内外政策評論 TheOpinion on Global & Domestic Issues

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Policy Essayist

朝鮮学校への高校無償化支援は必要か

2010-03-21 | Weblog
朝鮮学校への高校無償化支援は必要か
民主党政権の目玉政策の一つである高校無償化に関連し、在日朝鮮人などへの民族教育を行っている朝鮮学校(高校部)への無償化支援を除外すべきか否かで揺れている。人権団体からは、人権侵害とか差別として対象外とすることを問題視している。最近では北朝鮮よりの支援は減少しているとは言え、朝鮮学校は北朝鮮や朝鮮総連の支援を受けて来ている。
 子女にどのような教育を受けさせるかはそれぞれの家庭と本人の意志次第であり、朝鮮学校に通学すること自体は自由であろうが、日本国民の税金を使って行う高校無償化支援については、次の理由から除外して良いのであろう。逆に支援対象とすることに違和感を感じる。
 1、基本的に、普通教育の義務化や能力に応じた教育の平等は、日本国民(日本国籍者)に対して定められているものである。高校は義務教育ではないが、高校無償化も原則として日本人(日本国籍者)を対象とするものと思われ、日本に永住するが、出身国の国籍維持を希望し、民族教育や自国語教育を希望する者を対象とする必要もなく、差別にも当たらない。また、日本国籍者でも敢えて日本の通常の教育を受けたくない者を対象外とすることも差別には当たらない。当人の選択の問題であろう。例えば、色々な事情で海外留学をする日本人も少なくないが、無償化の対象にはならないであろう。
 当人の選択で、通常の日本の学校に行かず、朝鮮の民族教育や朝鮮語教育を受けている者を日本国民の税金による無償化の対象外とすることを“人権侵害”などとする意見は極論であり、適正を欠く。朝鮮学校は北朝鮮や朝鮮総連の支援を受けて来ているが、国連人権委員会は北朝鮮の人権侵害を指摘している。
 2、日本の高校等は、公立、私立を問わず教育基本法、学校教育法に基づく通常の学校(同法1条に基づく“1条校”)であり、「公の性格」を持ち、一定の制約を受ける。
他方、朝鮮学校は、各種学校であり、各種学校としての要件を満たす限り認められ、「公の性格」を持たなくても良い。反社会性を持たない限り、国等からの制約も受けない。
何を教えているかは余り問題ではない。「公の性格」を持たない各種学校を、「公の性格」を持つ通常の学校と同様、税金を投じて一律に無償化する必要はないであろう。教育選択の自由であり、無償化を希望するのであればその道は開けている。
むしろ、いじめ、登校拒否、自閉症など色々な理由で通常の高校ではなく、塾その他の施設で教育を受けている者については、無償化その他の支援を行い、社会復帰を支援すべきであろう。(03.10.)(All Rights Reserved.)(不許無断引用)

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