ラジヘリ空撮

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DJI製・・・制御機器の不調

2012-02-24 09:07:20 | マテリアル
ある空撮屋さんから・・・数日前から機体の制御系に変調が表れたとの連絡が度々入る様になった。

最初は・・・GPSモードでエンジンの回転が高くなったとか・・・降下時にエンジンの回転が高くなるとかの
話の様だったのだが・・・それが、時間の経過とともに姿勢制御までおかしくなった・・・との事だった。

電話で出来る限りの助言を与えてはいたのだが・・・症状は一向に改善しない様だった。

どうも電話での話だけでは、肝心な話が伝わって来ないので、こちらも今一ピンと来ていない事も
事実だったので無理もない。

要は・・・何を言っているのか?理解が出来なかったので、適切な助言を与える事が出来なかった・・・と言う事だ。

こちらの理解力の問題もあるとは思うのだが・・・電話を頂く時には予め症状の要点をまとめて頂いた上で、
ご連絡を頂きたいものである。

例えば・・・エンジンの回転が急に上昇する場合は・・・何をどうした時に上がるのか?・・・
ピッチを変えた時に、回転が落ち込む事は有るのか?無いのか?ホバーリング時に何回転で回っているのか?
(正確に)・・・最低でも、その位の情報は必要なのである。

感覚的に、何回転位とか・・・キイ~ンとかボ~と回るとか言われても・・・なかなか理解出来ないのである。

従って・・・機体を持ち込んで欲しいと、話してはいたのだが・・・多忙にて持ち込めないとの返事だったのである。


しかし、撮影を翌日に控え切羽詰まっていた、そのユーザーから、その日の朝・・・突然電話が入った。

その内容とは・・・症状が全く改善しない事から、電話ではラチがあかないので、
そちらに機体を持って行くから・・・良く診て欲しい・・・それはSOSの連絡であった。

たまたま前日出張から帰っていた私も、その方が良いとの判断から快諾した。


3時間ほどした昼過ぎ・・・そのユーザーがお見えになった。


早速、実際に機体を点検する・・・2~3の小さな不備は有ったものの、
それらは10分程度で解決した。

その作業で・・・エンジンの回転変動は恐らく改善したと思う・・・その程度の自信はあった。


しかし、制御系の不具合に付いては・・・依然として原因が掴めない・・・謎???


そこで飛ばして見る事に・・・。

フライトの結果・・・やはりエンジンの不具合は改善されていた・・・先ほどの対策が功を奏した様である。

一つ目のトラブルは・・・難なくクリアー出来た。


しかし・・・いざGPSモードでフライトさせると、位置精度が全く無いどころか、あらぬ方向へ・・・
ヘリが移動し始めた。


これは・・・流石にオカシイ。


フライトモードを、GPSから他に切り替えれば正常に飛行出来ている様なので、
暫くそのまま飛行させて様子を見た。

その症状から・・・IMUに原因があるとは思えなかった。

因って、どうも原因は・・・GPSのアンテナではないかとの結論に達した。


そこで・・・新しいGPSアンテナに交換してテストを行った処・・・先ほどの症状は見事に無くなっていた。


私はユーザーの顔を覗き見た・・・どんな表情をしているのか?・・・ひそかに観察したのである。

そのユーザーは・・・症状が改善した事で、安堵の表情を浮かべていて、さすがに嬉しそうだった。

そんなユーザーの表情を見れて・・・私も嬉しかった。


今回は超・・・稀なケースだとは思うが・・・ほぼ同時に別々の不具合が重なっていた。

その為に、どうもそのユーザー・・・一つの原因から、それらの不具合が・・全て発生したものだと思っていた節がある。

要は・・・勘違いをしていたのである。

自分なりに症状を改善するべく、色々やってみたのだが・・・駄目だった様だ。


その結果・・・そのユーザーは、そのトラブルの事で頭が一杯になり、
数日間熟睡する事も出来無かったよ・・と言う。

そんな訳で、弊社にお見えになった時は、かなり憔悴している様子で・・・今朝も3時に目が覚めてしまって・・・
と言っていた。


普通は、そんなトラブルの原因を、短時間で探し当てる事は・・・容易ではないのである。


そんな時は・・・悩んでいないで、早く機体を持ち込んで欲しい。

餅は餅屋である・・・少なからず、何とかする自信はあるので・・・任せて欲しい。

しかし・・・今回は、たまたま私も会社にいて、交換部品も在庫が有った。

だが・・・難解な制御系を搭載した機体が不調になった時・・・この様に、短時間で全てが良い方向に向かう事は、
極・・・稀なケースだと考える。

部品一つ無くても・・・アウトなのだ。

従って・・・もう少し時間に余裕を持って機体を持ち込んで欲しいものだと思う。


今回のの様に、実際にトラブルを改善する時はに、その症状をよく観察した上で・・・
その症状から幾つかの推論を立て・・・それに優先順位を付けて対策を実践する事が基本である。


それがダメなら・・・又、次の対策を実践すると言う様に・・・カットアンドトライ・消去法で行うのである。

しかし、これは闇雲にやっても意味がない・・・正確な現状把握が重要なのである。


因って、今回の様に症状の見立てを誤ってしまった場合には・・・見当はずれな整備を繰り返す事となる。

その様な場合には、間違った方法で、例え・・・一生、見当はずれの修理をやってみても、症状が改善する事は無いのである。


では・・・何故にGPSアンテナの調子が悪くなったのだろう?・・・その原因は、一体なんなんだろう?


IMUやメインコントローラー等の、制御機器を不具合に陥らせ無い為には、何が重要なのか?

次回は、その辺の考察を行いたいと思うので・・・お楽しみに。





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