tokyo_mirage

東京在住・在勤、40代、男。
孤独に慣れ、馴れ、熟れながらも、まあまあ人生を楽しむの記。

地元政治家への初めての「陳情」

2016-04-07 14:24:11 | 物申す
自宅近くでかなり長期間に及ぶ建設工事が行われている。
東京都の施設で、施工主も東京都である。

最近、工事の進捗が遅れているのか知らないが、
朝の6時台から夜の10時頃まで工事が行われるようになった。
複数の重機が稼働する重低音や、鉄骨の類がぶつかる衝撃音が家の中にまで響いてくる。
朝も物音で起こされ、夜の寛ぎの時間帯もテレビに負けない物音で常に煩わされている。

それにしても「朝6時台から夜の10時まで」という工事時間は尋常でないと思う。
ここは普段は朝も夜もとても静まり返る「第一種住居専用地域」だから、
こうした騒音は特に際立っている。

東京都環境局のホームページを見てみると、
「建設作業に係る作業時間の制限」として、このようなルールがある。

作業時間:午前7時~午後7時
1日における延作業時間:10時間以内


つまり、朝6時から夜10時まで工事を行うのは、開始・終了時刻の点でも、
延べ作業時間の点でも、ルール違反をしていることになる。

どうやら我慢する必要はなさそうだ。
東京都建設局の工事事務所に、作業時間を見直してもらうよう、電話を入れた。
担当者はいなかったが、代わりに出た職員が、対応しますと返答した。

その後、作業時間は短くなった。朝の7時頃から夜8時頃まで。
依然、違反状態であることに変わりはないが、幾分マシになった。やれやれ、と思った。
しかし、日を置かずしてまた、朝7時前から夜10時までの操業になってしまった。

もう一度工事事務所に電話するのも億劫だ。
ルールを破っているのは向こうであって、理は明らかにこちらにあると思うが、
「またあいつか」と陰口を叩かれるような“しつこいクレーマー”を演じるのはごめんである。

今度は、ルールを制定している東京都環境局の
「大気・騒音・振動・悪臭対策に関する提言・要望等」のアドレスにメールを送った。

「工事発注者の建設事務所へは、騒音苦情が来ている旨を伝え、対応をお願いしました」との返答。
ただし、「騒音規制法、環境確保条例の規制指導についてですが、
現在、法及び条例の規制指導の権限は、区市に移っておりますので、
工事業者への指導等に関しては、××区××課へご連絡をお願いします」とのこと。

東京都のルールを破っている東京都主体の工事について東京都に苦情を申し立てているのに、
自分のところで始末できないで、「区に連絡して」と言ってくるトンチンカンぶりが
いかにも“お役所仕事”だが、その後、再び工事時間は改善されたので、それでよしとした。

しかし、またしても日を置かずして、平然と夜10時頃までの操業が行われるようになった。
この現場はよっぽど焦っているのだろうか。
大型のライトを何基も使って昼間のように明るくして、重機をあっちでもこっちでも動かして、
相当派手にやってくれている。
しかし、土砂崩れとか橋の崩落とかの災害復旧目的ならいざ知らず、急を要する建設工事でもない。
業者の都合で泡を食って工事をされて、長時間騒音出し放題では困る。

さて、どうしたものかと思う。
都の工事について、地元区に苦情を持ち込むのは、それが東京都環境局の指示とは言え、乗らない。
都の監督部局が言っても聞かないものを、区の部署が言って聞くとも思えない。
より“高次の”相手に物を言わなければならない気がする。

そこで思いついた。「地元都議に言ってみよう」。
東京都の行政についての苦情なのだから、当事者に言って効き目がないのなら、
東京都議に言うのが一番だと思った。

ネットで地元区選出の都議を調べ、我が家に近いところに住む3人を見つけた。
あくまで「我が家からの(つまり工事現場からの)近さ」で選んだだけなので、
格段支持する政党でもなければ、投票したこともない都議である。

・自民系A
・維新系B
・地域政党系C


この3人に、騒音で悩んでいること、東京都のルールを逸脱している工事であること、
担当部局に言っても効き目がないこと、そして、具体的な操業時間の改善提案
(「昼休憩1時間を考慮に入れるとして、朝8時~夜7時が妥当では?」)
を縷々記したメールを送った。
今晩も10時まで操業していた、その夜のうちに。

さて、どのようなリアクションがあったか。

いちばん返信が早かったのは維新系B。翌朝10時にはメールが来た。
ただし、「所管部局に聞いて、改めてお返事いたします」とあったものの、
その後、返事は一切なし。よって「放置」とほぼ変わらないので、評価としては「△」か「×」。

次に、Bとは1時間差で、自民系Aから返信が。
こちらは「東京都建設局××事務所××課長に確認した」とあるので、
朝から具体的なアクションを起こしてくれている。
ただ、「ご指摘を踏まえ、施工業者に是正するようすでに伝えてあり、
現時点での工事時間は適正に改善されている、とのことです」との回答。
あのね…。
こちらは夜10時まで操業していた昨晩の歴然たる事実を踏まえてメールしているのに、
「現時点での工事時間は適正に改善されている」もあったものではない。
ナントカ課長に言いくるめられて、それをそのまま口移しで返信しているだけでは、
“ガキの使い”と変わらない。
それじゃこっちは、現状がすでに問題ないにもかかわらず、
その変化に気づけないままギャーギャー喚いているだけの「ピエロ」になってしまう。
ただ、工事担当者に迅速に申し入れをしてくれた行動力は評価したい。よって「○」。

その日の夕方、地域政党系のCからも返信が。
この人のメールが他の2人と異なっていたのは、
「長時間にわたる騒音の苦痛については、さぞたいへんな思いをされたことと思います」と、
こちらの「心情」に寄り添うような一文が入っていた点。
他の2人はどちらかと言うと「社交辞令的な挨拶」と「事実の報告」だけにほぼ終始していた。
政治家なら仕事をちゃんとしてくれさえすれば文句はないのだが、
(僕はどちらかと言えば「情実」には冷淡な方である)
人間性も醸し出せるのなら、それに越したことはない。
CもA同様、ナントカ課長に話を通してくれていた。ただ、Aと違っていたのは、
「業者に対して、時間の規定を厳守するよう現場に対して徹底する、とのことでした」との
言質をきちんと取っていること。
そう、こちらとしてはその一言が聞きたかったわけさ。よって評価は「◎」。

…さて、それ以来もう2,3週間が経つだろうか。工事時間は見事に守られている。

投票だけが政治家への関わり方ではないのだな、と思う。