内外政策評論 TheOpinion on Global & Domestic Issues

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Policy Essayist

シリア 停戦に関する米ロ合意を歓迎する

2016-03-28 | Weblog

シリア 停戦に関する米ロ合意を歓迎する

 2月22日、米国とロシア政府が、シリアのアサド政権と反政府勢力側に対し、同月27日から一時的な停戦を呼び掛けることで合意した旨発表したことを歓迎する。

 23日時点でアサド政権側も反政府勢力側も一部地域で戦闘を行っているが、シリア外務省は23日、声明を発表し、“過激派組織ISやヌスラ戦線及びそれに関係するテロ組織に対する戦いは続けることを前提として停戦に応じる」としており、アサド政権がISなどのイスラム過激派組織は除き、シリアの反政府勢力側との停戦が実現する可能性が出て来た。

 アサド政権は政権維持、反政府勢力側は反アサドでは一致しているものの地域や部族でまとまりに欠けることから、実効的な停戦が実施できるかが課題となるが、アサド政権擁護のロシアと反政府勢力を支援する米国とが停戦に合意しているので、アサド政権側と反政府勢力側とが27日よりの停戦を実施することを強く期待したい。

 アサド政権と反政府勢力側にとって、また米ロを含む国際社会への最大の脅威はイラク北部とシリア北部を中心として‘イスラム国’を構築しようとしている過激派組織ISであるので、アサド政権と反政府勢力側が停戦を実施し、米ロ両国の支援の下でIS撲滅に当たることが緊要であり、また、このような動きをEUはじめ国際社会がこれを支援することが望まれる。

 しかし残虐な方法で支配を広げ、‘イスラム国’を建設しようとしているISとの戦いは、ジハジス(イスラムの聖戦)とクルセーダー(キリスト教十字軍)との戦いの側面だけでなく、本来的にはイスラム諸国がこのような残虐且つ非人道的な殺りく行為、テロなどの過激な行為や思想を容認するか否かの問題でもあろう。スンニ派が多数を占めるサウジアラビアが同じくスンニ派が核になっているIS勢力を容認するのか、シーア派が多数を占めるイランがアサド政権を支援するだけでなく、サウジアラビアなどと協力して、イスラム諸国が一致してISによる建国の野心と残虐且つ非人道的思想の撲滅に立ち上がることが望まれる。ISの問題は、イスラム諸国間の問題でもある。

2016223.)(All Rights Reserved.


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