特殊清掃の依頼が入った。
依頼者は初老の男性で、現場となったアパートの大家。
男性は客面することもなく、礼儀正しく言葉遣いも丁寧。
その語り口は、謙虚な人柄を感じさせるものだった。
いつものごとく、私は、男性と日時を合わせて現地へ。
まずは、男性の要望に従って、現場近くの男性宅を訪問。
男性の腰の低さからは想像できないくらいの豪邸で敷地も広く、何度も番地と表札をみて間違いがないことを確認。
金の力に弱い私は、やや緊張しながら門扉のインターフォンを押した。
男性は、すぐに表にでてきた。
そして、電話と同じ雰囲気で、丁寧に頭を下げてくれた。
私は、玄関先で簡単な挨拶を済ませて鍵を預かるつもりだったが、男性は先に話したいことがあるようで、私を家の中へ上がるよう促した。
足元に置かれた高級そうなスリッパをすすめられた私は、靴下の汚れを気にしながらそれを履き、応接間の扉をくぐった。
通された応接間は豪華、置かれた調度品もまた高そうなものばかり。
一方の私は、くたびれた中年男+貧相な作業服姿。
どう見てもミスマッチな私は、ソファーに腰掛けるのが躊躇われたが、立ったままというわけにはいかない。
背もたれに背中をつけないよう浅く腰掛け、出されたコーヒーの苦味に起こった出来事を重ねながら、男性の話に耳を傾けた。
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依頼者は初老の男性で、現場となったアパートの大家。
男性は客面することもなく、礼儀正しく言葉遣いも丁寧。
その語り口は、謙虚な人柄を感じさせるものだった。
いつものごとく、私は、男性と日時を合わせて現地へ。
まずは、男性の要望に従って、現場近くの男性宅を訪問。
男性の腰の低さからは想像できないくらいの豪邸で敷地も広く、何度も番地と表札をみて間違いがないことを確認。
金の力に弱い私は、やや緊張しながら門扉のインターフォンを押した。
男性は、すぐに表にでてきた。
そして、電話と同じ雰囲気で、丁寧に頭を下げてくれた。
私は、玄関先で簡単な挨拶を済ませて鍵を預かるつもりだったが、男性は先に話したいことがあるようで、私を家の中へ上がるよう促した。
足元に置かれた高級そうなスリッパをすすめられた私は、靴下の汚れを気にしながらそれを履き、応接間の扉をくぐった。
通された応接間は豪華、置かれた調度品もまた高そうなものばかり。
一方の私は、くたびれた中年男+貧相な作業服姿。
どう見てもミスマッチな私は、ソファーに腰掛けるのが躊躇われたが、立ったままというわけにはいかない。
背もたれに背中をつけないよう浅く腰掛け、出されたコーヒーの苦味に起こった出来事を重ねながら、男性の話に耳を傾けた。
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普段お会いする機会のない特殊清掃をされている隊長様の体験談は、色々考えさせられることが多いです。死ぬこととは何か、生きることとは何か。
以前お世話になった整形外科のお医者さん(もう故人です)が、地元の警察のとある署の検死を長年されていて、その方からも病死、自殺等の死体に沢山出会った話を聞いた事があります。この現代で孤独死は減る事はなく、お仕事も精神的にも大変だと思いますが、どうかご自愛下さい。
ずーっと気になってました。
隊長さん 大丈夫でしょうか…(TT)
大変なお仕事、日々お疲れさまでございます。
久しぶりに読みに訪れましたが、変わらず激務を遂行しつづけていらっしゃる隊長さんがいらして、これからの季節を思うと頭の下がる思いです。
隊長のブログは、仕事を通してのある人の人生を、一件一件心を寄せて、ご自身で色々感じていらっしゃることの文章に、こちらも考えさせられ、惹き付けられます。
どうぞお体にお気をつけていらしてください。
何故気づかない?
しあわせだから?
私は自分が何者なのかを知りたくて生きています。
人は必ず死ぬのに、何故頑張らなければならないのか?生きて何をするのか?といつも考えています。物質の塊なのに、意思があり、未来があり、そして最後には死が待っている……私とは一体何なのか……?
どうも仏教(創価学会とかでは無いですよ)は、死の解決を目的としているようなので、勉強しています。生きるのが嫌になったら、是非仏教を勉強していただきたいです。
こうしている間にも何かが死に、何事もないように時が流れていて、そして私もその一部なんだという事が、不可解でなりません。この世の理を目の当たりにして、それを仕事にするというのはすごいことだと思います。
私は汚さを極力排除した清潔な環境で生きていますが、現実はもっと残酷で無慈悲(人間にとって)だと思います。そしてそれが現実だとしても、とても耐えられません。
整備された安心安全な世界で生きている私には、死というものがとても遠いように思えてしまいます。ブログで発信していただき、ちょっと知った(気になっている)おかげで、改めて考えさせられました。ありがとうございます。
これからどんどん暑くなるので、お身体に気をつけてくださいね。失礼しました。
本当にご苦労様、隊長、、
身体を大事にしてね
隊長さんの文はとても読みやすく、考えさせられ、感動を覚えます。
もし自分が大家だったら、どうするだろうなどと考えながら、ひとつ案が浮かびました。
おがくずを大量に用意して、部屋中に撒けば匂いが緩和されるかもしれない。
そうすれば多少なりとも自分でも掃除に入れるかもしれない…
などと、素人の浅知恵で考えたしだいです。