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ファイト一発!税理士イワサの社長応援ブログ

税理士の岩佐孝彦が社長に“元気”と“勇気”をお届けするブログです。

現金 = 現実 ~ お金で始まり、お金で終わる?

2012年06月05日 | 日記
有名タレントの母親が「生活保護」を受給していた件が
最近問題になりましたね。

この件が契機になり、厚生労働相の発言が自治体の現場
で波紋が広がっているとの記事が先日の日経新聞に出て
いました。


その発言とは、

◎親族の【扶養義務】を厳格に適用する

というもの。



全国の市町村の中で最多の15万人超が生活保護を受けて
いる大阪市でも、こんなことが起こっています。


「父親が5歳の時に失踪し、20年間父親と会っていない、
 25歳の男性がいた。

 ある日その男性のところに大阪市から、内容証明でこんな
 通知が来た。

 あなたの父親が生活保護を受けているから、保護費を払って
 ほしいと…

 大阪市は戸籍謄本を調査し、息子さん宛に通知文を郵送した
 模様。

 25歳の男性は激怒し、そんな費用は一切払えないと拒否。」


さあ、この男性は法的にみても、大阪市からの支払いを拒否する
ことができるのか?


某テレビの「行列のできる法律相談所」みたいになってきましたが、
この男性は法的にこの通知を拒否することはできません。



この法律が根拠となるからです。

★【扶養義務】に関する法律 … 民法第877条

「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある」



つまり、親族間でお金のある人がお金のない人に対し、金銭援助をする
のは義務であると法律に記載されているのです。


これはあくまで【義務】であり、【贈与】ではありません。

よって、「贈与税」ではなく、「所得税」の対象になります。

◎贈与税 … タダで資産をもらった時にかかる税金

◎所得税 … 自分が手にした収入にかかる税金


扶養義務に基づく最低限度の生活費は【贈与】ではなく、【所得】に
なるんですね。

ただ所得といっても非課税ですので、ご安心下さい。



民法で定める扶養義務とは、お金に困っている親族を家に上げて、食事を
出したりして面倒を見ることを指すのではありません。


ここでいう扶養義務とは、最低限度の生活費相当のお金を渡してあげる
ことなんですね。



このように見てみると、法律はほんとにドラスティックです。

人生お金全てでないとよく言われます。

私自身もそう思います。

しかしながら、

★会社経営はお金で始まり、お金で終わる

という側面があるのと同様、

★親族間の扶養義務もお金で始まり、お金で終わる

という現実もあります。


ちょっと寂しい気がしますが、「現金 = 現実」なのでしょうか?


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