情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

海外ブログも自民党圧勝による改憲、「アクセス権」導入に注目している

2005-10-04 03:34:27 | インターネットとメディア
英文を引用したりしたこともあって、http://www.japanmediareview.com/japan/blog/Events/799/という海外のブログで紹介された。「アクセス権」は、産経新聞が共産党から反論スペースを求められた際に拒否し、判例上もそのような権利はないと認められた。それにもかかわらず、このような権利が俎上に上がっていることの重大性を看過すべきではない。ちなみに引用されたのは以下のとおり。

Though it sounds much like the concept of open government, what the LDP is after is restricting the freedom of the press, claims the anonymous (but oft-quoted) lawyer and former newspaper reporter who pens a blog titled (loosely) “What We Can Do to Promote the Free Circulation of Information.”

"Behind the deliberating over this right to know, is the political motivation to establish a new right of access. What this is, in effect, is a right of reply that gives anyone who is criticized in the newspapers or on television (politicians have themselves in mind) the right to rebut the criticism in the same space.”

参考:「知る権利」の皮をかぶった「アクセス(反論)権」

NHK番組改変問題について魚住氏のコメント

2005-10-04 03:19:10 | NHK番組改編事件
月刊現代に朝日新聞の取材経過をスクープしたジャーナリスト魚住氏が10月3日発行の日刊ゲンダイで、痛快なコメントをしている。改変問題がこじれた理由の一つは、安倍中川と松尾武NHK放送総局長が朝日の本田記者に対する証言を後になってひっくり返したことだと指摘。「特に中川氏は『(NHK側に)番組が偏向してると言ったんだ。それでも《放送する》というからおかしいじゃないか、ダメだって言ったんだ』と事前に圧力をかけたことをはっきり認めていたにもかかわらず、後になって『当方から放送内容の変更や放送中止に関しては一切言っていない』と頬被りした。これほどいい加減な政治家を各社はなぜ糾弾しないのか。部数拡大のため朝日叩きに血道を上げるのもいいけれど、自分の取材相手が全員そろって前言を覆した場合のことを考えてみたらいい」と述べている。まさに正論である。
思えば、圧力をかけたか否かについては、密室で行われた以上、当事者の言葉によるところが大きい。NHK番組改変問題では、当初の取材で圧力をかけた側も、かけられた側も、圧力をかけ、かけられたことを認めていたのである。それを後になってひっくり返したからと言って、なぜ、ひっくり返した言葉を正しいなどと考える必要があるのか?ひっくり返したことについて合理的理由を示してもいないのに…。
月刊現代が朝日新聞の取材過程をスクープしたことで、NHK番組改変問題は、朝日新聞の記事に間違いがなかったことが明白になったのであり、それにもかかわらず、朝日新聞をバッシングするのは、政治権力を監視すべき報道機関のありようとしてまったく許されないものだ。
森首相神の国発言の際、NHK記者(と推測されている)が対処方法を森首相に伝えたという。朝日新聞の取材のあり方を問題視するメディアは、このときのNHK記者と同じ穴のむじなと言ったところだろう。