情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

メディア規制を飲んででも,憲法改正案の一括投票は残すつもりか~自民党が公明党と合意

2005-12-15 05:44:26 | 憲法改正国民投票法案そのほか
産経新聞によると,【自民、公明両党は十四日、憲法改正手続きの国民投票に関する与党協議会の実務者会合(保岡興治座長)を開き、与党案のメディア規制を大幅緩和し、原則として規制しないことで一致した。民主党案も「原則自由」としており、来年の通常国会で与党が成立を目指す国民投票法案にメディア規制は原則盛り込まれないことになった】という。これで,①投票権者の問題,②投票運動への規制(メディア規制含む),③投票方式の問題(論点ごとのパッケージか,改正案一括での投票か)という3つの主な論点のうち,二つまで(①及び②)自民党は譲った形となる(一つめについてはここ)。しかし,最大の問題は③である(ここ参照)。

自民党は,一括投票のシステムを残すために残余の論点で妥協した。自民党の新憲法案自体も,一括投票を正当化するかのように,変える必要のない細かい改訂を盛り込んだものになっている(ここ参照)。自民党が一括での投票を狙っていることは明らかだ。そして,その狙いの先には9条改悪がある…。

保岡議員は一度は,一括ではなくセットという発言もしたが,それは公式的な見解には至っていない。また,仮に今後,セット方式が原則だという見解を明らかにしたとしても,自民党の新憲法案のような全面的な改訂の場合には,一括で行うという例外を残すと思われる。

【自公両党は同日、民主党に年明けから法案策定のための非公式協議を始めるよう呼びかけた。】(上記記事)

民主党の真価が問われるときがきた…。

同時にメディア規制をはずされたことで,メディアが安心して監視の目を緩めることがないように願う…