ラジヘリ空撮

空撮用マテリアルの開発状況に係る情報発信や、現場での出来事及び、日常の情報発信を致します。

業務用の機体強度に付いて・・・パート4

2012-02-07 08:41:58 | マテリアル
例に因って・・・昨日の続きである。


本来模型機として販売されていた、有るメーカー製のガソリン機を・・・無理やり業務用に
コンバートした時の話である。


この話題も・・・今回で4回目となる。

まだ・・・前項を読んでいない方は、以前投稿したブログを遡って読んでほしい。


そんな訳で・・・メインギヤを新たに製作する事になってしまったのだが・・・新しい部品を、
あまり沢山作ってしまうと、全てを新しく作り直した方が、手っ取り早いし・・・寸法的な制約が無い分
無理なく全ての問題がクリアー出来てしまう。


それに・・・その時既に、この機体の改造と時を同じくして26ccエンジンの
ボアアップ計画も同時進行していた。

エンジンのパワーが上がれば・・・当然、減速比も再考する必要がある。

そんな理由から、純正の歯数で安易にギヤを新作すれば無駄になる事が予想された。

その訳とは・・・ローギヤードになってしまうのだ。

以上の話は・・・今から遡る事、数年前の事で現在の話ではない・・・念の為。


このボアアップシリンダー・・・本来は、空用エンジンのパーツではなかった。

そのシリンダーを、一部追い加工して・・・半ば無理やりに空用の26ccに組み付けたのである。

勿論・・・メーカーからは・・・そんな事は、止めてほしいと言われている。


理由は・・・何とか組み付ける事が出来そうだ・・・と言うだけで、26ccとは、
圧縮比も違えば、吸排気のタイミングも違うのである。

当然・・・訳も判らずに組み付ければ・・・おかしな事になる。

ユーザーの技術レベルは様々なので、メーカーの言い分も・・・至極当然の事だった。


しかし私は・・・何十年も前になるが、ガソリンエンジンの国家資格を取得していたので、
エンジンには多少の知識もあった。

その上・・・ピストンバルブの2サイクルエンジンである。

構造も単純な事から・・・そこは自己責任で、そのシリンダーを26ccエンジンに
組み付けてテストを実施したのである。

結果は・・・概ね良好・・・多少の改善点は浮上したものの、それ以上にパワーがかなり向上した。


この結果から・・・その時点で、メインギヤを新規で製作する事はリスクがある。

新しく製作したメインギヤが、無駄になる公算が益々大きくなってきた。

それに・・・ヘリカルギヤでメインギヤを製作するに当たり、純正と同じギヤ比で設計した場合、
外形が4mm弱、大きくなってしまう。

しかし、改造してパワーが上がった29ccエンジンを搭載すれば、もっとメインギヤの歯数を
減らす事が出来るのである。

純正のメインギヤと同じ外形にする為には、モジュール1のギヤで製作すれば計算上84Tになる。

結果・・・ハイギヤード化出来る事になり・・・パワー・トルク共に向上しているので、
その方が都合が良いと思われるのだが・・・こればかりは試してみないと判らない。

あてが外れて失敗すれば、沢山作ったメインギヤも・・・全て水の泡。


新しく部品を製作する為には、リスクもあるし・・・結構コストが掛るのである。

その為、メインギヤのギヤ比に付いては、更なる熟慮が必要であった。



そう言えば・・・かなり昔の事になるのだが・・・今は亡き、カルトと言うヘリメーカーがあった。

そのメーカーには、GSバロンαと言う機体があったのだが・・・。
この機体、後に空撮用としてロングテール仕様の機体が販売されたのだが・・それ以前の話である。


標準の機体では・・・13Tのピニオンギヤが装着されていたのだが、エンジンのパワー不足から
スパン790mmのローターが使用出来ない為に・・・弊社ではとりあえず、
TSKの10Tのピニオンギヤを流用してテストした。

処が・・・である。

そのギヤ比では、明らかにローギヤードになり過ぎて、エンジンが常に最高回転の90%付近で
回ってしまう。

その為・・・エンジンに、全く余裕がなかったのである。


後に販売されたロングテール仕様の機体でも・・・10Tのピニオンが装着されていた記憶があるのだが・・・。

これでは・・・エンジンを、良い所で巧く使う事が出来ないのでNGである。


そこで・・・弊社では11Tのピニオンギヤを製作する事にしたのである。

どうせ作るのだから・・・スターターシャフトも装着できる様にした。

ペイロードアップシャフトスターターセット・・・とか言って、
弊社から販売もしていたので、ご記憶の方もいるのではないかと思う。


結果的に・・・この減速比は、大成功であった。


その後・・・このクラスのガソリン機では、11Tピニオンが主流になった事は言うまでもない。


また、その頃のカルトのガソリン機には、リコイルスターターしか装着されていなかったのである。


たまたま時を同じくして・・・ある人からガソリンエンジンを搭載したスケールヘリの製作依頼があった。


依頼してきたのは・・・現在、世界遺産などをモーターパラで撮影している、矢○健夫氏である。


彼も昔は、ラジヘリで撮影を行っていて、当時そのメンテナンスを弊社で行っていたのである。

何でも・・・彼はそのスケール機を・・・タイヤのコマーシャルに使用すると言った。

ラジヘリを実機に見立てて撮影するとの事で・・・排気煙やリコイルスターターが
露出している様な機体は、NGだと言う事だった。


そこで・・・そのペイロードアップシャフトスターターセットを組み付けて、広告の撮影を行ったのだ。

リコイルスターターが取り外されたこの機体は・・・マフラーも巧く処理され、ガソリン機とは思えない様な、
スタイリッシュな外観に仕上がったのである。


このCMは、予定通り・・・北海道の各テレビ局で放映されたらしい。


後日、北海道の友人や、北海道に旅行に行った友人から・・・そのCMが実際に流れている事を聞いた。

あのCMに使われていたヘリは、実機ではないのか?と聞かれて・・・少し嬉しかったのだが・・・。

私は・・・そのCMを全く見ていないのである。


CMの内容は、確か・・・大草原に国籍不明のガンメタのBO105が、タイヤの付いていない
フォードモンデオワゴンを、パレットに吊った状態で飛来し、その車が大草原に置かれたタイヤと
合体し、雪原を走り去ると言う内容だった。

そのCM・・・見てみたかったな~・・・残念。


あれ~・・・一体何の話だっけ???

又、話が脱線して、変な方向に話がそれてしまった。

元の話題に話を修正するので・・・また次回。







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