情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

鹿砦社言論弾圧事件第1回公判

2005-10-19 22:11:51 | メディア(知るための手段のあり方)
鹿砦社言論弾圧事件の初公判が、17日、神戸地方裁判所で開かれた。パチスロ機製造会社役員らに対する名誉棄損の罪に問われた松岡社長は「(出版は)公共性、公益目的があり不当な言論弾圧」として無罪を主張したそうです(神戸新聞)。

【起訴状によると、被告は二〇〇三年―昨年、パチスロ機製造会社役員の私生活などの内容を書籍二冊や自社のホームページに掲載したなどとされる。検察側は冒頭陳述で「両被告は記事に確たる裏付けがないことは分かっていた」「被告はパチスロ機製造会社と対立する会社の申し出で、批判記事を載せた書籍計一万六千冊を全国のパチンコ店に配布、代金を回収した」と指摘した。】

通り一遍の報道であることに腹が立つ。詳しい報告は放火事件の山岡さんのブログに掲載されています。

この事件は、パチンコ業界という日本最大級の警察癒着企業の裏を追及していた鹿砦社が言論弾圧されたものであることは創11月号に掲載された松岡社長の手記に詳しいので、ぜひ読んで下さい。

西山事件のことを書いたばかりだが、いま、目の前で起きていることにも目を塞いではならない。多くの方にこの事件をお伝え頂きたい。次回の公判について、まもなく鹿砦社のHPに掲載されるはずなので、近くの方はぜひ傍聴に行って下さい。そして、その様子を知らせて下さい。


現代の西山記者事件…

2005-10-19 06:27:04 | NHK番組改編事件
沖縄基地返還に関連して、アメリカが支払うべき軍用地復元補償400万ドルを日本政府が肩代わりする密約があったことを掴み、国会議員にその情報を委ねた毎日新聞西山記者事件のシンポジウムが昨日開催され、途中まででしたが、覗いてきました。

この事件が、スクープとして報じられるべきものだったが政府は密約の存在を否定するだろうから仕方なく国会での追及を依頼したこと、当時政府を追及しきれなかったことがいまの沖縄のあり方に大きな影響を与えていることなどが西山さんや現役の沖縄地元紙記者などから説明された。

聞いているうちに、いま現在進行形である朝日新聞のNHK「番組改変」報道は、まさに、現代の西山記者事件だと実感しました。嘘を突き通す権力、これに対抗しきれなかった新聞社、そしてほかのメディアも書いた新聞社を責める、市民も権力の論点ずらしに乗ってしまう…。

西山事件は、ある意味、歴史になっています。だからこそ、他のメディアも冷静に西山記者の再評価を行いやすい。ひるがえって、NHK「番組改変」報道は、企業としての利害得失がからむだけに、冷静に朝日新聞の特ダネを評価し、それを支えることがしづらいように思う。

しかし、西山事件が現在の沖縄のあり方に大きな影響を与えているのと同様、今回の事件も朝日新聞が屈服すると、将来の日本の政治とメディアのあり方に大きな影響を与えることになりかねない。

西山事件のことを真剣に考えている方に、ぜひ、現代の西山記者事件についても、考えて頂きたい。その際、月刊現代9月号に掲載されている朝日新聞記者の取材のやりとりを一読されたい。安倍中川が今になっていかに嘘を言っているかがよく分かります。朝日新聞の弱腰の上層部に皆さんの声を伝えて下さい。第2の西山事件としないために…。