tokyo_mirage

東京在住・在勤、40代、男。
孤独に慣れ、馴れ、熟れながらも、まあまあ人生を楽しむの記。

美術館で思ったこと

2014-01-29 23:49:28 | 雑感
新宿、損保ジャパン東郷青児美術館「クインテット-五つ星の作家たち」展。
受付を抜け、展示室に入る自動ドアが開くと、傍らの椅子に座っていた老年女性の監視員が
倒れ込まんばかりに豪快に頭を傾がせて眠りこけており、ドアの開いた音ではっと目覚めたようだった。
絵を眺めていると、やがてその監視員の交代要員の別の老年女性がやって来たが、
2人は、「暖かくて…」とか、膝掛けがいるとかいらないとか、
静まり返った室内で、大して声を落とそうともせずに言葉を交わすのだった。
「お喋りは控えて」の旨のサイン看板は入口に出ているのだが。
ずいぶんプロフェッショナルな意識に乏しい職員だが、ボランティアなのだろうか。
あれで金を貰っているのだとしたら、ずいぶんお気楽な商売だ。
「損保ジャパン退職者の優雅な再雇用」とでもいったところか。

昨日も別の美術館に行った。
東京ステーションギャラリー「プライベート・ユートピア ここだけの場所」。
ある展示コーナーに入ろうとすると、老年男性の監視員にトントンと肩を叩かれた。
映像の展示なので、傍らにあるヘッドホンを使って下さい、という趣旨のようだが(彼は終始無言なのだ)、
正直、その「肩の叩き方」が不快だった。
「大人が幼い子どもを呼び止める時の叩き方」とでも言うのかな。
言葉で表わすとすれば「ねえ、ねえ」とか「君、君」とでもいうような感じの。
少なくとも、ホテルならホテルマンが、デパートなら店員が、
客を呼び止める時にああいうやり方はしないだろう、と思わせるようなものだった。
その監視員もやはり、「国鉄時代採用のJR職員の再雇用」とでも思えるような、
場違いな雰囲気を漂わせる老年男性だった。

働ける年寄りは働けばいい。働くべきだ。
また、「美術館業は接客業・サービス業だ」と言うつもりもない。
ただ、その「場」に求められる、相応しい「物腰」「所作」というのはあるはずで、
それは教えられるまでもなく、状況から察せられて自然に身についていくものだと思うが、
彼らの年代になると、そういったことが難しくなるのだろうか。
自分自身を変えられない、そういう「硬直さ」を、なんだか物悲しく思った。
逆に言えば、そういう彼らを「教育」しようとすることを、遠慮してはいけないのかも知れない。

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