巨匠 ~小杉匠の作家生活~

売れない小説家上がりの詩人気取り
さて、次は何を綴ろうか
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耐え難い虚無感

2017-03-01 00:03:07 | 
今日という一日は
遠く、儚く、美しく
消え行くように過ぎ去っていく

木偶の坊と揶揄されても
酔生夢死と野次られても
僕のことは僕が決める
僕の隣には君しかいない

僕の弱さは君の強み
君の弱さは僕の強み
お互いに補完関係にあると
気付いたのはほぼ同時

満員電車で窒息していた僕が
今では君のアテンド役なんて
笑っちゃうね、田舎者のクセに
すっかり都会に染まり切って

野原で蝶を追い回していた君が
今ではファッションモデルなんて
信じられないね、年中小麦色の君が
でも過去と無関係な紛れも無い事実

そんな二人が織りなす未来は
なんとなく面白そうだろう
僕は自信を持ってこのペアを推す

世間から見れば不釣り合いでも
本人としたらこれ以上ない相手
いったい誰が僕達の邪魔をする
都会生まれ都会育ちのエリートか

僕は何の肩書も称号も持たないけど
身軽なのが唯一かつ最大の取り柄
世の中に縛られ、型取りされて
あるべき自分を刷り込まれるより
僕はフリーハンドに人生を描きたい

君の選択肢は二者択一
結果は言わずもがな
僕は君の決断に従う
君が見る世界と僕が見る世界は同じ

黄昏、暮れなずむ街並
艶やかに彩る夕暮れの中で
僕はストンと両肩を落とし
自分に残った欠片を探す
僕はいつの間にすべてを失った
僕は宙空に向かって叫ぶ

結局俺には何もない!

空に響き渡る残響を群衆が消し去る
夕闇は無表情で立ち尽くす僕を嘲笑う