内外政策評論 TheOpinion on Global & Domestic Issues

このブログは、広い視野から内外諸問題を分析し、提言を試みます。
Policy Essayist

シリーズ 被災地の復興、復旧に一つになろう、日本! (その5)

2011-05-01 | Weblog
シリーズ 被災地の復興、復旧に一つになろう、日本! (その5)
 5、復興付加価値税の導入を提案する
 今回の災害対策は、被災地の復旧・復興から原子炉の安定化と放射能対策、そして電力供給対策、放射能汚染食物対策、飲料水対策など、広域、多岐に亘る。従って、災害復旧・復興に係わる膨大な経費、資金から放射能汚染による被害への補償と膨大な費用が必要になっている。第1次補正予算の財源は公債の発行など公的債務に依存しない形で提案される見通しだが、2次以降の補正予算の財源の問題が課題となっている。
 その財源として、消費税増税が検討されており、村井宮城県知事も大災害は日本の何処でも起こりうる事であり、それを「広く薄く負担」する方法として消費税増税が最も適しているとしている。確かに消費税は「広く薄く」網羅的に徴税出来る徴税効果の良い租税ではあるが、今回の災害は福島原発被災事故の影響も考慮すると、被害の範囲は三陸3県に止まらず、浦安他の液状化被害や電力不足による外食・観光産業を含む経済・社会活動への被害など、濃淡はあるが東日本全域に及んでいる。また消費税となると直接の被災者の日常生活物資にも課されることになるので、放射能被害を受けている農業、漁業者を含め被災者にも負担となる可能性が予想される。更に長期の経済停滞の中での消費税増税となれば日本全体の消費は萎縮し、経済回復を遅らせる恐れもある。
 このような観点から国民の消費に課税するとしても、日常生活物資など日常的な必需品は除外する形の「付加価値税」の導入を提案したい。具体的な徴税基準や税率は超党派で緊急に検討すれば良いが、基本的に最終消費段階で例えば単価3万円以上の商品、サービスに対し、5%程度(国税)の付加価値税を課し、更に3%を限度として各都道府県がそれぞれの景況や財政ニーズに従って課税することが出来るようにする。また4~5年間程度の時限立法とする。課税基準や税率については検討を要しようが、日常的な必需品にまでに網羅的に課税する消費税は、被災地はもとよりのこと、日本全体として家計所得が縮小し、就職難の時代には適切ではなさそうだ。無論、付加価値税を課せば一定金額以上のぜいたく品の消費に影響するであろうが、網羅的な消費税よりは被災者や低所得者への負担は軽減されるであろう。また被災地は地方部分の付加価値税をゼロとすることにより被災者の負担を軽減することが出来る。なお付加価値税は、実質的に被災地復旧、復興に充当され、消費を通じての復興支援の意味合いを持つので、そのような意識で消費が促進されることもあろう。
 また地場産業の再興が地域の復興にとって不可欠であるので、親会社や関係企業、団体がそのための融資や出資を実質的に行うことが期待されると共に、国際協力銀行を含む政府系金融による無利子又は年率1%内外の超低金利での融資が強く望まれる。
(2011.04.23.) (All Rights Reserved.)(不許無断引用)

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« シリーズ 被災地の復興、復... | トップ | シリーズ 被災地の復興、復... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事