんと読んで見解を出したのか」と日放労幹部に問いたい!







★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
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NHKは反省なし…経営委員会委員長、石原邦夫東京海上日動火災保険社長の辞任を求める!

2007-02-25 19:51:39 | メディア(知るための手段のあり方)
NHK番組改編事件高裁判決を受けたNHK側弁護士の見解がNHKのHPに次のとおり、掲載されている。

「昨日の判決の一番の問題点と考えているのは、ドキュメンタリー番組において、取材を受けた者が、番組の内容について期待を持った場合には、期待権という権利が法的に保護されるという判決です。これは例えば、不正等を取材する場合に、その取材対象者が、どのような番組になるかについて権利を有するということであり、例えば、政治家や大企業などを取材する際に、相手から番組に対する介入を招きかねない非常に危険な判決だと考えております。われわれとしては、憲法第21条の表現の自由を制約する、特に制作現場に萎縮が生じる危険性がきわめて高いなど、基本的には憲法論を主張することになります。詳細につきましては、今後、弁護団で詰めていきたいと考えております。」

 片腹痛いとはこのこと…判決は、「本件においては,上記説示のとおり,番組改編の経緯からすれば,一審被告NHKは憲法で尊重され保障された編集の権限を濫用し,又は逸脱して変更を行ったものであって,自主性,独立性を内容とする編集権を自ら放棄したものに等しく,一審原告らに対する説明義務を認めても,一審被告らの報道の自由を侵害したことにはならない。」とまで断罪されたNHKが言うせりふか?!

 ところで、このNHK側弁護士の見解は、日本放送協会第1036回経営委員会でなされたものだが、この委員会の中で、小林緑国立音楽大学教授が、【「ETV2001」については、本当に注目されている問題であり、経営委員会として、いずれ、これに関して時間をかけて議論する場を設けなければならないでしょうし、経営委員会として見解を出すことも考えるべきだと思います。また、NHKとしても、本当に重大な問題として、しっかりと取り組んでいくことを明言すべきだと思います。今、NHKとしても“公共放送とは何か”ということがあらためて厳しく問われており、この機会を逸すると、信頼回復が難しくなるような気がします。このことについて、ぜひご斟酌ください。】と正論を述べた。

 しかし、石原邦夫委員長は、【NHKの対応方針について本日報告を受けたわけですが、本件はすでに上告された係争中の案件となっており、今回の判決に対する経営委員会としての見解は控えたいと思います。今後も、執行部から必要に応じて、状況を説明いただくよう、お願いしたいと思います。】と遮った。

 NHKは経営委員会について「経営委員は視聴者の代表であり、NHKの業務が適切に行われているか、視聴者に対して望ましいサービスが提供されているかなどについて監視・監督しています。」と自ら説明している(ここ)。それならば、小林緑委員のいうとおり、今回の判決を受けて、政治介入に屈することなく業務が適切に行われているか、まさに監視しなければならないはず。石原委員長は、経営委員会が行うべき業務を邪魔したのだから、その責任は大きい。直ちに辞任すべきだ。石原邦夫氏に抗議の声を!!


 




★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
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