巨匠 ~小杉匠の作家生活~

売れない小説家上がりの詩人気取り
さて、次は何を綴ろうか
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嫌いになれないから嫌い

2017-03-30 20:00:11 | 
真っ黒な双頭の鷲が
二羽の烏を食い荒らす

揺るぎない決意の下
貴方は本当に行くんですね

真っ白なクロスの上
妖しげな光を放つアメジスト

持っていけばいい、必要なだけ
どうせ目当てなんてないんでしょ

貴方が嫌うなら私もそう
お互いによくわかってるでしょ
これで終わりならもうそれでいい
あとは全部お任せします

貴方の香りが今心の中に沁みます
貴方は私をどこまで食い荒らすの
嫌いになれない貴方のことが嫌い
聞き慣れた話し声が心を突き刺す
そんなはずじゃないのに涙が滲む

夜闇が息を飲み込むよ
貴方は貴方の世界を創ると言う
私は夢を追う貴方への餞別を送る

もう行くのならもっと早く行っちゃって
二度と見られない顔ならもう見たくない
そんな我が儘な私を広い心で包まないで
ここでおしまいです、貴方と私
他人同士
無関係
無関心
無表情

嘘、嫌いになれない貴方が大好き
本音がつい心からこぼれ堕ちる
好きなら好きと、行かないでって
一言どうして言えないのかしら

出逢いはいつだって別れとセット
そんなセット販売ならほしくない
でも出逢ってしまう
でも出逢いたくなってしまう
ひとりがとても寂しい
今とても寂しい
きっと明日はもっと寂しい

寄り添う二人

2017-03-30 00:25:24 | 
あの頃の声は
密かに聞こえていた

後戻りできない日々を過ごしてる
あなたとの関わりを持たず歩いている
真面目に暮らしていれば許されるのかな

あの頃の木々は
風に揺られていた

かけがえのない日々を過ごしてる
私との関わりはなくてもいいのかな
宇宙は広がりゆく、私は逃げる必要ない

前だけを見つめて、できることを
もっと、もっと、もっと大胆に
背中で感じて、私の雰囲気を
もっと、もっと、もっと繊細に

あの頃の私達は
可哀想なくらい美しく
気の毒なくらい優しく
春の日のように暖かく
蜃気楼のように透明で
痛々しいくらい真っ直ぐに
走ってみてもいいのかな

泣きたい気持ちが、喉元でつかえるそんな夜
支えてくれる君が横にいてくれれば最高
じっとしててね、そのまま