こんな記事がありました。
補充裁判員に聴覚障がい者 手話通訳士が支援2011年11月18日
15日から17日まで那覇地裁で行われた裁判員裁判に、那覇地裁では初めて、聴覚障がい者が補充裁判員に選ばれ、手話通訳士の協力を受けながら、審理に参加した。補助に当たった手話通訳士によると、事前に裁判所と検察、弁護士による進行の打ち合わせがあったため、審理や評議が滞りなく進み、耳が聞こえない補充裁判員も「大丈夫」と応えたという。
法廷では厚生労働省の認定資格を受けた手話通訳士の女性4人が聴覚障がい者を支援した。事前打ち合わせにより、審理では分かりやすい資料や専門用語をかみ砕いた表現での立証が行われた。評議の場では、手話が追い付くように発言は1人ずつ行われ、ホワイトボードやメモを活用するなど、聴覚障がい者に配慮がなされたという。
最高裁判所の同制度実施状況の資料では、2009年と10年に選任された裁判員と補充裁判員で、手話通訳を必要とした件数はゼロ。11年分は集計中で統計がない。
裁判を傍聴していた県聴覚障害者協会の比嘉豪常任理事は「聴覚障がい者の能力にもよるだろうが、今回は分かりやすい資料を見せるなど、理解しやすかった」と語った。同協会から依頼を受けて支援に当たった手話通訳士の石川陽子さん(44)は、聴覚障がい者でも手話によって審理を理解できる対応ができたとして、「障がいは個々人で違うので、今後も今回のような事前調整が必要になる」と語った。