内外政策評論 TheOpinion on Global & Domestic Issues

このブログは、広い視野から内外諸問題を分析し、提言を試みます。
Policy Essayist

リニアモーターカー(リニア新幹線)、越すに越されぬ大井川! ― 大井川陸上(空中)トンネル化を提案する ― (再掲)

2024-07-12 | Weblog

(はじめに)JR東海は2024年3月29日、リニア新幹線の品川―名古屋間について、2027年の開業を断念する方針を明らかにた。最難関工区とされる南アルプストンネル(全長25キロ)のうち、静岡県内での工事を同県が認めず着工できていないためだ。同工区の工事は約10年掛かるとされているので、開業は早くても2034年以降に大幅に遅れる。

 静岡県との協議は既に数年間行われてきており、同県が合意しても少なくても更に10年遅れ、そのための膨大なコストが漫然と掛かる上、大衆交通の利便性が進まないことになるので、社会的コストは計り知れない。現在案では、大井川の下にトンネルを通す方式だが、沿線及び下流の水資源の確保や環境への悪影響が懸念され、それを回避するための上流に人造湖を建設し水を大井川戻す工事も莫大な費用が掛かり、更に今後の急速な気候激変を考慮すると効果と安全性などに疑問が尽きない。

 何故、計画を速やかに変更し、大井川の横断については空中トンネルとしないのか。何事も日本では1度決めると是正できないことが多い。それは官民とも同様の要だ。

このような観点から本稿を再掲する。(追補:2024年3月30日)

 

リニアモーターカー(リニア新幹線)、越すに越されぬ大井川!

         ― 大井川陸上(空中)トンネル化を提案する ― (再掲)

 超伝導リニアモーターを利用したリニア中央新幹線は当初東京―名古屋間の2027年開業を目指して建設が開始された。東京―名古屋間40分の夢の超特急だ。

 しかし大井川の地下に通すトンネルが水の流れに影響し、静岡県の下流への水資源を枯渇させ、流域の農業や生態系等の環境に大きな影響が出るのではないかと懸念され、同県知事が着工を了承していない。各種の環境影響調査、協議等が行われているものの、大井川トンネルの着工が出来ないままとなっている。2029年以降の開業についても見通せず、総事業費は約10.5兆円に増加するとされている。正に、越すに越されぬ大井川だ。

 大井川の下にトンネルを通すことにより流れ出す大量の水を川に戻すなどの案が検討されている。しかしそれには莫大な費用と時間が掛る上、それにより下流での従来の水量が確保出来るかは明らかでない。更に将来予想出来ない豪雨に見舞われた場合、水還流設備は対応出来るのか、またトンネル自体が絶え得るかが懸念される。悪化する気候変動の中で自然の力を見くびることは出来ない。

 そこで大井川の工区だけ陸上トンネル(大井川空中トンネル仮称)とすることを提案したい。恐らく景観の問題等で反対はあるだろうが、景観になじむデザインにするなどにより解決出来るだろう。例えば、トンネルの一部を硬質ガラスでリニア新幹線の通過を可視化すれば、撮り鉄ファンにとっては格好のスポットとなろう。乗客も一瞬の外の景色にほっとするだろう。トンネルの上部に遊歩道を築いて観光化することも考えられる。本件は経済社会問題として検討されるべきであろう。

 大井川工区の陸上トンネル化を行い、リニア新幹線の早期開業を期待したい。

(2023.1.9.) (Copy Rights Reserved.)

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国民1人1人の命を大切にし、安全な国造りを目指そう (再掲)

2024-07-12 | Weblog

国民1人1人の命を大切にし、安全な国造りを目指そう (再掲)

  2022年7月8日の安倍晋三議員(元首相)への銃撃事件は、日本だけでなく国外にも銃規制が厳格で安全と見られていた日本で起こった惨事として大きな衝撃を与えた。

  人の尊厳を傷つけ、命を奪うような行為は決して許されない。

  1、警備強化、規制・制限強化で終わらせてはならない

このような暴力行為は決して許されるべきではない。 現在要人警護の強化の強化が検討されているが、党派を超えて公正、安全な活動の確保を念願する。 他方、昨今身勝手な理由で生徒や幼児を含む一般国民が殺傷事件に巻き込まれ、多くの尊い命が失われているのも事実である。 人を殺める行為はそれが誰であれ許されるものでなく、国民1人1人の安全への取り組みが不可欠である。

  その対応として規制・罰則の強化や警備の強化などで終わらせることなく、時間は掛るが、家庭、義務教育課程、専門学校・大学、各組織・団体レベルにおいて、心の問題として人の尊厳を傷つけ、ましてや命を奪うような行為は決して許されないとの意識の向上を図ることが必要と見られる。

今回のような事件が起こると、ともすると警備の強化の他、街頭演説の規制や道路規制などで終わってしまう可能性がある。 例えば駐停車禁止や駐輪禁止についても、駐停車禁止等の区域が急速に拡大することに加え、規制対象に「放置」という新たな概念を加わり、数分でも車や自転車を離れると「放置違反」となる。 車にしても自転車にしても、目的地で止めておかなければ用をたすことが出来ず、駐停車や短時間車や自転車を離れなければならない需要があるにも拘わらず、至便で料金の安い駐車場や駐輪場、例えば短時間であれば無料で置ける場所は提供されておらず、規制・規制が増え続け、自由な生活空間が年々狭められ、市民生活はどんどん窮屈で閉塞感を増し、 行政になっているように見える。 以前公衆トイレや町中の公園等に多数の禁止事項が貼り出されていたが、最近は少し改善したものの、未だに10項目以上の禁止事項を貼り出している施設、公園なども少なくない。 都内の幹線道路等には禁止事項をはじめとする看板、パネルが増え続けている。 一向に減る様子もなく、「事件発生=規制強化」という行政姿勢が定着しているように映る。 学校も同様で、校則が40、50にも及ぶのは普通になっているようだ。 覚えようもなく、自主性も削がれる。

多分今回も選挙活動中の街頭利用に規制・制限が加えられ窮屈で閉塞感を増すのではないかと危惧される。 規制・制限により一定の目的は達成できるものの、必要な活動が自由に出来なくなり、至便性や自由な行動を犠牲にすることになる。 それで終わるのではなく、必要とされる目的、活動が達成できる代替の場所や施設を提供しなくては適正な行政を行っていることにはならない。 規制・禁止等を行う場合、同時に必要な救済、対応策を提供するという意識が警察を含む行政に不可欠になっているようだ。 「事件発生=規制強化+代替措置の提供」という新しい社会方程式にして行くことが不可欠だ。 それにより社会経済的効率は改善し、市民の閉塞感やストレスが癒えることが期待される。 それが出来ないと、規制が増えれば増えるだけ、違反者も増え続けるけることになる。

歩道を含む道路の管理については、県道、国道などにより所管する官庁(警察、国土交通省)や自治体(都道府県、市町村区等)が異なり煩雑のようだ。 しかし高速道路等を除き、自治体に出来るだけ多くの管理、改善の役割を持たせることが望ましい。 都市を走る幹線道路沿いは、至便性から住宅やコンビニ、スーパー、病院等の施設、商店が増え、「通過のための道路」が「生活道路」に性格を変えているところが多い。 警察行政がその変化に気付いておらず、従来通りの対応に終始しているように映る。 今回のコロナウイルス対策では、地方自治体が大活躍し、市民に近い行政活動として評価される。 都市の市街を走る道路はもはや「通過のための道路」ではないので、信号の敷設を含め、市民生活に近い地方自治体に業務、管理を移管することが望ましい。

規制・禁止等の強化は一定期間必要とすることはあろう。 他方、そのような規則、法律が増えれば増えるほど、違反者も増え、取り締まり強化がされる一方、そのような規制・制限等は何時か破られ事件となり、更なる規則強化という悪循環が繰り返されるので、規制を強化をすれば良いということでもない。 国民のニーズに応える措置も不可欠のようだ。 「事件発生=規制強化+代替措置の提供」という新たな社会経済方程式の実践が望まれる。

 


  2、教育課程を通じたマナーや倫理教育、人間関係と社会教育の充実が必要

  (1)ブッダの不殺生・非暴力の教えは今や刑法となっている

紀元前5世紀頃、ヒマラヤ南麓(現在のネパール ルンビニ郡)で生まれたブッダ(漢字の仏陀は、サンスクリット語を音写したもの)はシャキア部族王国のシッダールタ王子としてカピラ城で育ったが、病・老・死で苦しむ城外の人々を目の前にして、悟りを求めて29才で城を出て、南方のブッダガヤ(現在のインド ビハール州)で悟りを開いた。 シッダールタ王子は悟りを開いてブッダ(サンスクリット語の悟りを開いた者・賢者の意)となり、人類平等の思想に立脚し、生きていなければ悟もないことをまず悟り、生きることを前提として人類共通の課題である病・老・死への向き合い方を説き、不殺生・非暴力等を唱えた。

ブッダは、自らそれを実践した。 ブッダは、コーサラ国のヴイルダカ王が王子の頃シャキアの村人に侮辱されたことを恨み、シャキア王国を攻撃するとの知らせを受け、進軍する路沿いに座り、ヴイルダカ王の進軍を何度も止めようとした。 王は一旦引き返すが、再三に亘り進軍を繰り返し、遂にシャキア部族王国を殲滅した。 ブッダは一人身を挺して進軍を阻み、その間多くの人々に避難する時間を与えと見られる。 他方ヴイルダカ王は凱旋後、火災に巻き込まれ苦痛の中で命を失い、地獄に落ち、そこであらゆる形の苦痛を受け続けているとされている。 その200年以上後に、アショカ王はインド地域の統一を果たしたが、その過程で隣国との「カリンガの戦い」で大量殺戮したことから、ビルダカ王のような末路、殺戮の報いを恐れ、平和と不殺生を誓い、ブッダ教に帰依すると共に、ブッダの教えの普及に努めた。 東の中国方面だけでなく、西はギリシャ、エジプト等まで伝わっている。

紀元前10世紀頃よりイラン高原周辺からインド亜大陸へアーリアンの諸部族が長期にわたり大量 に流入し、土着のドラビダ族等との支配を巡る激しい抗争と融合を経て、16大国時代という相対的な安定期の中でブッダは誕生した。 しかし16大国が割拠しており、支配を巡る潜在的な対立が存在する一方、各部族の域内では人口融合が進展したと見られる。

そのような激動の時代を経て16大国が割拠する時代に不殺生・非暴力を唱えたことは、先駆的ではあるが非現実的と捉えられても仕方ないが、不殺生、非暴力の教えは、弟子が受け継ぎ、その後部族の掟となり、人類の基本的な倫理規範となり、また国家組織が発展するにつれ、秩序維持のための刑法等へと制度化して来た。 しかしこれがひとたび法制化すると、法律、制度で禁じられ刑罰を受けるから人は殺めてはならないとの他律的、受け身的な姿勢となり勝ちで、自らの心の問題、倫理観は薄れる。 そうなると刑罰を受けても良いと考える人や刑務所に入りたいと望む者には、自らの心や倫理観による抑止が薄れ、犯罪に走り易くなるのではないだろうか。

時間が掛るが今行うべきことは、上記でも触れた通り、子供の頃から大学等までの教育課程において、それぞれの年代に応じて基本的な倫理・思想、人間関係や社会性の開発、マナー教育を充実させることではなかろうか。 大学等への進学制度の一環として大学入学共通テスト制度が導入されたことは、機会の公平を確保する上で効果がある一方、義務教育課程や高等学校がいわば共通テストで良い成績を取るために予備校化し、人間として、社会人として必要な基本的なマナーや相互の尊重と心の豊かさ、そして他人の尊厳を傷つけ、 命を奪うような行為は決して許されないというような精神面や基本的倫理の学習の余裕を失わせているのではないだろうか。

この点は、家庭が核家族化し、或いは共働き等で親などとの接触が少なくなって来ているので、これを教育の場や課外活動等で補う必要がより強くなっているようにも思われる。 もう一つの問題は、長期の経済停滞、コロナ禍の下で、成人の仕事の機会、活動の場所が狭まっており、その確保の必要性である。 好ましい仕事も活動の場もなく、長期に実家や一人暮らしで社会から引きこもっている層が多くなっているように見える。 最近、登校拒否生へのきめ細かい対応が出来てきたが、それらの学生に円滑な進学や就職が出来るようにすると共に、成人の引きこもり者への就職、活動の場の照会、斡旋・提供に加え、何でも相談できるソシアル・サービスの充実も必要であろう。 それぞれ個人の問題と言えばそうなのであるが、社会が多様で豊かになる一方、生きがいを見つけられず悩んでいる人たちが何でも躊躇無く相談できる場がもっと身近にあって良いのではないか。 その場で答えを出せなくても良い。 市民生活に近い区や市町村レベルで、本庁だけでなく支所や関係施設にも窓口を設け、夜間もメール等でアクセス出来るシステムが望ましい。

  事件が起きれば取り締まりを強化することになるが、社会から様々な理由で引きこもっている人々を社会に復帰させることによる犯罪の防止と家族・社会に与えている社会的コスト削減となるなど、効果は遙かに大きいので、そのようなソシアル・サービスを拡大することを優先すべきであろう。

 


 3、戦後の新興宗教団体の監査と誰でも何処でも相談できる場が必要

また今回の事件の背景にあった新興宗教団体による問題については、信条、信仰の自由に立脚しつつ、信者への寄付金要請や帰宅・外出などの事実上の拘束などについては、少なくても一定の基準や報告義務を設ける必要がありそうだ。 また「合同結婚式」については、当日まで相手知らない場合も多々あり、韓国人に日本国籍を取得するだめの事実上の偽装結婚や暗示、群集心理を利用した半強制的な結婚など、いわば「心の拉致」、「精神的拉致」とも言えるケースが多数存在し、人権侵害と見られる場合もあるので、これを防ぐための措置を検討する必要がありそうだ。 また第2世代以降への対応については、表面上は家庭内の問題となるので難しい側面があるが、何らかの救済措置が必要と思われる。

特に宗教は、人々の心の安らぎや拠り所等を与えるものであるので、その目的に反し、信仰の力を装って、個人に経済的その他の過度の負担を課し、或いは人権を侵害するような非社会的活動をすることは、決して許されてはならない。 このような行為や活動を霊感商法の禁止に加え、精神的強要罪或いは宗教詐欺罪などの罪として刑法に規定することが望ましい。

また統一家庭連合(旧統一教会)と政治家との関係については、特定議員による関連団体票の割り当てや、同団体票を得て今回当選した参議院議員との関係などが指摘されている。 宗教団体を支持母体とする政党には公明党があり、それが与党の一角を形成しているので、他の宗教団体も政党との関係を強めたい、基盤を拡大する傾向にある一方、旧オウム真理教のように殺傷事件を起こす場合には取り締まれるが、そうでもないと規制することはなかなか難しいところがある。 しかし宗教団体やその関連団体の票を特定候補に割り当てるなどの行為は、個人の自由な選択を阻害するものであるので、公職選挙法などで禁止が検討されても良いのではなかろうか。

 宗教法人は認可を受け、税金優遇措置などを受けているので、戦後、現行憲法の下で認可、承認を受けた一定規模以上の宗教団体については、その活動が届けられている目的や活動に適合しているかなど、信者からの聞き取りを含めて、定期的に監査することが必要のように思える。

 

更に、旧統一教会が戦後日本で行ってきた日本国民の精神的支配と政界との関係拡大の構図は、日本国民の安寧な生活を精神的、経済的に破壊し国家安全保障を損なうものであることが明らかになって来たので、外国の宗教団体及びその関連団体の日本支部組織については、認可、承認において厳格に審査すると共に、 政治活動を禁止する方向で検討する必要がありそうだ。

(2022.7.25. 同7.29.一部補足)

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Exert more Wisdom than Weapons for Ukraine!

2024-07-12 | Weblog

Exert more Wisdom than Weapons for Ukraine!

 Over three-months long armed conflicts persist in Ukraine, and the Russian military forces seem to focus on the consolidation of the control in the two eastern provinces, namely Donetsk and Luhansk, in collaboration with the pro-Russian groups there. At the initial stage, the Russian leadership misjudged that the Ukrainian military might be unwilling to fight back against the Russian troops, keeping distance from President Zelensky, and decided to invade in Ukraine towards Kiev immediately after the air strikes on their Air Force facilities. But the Russian troops met severe resistance as they marched forward to Kiev and resulted in unforeseen damages. The Russian leadership, noticing their misjudgment based on some inaccurate information or wishful analysis, decided to withdraw the troops from the western front and shifted their attack in the eastern provinces and the southern provinces adjacent to Crimea. That would have been the initial military objectives after the expiration on 21st January, 2022, of the Minsk Truce Agreement of 2014.

During the eight-year long Truce Agreement, it was designed to settle the autonomy issue of the two eastern provinces. But such efforts failed, and President Zelensky, instead, openly expressed his intention to become a member of NATO. 

For Russian, the constant east-bound expansion of NATO has been seen as a threat. President V. Putin expressed his view at a press conference in April, 2008, on the occasion of the NATO summit that “any attempt to expand NATO to the Russian borders would be seen as a direct threat”. At that time, NATO expanded its membership from 16 to 26 after the Soviet Union, therefore the East-West Cold War, was over. Now it is embracing 30 countries with the U.S. military bases and the THAAD missiles in Romania.

  1. No justification for the Russian aggression in Ukraine

 Russian invasion in Ukraine cannot be tolerated and should be condemned. In particular, the initial Russian invasion in the western region leading to Kiev invited a strong criticism in the World, in addition to the damages inflicted on the Russian troops.

Every sovereign country has the right to defend itself against any aggression.

In support of such Ukraine’s efforts to defend itself, many NATO member countries including the U.S. and others have been sending weapons after weapons together with other civil support upon request from Ukraine. Also a wide range of economic sanctions against Russia have been imposed by many countries.

Such a support is necessary. But we should exert more wisdom than weapons. Wisdom to stop the armed conflicts and the bloodshed. And wisdom to bring about a peaceful settlement in Ukraine. Further military support, in particular,  sophisticated missiles and other weapons from the NATO countries to Ukraine seems to lower a threshold to a war in Europe. Also a wide ranging sanctions against Russia would adversely affect the World economy sooner or later like a boomerang.

 

  1. Needed recognition of the Co-Existence in the face of the differences in basic values and governing systems in the World

At a time of apparent differences in basic values and governing systems in the World seen in such cases as the Russian invasion in Ukraine and the trade issue with China, we need a practical philosophy governing the World now. There are basically 3 alternatives. Namely, 1) defeat the opponent, completely, if possible, 2) accept the domination by the opponent, or 3) co-existence with different values and governing systems.

The first two alternatives will not be accepted by the other side. The World is divided in these two cases, and a fear of a war lingers. If the World is to be one globe, therefore, Co-Existence seems to be the only realistic alternative.

Democracy is based on human equality, acceptance of diverse values and belief, and pluralism. And given the present nation-to-nation relations which are based on the territorial sovereignty with its own basic values and governing systems, Co-Existence is the realistic philosophy governing the present international relations, if a democratic method is to be applied in handling international affairs as well.

And sometime in the future, the World of Co-Prosperity may happen.

(2022.6.10. All Rights Reserved.)

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北朝鮮は休戦状態の朝鮮戦争終結宣言を望まず? (再掲)

2024-07-12 | Weblog

北朝鮮は休戦状態の朝鮮戦争終結宣言を望まず? (再掲)

 北朝鮮(DPRK)は2022年に入り、1月5日(日本時間)に巡航ミサイルの発射実験を皮切りに、同月11日弾道ミサイル(極超音速ミサイルと公表)、14日弾道ミサイル、25日巡航ミサイル、及び27日短距離弾道ミサイルの発射(各2発)を行った。更に30日、中距離ミサイルとみられる発射実験(1発)を行い、ミサイル発射実験・訓練の実施をエスカレートさせている。30日の中距離ミサイルの発射実験は、2017年11月以来のものである。

 いずれも東方向に発射され日本の排他的経済水域(EEZ)の外側(公海上乃至北朝鮮、ロシア沖の水域)に落下したものと見られている。日本への直接の影響を避け、また長距離弾道ミサイルではなく、短・中距離ミサイルの発射実験であり、一定の抑制的配慮をしているものと見られる。従って日本については、それをわきまえた対応が望ましい。

しかし今回の一連のミサイル発射は「発射実験」と言うよりは「実戦配備」を前提とした周到な「ミサイル発射訓練」とも言えるものもあり、朝鮮半島を中心とする北東アジアの安全保障情勢に現実的な影響を与え、緊張を煽ると共に、国連安全保障理事会の累次の決議に反するものであるので、自制を求めたい。

 1、北朝鮮は「朝鮮戦争終結宣言」を望んでいない?!

 (1)膠着状態の北朝鮮の非核化交渉

 北朝鮮の非核化については、米国のトランプ前大統領の下で劇的な進展が期待された。しかし、2019年2月27、28日にハノイで行われた米朝首脳会談において、米国側は核施設の廃棄・査察と大陸間弾道ミサイル(ICBM)などミサイルの撤去を求め、朝鮮戦争の終結を視野に入れた全面的解決を意図していた。これに対し北朝鮮側は、一部核施設の廃棄の見返りとして国連安保理決議による経済制裁の解除、特に民生用、民需用物資への制裁解除((安保理決議2270号、2375号など5決議関連)を求め、段階的な対応を期待していた。しかし両者間の溝は埋まらず、「取り引き無し」(‘ノーデイール’)で終わり、休戦状態の終了、朝鮮戦争終結の期待も遠のき、非核化交渉は膠着状態となった。

 (2)北朝鮮は休戦状態にある朝鮮戦争の終結を望んでいない!?

2021年1月に発足したバイデン政権は、「前提条件無しの会合」を呼びかけているが、北朝鮮側は応じていない。

 このような中で、韓国の文 在寅(ムン・ジェイン)大統領は2021年9月の国連総会において、北朝鮮、米国、中国に対し韓国と共に「戦争終結宣言」に向けて措置をとることを呼びかけた。同大統領は、2022年5月の大統領任期満了までに南北間の平和プロセスの再活性化と“実質的進展”を希望するとした。

 これを受けて韓国と米国の外交当局が宣言案につき協議し、2021年12月11、12日に英国で開催されたG7外相・開発相会議に際し、鄭義溶(チョン・ウィヨン)韓国外交部長官とブリンケン国務長官との間で「朝鮮戦争終結に関する宣言案」に原則として合意した。

 本来、朝鮮戦争終結のためには、相互に敵対行為を行わないこと、境界の確定と経過措置としての緩衝地帯の設置、国連監視団駐留、北朝鮮の核兵器・ミサイルの撤去と駐留米軍の撤退、相互査察、南北交流の条件など詳細な取り決めが必要になる。しかし今回米・韓両国で原則合意された宣言案は、未だに休戦状態にある南・北間の敵対関係を終了させ、正式に朝鮮戦争を終結させ、和平のための対話を図るというシンボリックな宣言と見られる。

 この文韓国大統領の呼びかけに北朝鮮は応じておらず、「宣言案」起草作業にも参加していない。北朝鮮の金与正国務委員(キム・ヨジョン、金正恩総書記の妹)は、9月に韓国大統領の「戦争終結宣言」提案を受けて、「前提条件が整えば、対面で会い、重要な“戦争終結”を宣言することも可能だろう。そうでなければ、“戦争終結宣言”は紙切れに過ぎない。」と論評している。

 他方バイデン政権は、「前提条件を付さず、何処でも何時でも北朝鮮と会う用意がある。」旨繰り返し述べており、北朝鮮側にもその趣旨は届いているであろう。一般的には、「前提条件無しの対話」はオープンな呼びかけとして好意的に受け止められる。しかし「前提条件」が現在の、と言うよりトランプ大統領時代のハノイでの「取り引き無し」以来の米・朝関係のキーワードである。北朝鮮は、経済制裁の一部解除、特に石油を含む民生用物資への制裁解除が交渉継続の「前提条件」としている。米国が「前提条件」を付さず外交的対話に応じると表明しても、取引には応じないとの意図と受け取られてしまう。

 北京で2022年2月に開催されているオリンピックには、北朝鮮は参加しないことを中国側に正式に伝えている(2022年1月7日)。いずれにしても北朝鮮は、2021年7月から9月に開催された東京オリンピック・パラリンピックに参加しなかったため、国際オリンピック委員会(IOC)により北朝鮮オリンピック委員会の資格が1年間停止する懲戒措置(2021年9月)が課されているので、今回の北京冬期オリンピックにはいずれにしても参加出来ない。北朝鮮が中国側に不参加の正式通報したのは、中国側の面子を潰すことなく金正恩総書記を含む代表団がオリンピック期間中に訪中しないことを示唆するためであったのであろう。同時に、これにより北京における南北首脳会談の機会は消え、「戦争終結宣言」も拒否されたものと見られる。

 米・韓によりまとめられた「戦争終結宣言」は、シンボリックな宣言であっても、朝鮮半島の和平と非核化の出発点として重要な宣言と言えよう。現在の「休戦状態」が継続する限り、敵対関係は継続し、相互に挑発や核兵器やミサイル開発を含む軍拡競争は続けられることになろう。北朝鮮にとっては、「休戦状態」の継続は軍部を含む政権にとって国内引き締め、団結を維持するための都合の良い状態と言える。「戦争終結宣言」は敵対関係から和平に転換する契機となると共に、それが無ければ何時までも敵対関係に呪縛されたままになる恐れがある。

 1月に入ってからの一連のミサイル発射実験・訓練は「戦争終結宣言」を当面望んでいないとのサインと受け取れる。核、ミサイルの排除を巡る北朝鮮との関係は、新たな局面に入っていると理解すべきなのであろう。交渉再開への門戸を開き、外交努力を継続する一方、国連の場で経済制裁の強化、拡大し、それに向けての国際世論の醸成と支持国の一層の拡大努力が必要となっているのではないだろうか。また韓国には戦域高度防衛ミサイル(THAAD)が配備されているが(2017年)、圧倒的な防衛網の整備が急務と言えよう。

 


 2、北朝鮮労働党にとって「特別に重要な年」に誇示したい軍事力

 北朝鮮は、2022年には、2月16日に故金正日(キム・ジョンイル)総書記の生誕80年、そして4月15日に故金日成(キム・イルソン)主席の生誕110年を迎え、「革命的大慶事の年」として輝かせるとしている。

 この「大慶事」に際し、今日の北朝鮮の基礎を築いた祖先の意志を継ぎ、国力を増進させたことを内外に誇示するため、長・中距離弾道ミサイルや短距離戦術兵器を含む軍事パレードを行うと見られる。1月の一連のミサイル発射実験・訓練はその前哨戦と言えそうだ。

 3、慣例となっている米韓合同軍事訓練への北の恒例の激しい反発

 米韓合同軍事訓練は、毎年春と夏に行われるのが慣例になっており、米国が未だに指揮権を持っているので軍事的には必要であろう。2019年6月30日にトランプ米大統領(当時)が板門店を訪問し、軍事境界線を挟んで北朝鮮の金正恩委員長と握手し、挨拶を交わし、北朝鮮の非核化を巡る米・朝交渉への期待感が高まって以降は、平和ムード造りのため米韓合同軍事訓練は中止或いは抑制された形で実施され、また北朝鮮は核爆発実験や大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験が中断するなど、相互に行動を抑制していた。

 米韓合同軍事訓練は2021年には3月と8月に実施されているが、2022年3月に実施することで米韓安保協議(SCM)において合意されており、‘演習日程に変更はない’とされている。

 北朝鮮は従来より、米韓合同軍事訓練が実施される毎に激しい批判を繰り返しており、国内的にも、TVや労働党機関紙その他で米国、及び韓国による北朝鮮侵略の準備であり、北朝鮮はそのような攻撃があれば南を焦土とするなどとして、過剰とも思える激しい反応をして来ている。

 北朝鮮にとっては、隣接する韓国で米韓合同軍事訓練が行われることは、米韓両国の敵対的姿勢として国民に訴え、戦争ムードを演出し、国内引き締めのために格好の材料になっている。恐らく今回も同様の反応をするものと予想される。

 北朝鮮のミサイル等の発射実験や訓練は、米韓合同軍事訓練への対抗として実施するという口実を北朝鮮側に与えているとも言える。米韓軍事訓練については、米国が未だに指揮権を有しているので必要であろうが、頻度や期間を縮小することや、机上訓練や訓練場所を北朝鮮から可能な限り遠い場所で行うなど、刺激しない形で実施することも現実的な選択肢となろう。

(2022.2.11.) (Copy Rights Reserved.)

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