ラジヘリ空撮

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業務用の機体強度に付いて・・・パート8

2012-02-12 08:59:37 | マテリアル
前回の投稿では・・・ピニオンギヤの材質や、表面処理に付いて述べた。

模型用のピニオンギヤは、通常S45Cなどの材料で製作され、表面をクロ染めと言う手法で処理をしている。


処が、この黒染め・・・通常は・・・ただ単に、腐食を防止する為に用いられる表面処理法なのである。

因って・・・耐摩耗性やカジリなどには、余り効果は望めない。

別名・・・四三酸化鉄被膜とも呼ばれ、鉄などの表面に酸化被膜を形成させて、錆から製品を守るのである。


それでも、模型に使用する場合は問題ない事は、前回話した。


しかし・・・こと産業機では・・・NGだと言う事も、前ブログで述べた。


そこで弊社では・・・加工会社と相談の上、軟窒化処理と言う表面処理の方法を選んだ。

勿論・・・材料も窒化処理に適した素材に変更し、この表面処理を行っている。

聞くところに因ると・・・具体的には、材料を加熱した上で、アンモニアの中に2時間程度漬けて置く。
すると、加熱したアンモニアガスが原子レベルで製品の表面に浸み込んで化合し、
内部まで浸透拡散する事で、窒素化合物を形成するのだそうだ。


この表面処理法は、耐食性・耐摩耗性・カジリ等に於いて、黒染めとは比較にならない程優れている。

今のご時世・・・高い物は売れないので、模型では黒染めが採用されているのかも?知れないのだが、
産業用では・・・ある程度のコストは度外視してでも、耐久性や安全性(墜落等トラブルが少ない機体)を
重視している。


しかし、いくら産業機用と言っても・・・コストも重要な要素である事は間違いない。

それから・・・弊社では、あくまでも自社消費と言う事で・・・今までこの様な部品を製作する場合は、
最低必要数の50%増しで、部品を外注で作っていた。

それだと・・・とんでもない製品単価になる事が多かった事と、このご時世ではそんな訳の判らない様な部品を
10数個単位で製作依頼しても・・・なかなか取り合って貰えないのである。

因みに・・・ある知人の加工会社の社長曰く・・・お前の言う事を聞いて品物を作っていたら・・・
うちの会社は潰れてしまうと・・・。

しかし、口では何だかんだ言いながら、その社長・・・良く面倒を見てくれるのである・・・感謝。


そんな訳で、その社長・・・簡単な加工は自分でやれと言って・・・その会社で遊んでいたフライス盤を
売りつけられた事も・・・。(なんちゃって・・・本当の処は、嫌がるのを無理やり譲って貰ったのである。)

少しばかりの加工をするのに・・・そんな機械まで買ってどうするの・・・?とも思ったが、
機械が、手元に有るのと無いのでは・・・大違い。

工作機械のお蔭で、諸々のマテリアルの開発(試作)スピードが、格段に速くなった事は言うまでもない。

そんな訳で・・・ラフな試作品は、何時でも出来る様になったのだが・・・精度を求めたモノを数作る事は、
なかなか難しいのである。

そこで・・・今回、ある程度まとまった数量を、加工会社にお願いして製作して頂いた。


でも・・・自社で使いきれない程の部品を、こんなに作ってしまって・・・これ一体どうすれば良いの・・・???





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