ラジヘリ空撮

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天候不良の中・・・技能講習無事終了

2016-09-09 00:00:00 | ドローン(UAV)
過日、8日間でスタートした企業向けの技能講習だったが、
初日から悪天候にやられてしまい・・・体育館での実技指導となった。



2日目は雨のち曇り・・・従って、止む無く再び屋内での操縦訓練。



弊社の技能講習は業務向けとなっている為に、その殆どがGPS無しの
フライトモードで行なわれ、技能講習時は完全マニュアルモードでも
フライト出来る所まで技量を追い込んで、業務上必要最低限の操縦技能を
習得して頂く事を目指している。


その理由だが・・・GPSを使用したフライトモードに頼っている様では、
実際の業務では通用しない事は勿論だが、その飛行は危険を伴うからに
他ならないからだ。

多分このブログをご覧頂いている方の中には・・・そんな事無いよ~・・・
GPSモードでしか飛ばした事は無いけれど、立派に仕事でフライトさせて
いるよ~・・・と思われている方々も、大勢いらっしゃる?かとも思う。

何故GPSモードに頼ってはいけないのか?・・・その理由は後述するとして
・・・弊社の技能講習では殆どGPSモードでの飛行訓練は行わないので、
屋内での飛行訓練も技能講習初期に於いては、然程問題ではないのである。

しかし当スクールでは・・・屋内での飛行訓練は技能講習初期に限定している。

その理由だが、屋内で飛行訓練をいくら積んでも、気流の流れやその強さの影響
(外乱と呼ぶ)を、正確に操縦に反映させる事は極めて難しいからだ。

GPS機能を利用しないフライトモードでは、高度な操縦技術は必須であり、
操縦技術次第では、強風等の気象条件下では全く飛行させられない事実を
認識しなければならない。

ましてや、操舵した後にコントロールスティックから指を離す、或いは離れてしまう
様では、もはや操縦とは程遠く・・・機体をコントロールしているとは言い難いのである。

多分、この事が理解できない人も大勢いらっしゃるのではないだろうか?



3日目は・・・天候は回復基調だったが・・・風速は最高で7m/s程度あった。

通常実際の作業では・・・こんな強風下?の場合には飛行を中止すべきだと思う
(特に、訓練初期の段階では尚更である)。

しかし・・・強風がどれほど機体に影響を与えるかを体験しなければ、想定外で
風に流されてしまった・・・などと、訳の分からない言い訳をしなければならなくなる
のである。

また、強風下で単独で飛行訓練を行なう事には危険を伴い無理があるので、教習時には
その様な状況下で実際に飛行を行い体験して頂くことで、以後のフライトに反映して頂く
ことが出来ると弊社では確信している。

この手の未熟な操縦技術に関する事故は・・・某テレビ局の社員が某大使館へ墜落させたり、
某電機メーカーが防衛庁で飛行させた挙句、機体が1.5kmも流され民家の植え込みに
墜落し刺さっていた所を通行人に因り発見された・・・など、実例を挙げればキリが無い。

その証拠に・・・今年の4月の段階で既に300機以上のドローンが行方不明になった挙句
拾得物として当局に届けられているのである。
しかし・・・この事実も、氷山の一角でしかない事は明白で、この何倍もの機体が行方知れず
になっていると思われるのである。

この状況は・・・いつ何時、我々の頭の上にドローンが降ってくるかも知れないと言う事実を
示しているのであって、だからこそドローンの確実な操縦技量が求められているのである。



と言う訳で・・・この日は敢えて、屋外での飛行訓練を敢行した。



風速は、常に5m/s~7m/s程度・・・丁度良い風速の中で有意義な体験が出来た。

写真でも確認出来ると思うが・・・パイロン上のフラッグが風下にたなびいている。
これ以上風速が早くなると・・・フラッグは安定したたなびき方から暴れる様に変化する。

写真から、この状態下での機体の傾きを確認して欲しい。

機体は、ホバーリング状態だが、かなり左に傾いているのが見て取れると思う。

この状況下では、常にコントロールスティックを風力に応じて、風上側に適量当て続ける
(操舵)必要がある。

ではこの状態で、コントロールスティックから指を離すとどうなるのか?

機体は即座に風下に流され(写真では右方向)・・・結果、数秒後には風下にある
建物に衝突する事になる。

もしも・・・このブログをご覧頂いて思い当たる節があれば、GPS機能を利用しない
フライトモードでも飛行出来る様に、更なる操縦技能向上に努めて頂きたいと思う。

それから・・・GPS機能を利用したフライトモードでしか飛行できない方が、
GPS機能を利用しないフライトモードで飛行練習を行う場合には、最初は微風程度
(風速1m/s程度)から初めて欲しいし、安全上決して一人では練習しないで頂きたい。

また・・・くれぐれも飛行場所の選定にはご配慮頂きたいと思う。


かくして・・・マルチコプター技能講習会は、今回も無事終了致しました。

御参加頂いた受講生の皆様・・・大変お疲れ様でした。
今回の講習で得た操縦技術や運航上の知識が、今後の業務で活かして頂けますことを
祈念しております。







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